この補助金は、オーナーが自分で申し込めません。申請するのは、事前に登録を受けた施工業者かリース事業者です。オーナーは契約と書類で協力する立場になります。
昨年度の「賃貸集合給湯省エネ2025事業」で補助を受けた給湯器は、今年度の対象になりません。着工が2025年11月28日以降の工事から、今年度の事業で扱います。
賃貸集合給湯省エネ2026事業の要点まとめ
正式名:既存賃貸集合住宅用小型省エネルギー型給湯器導入促進事業費補助金(賃貸集合給湯省エネ2026事業)
だれが
- 申請者
- 賃貸住宅のオーナー・管理会社(手続きは登録業者が代行)
- 対象業種
- 指定なし(賃貸集合住宅の所有者・管理者)
- 利用目的
- 脱炭素・省エネ(給湯器の交換)
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 1台最大10万円(基本5万円か7万円+加算3万円)。1住戸1台まで
- 補助率
- 定額
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年3月31日〜予算上限まで(遅くとも2026年12月31日)
- 公式サイト
- 賃貸集合給湯省エネ2026事業【公式】
予算は35億円(令和7年度補正予算)です。予算の上限に達すると、期限より前でも受付が終わります。
うちの建物は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 新築・戸建て・老人ホーム
- ✕ 民泊や旅館業の施設
- ✕ 事業用に貸している住戸
- ✕ オーナーが自分で買った機器
従来型とは、エコジョーズ・エコフィール・エコキュート・電気温水器以外の給湯器を指します。すでにエコジョーズなら、交換しても対象になりません。
築1年の数え方は、原則として検査済証が出た日からです。区分所有(一棟のうち一部の住戸を持つ形)でも、賃貸住戸を2戸以上持っていれば対象に含まれます。買い取って再販する事業者は、所有者でも対象外です。オーナーや親族が住む住戸は、賃貸住戸の数に入りません。
登記上は集合住宅でも、現に店舗や倉庫に使っている住戸は外れます。事務所にして貸している部屋があるときは、その部屋の分を外して数えてください。
いくらもらえる?
補助額は「基本額」に、条件を満たしたときの「加算額」を足したものです。台数をかけて合計します。
| 交換する給湯器 | 基本額 | 加算額(条件あり) |
|---|---|---|
| 追い焚きなし | 5万円/台 | 3万円/台(共用廊下を横断するドレン排水ガイドを敷設) |
| 追い焚きあり | 7万円/台 | 3万円/台(浴室へのドレン水排水工事) |
追い焚きとは、浴槽の湯を温め直す機能のことです。ドレン水とは、エコジョーズなどが排気から熱を回収するときに出る水のことです。
加算は、機器の種類ごとに対象の工事が決まっています。追い焚きありの機器で廊下にガイドを敷いても、加算は付きません。
計算例を3つ挙げます。業態の違う建物を想定しました。
- 8戸のアパートで追い焚きなしに替え、2戸が廊下横断:5万円 × 8台 + 3万円 × 2台 = 46万円
- 6戸のファミリー向けで追い焚きありに替え、3戸が浴室排水:7万円 × 6台 + 3万円 × 3台 = 51万円
- 3戸の小さな貸家で追い焚きありに替え、加算なし:7万円 × 3台 = 21万円
1台あたりの上限は、追い焚きありで加算を受けた場合の10万円です。売価が補助額を下回る工事は対象外なので、見積りの金額が補助額より安くなっていないかを確かめてください。
何に使える?
対象にならないもの
- エコジョーズなど従来型でない機器からの交換
- オーナーが自分で買った機器(施主支給、材工分離)
- 中古品、メーカー保証の対象外の機器
- 店舗併用住宅で、専ら店舗が使う機器
- 交換前の機能が足りない機器(給湯、追い焚き、暖房、オート/フルオート)
- 交換前より号数(能力)が小さい機器
対象になるもの
- 事務局に登録された小型の省エネ型給湯器の本体と、その設置に欠かせない工事
- 従来型給湯器の撤去
- リース契約での導入
機器は、事務局が性能を確かめて登録したものだけです。型番は公式サイトの「補助対象製品の検索」で調べられます。性能の基準は次のとおりです。
| 区分 | 種類 | 基準 |
|---|---|---|
| エコジョーズ(潜熱回収型ガス給湯器) | 給湯単能機 | モード熱効率90%以上 |
| エコジョーズ | ふろ給湯器 | モード熱効率90%以上 |
| エコジョーズ | 給湯暖房機 | 給湯部熱効率95%以上 |
| エコフィール(潜熱回収型石油給湯機) | 油焚き温水ボイラー | 連続給湯効率95%以上 |
| エコフィール | 石油給湯機(直圧式) | モード熱効率91%以上 |
| エコフィール | 石油給湯機(貯湯式) | モード熱効率80%以上 |
申請の流れ
手続きはすべて、登録業者が専用のポータルサイトで行います。オーナーの動きは1〜3と、補助金の受け取りです。
- 登録業者を探す(オーナー→公式サイトの事業者検索。工事の契約前に)
- 工事請負契約と共同事業実施規約を結ぶ(オーナー↔登録業者。補助金の受け取り方法もここで決める)
- 登記事項証明書などを渡す(オーナー→登録業者。工事の前後で)
- 着工し、工事前の写真を撮る(登録業者。着工が2025年11月28日以降であること)
- 交付申請の予約を入れる(登録業者→事務局。任意。遅くとも2026年11月16日まで)
- 工事を終えて引き渡し、工事後の写真を撮る(登録業者)
- 交付申請を出す(登録業者→事務局。遅くとも2026年12月31日まで)
- 補助金を受け取る(事務局→登録業者→オーナー。交付決定から1〜2か月で振込の予定)
交付申請の予約とは、申請予定の額を一定期間おさえておく手続きです。予約の有効期間は、出した日にかかわらず2026年12月31日までです。
登録業者は、受け取った補助金を契約代金への充当か、現金でオーナーに還元します。現金の場合は、補助金の交付から遅くとも2か月以内に返すことが決まりです。
必要な書類
準備できた 0 / 6
管理委託契約書は、管理会社が施工業者と契約するときだけ要ります。登記事項証明書は、区分所有のときは給湯器を替えたすべての住戸の分です。設置した住戸が1戸だけなら、賃貸住戸をもう1戸以上あわせて出します。
加算を受けるときは、排水管などが分かる工事後の写真も付けます。事務手数料を取るかどうかは、共同事業実施規約で取り決める項目です。金額は公式ページに記載がなく、業者ごとに確かめる必要があります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 契約より前に着工した:工事請負契約やリース契約より前に工事を始めると、対象外になります。
- 工事前の写真がない:撮り忘れると、原則として対象になりません。撮影日が分からない場合も同じです。
- 施主支給にした:オーナーが機器を買って取り付けだけ頼む形は、対象になりません。
- 他の事業と二重に申請した:同じ機器に「みらいエコ住宅2026事業」でも申請すると、交付申請が無効になり、返金も求められます。
- 措置対象の業者と契約した:経済産業省は2025年12月2日付で複数の事業者に指名停止などの措置をとりました。対象の業者と契約すると、補助の対象にならない場合があります。
- 6年以内に目的外に使った:補助を受けた機器は、補助金の振込から6年間、承認なしに譲渡・交換・廃棄などができません。
今年度の変更点・併用・税金
昨年度の事業で補助を受けた給湯器は、今年度の対象になりません。同じ機器で二度は受けられない、という線引きです。
国の別の補助制度とは、同じ給湯器に重ねて使えません。自治体の補助制度は、国費が充てられているものを除き、併用できます。自治体の補助が国費でできているかは、制度ごとに確かめてください。
「みらいエコ住宅2026事業」とは、機器が重ならなければ併用できます。同じ契約や工期でも構いません。給湯器を複数入れるなら、機器ごとに事業を振り分ける形になります。
補助金を受け取ったときの税の扱いは、公式ページに記載がありません。税務の判断は、税理士に確かめてください。
よくある質問
オーナーが自分で申請できますか?
原則としてできません。申請するのは、事前に「賃貸集合給湯省エネ事業者」として登録を受けた施工業者かリース事業者です。例外として、国内に所有または管理する賃貸住戸が200戸以上ある事業者は、事務局に申請して認められれば自分で手続きできます。個人のオーナーは、登録業者を探して契約する形になります。登録業者は公式サイトで検索できます。
登録していない業者に頼んでも補助されますか?
補助されません。公式サイトにも、登録のない事業者との契約は補助対象にならないと書かれています。見積りを取る前に、公式サイトの検索で登録を確かめてください。なお、登録は国や事務局が優良な事業者と認めたことを意味しません。業者の選び方は、工事の内容や費用で別に比べる必要があります。
築何年の建物から対象ですか?
公式ページに書かれている条件は、「建築から1年以上たっている」ことか「いずれかの住戸に人が住んだ実績がある」ことで、築年数の上限は示されていません。建築日は原則として検査済証が出た日で見ます。新築の建物は対象外です。1棟に賃貸住戸が2戸以上あることも必要で、提出する登記で建物の用途が集合住宅と確かめられない場合は、原則対象になりません。
戸建ての貸家は対象ですか?
戸建住宅は対象になりません。対象は、1棟に賃貸住戸が2戸以上ある既存の賃貸集合住宅です。登記上の用途が集合住宅であることが確認できなければ、見た目が集合住宅でも原則として対象外になります。判断に迷うときは、登記事項証明書を持って登録業者に相談するか、公式サイトのお問い合わせフォームで事務局に確かめてください。
すでにエコジョーズが付いている部屋は対象ですか?
対象になりません。対象は、従来型給湯器を小型の省エネ型給湯器に替える工事です。エコジョーズ、エコキュート、電気温水器などは、従来型には当たりません。1棟のうち一部の部屋だけ従来型が残っているなら、その部屋の分だけ申請できます。交換前の機器の写真が必要なので、現地の確認は工事の前にしておきましょう。
追い焚きありの機器で廊下にドレン排水ガイドを敷くと加算されますか?
加算されません。追い焚きなしの機器は共用廊下を横断するガイド敷設が、追い焚きありの機器は浴室へのドレン水排水工事(三方弁工事、三本管工事)が加算の対象です。組み合わせが違うと3万円は付きません。廊下に敷く場合も、人の通行を妨げないように横断した場合に限り、ベランダへの敷設は対象外です。排水の扱いは自治体ごとに異なります。
工事を始めたあとに契約した場合はどうなりますか?
対象外になります。着工日は、補助対象製品の1台目の設置工事に着手した日で、従来型給湯器の撤去も含みます。工事請負契約やリース契約より前に着工した工事は対象になりません。急な故障で先に工事を始めたくなる場面もありますが、その場合は契約書を先に結ぶ段取りを、業者と確かめてください。着工が2025年11月28日以降であることも条件です。
いつまでに申請すればいいですか?
交付申請は遅くとも2026年12月31日まで、任意の交付申請の予約は遅くとも2026年11月16日までです。ただし、どちらも予算の上限に達した時点で終わります。公式サイトによると、2026年10月9日午前0時時点で予算に対する申請額は約55%(概算値)です。年末まで待たず、契約と着工の段取りを早めに業者と決めておく方が安全です。
補助金はいつ、どうやって受け取れますか?
事務局から登録業者へ、交付決定の1〜2か月後に振り込まれる予定です。そのあと、業者が事前に合意した方法でオーナーに還元します。方法は、契約代金への充当か現金の支払いのどちらかです。現金の場合は、補助金の交付から遅くとも2か月以内に還元するのが決まりです。どちらにするかは、共同事業実施規約を結ぶときに決めておきます。
工事前の写真を撮り忘れたらどうなりますか?
原則として対象になりません。工事前の写真は、撤去する従来型給湯器の台数分が必要です。撮影日が分からない場合も同じ扱いになります。ただし、1事業者につき1申請に限り、「工事前写真・提出免除依頼書」を出せば免除される仕組みがあります。免除は例外の扱いなので、最初から撮影する前提で段取りを組むのが確実です。
リースで導入しても補助されますか?
補助されます。リース事業者が登録事業者となり、リース契約にもとづいて交換した場合も対象です。転リースも含みます。補助金は、一定期間リース料金と相殺する形で還元することもできます。着工日などの考え方は、リフォーム工事とは一部異なります。リースを検討する場合は、公式サイトのリース利用タイプのページで手続きを確かめてください。
自治体の補助金と併用できますか?
国費が充てられていない自治体の補助制度なら、併用できます。国費が入っている制度は、国の補助を重ねて受けることになるため併用できません。同じ給湯器に国の他の補助制度を重ねることもできません。「みらいエコ住宅2026事業」とは、対象の機器が重ならない限り併用できます。併用を考えるときは、先に自治体の窓口で財源を確かめてください。
