この補助金でいちばん多い失敗は、金額ではなく日数の数え間違いです。補助の対象になるのは、開業日から90日以内に行う広告宣伝だけ。しかも交付決定の前に始めた広告は対象外なので、チラシを刷る前に申請を済ませる必要があります。
三次市の新規開業支援事業補助金は、市内で新たに開業する人の広告宣伝費の1/2(上限20万円)を補助します。折り込みチラシ、新聞・雑誌の広告、ホームページの開設が対象です。
三次市 新規開業支援事業補助金の要点まとめ
正式名:三次市新規開業支援事業補助金
だれが
- 申請者
- 市内に本店のある中小企業者(法人・個人)、市内に住所のある新規開業者
- 対象業種
- 業種の指定なし(風俗営業など一部は対象外)
- 利用目的
- 開業時の広告宣伝(チラシ・新聞広告・ホームページ)
- 対象地域
- 広島県三次市
- 従業員数
- 中小企業者の範囲に収まること(大企業の出資率が1/2未満)
いくら
- 補助上限額
- 20万円
- 補助率
- 対象経費の1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 公式ページに受付期間の記載なし(商工観光課へ)
- 事業の完了
- 交付決定後に実施し、その年度内に完了
- 公式サイト
- 三次市「三次市新規開業支援事業補助金」
何から始める?開業日から90日を数える
最初にやるのは開業日の確認です。ここでいう開業日は、開業届に書いた開業日か法人の設立日です。この日から90日以内に行う広告宣伝が対象になります。
開業届は、個人事業を始めたことを税務署に知らせる書類です。
90日はおおむね3か月です。広告の実施は交付決定のあとなので、申請から決定までの日数もこの90日に含めて考えます。公式ページに、決定までにかかる日数は書かれていません。
自分は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
申請者は、市内に本店を持つ法人か個人、または市内に住所のある新規開業者です。ここでいう新規開業は、市内で新たに出店するか事業所などを開くことをいいます。
中小企業者は、中小企業基本法第2条の定義で、資本金と従業員数の上限が業種ごとに決まっています(詳しくは三次市の公式ページでご確認ください)。
次のいずれかに当たると対象外です。
- ✕ 営業時間が17時以降だけ
- ✕ 営業日が週4日未満
- ✕ 市外に本店がある事業者のチェーン店・支店
- ✕ 市の起業支援の受給者
- ✕ 市の空店舗支援の受給者
- ✕ チャレンジショップ補助の受給者
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の適用を受ける店舗や、公序良俗に反する店舗も対象外です。
三次市の起業支援事業補助金か空店舗出店支援事業補助金かチャレンジショップ運営支援事業補助金を受けた人は、この補助金を使えません。同じ開業でも、どれを選ぶかで使える制度が変わります。
何に使える?
対象にならないものを先に見ておきます。
- 消費税および地方消費税に当たる額
- ノベルティグッズなどへの広告
- 市外の業者に頼んだ印刷物の制作費
対象になるもの
- 開業時の折り込みチラシの製作費と、新聞折り込みの費用
- 新聞、雑誌などの広告掲載費
- ホームページの開設費
印刷物の製作業者は、市内に本店のある広告・印刷関連業者(個人も可)に限られます。見積を取る前に業者の本店所在地を聞いておくと、あとから対象外と分かる失敗を避けられます。
いくら戻る?
補助率は対象経費の1/2以内で、上限は20万円です。千円未満の端数は切り捨てになります。消費税に当たる額は含めずに計算します。
- チラシの制作と折り込みに12万円(税抜):12万円 × 1/2 = 6万円
- ホームページの開設に30万円(税抜):30万円 × 1/2 = 15万円
- チラシ10万円とホームページ50万円(税抜):60万円 × 1/2 = 30万円 → 上限の20万円
上限の20万円に届くのは、税を除いた対象経費が40万円以上のときです。上限に届くかどうかは、ホームページを作るかで変わります。チラシだけで40万円は届きにくく、ホームページと組み合わせると届く場面が出てきます。
補助金は事業が終わったあとの精算で、広告費の全額はいったん自分で支払います。
起業支援・空店舗とどう使い分ける?
三次市の創業まわりの補助金は、互いに外れる条件をもっています。この記事の制度は広告宣伝だけを補助するので、施設整備や賃借料の補助とは別に考えます。
| 制度 | 何を補助するか | この補助金との関係 |
|---|---|---|
| 新規開業支援(この記事) | 開業から90日以内の広告宣伝(上限20万円) | 他の3制度の受給者は対象外 |
| 起業支援事業補助金 | 事務所の新築・増改築などの施設整備と広告料(上限100万円) | 受けると、この補助金は使えない |
| 空店舗出店支援事業補助金 | 空店舗の改修・広告料・賃借料(合計で上限100万円) | 受けると、この補助金は使えない |
| チャレンジショップ運営支援事業補助金 | 商店街団体などの運営費(1補助対象者あたり200万円) | 受けると、この補助金は使えない |
起業支援や空店舗は、広告料も対象経費に入っています。施設整備の予定がなく広告費だけなら、この補助金が候補です。施設整備や空店舗の改修があるなら、上限の大きい制度に広告料を含める道もあります。見積が出たあとで比べてください。
申請から入金までの流れ
- 開業日を確認し、広告の内容と見積をそろえる(開業する人→市内の広告・印刷業者)
- 交付申請書を出す(開業する人→三次市 商工観光課)
- 交付決定を待つ(市→開業する人。決定の前に広告を始めない)
- 広告宣伝を実施し、開業日から90日以内・年度内に終える(開業する人)
- 実績報告書を出す(開業する人→商工観光課)
- 交付額の確定を受け、交付請求書を出して受け取る(開業する人→商工観光課)
内容を変えるときは、変更承認申請書の様式が用意されています。
必要な書類
準備できた 0 / 4
店舗の写真は、開業した店舗か開業する予定の店舗のものです。申請書の様式には、届出書は「個人事業の開業・廃業等届出書」の写しと書かれています。法人で開業する場合に何を添えるかは、窓口で聞いてください。そのほか市長が必要と認める書類を求められることがあります。
事業計画書には、店舗名と所在地、開店日、店休日、営業時間、広報の予定日と計画を書きます。申請書には、市が市税・料の納付状況を公簿で確認することへの承諾の文が入っています。
広告が終わったあとの実績報告書には、事業実績書、収支決算書、広告の成果物、領収書などの写しを添えます。チラシや掲載紙面の現物か写しは、残しておいてください。
もらえなくなるとき
- 交付決定の前に広告を始めた:決定後に実施することが条件です。先に刷ったチラシや公開したページの費用は対象外のおそれがあります。
- 開業日から90日を過ぎた:90日以内の広告宣伝が対象です。数える起点は開業届の開業日です。
- 市外の業者に印刷を頼んだ:印刷物は市内に本店のある広告・印刷業者が条件です。
- 他の創業支援を受けていた:起業支援、空店舗出店支援、チャレンジショップ運営支援のどれかを受けた人は対象外です。
よくある質問
広告宣伝にはどんな費用が使えますか?
対象は、開業時の折り込みチラシの製作と新聞折り込みの費用、新聞や雑誌の広告掲載費、ホームページの開設費です。ノベルティグッズへの広告は対象外で、消費税と地方消費税に当たる額も入りません。看板やのぼり、SNS広告が入るかは公式ページに書かれていません。使いたい費用が決まったら、先に商工観光課へ聞いてください。
開業日から90日以内とは、いつまでのことですか?
開業日は、開業届に書いた開業日か法人の設立日です。この日から90日以内に行う広告宣伝が対象になります。数える日数に、申請から交付決定までの期間も含まれる点に注意が必要です。決定を待つ間は広告を始められないため、準備を始めたら早めに申請してください。決定までの日数の目安は、窓口で聞いておくと日程を組みやすくなります。
開業前に申請できますか?
公式ページに、開業前に申請してよいかの記載はありません。ただ、事業計画書の様式には開店(開業)日と広報予定日を書く欄があり、写真も「開業した(する予定)」店舗でよいとされています。開業前の申請を想定した作りに見えますが、確実ではありません。届出書の写しを添える必要もあるため、届出と申請の順番は商工観光課へ相談してください。
個人事業主でも申請できますか?
申請者は、市内に本店を有する法人か個人、または市内に住所を有する新規開業者とされています。個人も申請できる書き方です。市外に住む個人が市内に出店する場合は、住所の扱いを事前に窓口へ確認してください。法人の場合は市内に本店があることが条件で、個人の場合は市内に本店か住所のどちらかがあれば足りる書き方です。
起業支援事業補助金と両方もらえますか?
もらえません。公式ページは、三次市起業支援事業補助金と空店舗出店支援事業補助金とチャレンジショップ運営支援事業補助金の交付を受けた人を、この補助金の対象外としています。広告料は起業支援の対象経費にも入るため、施設整備を予定している人は見積が出たあとにどちらを使うか決めるのが現実的です。迷ったら窓口に相談してください。
ほかの補助金を受けている場合はどうなりますか?
対象者の条件に、国・県・市・財団などから同一事業に対する助成を受けていないこと、とあります。同じ広告宣伝の費用について、別の補助金や助成金を使う予定があるときは、重ねて申請できません。どの費用がどの制度に当たるかを分けて整理しておくと、申請のときに迷いません。判断がつかない場合は、窓口に確かめてください。
補助金はいつ受け取れますか?
流れは、交付決定から広告の実施、実績報告書、交付請求書の順です。実績の確認のあとに請求する形なので、広告費は先に事業者が支払います。入金の時期は窓口で聞いておくと安心です。資金に余裕がないときは、広告の規模を絞って見積を取り直すなど、自己負担を先に確かめておくと安心です。
印刷業者は市外でもいいですか?
だめです。チラシなどの印刷物の製作業者は、市内に本店のある広告・印刷関連業者である必要があります。個人の業者でも構いません。市外の業者に頼んだ印刷物の費用は、対象にならないおそれがあります。ホームページの制作業者について市内本店の条件があるかは、公式ページに書かれていません。見積の段階で所在地を聞いてください。
営業時間や営業日に決まりはありますか?
あります。営業時間が17時以降だけで昼間の営業がない場合と、営業日数が週4日未満の場合は、対象外です。夜だけ営業するバーや週末だけ開く店は外れる可能性が高いといえます。広告を打つ前に、営業時間と営業日が条件に合うか確かめてください。市外に本店がある事業者のチェーン店や支店も対象外です。
3年以上続けられなかったらどうなりますか?
対象者の条件に「3年以上継続して事業を実施する方」とあります。3年以内にやめた場合に補助金を返すのかどうかは、案内に説明がありません。申請の前に商工観光課へ確かめてください。3年の継続は対象者の条件なので、申請の段階で続ける見込みを問われます。続ける見込みは、事業計画書で説明できる状態にしておきます。
申請はいつまでにすればいいですか?
公式ページに受付期間の記載はありません。予算がなくなり次第終了するのかも、書かれていません。ただし広告宣伝は、交付決定のあとに、開業日から90日以内かつ年度内に終える必要があります。年度末に近い時期の開業は、完了までの期間が短くなります。開業日が決まったら、早めに商工観光課へ相談してください。
問い合わせ先はどこですか?
三次市 産業振興部 商工観光課 商工労働・企業誘致係(電話 0824-62-6171)です。申請書類もこの窓口へ出します。開業日の数え方や費用が対象に入るか、起業支援との使い分けなど、公式ページだけでは判断できない点を確かめられます。メールでの問い合わせ先も、三次市の案内ページに載っています。
