給湯器の見積書を受け取り、合計欄を見て手が止まる人は少なくありません。補助金があるなら使いたいけれど、自分で何を出せばいいのかが分かりません。そんなところから調べ始める人が多い制度です。
国が補助するのは、エコキュートなど3種類の高効率給湯器で、1台あたり最大17万円です。ただし申請するのは施工業者で、登録のない業者と契約すると補助は出ません。 業者選びから話が始まります。
給湯省エネ2026事業の要点まとめ
正式名:高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金(給湯省エネ2026事業)
だれが
- 申請者
- 住宅の所有者・家族、入居者、管理組合。手続きは登録業者
- 対象業種
- 指定なし(住宅に設置する給湯器が対象)
- 利用目的
- 高効率給湯器の導入、電気蓄熱暖房機・電気温水器の撤去
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 規定なし(住宅の所有者等が対象)
いくら
- 補助上限額
- 1台あたり最大17万円(エネファーム)。撤去加算は別
- 補助率
- 定額(機種ごとに7万円・10万円・17万円)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年3月31日から予算上限まで。遅くとも2026年12月31日
- 公式サイト
- 給湯省エネ2026事業【公式】
交付申請の予約は、遅くとも2026年11月16日までです。予算が先に尽きれば、その時点で受付は終わります。
うちの工事は対象になる?
次の5つに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
個人の場合は、J-クレジット制度(温室効果ガスの削減分を売買できる国の仕組み)への参加意思を規約の中で表明します。事務局指定の団体に入会予定とするか、すでに入っている別のプログラムを申告します。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 店舗や倉庫に付ける給湯器
- ✕ 中古品、メーカー保証のない機器
- ✕ 施主支給や自社施工、DIY
- ✕ 登録のない業者との契約
- ✕ 給湯省エネ2025で補助済みの機器
- ✕ 従前より省エネ性能が下がる機器
新築分譲事業者と買取再販事業者は、所有者でも対象外です。リフォームの着工日は、給湯器(1台目)の設置工事を始めた日です。ほかの工事が2025年11月27日以前に始まっていても問題ありません。
新築住宅やリースで入れる場合も対象ですが、この記事はリフォームを中心に書いています。新築は建築主が、リースは借主が補助対象者になります。リースは6年以上の期間が条件で、自社割賦とレンタルは外れます。
いくら戻ってくる?
補助額は、基本額・性能加算・撤去加算の合計です。性能加算と撤去加算を満たさなければ基本額だけが出ます。
| 機器 | 基本額 | 性能加算 |
|---|---|---|
| エコキュート | 7万円/台 | 3万円/台 |
| ハイブリッド給湯機 | 10万円/台 | 2万円/台 |
| エネファーム | 17万円/台 | なし |
撤去加算は、電気蓄熱暖房機が1台4万円(2台まで)、電気温水器が1台2万円(基本額を受ける台数まで)です。エコキュートの撤去は加算になりません。
計算例を並べます。
- 電気温水器を、性能加算つきのエコキュートに替える:7万円 + 3万円 + 2万円 = 12万円
- 電気蓄熱暖房機2台を撤去し、エコキュート(基本額)を入れる:7万円 + 4万円 × 2台 = 15万円
- 性能加算つきのハイブリッド給湯機を入れる:10万円 + 2万円 = 12万円
- エネファームを入れ、電気蓄熱暖房機2台を撤去する:17万円 + 4万円 × 2台 = 25万円
台数には上限があります。戸建住宅は3種類のうちいずれか2台まで、共同住宅等は1台までです。戸建てでエコキュートを3台入れても、補助は2台分です。
撤去加算は、予算36億円に達した時点で終わります。 本体の補助が残っていても、撤去加算だけ先に締め切られることがあります。撤去するなら、契約の前に業者へ予算の状況を聞いておくと安心です。
工事費が補助額に満たない工事は、対象外です。
どの給湯器が対象になる?
対象になるのは、事務局に登録された製品の3種類だけです。エコキュートとハイブリッド給湯機は、インターネットに接続できる機種であることも基本の条件です。
- ヒートポンプ給湯機(エコキュート)
- 電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリッド給湯機)
- 家庭用燃料電池(エネファーム)
カタログに「省エネ」とあるだけでは、対象かどうか分かりません。公式サイトの「補助対象製品の検索」でメーカー名と型番を調べ、見積書の型番と一致しているかを見ておきます。
性能加算が付く機種は、基準が決まっています。エコキュートは、基本要件の機種より二酸化炭素排出量が5%以上少ないものです。2025年度の目標基準値に0.2を足した値以上の性能が要ります。ハイブリッド給湯機は、年間給湯効率116.2%以上が条件です。
申請の流れ
申請は、事務局のウェブシステム「住宅省エネポータル」を通じて、登録業者がします。個人が直接申請する窓口はありません。
- 登録事業者を探す(住宅の所有者→公式サイトの事業者検索。登録のない業者は補助の対象外)
- 工事請負契約と共同事業実施規約を結ぶ(所有者↔施工業者。着工の前に)
- 工事前の写真を撮り、工事に着手する(施工業者。2025年11月28日以降の着工)
- 交付申請の予約を入れる(施工業者。任意。2026年11月16日まで)
- 工事を終えて引き渡しを受ける(施工業者→所有者。工事後の写真も撮る)
- 交付申請を出す(施工業者→事務局。2026年12月31日まで)
- 補助金を受け取る(事務局→施工業者→所有者。交付決定から1〜2か月で振り込み予定)
工事請負契約より前に工事に着手すると、補助の対象外になります。 工事前の写真を撮り忘れた場合も、原則として対象になりません。
予約は、補助金の枠を先に押さえておく手続きです。任意で、使うかどうかは業者が予算の状況を見て決めます。有効期間は提出から3か月か2026年12月31日の早いほうです。
補助金は、業者を経由して所有者に戻ります。契約代金に充てるか現金で受け取るかは、規約で決めます。現金の場合は、交付から遅くとも2か月以内に還元されます。
必要な書類
準備できた 0 / 6
撤去工事の契約書は、撤去加算を受けるときだけ要ります。加算を申請するときは、適合を確かめる書類や撤去する機器の写真も加わります。本人確認書類などの細かい提出物は、公式サイトの「交付申請の手引き」に載っています。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 登録のない業者と契約した:登録された給湯省エネ事業者と契約しなければ、補助の対象になりません。契約の前に、公式サイトの検索で確かめます。
- 契約より前に工事を始めた:工事請負契約以前に着手すると対象外です。見積もりだけなら問題ありません。
- 予算に達して受付が終わった:締切の前でも、予算の上限に達した時点で受付は終わります。
- 重複して申請した:みらいエコ住宅2026事業と同じ機器に重ねて申請すると、交付が取り消され、返金を求められます。
- 指名停止の対象の業者と契約した:経済産業省が2025年12月2日付で複数の事業者に指名停止等の措置をとりました。措置の対象の事業者と契約すると、補助の対象にならない場合があります。
- 施主支給で機器を用意した:所有者が機器を買い、業者に取り付けだけを頼む工事は対象外です。
ほかの補助との関係は?
同じ給湯器に、国のほかの補助を重ねることはできません。みらいエコ住宅2026事業とは、機器が別なら両方を使えます。同じ機器に両方の補助を受けると、取り消しの対象です。みらいエコ住宅2026事業で高効率給湯器の補助を受ける場合は、この事業の撤去加算も受けられません。
自治体の補助は、国費が充てられているものを除いて併用できます。ルールは自治体ごとに違うので、お住まいの自治体の案内を確かめてください。
給湯省エネ2025事業で補助を受けた給湯器は、この事業では対象外です。
補助金を受けたあとの6年間(法定耐用年数)は、国や事務局の承認なしに目的に反する使い方や譲渡、交換、破棄はできません。
よくある質問
個人で直接申請できますか?
できません。交付申請は、事務局に登録された施工業者や建築事業者が行います。所有者は手続きに協力する立場で、共同事業者と呼ばれます。まず公式サイトの事業者検索で、頼もうとしている業者が登録されているかを確かめます。登録がなければ見積もりの前に別の業者を探すと、後の手戻りを避けられます。
申請の締切はいつですか?
交付申請は遅くとも2026年12月31日、交付申請の予約は遅くとも2026年11月16日までです。ただし、予算の上限に達した時点で受付は終わります。工事の完了後に申請する流れなので、機器の納期と工事の日程を含めて早めに契約しておく必要があります。最終日まで余裕があるとは限らず、予算の状況によってはその前に終わります。
予約は入れたほうがいいですか?
予約は任意で、使うかどうかは登録業者が予算の状況を見て決めます。入れると、交付申請予定額が一定期間確保されます。有効期間は提出から3か月か2026年12月31日の早いほうで、期間を過ぎると失効します。工事に時間がかかりそうなら、見積もりの段階で業者に予約を入れてもらえるかを聞いておくと日程を組みやすくなります。
エコキュートの性能加算はどうやって決まりますか?
機種ごとに決まっています。基本要件の機種より二酸化炭素排出量が5%以上少ないもので、2025年度の目標基準値に0.2を足した値以上の性能があれば、3万円が加算されます。基本額は7万円です。加算の対象かどうかは、公式サイトの対象製品の一覧で見られます。見積もりの時に、加算が付く機種かを業者に確認します。
電気温水器を外すと、いくら加算されますか?
電気温水器を撤去すると、1台あたり2万円が加算されます。対象は基本額の補助を受ける台数までです。電気蓄熱暖房機なら1台4万円で、2台までです。エコキュートの撤去は加算になりません。対象は、給湯器の設置に伴って2025年11月28日以降に撤去するリフォームだけです。交付申請のときにあわせて申請します。
撤去加算だけ先に終わることはありますか?
あります。撤去加算は、予算36億円に達し次第、終了する予定です。本体の補助が残っていても、撤去加算だけ受けられなくなることがあります。撤去を予定しているなら、契約の前に公式サイトで予算の状況を確かめてください。電気蓄熱暖房機を撤去すると電気料金のメニューが変わる可能性もあるので、電力会社への確認も必要です。
賃貸住宅でも使えますか?
使えます。住宅を貸している個人や法人も、賃借人も補助の対象者です。ただし給湯器は建物に付く設備なので、入居者が替えるなら貸主の了承が要るのが一般的です。工事の前に貸主や管理会社に相談しておきます。分譲事業者や買取再販事業者が所有する住宅は、販売目的の所有なので対象外です。
店舗併用住宅はどうなりますか?
住宅部分に設置するものは対象になりえますが、専ら店舗などで使う機器は対象外です。不動産登記や固定資産税で住宅以外に分類される建物や、実際に住宅以外の用途に使っている部分に付けるものも、原則として対象になりません。店舗と住まいで給湯器を共用するなら、判断が分かれるので契約の前に登録業者を通じて事務局へ確かめます。
工事の前に撮る写真は何のために要りますか?
工事の前後の写真は設置台数分が必要です。工事前の写真を撮り忘れた場合や撮影日が確認できない場合は、原則として補助の対象になりません。工事後の写真は、撮り忘れても後日の撮影で対応できます。写真の撮り方には決まりがあり、公式サイトに注意事項のPDFがあります。撮影は施工業者が行うので、着工の前に撮ってもらえるかを頼んでおきます。
補助金はいつ振り込まれますか?
補助金は、まず登録業者に振り込まれます。交付決定から1〜2か月を見込んでいます。そのあと、業者が所有者に還元します。還元の方法は、工事の契約代金に充てるか現金で支払うかのどちらかで、共同事業実施規約で決めておきます。現金の場合は、交付から遅くとも2か月以内に還元されます。
中古の給湯器やリース品でも対象ですか?
中古品、またはメーカー保証の対象外の機器は対象外です。リースは、6年以上の期間が設定されたものなら対象になる場合があります。自社割賦とレンタルは対象外です。リース事業者が登録を受けて手続きを行い、契約書として賃貸借契約書を出します。リースを使うなら、契約の前に事業者へ対象になるかを聞いておきます。
みらいエコ住宅2026事業と両方使えますか?
機器が別なら両方を使えます。同じ契約や同じ工期でも構いません。ただし、1つの機器に両方の補助を受けることはできません。重ねて申請した場合は、理由にかかわらず交付が無効になり、取り消しと返金の対象です。両方を考えているときは、どの機器をどちらの事業で申請するかを業者と最初に決めておきます。
自治体の補助金と一緒に使えますか?
国費が充てられていない自治体の補助なら、併用できます。国費が入っている補助は、重ねて受けられません。自治体ごとに条件が違い、申請の時期や必要書類も異なります。お住まいの自治体の窓口や公式ページで、給湯器の補助があるかと国の事業と併用できるかを確かめてください。業者が自治体の補助の手続きに慣れているかも見ておきたい点です。
補助を受けた給湯器を、あとから売ってもいいですか?
補助金の交付を受けた給湯器は、業者が補助金の振り込みを受けたあと6年間(法定耐用年数)、国や事務局の承認なしに目的に反して使ったり、譲渡や交換、貸し付け、担保、破棄をしたりできません。住宅を売却するなどの場合は、先に事務局へ相談します。調査への協力を拒むと、交付の取り消しや返還を求められることがあります。
