山梨県は、植栽・下刈り・間伐といった森林整備の費用を、標準経費の36%〜100%で補助しています。使えるのは森林所有者や森林組合、林業経営体などです。
この補助金は、作業を終えてから申請する後払いです。着工前に交付決定を受ける形ではないので、窓口への相談を作業の前に済ませておくと動きやすくなります。
山梨県 造林補助事業の要点まとめ
正式名:森林整備に係る補助金(造林補助事業ほか)
だれが
- 申請者
- 事業者(森林組合・林業経営体)・個人(森林所有者)
- 対象業種
- 林業
- 利用目的
- 森林整備(植栽・下刈り・間伐等)
- 対象地域
- 山梨県内
- 従業員数
- 公式ページに記載なし
いくら
- 補助上限額
- 公式ページに記載なし
- 補助率
- 標準経費の36%〜100%
いつ・どこへ
- 申請受付
- 公式ページに記載なし(事業完了後に申請)
- 事業の完了
- 事業完了後すみやかに交付申請
- 公式サイト
- 山梨県「森林整備に係る補助金」
うちは対象になる?
県の公式ページに、次の4つの目安が載っています。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどれかに当たると、対象になりにくくなります。
- ✕ 地域森林計画の対象外の森林
- ✕ 面積や林齢の要件を満たさない
- ✕ 5年以内に同じ場所で間伐等を補助済み
竣工検査の内規には、除伐・保育間伐・間伐・更新伐について、過去5年以内に同じ場所で国の補助事業による同じ種類の作業を受けていないことを確かめる、と定められています。一貫作業の場所では、枝打ちも同じ扱いです。
地域森林計画とは、県が森林ごとの整備方針を定めた計画です。対象森林であることは「原則として」の条件です。
造林補助事業には、森林経営計画の作成等が必要と書かれています。森林経営計画は、森林の整備や伐採の計画を立て、認定を受けるものです。
主な事業主体は、森林組合、森林所有者、森林経営計画の認定を受けた者、意欲と能力のある林業経営体です。県や市町村も含まれます。個人の所有者がどの形で申請するかは、公式ページに記載がありません。林務環境事務所か森林組合に相談してください。
森林整備のうち、次の3つは別の事業として並んでいます。
| 事業 | 主な作業 | 補助率 |
|---|---|---|
| 造林補助事業 | 植栽、下刈り、除伐、間伐、森林作業道整備、鳥獣害防止施設等 | 標準経費の36%〜100% |
| 森林環境保全推進(支援)事業 | 荒廃森林の間伐、里山の除伐や侵入竹の除去、広葉樹の植栽 | 標準経費の100% |
| 松くい虫等被害地域対策事業 | 衛生伐(伐倒くん蒸・伐倒薬剤)、樹種転換 | 標準経費の70% |
森林環境保全推進事業は、県、森林所有者、事業主体の三者で協定を結ぶ必要があります。
いくら補助される?
補助額は、標準経費に補助率を掛けて決まります。標準経費は、県が定めた標準単価に、面積や延長などの事業量を掛けたものです。実際にかかった費用ではなく、標準単価で計算されます。
標準単価には、社会保険料などの間接費が加算されます。標準経費と補助対象経費は、千円未満が切り捨てです。上限額は公式ページに記載がありません。
標準経費が100万円と算定された場合の例です。
- 造林補助事業の低い率:100万円 × 36% = 36万円
- 造林補助事業の高い率:100万円 × 100% = 100万円
- 松くい虫等被害地域対策事業:100万円 × 70% = 70万円
- 森林環境保全推進事業:100万円 × 100% = 100万円
造林補助事業で36%になるか100%になるかの基準は、公式ページに記載がありませんでした。実際の補助率は事業の内容で変わります。交付要綱の別表には、事業の種類ごとに10分の4、10分の5、10分の7、10分の10と書かれていて、公式ページの36%とは数字が合いません。どの作業が何%になるかは、窓口で必ず確かめてください。作業を決める前に、林務環境事務所で確かめてください。
何に使える?
対象にならないもの
- 地域森林計画の対象外の森林での作業(原則)
- 施業面積や林齢の要件を満たさない作業
- 植栽本数や樹種が基準の範囲外の植栽
対象になるもの
- 植栽、下刈り、除伐、間伐
- 一貫作業
- 森林作業道の整備
- 鳥獣害防止施設などの整備
植栽の基準は、運用通知に決まりがあります。スギは1ヘクタール当たり1,000〜3,000本で、ヒノキは1,500〜3,000本です。補助の対象になる最低の活着率は、植栽本数の80%です。
GNSS測量やオルソ画像で施行区域を確認すると、デジタル申請導入促進費の対象になります。金額は知事が別に定めるとされ、公式ページに記載がありませんでした。
申請の流れ
- 窓口に相談する(所有者→林務環境事務所の森づくり推進課か、地元の森林組合。作業の前に)
- 作業を行う(事業主体や森林組合→現地。森林組合に委任して代理申請もできる)
- 完了後に交付申請を出す(事業主体→知事。事業が完了したら速やかに)
- 竣工検査を受ける(県→現地。事業主体か代理申請者が立ち会う)
- 交付決定と支払いを受ける(県→事業主体。決定と額の確定は同時で、精算払い)
森林組合が代理で受け取った場合は、受領した日から30日以内に所有者へ支払います。森林組合は、事務取扱手数料、森林保険料、苗木代の立替分だけを差し引けます。
花粉発生源対策促進事業(花粉発生源植替え、林木被害防止施設等整備、森林作業道整備)を行う場合は、交付申請の前に事前計画書(第8号様式)を県に出します。
必要な書類
準備できた 0 / 13
造林地位置図は、原則5万分の1で整理番号を書きます。実測図は、オルソ画像などで区域と面積を確認できれば、その資料で代えられます。
委託契約書は、森林組合に作業を任せた場合に要ります。委任状及び精算依頼書は、森林組合などに申請を任せる代理申請のときです。事業主体を土地課税台帳で照合した市町村長の証明書も要ります。事業主体が森林所有者と違うときは、その資格を示す書類です。
社会保険等の加入表(第9号)は、様式の注で、申請への添付は任意とされています。自分で保管し、竣工検査のときに見せます。搬出材積集計表は、搬出を伴う作業のときです。出荷伝票の写しもあわせて出します。
下刈りの第11号と第12号は、令和4年度以降に植えた場所の4回目以降の下刈りで要ります。第11号は、事前に県の担当者へ出して確認を受けます。
森林法の伐採届出書の写しや、森林組合に委任する場合の委任状などは、事業の内容で変わります。県の担当窓口で確かめてください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 5年以内に森林以外へ転用した:事業完了の翌年度から5年以内に、造林地を森林以外の用途にすると、補助金を返す場合があります。
- 成林に必要な管理をしなかった:補植や保育などの管理を十分に行うことが、補助金の交付条件です。
- 財産を承認なく処分した:取得価格が50万円以上の機械や器具を、制限期間内に知事の承認なく譲渡すると、返還の対象です。
- 消費税の仕入控除が確定した:確定した控除額に当たる補助金は、返します。
- 予算がなくなった:補助金は予算の範囲内で交付されます。
令和8年度の変更点
交付要綱と実施要領は、令和8年9月1日に一部改正されました。適用は令和8年4月1日からさかのぼります。
何が変わったかは、公式ページに記載がありません。令和8年度の標準単価は、県の公式ページにPDFが載っています。植栽・地拵えと保育・間伐・付帯施設・森林作業道などの区分ごとに、樹種や本数の段階で単価が決まっています。間接費として、現場監督費が標準単価の21%加算されます。社会保険料等も、労働者の加入状況の平均点数に応じて3〜18%が加算されます。
よくある質問
申請の締切はいつですか?
公式ページに受付期間の記載がありません。要綱では、事業の完了後に交付申請を出す形です。年度の予算の範囲内で交付されるので、作業を計画する段階で窓口に相談し、いつまでに申請すればよいかを確かめてください。電話は中北林務環境事務所の0551-23-3089などです。
個人の山林所有者でも使えますか?
主な事業主体に森林所有者が含まれます。ただし造林補助事業は、森林経営計画の作成等が必要です。個人の所有者がどの形で申請できるかは、公式ページに記載がありません。多くは森林組合に委任する形になるため、地元の森林組合か林務環境事務所に先に相談してください。
補助率36%と100%は、どう決まりますか?
造林補助事業の補助率は、公式ページで標準経費の36%〜100%と示されています。振り分けの基準は、公式ページに記載がありませんでした。実際の補助率は事業の内容で変わります。やりたい作業を伝えたうえで、森林整備課か林務環境事務所に確かめるのが確実です。
作業の前に申請が必要ですか?
要綱では、交付申請書を事業の完了後に出します。県は竣工検査のあとに、交付決定と額の確定を同時に行います。花粉発生源植替えは、交付申請の前に事前計画書を出します。ほかの作業で事前の手続きがあるかは、公式ページに記載がありません。作業の前に窓口へ確かめてください。
森林組合に任せることはできますか?
できます。委任状及び精算依頼書を出すと、森林組合が交付申請から補助金の受領までを代理で行います。森林組合は、受領した補助金から事務取扱手数料、森林保険料、苗木代の立替分を差し引けます。残りは受領の日から30日以内に所有者へ支払われます。手数料の料率は、森林組合が総会などで決めて県へ報告する決まりです。任せる前に、森林組合へ料率を聞いておくと安心です。
補助金はいつ振り込まれますか?
交付申請のあとに竣工検査があり、その結果にもとづいて県が交付決定と額の確定を同時に行います。支払いは精算払いです。申請から振込までの日数は、公式ページに記載がありません。森林組合を通す場合、組合は受領の日から30日以内に所有者へ支払います。
松くい虫の被害木の伐採も、この制度ですか?
別の事業になります。松くい虫等被害地域対策事業で、衛生伐(伐倒くん蒸・伐倒薬剤)と樹種転換が対象です。補助率は標準経費の70%です。造林補助事業の植栽・下刈り・間伐とは区分されています。どちらに当たるか迷う場合は、林務環境事務所に伝えて確認してください。
補助の対象になる植栽の本数や樹種は?
運用通知に基準があります。育成単層林では、スギが1ヘクタール当たり1,000〜3,000本、ヒノキとアカマツが1,500〜3,000本、カラマツが1,000〜3,000本です。最低の活着率は80%です。樹種はスギ、ヒノキ、アカマツ、カラマツなどで、それ以外は知事が適当と認めるものです。
下刈りは何回まで補助されますか?
回数の上限は、公式ページに記載がありませんでした。令和4年度以降に植えた場所で4回目以降の下刈りをする場合は、事前の確認が要ります。県の担当者へ第11号様式を出して確認を受け、交付申請には第12号様式の必要性資料も付けます。3回目までの扱いは、窓口で確かめてください。
補助を受けた森林を、あとで別の用途にできますか?
事業完了の翌年度から5年以内に森林以外の用途へ転用すると、状況によって補助金を返す必要があります。転用するときは、造林地転用等届書(第1号様式)を県に出します。5年を過ぎたあとの扱いは、公式ページに記載がありません。転用を考える前に、林務環境事務所へ相談してください。
竣工検査では何を見られますか?
申請した施行地ごとに、林務環境事務所の検査員が確認します。位置や面積は、森林計画図やGNSS、測量の成果と照らします。植栽は本数を数え、枯れた苗の割合が20%未満なら、植えた本数を合格にできます。苗木の入荷本数と合格本数の少ないほうが、補助の査定本数です。基準に合わない場所は不合格か一部不合格になり、年度内の一定期間内に手直しをすれば、再検査を受けられます。森林作業道は、すべての施行地で現地を確認します。
問い合わせ先はどこですか?
制度全体は山梨県森林環境部 森林整備課(055-223-1646)です。地域ごとの窓口は、中北が0551-23-3089、峡東が0553-20-2722、峡南が055-240-4168、富士・東部が0554-45-7813です。山梨県森林組合連合会は055-273-0511です。作業を決める前に、地域の事務所へ相談してください。
デジタル申請導入促進費とは何ですか?
GNSS測量や、ドローンなどで作ったオルソ画像で施行区域を確認すると、対象になる費用です。実施要領に定めがあり、補助金額は知事が別に定めるとされています。金額は公式ページに記載がありませんでした。使えるかどうかは、事前に林務環境事務所で確認してください。
