荷待ちで止まっているトラックの時間を減らす予約受付システム、配送ルートを自動で組む配車計画システム、1台で2台分運べるダブル連結トラック。令和8年度は、こうした導入費の最大1/2が補助されました。
事業者の申請先は国ではなく、執行団体の事務局です。トラック事業の公募は7月から10月までに4回あり、4次は2026年10月7日16時で締め切られました。
運輸部門省エネ・非化石転換補助金の要点まとめ
正式名:トラック輸送省エネ化推進事業(運輸部門の省エネ・非化石転換補助金)
だれが
- 申請者
- 運送事業者・荷主等(申請先は事務局)
- 対象業種
- 運送業、荷主(発荷主・着荷主・元請事業者)
- 利用目的
- 輸送効率化システム・高輸送効率車両の導入
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 最大1億円(機器ごとの上限あり)
- 補助率
- 定額(上限額)と経費の1/2の低い方
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月1日〜10月7日(1〜4次、終了)
- 公式サイト
- トラック輸送省エネ化推進事業事務局
- 事業の完了
- 4次は2027年1月15日まで
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると、対象外になります。
- ✕ 交付決定の前に発注・契約した
- ✕ 荷主との連携メニューがない
- ✕ 中古品・スマホなどの汎用機器
申請できるのは、貨物自動車運送事業者、第二種貨物利用運送事業者、自家用トラック事業者、荷主等です。荷主等とは、貨物を渡す発荷主、受け取る着荷主、輸送を請け負わせる元請事業者のことです。リース事業者は、運送会社や荷主との共同申請に限ります。
燃料削減の計画値は、システムの導入で3.0%以上、ダブル連結トラックとスワップボディコンテナ車両(荷台だけを付け替えられる車両)で10.0%以上です。トラック事業者と荷主等が組んだ取組全体の、トン・キロ(荷物の重さ×運んだ距離)あたりの燃料削減率で数えます。
経済産業省の補助金交付等停止措置を受けている事業者、暴力団排除の誓約に反する事業者、貨物自動車運送事業法などを守らない事業者は対象外です。
いくら補助される?
補助額は、機器ごとの上限額と、経費の1/2のうち低い方です。1,000円未満は切り捨てます。
| 機器 | 上限額 |
|---|---|
| 車両動態管理システム | 14万円/台 × 30台まで |
| 予約受付システム等(パレタイズ以外) | 4,000万円/事業者 |
| パレタイズシステム | 5,000万円/事業者 |
| 配車計画システム | 4,000万円/事業者 |
| AI・IoTによるシステム連携ツール | 5,000万円/事業者 |
| ダブル連結トラック | 1,000万円/台 × 10台まで |
| スワップボディコンテナ車両 | 1,000万円/台 × 10台まで |
計算は次の形です。金額は例で、実際の経費は見積書で決まります。
- 車載器が1台20万円:20万円 × 1/2 = 10万円(上限14万円に届かない)
- 車載器が1台40万円:40万円 × 1/2 = 20万円 → 上限の14万円(自己負担は26万円)
- 配車計画システムが1億円:1億円 × 1/2 = 5,000万円 → 上限の4,000万円
- ダブル連結トラックが1台2,500万円:2,500万円 × 1/2 = 1,250万円 → 上限の1,000万円
車両動態管理システムは、非化石トラックなどの優遇措置対象車両を30台の枠に数えません。合計の上限は60台です。予約受付システム等と配車計画システムを単独で入れるときは、5台以上の車両で取り組む必要があります。車両動態管理システムと組み合わせるなら、5台未満でも申請できます。
何に使える?
対象にならないもの
- 中古品
- スマートフォン、タブレット、パソコン本体などの汎用機器
- 消費税と地方消費税にあたる額
- 通信料やプロバイダー料(システム利用費に含まれる場合を除く)
- 消耗品(別売のSDカードなど)と振込手数料
- 納車のための配送費、車両登録や車庫証明の費用、保険料、諸税(車両)
- 導入開始から1年を超える期間のシステム利用料
- 交付決定の前に発注した経費(車両の事前導入は例外)
対象になるもの
- 車両動態管理システム:位置・燃料消費量・積載率をクラウドで管理する車載器と運用ソフト
- 予約受付システム等:到着予約、事前出荷情報、受注情報の事前共有、パレット管理、パレタイズの5種類
- 配車計画システム:配送ルートを自動で作るシステム
- AI・IoTによるシステム連携ツール:上の3つのいずれかと連携して効率をさらに上げるもの
- ダブル連結トラック、スワップボディコンテナ車両
車両動態管理システムは、予約受付システム等か配車計画システムとの連携が必須です。すでに導入済みのシステムとの連携でも構いません。走行中にデータ通信をせず、メモリーカードに記録するだけのデジタコは対象外です。
申請の流れ
- 事務局のホームページで公募要領と様式を入手する(事業者→トラック輸送省エネ化推進事業事務局)
- 電子申請システムに新規利用登録する(事業者→事務局。担当者の名刺の画像などを添える。Gmailのアドレスは登録できません)
- 実施計画と見積書をそろえ、受付期間の中にアップロードする(事業者→事務局。各回約10日間。郵送やメール添付は受理されません)
- 交付決定を待つ(事務局→事業者。4次は10月下旬から11月中旬に数回に分けて決定)
- 交付決定のあとに発注して導入する(事業者→販売店。支払いは金融機関の振込)
- 連携の前後でそれぞれ実働10日以上の運行データを取る(事業者。中間報告を出す)
- 実績報告を出す(事業者→事務局。事業完了から30日以内か、4次は2027年1月15日の早い方)
令和8年度の受付は、次の4回でした。
| 回 | 申請受付期間 | 交付決定の予定 |
|---|---|---|
| 1次公募 | 2026年7月1日10時〜7月10日16時 | 7月下旬〜8月下旬 |
| 2次公募 | 2026年7月29日10時〜8月7日16時 | 8月下旬〜9月下旬 |
| 3次公募 | 2026年8月31日10時〜9月9日16時 | 9月下旬〜10月中旬 |
| 4次公募 | 2026年9月28日10時〜10月7日16時 | 10月下旬〜11月中旬 |
交付決定は先着順ではありません。受付期間が終わってから、まとめて審査します。事業用トラック事業者の申請を優先します。申請額の合計が予算を超えるときは、補助金あたりの燃料削減量が大きい順に採択します。
必要な書類
準備できた 0 / 8
担当者の証明書類は、新規利用登録のときに出します。事務局のホームページの様式はExcelです。見積書は、同じ機器について2社以上から取り、品名、型式、数量、単価を書いてもらいます。システムを個別に開発するときは、積算の内訳と工程表も要ります。
車両動態管理システムを、すでに持っている予約受付システム等や配車計画システムと連携させるときは、自認書と起動状況の写真が加わります。上限台数の緩和を受けるときは、優遇措置対象車両の車検証などが加わります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:交付決定の前に発注・契約した設備は対象外です。ダブル連結トラックなどの車両は、2026年4月30日以降に新車登録されたものなら事前導入も申請できます。ただし審査で交付されなかったときは、国も執行団体も責任を負いません。
- 計画値の燃料削減に届かなかった:実績が計画値に満たないと、翌年度以降も結果を報告します。報告がないと、補助金の返還を求められることがあります。
- 振込以外で支払った:口座引き落とし、手形、小切手、クレジットカード、割賦払いは対象外です。支払いは、補助事業と分けた金融機関の振込にします。
- 取得した財産を処分した:処分の制限は5年間です。50万円以上の財産は、処分の前に事務局の承認が要ります。
- 虚偽の申請があった:交付決定が取り消され、年10.95%の加算金をつけて返還します。
令和8年度のあとと、令和7年度との違い
この補助金は、令和6年度から令和8年度までの3年間の事業で、令和8年度が最終年度です。5次以降の公募は、確認できた資料に書かれていません。令和9年度に同じ形で続くかも分かりません。事務局のホームページのスケジュール欄で確かめてください。
令和7年度に受けた事業者も、令和8年度に申請できます。ただし要件は変わっています。たとえば車両の事前導入は、令和7年度は新車登録が令和7年4月4日以降、令和8年度は令和8年4月30日以降のものが対象です。過去の公募要領の条件を、そのまま当てはめないでください。
よくある質問
事業者は国に直接申請できますか?
直接はできません。事業者の申請先は、国が選んだ執行団体の事務局です。事務局は、パシフィックコンサルタンツ株式会社とパシフィックリプロサービス株式会社の共同事業です。申請書類は事務局のホームページからダウンロードし、電子申請システムにアップロードします。要件や申請方法の質問も、国ではなく事務局に聞くよう案内されています。
2月の公募と、7月からの公募は何が違いますか?
2026年2月の公募は、補助金を配る執行団体を選ぶものでした。締切は2月24日です。運送会社や荷主が出せる公募は、決まった執行団体が7月から開いたものです。検索結果に2月で終了と出ていても、事業者向けの受付は別に動いていました。見分けるには、公募ページの最初にある、執行団体を公募するという注意書きを見ます。
事業者向けの公募は、いつ何回ありましたか?
トラック事業は令和8年度に4回ありました。1次が7月1日から10日、2次が7月29日から8月7日、3次が8月31日から9月9日、4次が9月28日から10月7日です。時刻は10時から16時までです。5次以降の案内は、確認できた資料にありません。追加の公募があるかは、事務局のホームページで確かめてください。
運送会社1社だけでも申請できますか?
申請は運送会社の単独でできます。ただし事業の中身は、荷主との連携が前提です。実施計画に、荷主と運送会社で取り組む連携メニューを少なくとも1つ入れなければなりません。たとえば荷待ち時間を減らす取組や、配送先の集約です。連携の相手の見つけ方や、相手に求められる条件は、公募要領の連携メニューのページで確かめてください。
荷主だけで申請できますか?
予約受付システム等と配車計画システムなら、荷主等の単独申請ができます。車両動態管理システムとダブル連結トラックなどは、運送会社との共同申請に限ります。単独で申請する荷主は、連携するトラック事業者と車両を確保したうえで、事業者名を申請書類に書きます。燃料使用量は、荷待ち時間からの推計値で報告できます。
1社がもらえる上限はいくらですか?
機器ごとに決まっています。車両動態管理システムは1台14万円で30台まで、予約受付システム等と配車計画システムは4,000万円、パレタイズシステムとAI・IoTツールは5,000万円です。ダブル連結トラックとスワップボディコンテナ車両は、1台1,000万円で10台までです。ここで一番大きい額が、早見表の最大1億円です。
補助率はどのくらいですか?
全ての機器が「定額(1/2以内)」です。定額とは、機器ごとの上限額のことです。経費の1/2と上限額を比べて、低い方が補助額になります。たとえば経費の1/2が上限より小さければ、1/2の額です。大きければ上限額までです。消費税は経費に含めません。各回の応募状況を見て、上限や台数が見直されることもあります。
2月の公募にあった43.5億円は、1社がもらえる金額ですか?
違います。43.5億円は、2月の執行団体の公募で示された、令和8年度の事業全体の予定額です。事業者向けの公募予算は、事務局の資料で約35.6億円とされ、4次公募の予算は約12.4億円でした。1社の上限は、機器ごとに別に決まっています。応募が予算を超えれば、全員が採択されるわけではありません。
発注は、いつからしてよいですか?
交付決定の通知を受けたあとです。交付決定の前に発注や契約をした設備は、補助の対象になりません。例外は、ダブル連結トラックとスワップボディコンテナ車両です。令和8年4月30日以降に新車登録されたものなら、交付決定の前に導入しても申請できます。納期が長い機器は、先に事務局へ相談してください。
車両動態管理システムの対象になる条件は何ですか?
位置情報だけでなく、燃料消費量や積載率も取れるクラウド型の車載器とソフトに限ります。予約受付システム等か配車計画システムと連携させることも必須です。通信できないときは、記録媒体に残せなければなりません。いま付けているデジタコを外して入れ替える場合も対象です。位置を見るだけの安価な機器は、条件に合わない可能性があります。
リースで導入しても対象になりますか?
対象です。ただしリース事業者は、同じ事業者に5年以上続けてリースする場合に限り、共同申請に加われます。契約期間は5年以上で、途中解約ができず、フルペイアウトの契約が条件です。残価設定型リースと、転リース、セール・アンド・リースバックは対象外です。補助金は代表申請者に振り込まれます。
他の補助金と一緒に使えますか?
同じ機器や車両で、財源が国の予算の別の補助事業と重ねて受けることはできません。財源が国でない自治体独自の補助との関係は、公募要領に書かれていません。重複の可否は、申請前に事務局へ問い合わせて確かめてください。前の年度に交付を受けた事業者も、今年度は申請できますが、廃止した事業者は不採択になることがあります。
問い合わせ先はどこですか?
事務局の電話は050-5367-3057で、平日の10時から17時(12時から13時を除く)に受け付けています。メールは truck_hojokin@08.pacific-hojo.jp です。制度全般は国土交通省の貨物流通事業課(03-5253-8575)と、資源エネルギー庁の省エネルギー課(03-3501-9726)も案内されています。要件は事務局へ直接聞くよう書かれています。
