自社1社だけで大学と組んで研究開発をしたい場合、この補助金は使えるのか——結論から言うと、使えます。ただし「複数企業枠」と「単独企業枠」で上限額が2倍違うため、どちらで申請するかによって受け取れる金額が大きく変わります。
富山県の「産学官オープンイノベーション推進事業費補助金」は、県内企業と大学・公設試の連携グループによる研究開発・商品化を支援する制度です。【第3次】募集は令和8年8月3日から28日までの受付です。4つの応募枠の違いを見ていきます。
産学官オープンイノベーション推進事業費補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人)と大学等・公的試験研究機関の産学官連携グループ |
| 制度名 | 【第3次】令和8年度 産学官オープンイノベーション推進事業費補助金 |
| 対象業種 | 業種指定なし(県内に事業所を有する企業) |
| 利用目的 | 大学・公設試との共同研究開発、新製品・新技術の商品化 |
| 対象地域 | 富山県内 |
| 従業員数 | 規定なし(県内に事業所を有する企業であること) |
| 補助上限額 | 複数企業枠1,000万円、単独企業枠500万円、サーキュラーエコノミー推進枠500万円、成長産業分野全体枠300万円(いずれも年額) |
| 補助率 | 企業負担分は補助対象経費の3分の2以内、大学・公設試の共同研究費は10分の10以内 |
| 申請受付 | 令和8年8月3日(月)〜8月28日(金)17時まで |
| 公式サイト | 富山県新世紀産業機構「令和8年度 産学官オープンイノベーション推進事業費補助金の募集について」 |

4つの枠、何が違うのか
| 枠 | 対象になる体制 | 補助上限額(年額) |
|---|---|---|
| 複数企業枠 | 複数の県内企業+大学・公設試 | 1,000万円 |
| 単独企業枠 | 単独企業+大学・公設試 | 500万円 |
| サーキュラーエコノミー推進枠 | 複数企業での申し込みも可(資源循環・カーボンリサイクル分野) | 500万円 |
| 成長産業分野全体枠 | 複数企業での申し込みも可(航空機、半導体、ロボット、デジタル基盤等) | 300万円 |
上限額が枠によって違う理由——複数企業が連携するほど、県内経済への波及効果が大きいと見込まれるため、複数企業枠の上限がもっとも高く設定されています。1社だけで大学と組む単独企業枠は、その分上限が抑えられています。
よく誤解されるポイント
「補助率3分の2」という数字だけを見ると自己負担が3分の1で済むように感じますが、この補助率が適用されるのは企業が負担する研究費部分だけです。大学・公設試が担当する共同研究費については補助率10分の10(全額支給・上限額未満に限る)が適用されるため、研究開発全体の自己負担割合は、大学側の負担割合によって変わります。企業側の作業範囲を広げるほど、実質的な自己負担は増える仕組みです。
もう1つの注意点は消費税です。対象経費から消費税は除かれるため、見積もりを立てる際は税抜きの金額で上限額との比較をする必要があります。
よくある質問
大学ではなく高専や公設試との連携でも対象になりますか?
なります。「大学等高等教育機関、公的試験研究機関等」が連携先として認められており、高専や県の公設試験研究機関も含まれます。
複数企業枠と単独企業枠の両方に同時に申請できますか?
できません。1つの研究開発テーマにつき、いずれか1つの枠を選んで申請します。
外注費は対象経費に含まれますか?
含まれます。旅費、通信運搬費、消耗品費、機械装置等備品・工具器具費、ソフトウェア開発費、専門家謝金・旅費、外注費が対象経費として挙げられています。
