空き家を店舗に改装して開業しても、この補助金は出るのか。出ません。対象は「市内で過去に事業を営んでいて、いまは閉店している店舗」に限られ、空き家や住居を店舗に改装する場合は対象外です。
三次市は、そうした空店舗に出店する新規創業者などに、店舗改修費・広告料・賃借料の一部を補助します。改修費と広告料は1/2以内、賃借料は月額の1/2以内(月5万円まで、12か月)です。三次市の支援事業一覧(令和8年度)では、改修費などと賃料を合わせて上限100万円とされています。
三次市 空店舗出店支援事業補助金の要点まとめ
正式名:三次市空店舗出店支援事業補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)、市内に住所のある新規創業者
- 対象業種
- 卸売・小売、飲食・宿泊、理美容など(本文の表)
- 利用目的
- 空店舗への出店(店舗改修・広告・賃借料)
- 対象地域
- 広島県三次市
- 従業員数
- 中小企業者の範囲に収まること(本文参照)
いくら
- 補助上限額
- 100万円(改修費・広告料・賃料の合計)
- 補助率
- 1/2以内(賃借料は月額の1/2以内)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 公式ページに受付期間の記載なし(商工観光課へ)
- 事業の完了
- 交付決定後に着工し、交付年度内に完了
- 公式サイト
- 三次市「三次市空店舗出店支援事業補助金」
出店予定の店舗は「空店舗」に当たるか
線引きは物件の過去にあります。判断の分かれ目になるのは次のとおりです。
| 対象になる | 対象にならない |
|---|---|
| 市内で過去に事業を営み、いまは閉店している店舗 | 空き家・住居を店舗に改装する場合 |
| 過去にこの補助金で改修していない空店舗 | 過去にこの補助金(旧制度を含む)で改修済みの空店舗 |
| 閉店した店舗の所有者本人・親族とは別の人が営業する場合 | 閉じた店舗が本人や親族の所有で、本人や親族が再び営業する場合 |
空店舗の解消が目的の制度なので、もともと店舗でなかった建物は入りません。親族の持ち物を再開する場合も、新たな空店舗の解消にならないため外れます。親族は、3親等内の血族、配偶者、2親等内の姻族が範囲です。
うちは対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
中小企業者は、中小企業基本法第2条の定義で、資本金と従業員数の上限が業種ごとに決まっています(詳しくは三次市の公式ページでご確認ください)。大企業者の出資率が1/2未満であることも条件です。
指導は、三次商工会議所または三次広域商工会の経営指導等を受けている方が対象です。
次のいずれかに当たると対象外です。
- ✕ 空き家・住居を店舗に改装する
- ✕ 営業が17時以降だけ
- ✕ 営業日が週4日未満
- ✕ 市外本店のチェーン店・支店
- ✕ 事務所・倉庫として使う
- ✕ 仮店舗として使う
市内で営業中の方(過去6か月以内に営業していた方を含む)が、その店舗を閉めて新たに出店する場合も外れます。風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の適用店舗や、公序良俗に反する店舗も対象外です。
対象の業種は決まっている
出店する業種は、日本標準産業分類の次の区分に限られます。
| 大分類 | 範囲 |
|---|---|
| 卸売・小売業 | 全体 |
| 宿泊業、飲食サービス業 | 全体 |
| 生活関連サービス、娯楽業 | 78 洗濯・理容・美容・浴場業 |
| 教育、学習支援業 | 82 その他の教育、学習支援業 |
| 医療・福祉業 | 83 医療業のうち 835 療術業 |
たとえば雑貨店、カフェ、美容室、学習塾、整体院は入ります。事務所や倉庫としての利用は業種にかかわらず外れます。自分の業種がどの分類に当たるかは、公式ページに書かれていません。申請の前に商工観光課で聞いておくと、見込み違いを避けられます。
いくら補助される?
補助の中身は2種類あります。
- 改修費・広告料:対象経費の1/2以内(広告料の補助は10万円が上限)
- 賃借料:月額の1/2以内、月5万円まで、補助対象開始月から12か月
賃借料に敷金と礼金は入らず、千円未満は切り捨てです。申請は年度ごとで、申請書の様式では賃料の月数を「申請年度の3月分まで」で計算します。
- 内装工事に120万円かかる:120万円 × 1/2 = 60万円
- 内装工事に260万円かかる:260万円 × 1/2 = 130万円 → 上限の100万円(改修費だけの場合)
- 家賃が月8万円:8万円 × 1/2 = 4万円。12か月で48万円
- 家賃が月14万円:14万円 × 1/2 = 7万円 → 上限の5万円。12か月で60万円
- 合計の上限:内装130万円の半分(65万円)に家賃60万円を足すと125万円 → 上限の100万円
上限100万円は、改修費・広告料・賃料の補助額を足した合計にかかります。申請書の様式も、3つの補助額を足して申請額にする形です。内装に200万円、家賃が月10万円で12か月かかる例なら、100万円と60万円を足して160万円分の補助額になり、上限の100万円に切り下がります。公式ページの補助率の表は改修費・広告料と賃料を別の行に分けていますが、令和8年度の支援事業一覧は合計で100万円と書いています。
何に使える?
対象にならないもの
- 消費税および地方消費税に当たる額
- 賃借に係る敷金・礼金
- 三次市三次町街なみ整備助成事業補助金の対象になる部分の店舗改装費
- 市外の業者に頼んだ改修工事や広告の印刷物
対象になるもの
- 店舗改修費(施工業者は市内に本店を置く建築関連業者。個人も可)
- 広告料(印刷物の制作業者は市内に本店を置く広告・印刷関連業者)
- 出店する店舗の賃借料
見積もりを取る前に、業者の本店が市内にあるかを確かめてください。契約後に市外と分かると、その費用は対象外になるおそれがあります。
ここを取り違えると申請できません
着工は交付決定のあとです
補助金の交付が決まってから着工し、同じ年度のうちに工事を終える必要があります。契約や着工を先にすると対象外になるおそれがあります。
「新規」と言っても、閉店していた店が前提です
新しくお店を出すなら何でも対象、という制度ではありません。店舗として使われていた物件であることが出発点です。
市の他の創業・開業支援とは別の制度です
三次市には、創業や新規開業を支えるほかの補助金もあります。この記事は空店舗への出店に絞っています。物件が空店舗でなければ、別の制度を調べてください。
申請の流れ
- 商工会議所か商工会で経営指導を受ける(事業者→三次商工会議所または三次広域商工会)
- 経営指導等証明願を出して証明を受ける(事業者→同じ窓口。様式は市のページにある)
- 書類をそろえて申請する(事業者→三次市 商工観光課)
- 交付決定を待つ(市→事業者。決定の前に着工しない)
- 着工して、交付年度内に工事を終える(市内の施工業者)
- 実績報告書と請求書を出す(事業者→商工観光課。実績報告書には事業実績書・収支決算書・工事写真・領収書の写しなどを付ける)
概算払の様式も用意されています。工事の途中で資金が要るときは、使えるかどうかを商工観光課に確認してください。
必要な書類
準備できた 0 / 11
経営指導等証明願は、三次商工会議所用と三次広域商工会用が別の様式です。法人は前期決算書と、法人登記簿の写しか定款を出します。確定申告書の写しは、申請書の様式で新規創業者を除く個人が対象です。申請書には、市税・料の納付状況を役所が公簿で確認することへの承諾欄があります。そのほか、市長が必要と認める書類を求められることがあります。
もらえなくなるとき
- 交付決定の前に着工した:決定後の着工が条件です。先に始めた工事の費用は対象にならないおそれがあります。
- 市外の業者に工事や印刷を頼んだ:施工業者と広告の印刷業者は、市内に本店がある業者に限られます。
- 昼間の営業がない、または週4日未満:営業時間が17時以降だけ、営業日が週4日未満だと対象外です。
- 3年続けなかった:3年以上継続して事業を行うことが対象者の条件です。公式ページに、途中でやめた場合の扱いの記載はありません。
よくある質問
空き家を店舗に改装して開業する場合は対象ですか?
対象になりません。公式ページに「空き家、住居等を店舗に改装する場合は対象となりません」と書かれています。対象の空店舗は、市内で過去に事業を営んでいた店舗で、いまは閉店している物件です。出店を考えている建物が過去に店舗として使われていたかどうかは、貸主や不動産会社に確かめてください。迷うときは、物件を決める前に三次市の商工観光課へ問い合わせてください。契約したあとでは、見込み違いを直せません。
市外に住んでいる人が三次市で開業する場合は使えますか?
対象者は、市内に本社を有する法人、個人、または市内に住所を有する新規創業者とされています。市外に住む個人が、住所を移さないまま出店する場合の扱いは、公式ページに書かれていません。市内に本社を置く法人として出店する形なら、要件に当たります。経営指導を受ける商工会議所・商工会も、三次商工会議所か三次広域商工会に限られます。
改修費の補助はいくらまで出ますか?
店舗改修費と広告料は、対象経費の1/2以内です。広告料の補助は10万円までです。上限は賃料の補助と合わせて100万円なので、内装に260万円かかった場合は、半分の130万円が上限の100万円に切り下げられます。消費税と地方消費税に当たる額は対象経費に入りません。見積書の金額から税を除いて、補助額の見込みを計算しておくと、自己負担の額を事前に把握できます。
家賃の補助はどのくらい受けられますか?
出店する店舗の賃借料の月額の1/2以内で、月5万円が上限です。改修費などの補助と合わせて100万円までです。補助対象開始月から12か月が限度で、申請は年度ごとです。敷金と礼金は対象に入りません。家賃が月8万円なら月4万円、月14万円なら上限の月5万円になります。千円未満の端数は切り捨てです。補助対象開始月がいつになるかは、公式ページに説明がありません。申請書の様式には、賃料を申請年度の3月分まで計算する欄があります。
親族が持っていた店舗を借りて出店できますか?
閉店した店舗が本人または親族の所有で、本人または親族が再び営業する場合は対象外です。親族の範囲は3親等内の血族、配偶者、2親等内の姻族です。一方、貸主が第三者で、新たに出店する人と別人であれば、この点では外れません。親族が貸主でも、出店する人が別人の場合の扱いは、公式ページに書かれていません。
市外の業者に内装工事を頼んでもいいですか?
補助を受けるには、店舗改修を行う施工業者が市内に本店を有する建築関連業者である必要があります。個人の業者でも構いません。市外の業者に頼んだ工事の費用は、補助の対象にならないおそれがあります。広告の印刷物も、市内に本店を持つ広告・印刷関連業者に制作を頼む条件です。見積もりの段階で、業者の本店所在地を聞いておけば、契約後のやり直しは起きません。
営業時間や営業日に決まりはありますか?
あります。営業時間が17時以降のみで昼間の営業がない場合と、営業日数が週4日未満の場合は、補助の対象外です。夜だけ営業するバーや、週末だけ開く店は外れる可能性が高いといえます。そのほか、事務所や倉庫としての利用、仮店舗としての利用も対象外です。開業計画書を作る時点で、営業時間と営業日を、この条件に合うように組んでおく必要があります。
3年以上続けるという条件は、守れなかったらどうなりますか?
対象者の要件に「3年以上継続して事業を実施する方」とあります。3年以内にやめた場合に補助金を返す必要があるかどうかは、公式ページに記載がありません。返還の扱いは交付決定の通知や要綱に書かれている可能性があります。申請の前に、商工観光課へ問い合わせてください。3年は続けられる見込みを、開業計画書で説明できる状態にしておくことが前提になります。
申請はいつまでにすればいいですか?
公式ページに受付期間の記載はありません。予算がなくなり次第終了するのかも、書かれていません。ただし、補助金交付の決定後に着工し、その年度のうちに工事を終える必要があるため、年度の後半に申請すると工事に使える期間が短くなります。物件が決まったら、すぐ商工観光課へ相談してください。
問い合わせ先はどこですか?
三次市 産業振興部 商工観光課 商工労働・企業誘致係(電話 0824-62-6171)です。対象の空店舗に当たるか、業種が対象に入るか、賃借料の補助をいつから受けられるかなど、公式ページだけでは判断できない点を確かめられます。申請書類のうち経営指導等証明願は、三次商工会議所または三次広域商工会が窓口です。
ほかの助成を受けている場合は申請できますか?
国、県、市、財団などから同一事業に対する助成を受けている場合は、対象外です。同じ店舗の改修について別の補助金を使う予定があるときは、重ねて申請できません。また、三次市三次町街なみ整備助成事業補助金の対象になる部分の店舗改装費は、この補助金の対象経費から外れます。どちらの制度を使うかは、申請前に決めておく必要があります。
補助金はいつ受け取れますか?
流れは、交付決定、着工、工事の完了、実績報告書と請求書の提出の順です。実績報告のあとに請求書を出して受け取る形で、工事費を先に事業者が支払う必要があります。工事の途中で資金が必要なときは、概算払の様式が用意されています。振込の時期は公式ページに書かれていないため、資金計画は余裕をもって立ててください。
