地域の課題を解くカメラやセンサーを、無線ネットワークごと整備する費用の1/2を、総務省が補助します。2026年8月4日に始まった三次公募は、9月30日正午で締め切られました。
補助額に上限はありません。ただし事業費は原則1,000万円以上が必要で、企業だけでは申請できません。企業・団体が実施主体になるなら、地方公共団体を1つ以上含むコンソーシアムを組みます。
地域社会DX推進パッケージ事業の要点まとめ
正式名:地域社会DX推進パッケージ事業(補助事業)
だれが
- 申請者
- 地方公共団体、または地方公共団体を含むコンソーシアム(企業・団体)
- 対象業種
- 業種の指定なし(地域課題の解決に取り組む自治体・企業・団体)
- 利用目的
- 通信インフラなどの整備(無線ネットワーク設備とソリューション機器)
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 上限の定めなし
- 補助率
- 補助対象経費の1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年8月4日14:00〜2026年9月30日正午(三次公募)
- 事業の完了
- 令和9年2月末(予定)
この事業の対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
実施主体が企業・団体なら、補助金の交付申請までにコンソーシアム(複数の団体で組む共同の実施体制)を作ります。地方公共団体は、複数の団体が連携して申請することもできます。その場合は代表の1団体が、経費管理などの責任を負います。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 企業だけで申請する
- ✕ センサー等の機器だけを整備する
- ✕ ネット接続サービスの提供が目的
- ✕ 都市OSの整備
都市OSは、地域のデータをつなぐ基盤のことです。事業費の下限1,000万円は「原則」と書かれています。例外の条件は実施要領に載っていないため、1,000万円に届かない計画は総合通信局に先に相談してください。
いくら補助される?
補助対象経費の1/2です。上限がないので、事業費が大きくなるほど補助額も増えます。審査では事業規模が妥当かどうかも見られます。
- 下限の事業費で整備する:1,000万円 × 1/2 = 500万円
- 無線設備とAIカメラを広い範囲に入れる:5,000万円 × 1/2 = 2,500万円
- クラウドの利用料を5年分まとめて払う:月10万円 × 60か月 = 600万円(この分も対象経費。補助は1/2の300万円)
上の金額は計算の見本で、実際の事業費ではありません。地方公共団体が実施主体のときは、負担する残り1/2に、過疎対策事業債や辺地対策事業債などの地方債を使える場合があります。
何に使える?
対象にならないもの
- 事業の目的に必要と認められない設備・備品(予備機の過剰な購入、使う時期が決まっていない機器)
- 懇親会費、酒・たばこ、手土産、接待費
- 借入金の利息、遅延損害金
- 交付決定日より前に発注した経費
- 都市OS
対象になるもの
- 無線ネットワーク設備(無線局、送受信機、ケーブル、電源設備、鉄塔・局舎など)
- 無線ネットワークにつなぐソリューション機器(カメラ、各種センサー、通信用デバイス)
- 調査費、設計費、資材運搬費などの付帯工事費
- 人件費、謝金、旅費、会議費(必要性と積算根拠を示せるもの。地方公共団体の職員の人件費は除く)
- 通信装置のレンタル料、クラウド利用料(最大5年分・60か月分まで)
レンタル料とクラウド利用料は、複数年分を一括で払い終えられる場合だけ、初年度に計上できます。一般管理費は、直接経費の合計の10分の1が上限です。
申請の流れ
- 実施要領と様式を入手する(事業者→総務省のホームページ。9月30日正午まで)
- コンソーシアムを作る(企業・団体→地方公共団体。交付申請までに)
- 企画提案書などを出す(事業者→所管の総合通信局にメール、またはJグランツ。出したあとに電話で一報)
- 審査を受ける(総務省の外部有識者の評価会。採択候補の公表は10月下旬ごろの予定)
- 交付申請をして交付決定を受ける(交付申請は11月上旬から、交付決定は11月下旬から順次)
- 設備を整備して、令和9年2月末までに終える(事業者)
- 実績報告を出す(事業者→総務省。令和9年3月ごろ)
必要な書類
準備できた 0 / 5
企画提案書はPowerPointです。申請者概要説明書は、民間事業者などが様式2-1、地方公共団体が様式2-2を使います。体制がわかる書類は任意様式で、関係者が事業を5年以上続けられる体制にあることを示します。補足資料はPowerPoint10枚以内です。gBizIDプライムが要るのは、Jグランツで申請するときだけです。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定より前に発注した:交付決定日以前に発注した経費は対象外です。
- 補助金の目的以外に使った:財産処分の制限期間内に、総務大臣の承認なしに目的外で使うと、返還を命じられることがあります。
- 収益が出た:事業完了の翌年度から5年以内の収益報告で相当の収益が認められると、補助金の全部または一部を国に納めることがあります。
- セキュリティ対策が不十分:十分な対策があると認められないと、原則、審査の対象外になります。
- 機器だけを買った:無線ネットワーク設備と組み合わせない整備は、対象事業になりません。
他の補助金との併用
同じ事業に、国のほかの補助金を重ねて受けることはできません。一方で、都道府県が独自に出す補助金を、自己負担分に充てることは認められています。その場合は、都道府県の補助金の要綱に従います。
よくある質問
民間企業だけで申請できますか?
できません。企業・団体が実施主体になる場合は、地方公共団体を1つ以上含むコンソーシアムを作ることが要件です。補助金の交付申請までに形成すれば足りますが、応募の時点で関係者の合意を示す書類を出すため、自治体への相談は早めに始めるほうが安全です。地域の企業が自治体に提案を持ちかけ、一緒に応募する形になります。
補助額の上限はいくらですか?
実施要領に「補助金額の上限は定めない」と書かれています。補助率は補助対象経費の1/2です。ただし事業規模が妥当かどうかは審査されるため、過大な経費や過度な通信性能は評価を下げます。全体の予算は8.0億円程度とされており、無制限に出るわけではありません。費用対効果を示した計画が前提になります。
事業費が1,000万円に届かない場合は申請できますか?
実施要領には、事業費の下限額は原則1,000万円と書かれています。「原則」とあるものの、例外の条件は載っていません。1,000万円に届かない計画は、そのまま出しても対象外になるおそれがあります。迷うときは、所管の総合通信局か総務省の補助事業担当(電話03-5253-5758)に、応募の前に相談してください。
どんな設備が補助の対象になりますか?
無線ネットワーク設備と、それにつなぐソリューション機器を組み合わせた整備が対象です。ソリューション機器の例は、AIカメラ、IoTセンサー、ドローンです。通信技術の例は、ローカル5GやLPWAです。機器だけを買う整備や、インターネット接続サービスの提供が主な目的の事業は、対象になりません。
クラウドの利用料やレンタル料も対象ですか?
対象です。複数年分を一括して事業の整備年度に計上し、支払いを完了できる場合に限り、5年分(最大60か月)まで補助対象経費にできます。ただし、その年度の本事業で整備・リース・改修した部分に限られます。毎月払いのままでは対象になりません。契約の支払い方法は、申請前に業者と確かめてください。
地方公共団体の負担分はどうなりますか?
補助率は1/2なので、地方公共団体が実施主体になる場合の残り1/2は自治体の負担です。この地方負担分には、過疎対策事業債、辺地対策事業債、公共事業等債、一般補助施設整備等事業債などの地方債を起債できます。どの債が使えるかは、総務省の「地域社会DX推進パッケージ事業のご案内」と地方債の運用要綱で確かめます。
申請はどこへ出しますか?
2通りあります。1つは、所管の総合通信局等へメールで出し、そのあと電話で一報する方法です。郵送と持ち込みは要りません。もう1つは、補助金申請システムのJグランツで出す方法で、gBizIDプライムが必要です。Jグランツの場合も、総務省の補助事業担当(電話03-5253-5758)に、出したことを電話で伝えます。
採択から事業完了までのスケジュールは?
三次公募の予定は次のとおりです。外部有識者による評価と採択候補団体の公表が10月下旬ごろ、経理処理説明会と交付申請が11月上旬から、交付決定が11月下旬から順次です。補助事業の完了は令和9年2月末、実績報告書の提出と金額の確定は令和9年3月ごろです。評価の状況で多少前後する場合があります。
採択されたあとの義務はありますか?
あります。事業が完了する会計年度の翌年度から数えて、最低5年間は事業を続けます。5年以内は、事業で得た収益の状況を書面で報告します。相当の収益が出たと認められると、補助金の全部または一部を国に納めることがあります。整備した設備を、承認なしに目的外で使うと、補助金の返還を命じられることもあります。
交付決定の前に発注してもよいですか?
避けてください。交付決定日以前に発注した経費は、補助の対象外です。ただし、事業期間が終わる前の1か月以内にやむを得ず調達する場合などは、支払いが期間外になる事情を証明できれば計上できることがあります。これは人件費の給与が翌月払いになる例のような場合です。設備の発注は交付決定のあとにしましょう。
次の公募はありますか?
三次公募の締切後に、四次公募の予定が公式ページで確認できませんでした。次の公募の有無は、総務省の報道資料と地域社会DXナビで確かめてください。この事業には、補助事業のほかに人材・体制の確保支援と実証事業があります。補助事業に出す前に、そちらを使って計画を固める進め方もあります。
問い合わせ先はどこですか?
総務省 情報流通行政局 参事官の補助事業担当(電話03-5253-5758)が窓口です。所管の総合通信局等にも相談できます。たとえば関東総合通信局の情報通信振興課は03-6238-1692です。件名は「【問合せ】補助事業(○○県△△市)」の形にし、括弧内に提案主体の自治体名か企業・団体名を入れてメールします。
