令和8年度から、和歌山市の所得向上補助金は補助率が最大10%に上がりました。使えるのは、市内で指定の業種を営む法人の設備投資です。
賃上げの方針を従業員に表明することが、補助を受ける条件に入っています。表明する賃上げ幅が1%以上なら5%、3%以上なら10%と、補助率が分かれます。
和歌山市 所得向上補助金の要点まとめ
正式名:和歌山市所得向上補助金
だれが
- 申請者
- 市内で対象業種を営む法人
- 対象業種
- 製造業・運送業・倉庫業・卸売業・小売業ほか(一覧は本文)
- 利用目的
- 設備投資による生産性向上と従業員の所得向上
- 対象地域
- 和歌山県和歌山市
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(産業政策課へお問い合わせください)
いくら
- 補助上限額
- 500万円
- 補助率
- 設備購入費の5%(賃上げ1%以上)/10%(賃上げ3%以上)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2026年12月28日(必着)
- 事業の完了
- 実績報告書の提出は2027年2月末日まで
- 公式サイト
- 和歌山市「所得向上補助金のご案内」
うちの会社は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 7
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 法人ではない個人事業主
- ✕ 指定業種に入らない事業
- ✕ 設備の購入費が250万円未満
- ✕ 風俗営業等を営む者
指定業種は次のとおりです。製造業、道路貨物運送業、倉庫業、卸売業、小売業(無店舗小売業を除く)、旅館・ホテル、水運業、情報サービス業、インターネット附随サービス業、コールセンター業、スポーツ施設提供業、遊園地、マリーナ業、植物園、水族館、自然科学研究所、デザイン業、機械設計業、植物工場です。
この一覧に入らない業種でも、和歌山市が指定する地域資源を使って新分野を開拓する事業なら対象になります。地域資源は公式ページの別表(PDF)にあります。飲食業や建設業のように一覧にない業種の会社は、別表に当てはまるかを先に市へ確かめてください。
いくら補助される?
設備購入費に、表明した賃上げ幅に応じた率をかけた額です。上限は500万円です。
- 製造業が塗装用機械を入れる(賃上げ3%表明):600万円 × 10% = 60万円
- 卸売業が電動移動ラックを入れる(賃上げ1%表明):400万円 × 5% = 20万円
- 運送会社が洗車機を入れる(賃上げ3%表明):1億円 × 10% = 1,000万円 → 上限の500万円
- 倉庫業が200万円の設備を入れる:250万円に届かず対象外
同じ1,000万円の設備なら、1%表明は50万円、3%表明は100万円です。差は50万円あります。3%を表明できるかどうかで、補助額が倍になることは覚えておいてください。上限の500万円に届くのは、10%なら設備が5,000万円のときです。
何に使える?
対象にならないもの
- 事業に使うと認められない設備
- 償却資産として申告しない設備
- 交付決定の前に導入した設備
対象になるもの
- 機械及び装置費
- 工具、器具及び備品費
償却資産とは、事業用の機械や備品など、固定資産税の対象として市に申告する資産のことです。公式ページが挙げる例は、コンプレッサー、洗車機、電動移動ラック、食肉スライサー、空調設備、塗装用機械、天井クレーンです。
賃上げの「表明」とは何をするのか
要件は、設備を入れる事業所の従業員の平均賃金を、決算ごとの数字で引き上げる方針を従業員に示すことです。
公式ページの例では、令和8年度に申請する場合、令和7年度の平均賃金を令和10年度までに1%以上上げる方針を表明します。比べる基準は直近の決算時、期限は翌々事業年度です。
公式に明記があるのは表明までです。表明した賃上げが実現しなかったときの扱いは、公式ページに書かれていません。市は令和10年度に効果検証のための現況調査をする予定です。表明は書面(様式)で出すので、軽く考えない方が安全です。
申請の流れ
- 事前に相談する(事業者→産業政策課。設備を発注する前に)
- 申請書類を出す(事業者→産業政策課。2026年12月28日必着)
- 交付決定を待つ(市→事業者。決定の前に設備を導入しない)
- 設備を購入して導入する(事業者)
- 実績報告を出す(事業者→産業政策課。2027年2月末日まで。持参・郵送・メール)
- 補助額の確定を受けて請求する(事業者→産業政策課。確定通知のあと)
申請は持参か郵送で出します。メールでも出せますが、誓約書兼同意書、賃上げ方針の書面、完納証明書、履歴事項全部証明書の4点は、原本を別に持参か郵送する必要があります。
必要な書類
準備できた 0 / 12
設計図面は、ある場合だけ出します。完納証明書は、市税を納め終えていることを示す書類です。見積書は、補助対象の経費が他と見分けられる形で出します。実績報告では、領収書の写しと、導入前後の写真も要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に設備を導入した:導入の時期が決定より前だと、補助対象になりません。契約や発注の時期は、市に確かめてからにします。
- 実績報告が間に合わなかった:期限を過ぎると補助金は支払われません。チラシには2月26日とあり、2027年の2月末日(28日)は日曜日です。金曜の2月26日までに出す前提で動きます。
- 予算に達して受付が終わった:12月28日より前でも、予算に達した時点で受付は終わります。
- 市の別の補助金と併用した:本制度は、市の他の補助金と併用できません。
- 法令違反などの不正があった:交付決定が取り消されることがあります。
併用と今年度の変更点
令和8年度から、補助率が最大10%に引き上げられました。引き上げ前の率は、公式ページに書かれていません。
併用の決まりは3つに分かれます。
- 和歌山市の他の補助金とは併用できません
- 中小企業等経営強化法に基づく先端設備等導入計画とは併用できます
- 市以外の補助金は、併用できない場合があるので事前に相談が要ります
先端設備等導入計画は、同法にもとづいて作る計画で、和歌山市が受付ページを別に設けています。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
公式ページの対象事業者は「法人であること」と定められています。個人事業主として営んでいる場合は、対象にならない可能性が高いです。チラシには「営利を目的とするものに限る法人」と書かれています。対象になるかが微妙な場合は、申請の準備を始める前に和歌山市の産業政策課へ電話で確かめてください。設備を発注してからでは、取り返しがつきません。
飲食店は対象になりますか?
公式ページの指定業種に、飲食業は入っていません。ただし、和歌山市が指定する地域資源を活用して新分野の開拓を行う事業は、業種にかかわらず対象になります。地域資源は別表(PDF)に載っています。飲食店が使えるかどうかは、別表に当てはまるかで決まります。自己判断せず、事業の内容を市に伝えて確かめるのが確実です。
設備が250万円に届かないときはどうなりますか?
補助対象設備の購入費が合計250万円以上であることが要件です。1台で250万円に届かなくても、補助対象設備の合計で超えていれば足ります。200万円の設備1台だけでは対象外です。税込か税抜かは、公式ページに記載がありません。ぎりぎりの金額なら、見積書を出す前に産業政策課へ数え方を確かめておきましょう。
賃上げの方針は、どうやって表明するのですか?
従業員に対して表明し、その事実を示す書面(市の様式)を申請に添えます。内容は、設備を導入する市内事業所の従業員の平均賃金を、直近決算時と比べて翌々事業年度までに1%以上上げる方針です。3%以上を表明すると補助率は10%になりますが、その場合の期間は公式ページに明記がないため、市に確かめてください。口頭だけでは足りません。申請の前に、従業員への周知の方法を社内で決めておきます。
賃上げが実現しなかったら補助金を返す必要がありますか?
公式ページに、返還についての記載は見当たりません。書かれているのは、方針を表明することと、令和10年度に市が現況調査をする予定であることです。調査の結果どうなるのかは、公式に明記がありません。ここから先は市の判断になります。表明する幅を決める前に、達成できなかった場合の扱いを産業政策課に確かめておくと安心です。
他の補助金と併用できますか?
和歌山市の他の補助金とは併用できません。市以外の補助金も、併用できない可能性があるとされています。例外は、中小企業等経営強化法に基づく先端設備等導入計画で、併用が可能です。国や県の補助金を同じ設備に使う予定がある場合は、申請の順番も含めて、先に産業政策課へ相談してください。
先に設備を購入してしまった場合はどうなりますか?
市から交付決定を受ける前に導入した設備は、補助の対象になりません。申請の前に見積書を取るだけなら問題ありませんが、契約や発注、納品、支払いの時期は注意が必要です。すでに発注した場合は、その設備が対象になるかを、申請前に産業政策課へ確かめます。決定の前に導入してしまった分は、あとから救済される保証がありません。
役員の家族の会社から設備を買っても対象になりますか?
購入先が、申請者本人や役員、その配偶者・直系血族が役員を務める法人でないことが要件です。親会社、子会社、関連会社からの購入も対象外とされています。同じグループ内の会社から買う予定があるときは、見積もりを取る段階で、購入先がこれらに当たらないかを調べておきます。
申請の受付はいつまでですか?
受付は2026年4月1日から12月28日までで、必着です。消印ではなく到着の日で数えるため、郵送は余裕を見て出します。予算に達した時点で受付は終わるので、締切の前に閉まることもあります。設備の納入に時間がかかる場合は、交付決定のあとに導入し、2027年2月末日までの実績報告に間に合うかも確かめます。
実績報告はいつまでに出しますか?
公式ページでは、実績報告書の提出期限は2027年2月末日です。期限を過ぎると、補助金を支払えなくなります。チラシには2月26日と書かれていて、日付が食い違っています。余裕を持って、2月26日までに出す前提で段取りを組むのが安全です。設備の導入が終わったら、領収書と導入前後の写真をそろえて、早めに出します。
申請書類はどうやって出しますか?
和歌山市役所の産業政策課へ、持参か郵送で出します。メールでも出せますが、誓約書兼同意書、賃上げ方針の書面、完納証明書、履歴事項全部証明書は原本の提出が別に要ります。郵送の場合は、Wordの申請書をメールで送る手順もあります。書類に不備があっても連絡が取れないと、一式が返送されることがあります。
問い合わせ先はどこですか?
和歌山市産業交流局 産業部 産業政策課(電話 073-435-1040)です。公式ページには専用の問い合わせフォームもあります。対象業種に当たるか、250万円の数え方、賃上げの表明の書き方、他の補助金との併用など、申請の前に確かめたいことが多い制度です。設備を発注する前の事前相談が、申請の流れの最初に置かれています。
