編み機が一日中動く工場は、電気の使用量が大きくなります。屋根に太陽光を載せたいと考えても、設備費が重く、発電した電気の使い道も決めないといけません。
和歌山市は、ニット産業を主な業とする事業所に付ける太陽光発電設備について、対象経費の3分の2を補助しています。予算は2,500万円で、申請は先着順、2027年1月29日までです。誰でも使える制度ではなく、市の脱炭素先行地域の事業計画に位置づけられた事業だけが対象です。使えるかどうかは、申請の前に脱炭素社会推進課へ相談して確かめる流れになっています。
和歌山市 地場産業施設再エネ設備導入補助金の要点まとめ
正式名:和歌山市脱炭素先行地域地場産業施設再エネ設備導入補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(ニット産業を主な業とする事業所に設置する者)
- 対象業種
- ニット産業(編んで生地・製品をつくる繊維産業)
- 利用目的
- 太陽光発電設備の導入
- 対象地域
- 和歌山県和歌山市(脱炭素先行地域)
- 従業員数
- 公式ページに記載なし
いくら
- 補助上限額
- 3億円(ソーラーカーポート等の場合、1件あたり)
- 補助率
- 対象経費の2/3
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年10月16日〜2027年1月29日(先着順)
- 事業の完了
- 完了から30日以内に実績報告(遅くとも2027年2月26日)
まず何から始める?
最初の一手は、脱炭素社会推進課への相談です(電話 073-435-1368)。公式ページに「事業計画上、対象条件がありますので、補助金の活用を検討される場合は必ず事前に脱炭素社会推進課へご相談ください」とあります。
あわせて、発電した電気の余った分をどうするかを決めておく必要があります。余剰電力は脱炭素先行地域に再エネ電力を届ける仕組みの一部で、市が公募で選んだ事業者(株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ)との事前の確認と協議が要ります。申請書にも、この協議をした日を書く欄があります。
うちの工場は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
申請できるのは、ニット産業の事業所に自ら所有する設備を付ける人です。要綱には、事業所の所有者とPPAやリース契約を結んで設置する事業者も対象とする定めがあります。ただし市の案内ページと申請の手引きの対象者欄は「自ら所有する設備」だけの書き方なので、PPAやリースで進めるときは、先に脱炭素社会推進課へ確認してください。PPAとは、発電事業者が事業所の敷地に設備を置き、そこで発電した電気を事業所が買う契約のことです。
申請者と役員が暴力団員などに当たらないことも条件です。事業所の所在地が脱炭素先行地域のエリア内かどうかは、相談のときに確かめてください。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 中古の設備を使う
- ✕ 国や市の別の補助を受ける設備
- ✕ ニット産業が主な業ではない事業所
いくら戻ってくる?
対象経費の3分の2です。1,000円未満の端数は切り捨てになります。ただし対象経費には上限があり、太陽光モジュールの公称最大出力(kW)1kWあたり35万円までです(ソーラーカーポート等を除く)。
- 出力50kWの設備で、対象経費が1,500万円:1,500万円 × 2/3 = 1,000万円
- 出力50kWの設備で、見積が2,000万円:経費の上限は35万円 × 50kW = 1,750万円 → 1,750万円 × 2/3 = 約1,166万円
- ソーラーカーポート等を導入する:1件あたり3億円が上限
金額は計算の見本です。市全体の予算は2,500万円で、先着順に受け付けるため、申請額の合計が予算を超えた時点で受付は終わります。
どんな設備と条件が対象?
対象にならないもの
- 中古の設備
- 国や市から負担・補助を受けて入れる設備
- 導入した設備の排出削減分を、法定耐用年数のあいだJ-クレジット制度に登録するもの
対象になるもの
- 太陽光発電設備(商用化され、導入実績のあるもの)
- 事業計画に位置づけられ、CO2の排出削減に効果があるもの
- 調査・設計や付帯設備のうち、国が認める必要最小限の範囲
設備は、売買や請負の契約をするときに2者以上から見積書を取って選ぶことが要件です。取るのが難しい場合は例外があります。南海トラフ巨大地震の津波浸水想定区域に設置するなら、浸水想定以上の高さに置くなどの対策が要ります。
申請書の注記には、自家消費率30%以上で、自家消費を含めて50%以上を先行地域内で消費するという交付要件も書かれています。
申請から受け取りまでの流れ
- 脱炭素社会推進課に相談する(事業者→市。対象条件の確認)
- 余剰電力の扱いを協議する(事業者→選定事業者。申請の前に)
- 交付申請を出す(事業者→脱炭素社会推進課。2027年1月29日まで、先着順)
- 交付決定の通知を受ける(市→事業者。通知の前に設置へ着手しない)
- 設備を設置して完了させる(事業者。完了予定日を変えるときは12月末日までに市へ報告。施工業者への支払いも済ませる)
- 実績報告と請求を出す(事業者→市。完了から30日後か2027年2月26日のどちらか早い日まで)
必要な書類
準備できた 0 / 8
見積書は2者以上から取り、難しいときは理由書を添えます。事業計画書にはCO2削減効果の算定根拠も付けます。見積書の写し、見取図、設備の仕様表やカタログ、施工前の写真、機器配置図、システム系統図、単線結線図も添えます。定款や事業内容がわかるパンフレット等で、ニット産業が主な業であることを示します。全部事項証明書は発行から3か月以内で、新築なら不要です。登記事項証明書は申請者が法人のときに要り、こちらと市税の納税確認の書面も発行から3か月以内のものです。代理人が申請するときは委任状も付けます。所有者が申請者と違う場合は、所有者の同意書の写しも付けます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 通知の前に設置を始めた:交付決定の通知を受ける前に設置へ着手してはいけません。契約を先に結ぶ場合も、市が国から交付決定を受けたあとに限られます。
- 余剰電力の協議をしていない:申請前に選定事業者と協議します。実績報告にも、余剰電力の売却が確認できる書類が要ります。
- 予算がなくなった:先着順で、申請額の合計が予算の範囲を超えると受付は終わります。1月29日より前でも終わることがあります。
- 受け取ったあとの使い方:補助で取得した設備を市の承認なく譲渡したり、目的外に使ったりすると、補助金の返還や納付が必要になることがあります。5年以内に設備で相当の収益が出た場合も、納付が必要になることがあります。
よくある質問
ニット産業以外の工場でも使えますか?
使えません。対象は、ニット産業を主な業とする事業所に太陽光発電設備を設置する人です。本補助金でのニット産業は、編むことで生地や製品をつくる繊維産業と定められています。申請では、定款や事業内容がわかるパンフレットなどで、ニット産業が主な業の事業所であることを示す必要があります。主な業に当たるか迷う場合は、申請の前に脱炭素社会推進課へ相談してください。
建物を借りている場合は申請できますか?
申請できる場合があります。申請者と補助対象事業の実施場所の所有者が違うときは、所有者の同意書の写しを添えます。公式ページに参考様式の「所有者等の同意書」があります。要綱には、自ら所有する設備を付ける人のほか、事業所の所有者とのPPAやリース契約で設備を設置する人も対象とする定めがあります。一方で案内ページの対象者欄は自己所有の設備だけを書いています。契約の形によって対象かどうかも必要書類も変わるので、早めに窓口へ確認してください。
PPAやリースで設置する場合の注意点は何ですか?
まず、案内ページと申請の手引きの対象者欄が自己所有の設備だけを書いているため、対象になるかを窓口で確かめてください。そのうえで、補助金の分を利用者の負担から引く必要があります。実績報告では、PPAならサービス料金から、リースならリース料金から、補助金額相当分が控除されていることを示す書類が要ります。あわせて、設備を法定耐用年数が終わるまで使うことが確認できる書類も出します。補助金が事業者の手元に残るのではなく、料金の値引きとして利用者に反映される仕組みです。
余剰電力は自由に売れますか?
自由には売れません。この補助金は、脱炭素先行地域に再エネ電力を供給する仕組みづくりが目的で、余剰電力の売却は、市が公募で選んだ株式会社アイ・グリッド・ソリューションズとの事前の確認と協議が必要です。申請書に協議した日を書く欄があり、実績報告でも売却が確認できる書類を出します。相談専用のメールアドレスは公式ページに載っています。
補助の上限額はいくらですか?
補助額そのものの上限は、通常の太陽光発電設備では定められていません。決まっているのは、対象経費の上限(1kWあたり35万円に公称最大出力を掛けた額)と、市全体の予算2,500万円です。ソーラーカーポート等を入れる場合に限り、1件あたり3億円が補助の上限になります。実際に受け取れる額は、設備の出力と見積額、予算の残りで変わります。
申請はいつまで、どう出しますか?
受付は2027年1月29日までで、先着順です。要綱では、申請の受付は国の交付金の交付決定後に始まり、申請額の合計が予算を超えたとき、または各年度の1月末日に終わると定められています。公式ページの様式を使って書類をそろえ、脱炭素社会推進課へ出します。提出方法の詳細は、公式ページの申請の手引きに書かれています。
交付決定の前に契約してもいいですか?
設置に着手するのは、市から交付決定の通知を受けたあとです。通知の前に契約を結ぶ場合も、市が国から交付金の交付決定を受けたあとにしてください。要綱に、その旨が定められています。見積書を取る作業までは先に進められますが、発注や契約の時期は窓口で確かめてからにすると、対象外になるリスクを避けられます。
実績報告の期限はいつですか?
補助事業が完了した日から30日を過ぎた日、または2027年2月26日のどちらか早い日までです。報告書と請求書に加えて、領収書、工事請負契約書、保証書、施工前・施工中・施工後の写真、電力系統への連系がわかる書類などを出します。工期が延びそうなときは、完了予定日の変更を12月末日までに市へ報告する決まりがあります。
補助を受けたあとに守ることはありますか?
あります。補助で取得した設備は、台帳で管理して目的どおりに使います。太陽光発電設備の法定耐用年数は17年で、これが処分の制限期間になります。市の承認なしに譲渡や貸付、担保に出すことはできません。取得価額が50万円未満(税抜)のものは、処分の承認は要りません。帳簿や領収書は、補助を受けた年度の翌年度の初日から5年間保管します。市から発電量や自家消費量の報告を求められたら、応じる必要があります。
問い合わせ先はどこですか?
和歌山市 市民環境局 環境部 脱炭素社会推進課です。電話は073-435-1368で、公式ページに専用フォームもあります。対象条件は事業計画によって決まるので、補助金を検討し始めた段階で相談するのがよいです。余剰電力の取り扱いについては、選定事業者の相談専用メールアドレスも案内されています。
