令和8年度の募集は、2回とも終わりました。2次募集は、太陽光発電設備だけに絞って7月に行われました。
絞った理由は、財源の国の交付金にあります。交付金は、区分ごとに予算を割り振る決まりです。1次募集で蓄電池や空調の区分は予算に達しましたが、太陽光の区分だけ予算が余りました。
令和8年度に申請できる区分は、もう残っていません。次回の募集は、公式ページに載っていません。次に備えるなら、今回の条件を知っておくと動きやすくなります。
山口県 省・創・蓄エネ設備設置補助金の要点まとめ
正式名:山口県中小企業者等向け省・創・蓄エネ設備設置補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(県内の中小企業者等、PPA事業者、リース事業者)
- 対象業種
- 指定なし
- 利用目的
- 太陽光発電・蓄電池・太陽熱利用・高効率空調などの導入
- 対象地域
- 山口県内の事業所
- 従業員数
- 業種ごとの基準あり(製造業ほかは資本金3億円以下または300人以下)
いくら
- 補助上限額
- 太陽光:5万円/kW(50kWまで)。県産設備は+2万円/kW
- 補助率
- 定額(kWあたりの単価制)。蓄電池等は1次のみで1/3〜2/3
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2次募集は2026年7月1日〜7月31日で終了
令和8年度の募集はどうなった?
| 募集 | 期間 | 結果 |
|---|---|---|
| 1次募集 | 4月10日〜5月25日 | 46事業が応募し、24事業を採択 |
| 2次募集 | 7月1日〜7月31日 | 5事業を採択(8月24日発表) |
1次募集の区分は3つありました。区分1が太陽光と蓄電池など、区分2が太陽熱・地中熱、区分3が高効率空調などです。区分2と区分3、それに太陽光の付帯設備は、1次で予算に達して終わりました。
2次募集の予算は約2,100万円でした。先着順ではなく、「事業の適合性」「設備導入効果」「事業の波及効果」の3点を県が審査して決める方式です。
次の募集で、うちは対象になる?
次の条件は、令和8年度の公募のものです。次回も同じとは限りません。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 野立ての太陽光発電設備
- ✕ FIT・FIP認定を受けた設備
- ✕ 割賦払いで導入する設備
PPA事業者とリース事業者は、太陽光発電設備を導入する場合に限って申請できます。PPAは、事業者が設備を無償で設置し、使った電気代を利用者が払う仕組みです。リースは、設備を貸し出す契約です。
中小企業者等は、業種ごとに資本金か従業員数のどちらか一方を満たせば足ります。製造業ほかは3億円以下または300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下です。小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下です。ゴム製品製造業は従業員900人以下、ソフトウェア業・情報処理サービス業は300人以下、旅館業は資本金5,000万円以下または200人以下と、業種によって基準が変わります。医療法人や社会福祉法人、学校法人なども含まれます。
いくらもらえる?
太陽光発電設備は、1kWあたり5万円の定額です。山口県産の設備なら、さらに1kWあたり2万円が加わります。補助の対象は50kWまでです。
- 20kWの太陽光を屋根に設置:5万円 × 20kW = 100万円
- 山口県産の10kWを設置:(5万円+2万円)× 10kW = 70万円
- 60kWを設置:5万円 × 50kW(上限)= 250万円
kWの数え方には決まりがあります。太陽光パネルとパワーコンディショナーの出力の低い方を使い、小数点以下は切り捨てです。パネルが22.8kW、パワーコンディショナーが20.0kWなら、20kWで計算します。
県産設備の上乗せが付くのは、「山口県産省・創・蓄エネ関連設備登録制度」に登録された太陽光発電設備です。50kWの県産設備なら、7万円 × 50kW = 350万円まで届きます。交付要領は、太陽光パネルとパワーコンディショナーの出力が10kW以上であることを求めています。10kW未満の設備は対象外です。
何に使える?
対象にならないもの
- 野立ての太陽光発電設備
- 再エネ特措法のFIT・FIP認定を取った設備
- 割賦払いで導入する設備
- 建物本体(カーポート本体を含む)
- 消費税
対象になるもの
- 屋根置きなどの自家消費型太陽光発電設備
- 同じ敷地内のカーポートの上に置く太陽光発電設備
- 工事費、設備費、業務費、事務費
20kW以上の設備には、発電設備を囲う柵塀と、外から見える標識の掲示が要件になります。柵塀の工事は、付帯工事費として対象経費に入ります。
発電した電気は、自家消費が原則です。余った分の売電はできますが、自家消費の割合が50%を下回らない範囲に限られます。既存の設備に増設する場合は、既存分と増設分を合わせた発電量の50%以上を自家消費する必要があります。設備の一部だけを増設する場合は、対象外です。
10kW以上の設備では、将来の解体・撤去費を積み立てる計画をつくり、実際に積み立てることも要件に入っています。県は、火災保険や賠償責任保険への加入にも努めるよう求めています。
申請の流れ
令和8年度の公募での流れです。
- 公募の開始を確認する(事業者。県のページで告知)
- 見積書を取る(事業者→施工業者。原則、複数の業者から取る)
- 申請書類を出す(事業者→山口県地球温暖化防止活動推進センター。持参・郵送・メールのいずれか)
- 審査と交付決定を待つ(県→事業者。通知まで約1か月)
- 交付決定のあとに契約し、着工する(事業者→施工業者)
- 実績報告を出す(事業者→県。完了から30日以内か、年度の2月28日の早い方まで)
提出は期日までの必着です。期限を過ぎた書類は受け付けられません。
実績報告には、実績報告書、事業実績書、請求書や領収書の写し、工事請負契約書の写し、施工前・施工中・施工後の写真、設計図書や竣工試験データを含む完成図書の写しを添えます。補助金は精算払いで、支払請求書を出したあとに支払われます。県は、請求書を受け取った年度の3月31日までに支払うとしています。
必要な書類
準備できた 0 / 9
証明書類は、発行から3か月以内のものが要ります。納税証明書は、課税がなく証明書が出ないときは、その旨を書いた書面(任意の様式)で代えられます。設備を置く建物を新築する予定で全部事項証明書が出せないときは、新築工事の契約書などを出します。複数業者の見積書を取れないときは、理由書をつけます。設備を置く建物が自社の所有でない場合は、所有者の同意書が必要です。PPA事業者やリース事業者は、契約書の案と料金計算書に加えて、設備を使う事業者の登記事項証明書と納税証明書も出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に着手した:交付決定の通知より前に事業へ着手すると、補助の対象外です。一般に、工事の契約を結んだ日が着手日になります。
- 国や自治体の別の補助を受けた:同じ設備について、国や自治体から補助を受けた事業は対象外です。国費を財源にした財団などの補助も重ねられません。
- 同じ事業所で2回目の申請をした:交付を受けられるのは、同じ事業所につき1回までです。別の事業所なら申請できます。
- 実績報告が遅れた:期限に間に合わないと、補助金は交付されません。
- 自家消費が50%を下回った:売電が多すぎると、条件を満たさなくなります。
次の募集に備えて
令和8年度の2次募集では、要件の変更はありませんでした。変わったのは、募集する区分が太陽光発電設備だけになった点です。
財源が環境省の交付金なので、区分ごとの予算配分は毎年の事情で変わりえます。次年度に何を募集するかは、公式ページに載っていません。公式に確認できるのはここまでです。募集の開始は、山口県のページと、山口県地球温暖化防止活動推進センターの案内で確かめてください。
よくある質問
令和8年度は、まだ申請できますか?
申請できません。1次募集は4月10日から5月25日、2次募集は7月1日から7月31日で終了しました。1次で募集した蓄電池などの付帯設備、太陽熱利用設備、高効率空調機器の区分は、予算額に達したため2次募集がありませんでした。令和8年度中の追加募集は、公式ページに載っていません。新しい情報は県のページで確認してください。
次の募集はいつ始まりますか?
公式ページには、次回の募集時期が載っていません。令和8年度は、1次募集が4月10日、2次募集が7月1日の開始でした。この日付が毎年同じとは限りません。県のページと、山口県地球温暖化防止活動推進センター(電話083-933-0008)の案内で確かめてください。見積書や登記の書類は、募集が始まる前から準備できます。
蓄電池だけを入れたいときは、どうなりますか?
令和8年度は、1次募集に限り対象でした。蓄電池は、区分1の中で太陽光発電設備と一緒に申請する形で、「区分1は太陽光発電設備の設置が必須」と書かれています。蓄電池だけの申請はできません。2次募集には、蓄電池などの付帯設備の区分がありませんでした。次年度に同じ形で募集されるかは、公式ページで分かっていません。
山口県産の設備にすると、いくら増えますか?
太陽光発電設備では、1kWあたり2万円が加わります。10kWなら20万円、50kWなら100万円の上乗せです。対象は、「山口県産省・創・蓄エネ関連設備登録制度」に登録された事業者向け設備のうち、太陽光発電設備です。登録された製品は、県のホームページで調べられます。購入の前に、導入したい型番が登録されているかを確かめてください。
50kWを超える設備でも申請できますか?
申請できますが、補助の対象になるのは50kW分までです。太陽光発電設備にかかる経費は、「50kW÷設置する容量」で按分して計算します。たとえば100kWを設置する場合は、経費の半分が補助対象経費です。補助額は、5万円 × 50kW = 250万円までです。県産設備の上乗せがあれば、7万円 × 50kW = 350万円までになります。
余った電気を売ってもいいですか?
売電はできますが、条件があります。発電した電気は、できる限り事業所で自家消費するのが原則です。自家消費の割合が50%未満にならない範囲なら、余剰分の売電ができます。ただし、再エネ特措法のFITまたはFIPの認定を取った設備は、補助の対象外です。売電を主な目的にした設備は、この補助金に向きません。
駐車場のカーポートの上に置けますか?
置けます。事業所の建物と同じ敷地内に設置するのが条件です。ただし、補助の対象になるのは太陽光発電設備の部分で、カーポート本体は対象外です。地面に直接置く野立ての設備は、対象になりません。カーポートの建設費と太陽光の設備費が一つの見積書にまとまっている場合は、太陽光の分を分けて書いてもらいましょう。
ほかの補助金と併用できますか?
同じ設備については併用できません。国や地方自治体から補助を受けた事業は、この補助金の対象外です。国費などを財源にして財団などが実施する補助金も、重ねて受け取れません。ほかの補助の申請を考えている場合は、どちらを使うかを先に決めてください。別の設備や別の事業所なら、扱いが変わる可能性があるので、県のセンターに確認しましょう。
同じ事業所で、2回申請できますか?
申請できません。交付を受けられるのは、同じ事業所につき1回までです。過去にこの補助金を受けた事業所は、再度の申請ができません。ただし、同じ事業者でも別の事業所なら申請できます。複数の事業所がある会社は、どの事業所で使うかを決めてから申請したほうが、機会を無駄にしません。
いつ契約や着工をすればいいですか?
県の交付決定の通知日以降です。補助金交付要綱では、交付決定の前に事業を始めたものは補助の対象にならないと決められています。一般に、工事の契約をした日が着手日です。見積書を取ること自体は問題ありませんが、契約書を交わす時期は、必ず交付決定のあとにしてください。工事の予定は、通知までの期間を見て組みましょう。
実績報告はいつまでに出しますか?
事業の完了日から30日を過ぎた日か、年度の2月28日のどちらか早い日までです。必着で、遅れると補助金は出ません。完了日は、一般に設備の引き渡しを受けて、工事代金の全額を払い終えた日です。写真は、施工前、施工中、施工後を撮ります。型式が見える銘板の写真も、施工中のうちに撮っておきましょう。
設備を置く建物が自社の所有でなくても使えますか?
使えます。土地や建物の所有者が申請者と違う場合は、事業実施への同意書をつけます。同意書には所有者の署名か記名押印が必要で、様式は任意です。共同所有の建物の場合は、ほかの共同所有者も、法定耐用年数が過ぎるまで設備を置くことを承諾している必要があります。承諾書も添付が要るので、早めに所有者と話しておきましょう。
問い合わせ先はどこですか?
提出先は、山口県地球温暖化防止活動推進センター(公益財団法人山口県予防保健協会内)です。電話は083-933-0008(ダイヤルイン7)で、受付は土日祝を除く8時30分から17時です。県の環境政策課地球温暖化対策班(電話083-933-2690)でも受け付けています。事業の内容を変えたいときも、事前にセンターへ相談してください。
