「大規模な蓄電池を工場に入れたい。この補助金は今から申請できるか」——調べる前に確認すべきことがあります。この記事で扱う公募は、個々の工場や企業に対するものではなく、事業を実施する「執行団体」を選ぶための公募でした。個別企業向けの申請は、選ばれた執行団体を通じて別途行われます。
令和7年度補正 再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金 大規模業務産業用蓄電システム等導入支援事業は、高圧以上の需要場所に設置する大規模な蓄電システムの導入を支援する国の制度です。この記事を書いている時点で、執行団体を選ぶこの公募は2026年5月29日に募集終了しています。
大規模業務産業用蓄電システム等導入支援事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(資源エネルギー庁が指定する補助事業者=執行団体) |
| 制度名 | 令和7年度補正 再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金 大規模業務産業用蓄電システム等導入支援事業 |
| 対象業種 | 汎用 |
| 利用目的 | 設備投資/DX・IT導入 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(公式ページに記載なし) |
| 補助上限額 | 公式ページに記載なし(執行団体決定後に個別要件が公表される見込み) |
| 補助率 | リチウムイオン電池:PCS出力100kW〜10,000kW未満は1/3以内、10,000kW以上は1/2以内/リユース電池:100kW以上1/2以内/LDES(長時間蓄電):100kW以上で放電時間6時間未満は1/2以内、6時間以上は2/3以内 |
| 申請受付 | 2026年5月29日に終了(執行団体公募) |
| 公式サイト | 資源エネルギー庁 公募情報 |

この事業は「規模」で対象が絞られている
タイトルにある「大規模業務産業用」という言葉のとおり、この事業が対象にする蓄電システムには規模の下限があります。蓄電池容量20kWh超、かつPCS(パワーコンディショナー)の合計出力100kW以上、高圧以上の需要場所への設置が条件です。
一般家庭や小規模事業者向けの蓄電池は、この事業とは別の枠組み(家庭用蓄電システム等導入支援事業など)で扱われます。「蓄電池の補助金」とひとくくりにせず、自社の設置規模がどの枠に当てはまるかを最初に確認することが重要です。
対象になる/ならないの線引き
- 対象になる:高圧以上の需要場所に設置する蓄電容量20kWh超・PCS合計出力100kW以上の系統用蓄電池、リユース電池、LDES(長時間蓄電システム)
- 対象になりにくい:低圧契約の需要場所への設置、家庭用・小規模事業者向けの蓄電システム(別の家庭用蓄電システム等導入支援事業が該当)
補助率が電池の種類・放電時間によって細かく分かれているのも特徴です。放電時間が長いLDES(6時間以上)ほど補助率が高い(2/3以内)のは、再エネの出力変動を長く吸収できる設備をより手厚く後押しする狙いがあります。
よくある誤解されやすいポイント
- 執行団体の公募と個別企業向け支援を同一視する:この記事で紹介している公募(2026年5月29日締切)は執行団体を選定するものです。個別企業がこの事業を使って蓄電池を導入するには、選定後に執行団体が実施する募集に応募する必要があります
- 「系統用蓄電池」を家庭用蓄電池と混同する:系統用蓄電池は電力系統に直接接続する大規模設備を指します。家庭用の小型蓄電池とは規模も申請窓口も異なります
- 補助率をすべての電池に一律で当てはめる:リチウムイオン電池・リユース電池・LDESで補助率が異なるため、導入予定の電池の種類ごとに該当する補助率を確認する必要があります
次回公募に備える準備
再エネの主力電源化にともなう出力変動対策として、系統用蓄電池の導入支援は継続的な政策テーマです。
- 自社の需要場所の契約区分(高圧以上か)と、導入予定の蓄電池容量・PCS出力を確認しておく
- 導入予定の電池がリチウムイオン・リユース・LDESのどれに該当するかを整理しておく
- 執行団体が選定された後の個別企業向け募集の告知を、資源エネルギー庁のサイトで確認する
よくある質問
今から申請できますか?
執行団体を選ぶこの公募は2026年5月29日に募集を終了しています。個別企業向けの支援は、選定された執行団体が別途募集する見込みです。
個別の工場が直接申請できますか?
この公募自体には直接申請できません。資源エネルギー庁が執行団体を選定したあと、その執行団体を通じて個別企業向けの支援が行われる仕組みです。
家庭用の蓄電池でも対象になりますか?
対象になりません。この事業は蓄電容量20kWh超・PCS合計出力100kW以上・高圧以上の需要場所を対象にした大規模向けの制度です。家庭用蓄電池は別の支援事業の対象になります。
