「全額補助」と聞くと、どんな森林整備でも無料でできるように思えます。実際は違います。森林環境保全推進事業が対象にするのは、県が公益的機能を守るべきと位置づけた特定の区域の整備に限られます。自分の山林であればどこでも100%補助になるわけではありません。
山梨県の「森林環境保全推進事業」は、標準経費の100%を補助する、県内の森林整備メニューの中でも補助率がもっとも高い制度です。窓口は山梨県森林環境部森林整備課です。
森林環境保全推進事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(森林組合・林業経営体)・個人(森林所有者) |
| 制度名 | 森林環境保全推進事業(森林整備に係る補助金) |
| 対象業種 | 林業 |
| 利用目的 | 森林整備(公益的機能の保全区域) |
| 対象地域 | 山梨県内 |
| 従業員数 | 規定なし |
| 補助上限額 | 公式ページに記載なし(森林整備課へお問い合わせください) |
| 補助率 | 標準経費の100% |
| 申請受付 | 公式ページに受付期間の記載なし(森林整備課へお問い合わせください) |
| 公式サイト | 山梨県「森林整備に係る補助金」 |

なぜ100%補助になるのか——造林補助事業との違い
同じ山梨県の森林整備メニューでも、造林補助事業は標準経費の36〜100%なのに対し、森林環境保全推進事業は一律100%です。違いは「誰の山林か」ではなく「どの区域か」という点です。
- 造林補助事業: 一般的な植栽・下刈り・間伐(所有者の経営努力の一部として自己負担も残る)
- 森林環境保全推進事業: 水源かん養や土砂災害防止など、県が公益的機能を優先すべきと位置づけた区域の整備(社会全体の利益のための整備として全額補助)
自分の山林がこの区域に含まれるかどうかは、公式ページだけでは判別できません。地域の林務環境事務所に相談し、区域指定の有無を確認する必要があります。
対象になる/ならないの線引き
| 対象になる可能性がある | 対象にならない |
|---|---|
| 県が公益的機能の保全区域に指定した森林の整備 | 区域指定のない私有林の一般的な手入れ |
| 森林経営計画や地域の整備計画に位置づけられた作業 | 計画に位置づけられていない単発の伐採・植栽 |
| 森林組合・認定林業経営体を通じた整備 | 個人が計画外で行う小規模な手入れ |
よく誤解されるポイント
「全額補助だから一番お得」と考えて森林環境保全推進事業だけを狙う方がいますが、対象区域が限定されているため、実際に使えるのは該当区域を持つ一部の森林所有者だけです。多くの一般的な森林整備は、むしろ造林補助事業の対象になります。自分の山林がどちらに当てはまるかを先に確認しないと、申請先を間違えることになります。
よくある質問
自分の山林が対象区域かどうか、どこで確認できますか?
公式ページには区域の一覧は掲載されていません。地域の林務環境事務所(森づくり推進課)に、山林の場所を伝えて確認してください。
造林補助事業と森林環境保全推進事業の両方に申請できますか?
同じ整備内容で二重に補助を受けることはできません。どちらの制度に該当するかは、作業内容と区域指定によって決まります。
森林組合を通さず、個人で直接申請できますか?
個人所有の森林でも申請できる場合がありますが、多くは森林組合や地域の計画を通じて進めます。まずは森林整備課(055-223-1646)または地域の林務環境事務所に相談してください。
