自分の店やビルに喫煙室をつくるとき、千代田区の助成は使えるのか。使えるのは、誰でも無料で使える公衆喫煙所をつくる場合だけです。従業員や自店の客だけが入る喫煙室は、この助成の対象になりません。
対象になれば、設置費は最大700万円、維持管理費は年264万円まで(秋葉原・神田の重点地域は最大408万円)助成されます。助成率は設置費が10/10です。
千代田区公衆喫煙所設置助成事業の要点まとめ
正式名:千代田区公衆喫煙所設置助成事業
だれが
- 申請者
- 事業者・団体・個人(国・公社などの公共的団体を除く)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 公衆喫煙所の設置・維持管理
- 対象地域
- 東京都千代田区(設置場所が区内であること)
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(規模の要件なし)
いくら
- 補助上限額
- 設置700万円/維持管理は年264万円(重点地域408万円)
- 補助率
- 設置は10/10。維持管理は賃料10/10・その他8/10
いつ・どこへ
- 申請受付
- 公式ページに受付期間の記載なし(事前相談が必要)
- 公式サイト
- 千代田区「公衆喫煙所設置助成事業の概要」
うちの喫煙所は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 加熱式たばこ専用の喫煙所
- ✕ 自店の客や従業員だけが使う喫煙室
- ✕ 会員登録や料金が要る喫煙所
「1日8時間以上」は「おおむね」の基準で、区が周辺環境を考えて認めれば例外もあります。公道に面した建物の1階に置くことも条件ですが、満たせない場合は、建物の入口に喫煙所であることを表示し、館内に喫煙所までの案内を出せば対象になります。
設備の条件は3つです。喫煙所の入口で室外から室内へ向かう風速が毎秒0.2メートル以上あること。給排気設備で室内の空気を屋外に出すこと。扉をつけ、壁と天井で室外と完全に区切ることです。出入口には、喫煙所であることと20歳未満は立入禁止であることを示す標識も要ります。
店舗の一部を仕切って併設する形なら対象です。ただし店舗で使う備品の購入費や、店舗部分の賃料は対象外になります。
この線が引かれているのは、制度の目的が喫煙者と非喫煙者が共存できるまちづくりだからです。誰でも使えない喫煙室では、路上喫煙を減らす役に立ちません。
いくら戻ってくる?
設置費は10/10で、上限は700万円です。維持管理費は年額の上限があり、賃料と賃料相当額は10/10、ほかの経費は8/10で計算します。以下は、金額を仮に置いた計算例です。
- 内装・給排気工事と備品が500万円かかる:500万円 × 10/10 = 500万円
- 工事と備品が900万円かかる:900万円 × 10/10 = 900万円 → 上限の700万円
- 年の賃料180万円、清掃・光熱費など60万円(重点地域外):180万円 × 10/10 + 60万円 × 8/10 = 228万円
- 年の賃料240万円、清掃・光熱費など120万円(重点地域外):240万円 × 10/10 + 120万円 × 8/10 = 336万円 → 上限の264万円
年額264万円は月に直すと22万円です。年の途中で設置したときは上限が月割、賃料が日割で計算されます。賃料に管理費が含まれて内訳が分からない契約だと、賃料の助成率は8/10に下がります。
秋葉原・神田の重点地域は維持管理費が増える
令和8年5月1日から、秋葉原・神田エリアの一部が重点地域に指定されました。重点地域では、喫煙所の面積と夜遅くまで開ける時間に応じて、年額の上限が次のように変わります。対象は令和8年4月1日以降に発生した経費です。重点地域の運営時間は、おおむね1日12時間以上が条件です。
| 開放時間 | 5〜15㎡未満 | 15〜20㎡未満 | 20㎡以上 |
|---|---|---|---|
| 20時台まで(12時間以上) | 312万円 | 312万円 | 312万円 |
| 22時台まで(14時間以上) | 336万円 | 348万円 | 360万円 |
| 24時台まで(16時間以上) | 360万円 | 384万円 | 408万円 |
拡充されるのは維持管理費だけで、新規設置の700万円は区内どこでも同じです。自分の番地が重点地域に入るかは、区の指定地域一覧(町名・丁目・番で示されています)で確かめてください。
何に使える?
対象にならないもの
- 店舗で使う備品の購入費
- 店舗部分の賃料
- 国など他の団体から補助を受けた部分(その額を差し引いて計算します)
対象になるもの
- 設置費:内装改修(給排気設備の取付工事など)、出入口の扉、空気清浄機・灰皿・椅子などの備品、防犯カメラ
- 更新費:運営開始から5年たった後の設備の修繕・取替(上限300万円)
- 維持管理費:賃料または賃料相当額、水道光熱費、空気清浄機の保守、清掃・ごみ処理の委託費、火災保険料
- 地域共生経費:区の環境測定の結果などから、周辺地域との共生に役立つと区が認めた工事や備品(上限200万円)
維持管理費の助成は、原則としてこの助成で設置費を受けた喫煙所が対象です。すでに運営中の喫煙所は、対象にできる場合もあるので相談するよう、パンフレットに書かれています。
喫煙所の中に自動販売機を置くことや、ポスターを貼る広告事業は認められています。
申請の流れ
- 区の安全生活課に事前相談する(事業者→千代田区 安全生活課。申請の前に必ず)
- 交付申請書と添付書類を出す(事業者→安全生活課。現地調査もあります)
- 交付決定を受ける(区→事業者。書類審査のあと)
- 工事を契約して着手届を出す(事業者→施工業者・区。着手届には契約書の写しを付けます)
- 工事を終え、完了報告を出す(事業者→区。完了検査のあと)
- 助成額が確定し、請求書を出して受け取る(区→事業者)
維持管理費だけを申請するときは交付申請書に費用の内訳が分かる書類を添えます。一括前払いと後払いを選べ、前払いを選ぶなら年度の始めに出します。
契約や発注の順番は、パンフレットの流れ図では交付決定のあとに置かれています。契約前に、必ず窓口で順番を確かめてください。
必要な書類(設置費を申請するとき)
準備できた 0 / 11
登記事項証明書は発行から3か月以内のものを出します。見積書は、「工事一式」とは書かず、内訳を載せたものに限ります。補助を他から受けているときは誓約書の代わりにその内容と内訳が分かる書類を出します。
屋外のコンテナ型喫煙所では、このほかに建築確認済証の写しと検査済証の写しなどが要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 5年たたずにやめた:運営開始から5年を待たずにやめると、設置費の助成額の一部を返します。1年未満なら全額、1年以上2年未満は4/5、2〜3年は3/5、3〜4年は2/5、4〜5年は1/5です。
- 要件を欠いた:無料でなくなる、排気設備を外す、扉を開けっぱなしにする、といった状態になると、区が交付決定を取り消すことがあります。
- 苦情に対応しない:周辺からの苦情は、設置した側が自分で対応します。区の調査や面談に正当な理由なく応じないときも、取消しの対象です。
- 実質的に休止した:喫煙所の機能が止まって事実上運営されていないときも、廃止と同じ扱いになります。
返還は、賃貸借の残り期間が5年に満たない場所では大きなリスクになります。契約期間とテナントの入れ替わりの見込みは、申請の前に確かめておくのが安全です。
併用・似た制度との違い
国や他の団体から補助金を受けるときはその額を対象経費から差し引いて助成額を計算します。申請書類にも、他の支援の内容が分かる書類(受けていなければ誓約書)が要ります。
融資の面では、商工観光課の商工融資あっせん制度に「地球温暖化・環境対策特別資金の環境対策資金」があり、屋内喫煙所の資金に使えば利子補給を受けられる場合があります。
自店の客だけが使う喫煙専用室をつくるなら、別の制度の領域です。千代田区の案内ページには、東京都の受動喫煙対策支援補助金(中小の飲食店・宿泊施設向け)や、厚生労働省の受動喫煙防止対策助成金などが載っています。受付期間はそれぞれ違うので各機関のページで確かめてください。
よくある質問
飲食店が自店の喫煙専用室をつくる場合も対象になりますか?
対象になりません。この助成の対象は、誰でも無料で使える公衆喫煙所です。自店の客や従業員だけが使う喫煙室は、公衆喫煙所の要件を満たしません。店舗の一部を仕切って公衆喫煙所を併設する形なら対象になりますが、その場合も店舗で使う備品費や店舗部分の賃料は対象外です。自店専用の喫煙室は、東京都などの別の制度を確かめてください。
加熱式たばこ専用の喫煙所でも申請できますか?
申請できません。区の案内ページに、加熱式たばこ専用の喫煙所は対象外と明記されています。加熱式たばこの専用エリアを併設する計画のときはそのエリアが助成の対象経費に入るのかどうかが公式ページに書かれていないため事前相談の際に安全生活課へ確かめておくと確実です。
屋外に置くコンテナ型の喫煙所も対象ですか?
対象です。屋内の公衆喫煙所に加えて、屋外公衆喫煙所(コンテナ型喫煙所)も、所定の条件を満たせば助成の対象になります。屋外では、建築基準法上の建築物であることが要件に加わり、着手届に確認済証の写し、完了報告に検査済証の写しを付けます。個別の条件は案内ページで問い合わせるよう書かれているため設置形態を伝えて相談してください。
区外の会社でも申請できますか?
申請できます。喫煙所を置く場所が千代田区内であれば、区外に所在する事業者や区外に住む人でも助成を受けられます。法人、団体、個人のどれでもよく、業種も問いません。ただし国、独立行政法人、地方公共団体、公社、鉄道事業者などの公共的団体は対象から外れます。区内の建物や土地の所有者か使用者であることが目安です。
申請の受付はいつまでですか?
公式ページに、受付期間や締切の記載はありません。要綱には「予算の範囲内で交付する」とあるため予算がなくなれば受付が止まる可能性はありますが、予算の規模や終了の目安も公開されていません。設置を考え始めた段階で、早めに安全生活課(電話 03-5211-4251)へ事前相談をするのが確実です。
維持管理費だけ申請することはできますか?
できます。ただし原則としてこの助成で設置費を受けた喫煙所が対象です。維持管理費は年に1回、再申請もできます。すでに運営している喫煙所で設置費の助成を受けていない場合は対象にできる場合もあるとパンフレットにあるため相談してください。申請書には、清掃委託契約書などの内訳が分かる書類と内訳表を添えます。
設置費は何回申請できますか?
新規の設置費は、原則として1回限りです。運営開始から5年たった後は、設備の修繕や取替の費用を更新経費として申請でき、上限は300万円で、5年に1回の再申請もできます。更新経費の助成を受けたときはそこからさらに5年間、運営を続ける必要があります。地域共生経費の上限は200万円で、こちらも原則1回です。
賃料に管理費が含まれていると助成率はどうなりますか?
賃料の助成率が8/10に下がります。賃料と賃料相当額は通常10/10ですが賃貸借契約の賃料に清掃費や水道光熱費などの管理費が含まれ、内訳がはっきりしない場合は8/10で計算します。契約書や請求書で賃料と管理費を分けて書いておくと、内訳が明確であれば、賃料は10/10で計算されます。
年の途中で設置した場合、維持管理費の上限はどうなりますか?
年の途中で設置したときは上限が月割、賃料が日割で計算されます。たとえば重点地域外で運営開始から年度末まで6か月なら、上限の264万円は132万円になる計算です。運営を途中でやめた年度も、月割で計算するという決まりが要綱にあります。開始時期は、上限額に直結するため計画の段階で確かめましょう。
秋葉原・神田以外でも維持管理費は増えますか?
増えません。上限が増えるのは、令和8年5月1日に指定された秋葉原・神田エリアの一部(重点地域)だけです。重点地域以外の区内全域では、年額264万円のままです。新規設置費の700万円も、区内どこでも同じで、拡充の対象外です。自分の場所が重点地域かは、区の指定地域一覧で町名・丁目・番を確かめてください。
問い合わせ先はどこですか?
千代田区地域振興部の安全生活課 安全生活係です。電話は03-5211-4251で、メールは anzenseikatsu@city.chiyoda.lg.jp です。事前相談が申請の前提なので対象になるか、設置場所の条件を満たすか、重点地域に入るかを、図面や場所の候補を持って相談するとやりとりが早く済みます。様式は区のサイトからも、5階の窓口でも手に入ります。
