制度名に「多様な人材」とあるので、障害のある人や高齢者の雇用にも使えそうに見えます。使えません。対象は、特定技能か技能実習の在留資格をもつ外国人材を、市内の事業所で受け入れる場合に限られます。
しかも介護事業所は対象外です。対象になる中小企業なら、社宅の改修や備品、日本語研修、翻訳・通訳、送迎の費用の2分の1を、ハードとソフトを合わせて30万円まで補助してもらえます。
三次市多様な人材確保環境整備事業補助金の要点まとめ
正式名:三次市多様な人材確保環境整備事業補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(市内の中小企業・雇用労働対策協議会の会員企業)
- 対象業種
- 業種の指定なし(介護事業所等は対象外)
- 利用目的
- 外国人材の受入れ環境の整備(住まい・研修・翻訳・送迎)
- 対象地域
- 広島県三次市
- 従業員数
- 中小企業者の範囲に当たること
いくら
- 補助上限額
- 30万円(ハード・ソフト合わせて1事業者)
- 補助率
- 補助対象経費の1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 公式ページに受付期間の記載なし(商工観光課へお問い合わせください)
- 事業の完了
- 社宅の改修工事は申請年度の2月末まで
うちの会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
中小企業者とは、中小企業基本法の第2条で決まる範囲の会社のことです。業種ごとに資本金と従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば当たります。具体的な基準は、三次市の公式ページや商工観光課で確かめてください。
対象の外国人材は、出入国管理及び難民認定法の別表第1の2の表にある特定技能か技能実習の在留資格をもち、市内の事業所で働く人です。特定技能は人手不足の分野で働くための在留資格、技能実習は技能を学びながら働くための在留資格です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 介護事業所等である
- ✕ 同じ経費に国か県の補助を受けた
- ✕ 技能実習法の改善命令などを受けた
介護事業所等とは、介護保険法の指定を受けた居宅サービスや地域密着型サービスなどの事業所と、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院のことです。暴力団員等に当たる人や、密接な関係をもつ人も対象外です。
いくら補助される?
ハード事業とソフト事業の2つがあり、補助率はどちらも2分の1以内です。ハードとソフトを合わせた上限は、1事業者につき30万円です。
| 事業 | 対象経費 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| ハード | 社宅の改修費、建物賃借料、備品購入費 | 30万円 |
| ソフト | 研修費、資格取得費、翻訳・通訳費、送迎委託費 | 20万円 |
- 社宅の改修に40万円かける:40万円 × 1/2 = 20万円
- 日本語研修と教材に30万円かける:30万円 × 1/2 = 15万円
- 社宅の改修に60万円かける:60万円 × 1/2 = 30万円(ハードの上限)
- 社宅の改修に60万円、日本語研修に30万円かける:30万円 + 15万円 = 45万円 → 全体の上限30万円
公式ページの表では、社宅の改修費・建物賃借料・備品購入費の3行が1つの欄にまとまっていて、補助率2分の1以内、上限30万円は3つに共通です。ソフト事業の4行も同じく2分の1以内、上限20万円が共通です。
建物賃借料は月額5万円までで、敷金と礼金は除き、12か月が限度です。申請は単年度ごとで、実績報告書の様式(Word)には、申請年度の3月分までと添え書きがあります。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- ガソリン・軽油などの燃料代
- 敷金・礼金
- 申請年度の2月末までに終わらない改修工事
対象になるもの
- 社宅の改修費
- 建物の賃借料(月額5万円まで・12か月限り)
- 備品の購入費(電動自転車、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、炊飯器、テーブル、ベッド)
- 研修費(日本語研修の受講料、教材費、講師謝金など)
- 資格取得費(業務に資する資格試験などの検定料、受験料)
- 翻訳・通訳費(社内規定やマニュアルの多言語化の委託料、通訳料)
- 送迎委託費(住居から就労場所への送迎。燃料代を除く)
備品は、公式ページに挙がった8品目が例示です。それ以外の物が対象になるかは書かれていないため、購入前に商工観光課へ確かめてください。
申請の流れ
- 外国人材の受入れと、補助を受けたい経費を決める(事業者)
- 交付申請書類を商工観光課へ出す(事業者→三次市 商工観光課)
- 交付決定を待つ(三次市→事業者)
- 社宅の改修・研修・購入などを進める(事業者。改修は2月末までに完了)
- 実績報告書を出す(事業者→商工観光課。事業の完了後)
交付決定の前に始めてよいかは、公式ページに書かれていません。補助金は決定のあとに始めるのが一般的なので、契約や発注の前に商工観光課へ確認してください。費用が減ったときは、実績報告の前に変更承認申請書を出します。
必要な書類
準備できた 0 / 8
事業計画書には、従業員数のうち外国人材が何人か、技能実習と特定技能の別、国籍を書く欄があります。外国人材の資料は、入国前の技能実習生、技能実習中の技能実習生、特定技能外国人で必要な書類が違います。入国前なら技能実習計画書か認定通知書、雇用契約書と雇用条件書のいずれかです。実習中は認定通知書、雇用契約書と雇用条件書、在留カードの写し、特定技能は雇用契約書と雇用条件書、在留カードの写しを出します。現況写真は社宅を改修する場合、賃貸借契約書の写しは建物を借りる場合に要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 介護事業所だった:介護保険法の指定を受けた事業所などは、制度の対象外です。法人全体ではなく、事業を行う事業所が当たるかを確かめます。
- 国や県の補助を同じ経費に使った:同様の趣旨の国・県の補助金を受けた経費は、対象になりません。
- 2月末までに改修が終わらなかった:社宅の改修工事は、申請年度の2月末までに完了させる決まりです。工期の長い工事は、早めに依頼します。
- 在留資格が対象外だった:特定技能か技能実習の在留資格がなく、市内の事業所で働いていない人の分は対象外です。
よく似た別の補助金との違い
三次市には、名前の似た補助金がもう1つあります。「多様な人材確保支援事業補助金」です。
| 制度 | 何に出るか | 金額 |
|---|---|---|
| 多様な人材確保環境整備事業補助金(この記事) | 社宅・備品・研修・翻訳・送迎など環境の整備費 | 1/2以内、1事業者30万円まで |
| 多様な人材確保支援事業補助金 | 外国人材を受け入れる経費 | 技能実習の第1号の1人につき10万円、1事業者2人分まで |
後者の内容は、令和8年度の支援事業一覧PDFにもとづきます。環境整備のほうが、使い道の幅が広い補助金です。どちらも商工観光課の窓口で、受け入れる外国人材の区分に合うかを相談してください。
よくある質問
障害者や高齢者の雇用にも使えますか?
使えません。名前に「多様な人材」とありますが、公式ページの対象は外国人材の受入れ環境の整備です。対象の外国人材は、特定技能か技能実習の在留資格をもち、市内の事業所で働く人に限られます。障害のある人や高齢者を雇うための整備費は、この補助金の対象として書かれていません。別の雇用関係の制度がないかは、商工観光課に聞いてください。
介護事業所は申請できますか?
申請できません。介護保険法の指定を受けた居宅サービス・地域密着型サービス・居宅介護支援・介護予防サービスなどの事業所、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院は対象外です。補助の対象外として公式ページに明記されています。ほかの業種の事業所を市内にもつ法人は、対象の事業所で受け入れる場合の扱いを、申請の前に窓口で確認すると確実です。
補助上限額はいくらですか?
ハード事業は補助率2分の1以内で上限30万円、ソフト事業は2分の1以内で上限20万円です。ただしハードとソフトを合わせて、1事業者につき上限30万円と決まっています。たとえば社宅の改修に60万円、日本語研修に30万円かけると、計算上は45万円になりますが、上限の30万円までしか出ません。上限に当たる使い方を想定して、自己負担を見積もっておくと安心です。
外国人材は何人まで対象ですか?
公式ページに、人数の上限は書かれていません。上限として書かれているのは、1事業者あたり30万円という金額だけです。受け入れる外国人材は、特定技能か技能実習の在留資格をもつ人で、入国前の技能実習生も申請書類の区分に入っています。人数に応じて補助額が増えるのか、受け入れる人数が影響するのかは、商工観光課に確かめてください。
建物の賃借料はどのくらい補助されますか?
月額5万円までが対象で、敷金と礼金は除かれます。補助の期間は12か月が限度で、申請は単年度ごとに行います。補助率は2分の1以内で、ハード事業の上限30万円の中で使います。ただし、月額5万円が家賃そのものの上限なのか、補助額の上限なのかは、公式ページから読み取れません。賃借料を使う予定があるなら、申請の前に商工観光課で計算の仕方を確認してください。実績報告書の様式には、賃借料は申請年度の3月分までと書かれています。
備品は何を買えますか?
公式ページには、電動自転車、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、炊飯器、テーブル、ベッドの8品目が挙がっています。外国人材の暮らしと通勤を支える品が中心です。8品目以外が対象になるかは書かれていません。たとえば掃除機のような品を買うときは、事前に商工観光課へ聞くのが確実です。購入のときは、見積書の写しも申請書類に添えます。
日本語研修の費用も補助されますか?
補助されます。ソフト事業の研修費として、日本語研修の受講料、教材費、講師謝金などが対象です。補助率は2分の1以内で、ソフト事業の上限は20万円です。たとえば日本語研修に30万円かけると、補助額は15万円になります。資格取得費や翻訳・通訳費、送迎委託費と合わせて、ソフトの上限は20万円、ハードと合わせて30万円です。
送迎の費用は対象になりますか?
住居から就労場所への送迎を、業者に委託する費用は対象です。送迎委託費としてソフト事業に入り、補助率は2分の1以内です。ただしガソリンや軽油などの燃料代は除かれます。自社の車で送迎する場合の燃料代は、補助の対象になりません。委託先との契約内容が分かる見積書を、申請書類にそろえておくとよいでしょう。
いつまでに申請すればよいですか?
公式ページに受付期間の記載はありません。通年で受け付けているのか、予算の上限があるのかも書かれていないため、早めに商工観光課へ問い合わせるのが安全です。社宅の改修工事は、申請した年度の2月末までに完了する決まりです。改修を予定しているなら、工期から逆算して、年度の前半に申請しておくと余裕が生まれます。
交付決定の前に社宅の改修を始めてもよいですか?
公式ページには、交付決定前の着手について書かれていません。補助金は、交付決定のあとに始めた事業が対象になるのが一般的です。決定の前に契約や発注をして、あとから対象外と判断されると、補助が受けられなくなります。見積もりを取り、書類をそろえるところまでを決定の前に済ませて、契約や着工の時期は商工観光課に確認してください。
国や県の別の補助金と併用できますか?
同じ経費では併用できません。この補助金と同様の趣旨の、国または県の補助金を受けようとする経費がすでにある場合、申請者は対象外とされています。別の経費であれば申請できる可能性がありますが、どこまでが同様の趣旨に当たるかは、公式ページから判断できません。国や県の制度を使う予定があるときは、先に商工観光課で経費の分け方を相談してください。
問い合わせ先はどこですか?
三次市産業振興部 商工観光課 商工労働・企業誘致係です。電話は0824-62-6171、所在地は三次市十日市中二丁目8番1号です。申請書類もこの課へ出します。賃借料の計算や備品の範囲のように、公式ページに書かれていない点は、申請の前にここで確かめるのが確実です。
