この補助金、自社で申請できるのか——結論から言うと、できません。申請できるのは地方公共団体(都道府県・市町村・特別区)だけです。民間事業者が直接使う制度ではないので、その点をまず整理しておきます。
「地域脱炭素実現に向けた具体施策実装支援事業」第2号事業(再エネに係る促進区域等の設定に向けたゾーニング等に対する支援事業)は、自治体が再生可能エネルギーの促進区域を設定するための「ゾーニングマップ」づくりを支援する制度です。事業者にとっての価値は、自分の自治体でこの取組が進めば、将来的に太陽光・風力の適地情報が整理され、再エネ事業を検討しやすくなるという間接的なものになります。
再エネゾーニング支援事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 地方公共団体(都道府県・市町村・特別区)※事業者は対象外 |
| 制度名 | 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(地域脱炭素実現に向けた具体施策実装支援事業)第2号事業:再エネに係る促進区域等の設定に向けたゾーニング等に対する支援事業 |
| 対象業種 | 指定なし(地方公共団体が申請) |
| 利用目的 | 陸上風力・太陽光等の再エネ導入拡大に向けたゾーニングマップの作成、有識者・住民等からの意見聴取 |
| 対象地域 | 全国(地方公共団体) |
| 従業員数 | 規定なし(地方公共団体が申請) |
| 補助上限額 | 2,500万円 |
| 補助率 | 4分の3 |
| 申請受付 | 三次公募:令和8年5月19日(火)〜7月10日(金)17時必着 |
| 公式サイト | 一般社団法人地域循環共生社会連携協会「地域脱炭素実現に向けた具体施策実装支援事業(三次公募)」 |

事業者にとっての位置づけ
この補助金は事業者が直接お金を受け取る制度ではありませんが、自分の事業所がある自治体がこの取組を実施しているかどうかは、確認しておく価値があります。 ゾーニングマップが整備されると、地域が再エネ導入に前向きな区域とそうでない区域が可視化され、太陽光・風力事業を検討している事業者にとっては合意形成のハードルが下がる可能性があります。
自治体の環境政策・脱炭素推進担当課に「この補助金を活用する予定はあるか」を尋ねてみるのも一つの方法です。
対象になる取組・ならない取組
- 対象になる:地域の自然的・経済的・社会的条件を踏まえた既存情報の収集、追加的な環境調査、有識者・利害関係者・地域住民からの意見聴取、ゾーニングマップの作成
- 対象にならない:太陽光のうち屋根置きや公共施設・公有地のみを対象とする検討(区域全体の促進区域設定にはつながらないため)、再エネ設備そのものの整備費
補助率が4分の3と高いのは、単独自治体では専門的な調査・合意形成の負担が大きく、国が計画づくりの初期段階を厚く支援する必要があるという制度の性格によるものです。太陽光のうち屋根置きや公共施設・公有地のみを対象とする計画は、区域全体の促進区域設定にはつながらないとして交付対象から外れる点も見落とされがちです。
よくある質問
都道府県と市町村が共同で申請できますか?
できます。都道府県が代表申請者となり、複数の市町村・特別区と共同申請する場合は、単独の地方公共団体による申請よりも優先して交付対象とされます。
ゾーニングマップを作ったあと、何をする必要がありますか?
取りまとめたゾーニング報告書は、補助事業完了日が属する年度の終了後3か月以内に公表する必要があります。また、原則2年以内に地方公共団体実行計画(区域施策編)へ結果を反映することが前提です。
事業者は自治体に何を働きかけられますか?
制度の対象は地方公共団体に限られますが、事業者が自治体へ「促進区域の設定を検討してほしい」と要望を伝えることで、自治体側の申請の動機づけになる場合があります。
