愛媛県には、事業承継に関する補助金が2つあります。この記事で扱うのは「愛媛県事業承継支援事業」で、承継そのものの手続き費用を補助する制度です。後継者の新事業展開を支援する別制度(後継者新事業展開支援事業費補助金)とは対象経費が異なるので、混同しないよう先に線を引いておきます。
事業承継支援事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(中小企業者) |
| 制度名 | 愛媛県事業承継支援事業 |
| 対象業種 | 業種指定なし(中小企業全般) |
| 利用目的 | 事業承継(親族・従業員等への承継、M&A)にかかる専門家費用等 |
| 対象地域 | 愛媛県内(承継後も引き続き県内で事業を営む事業者) |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者の範囲 |
| 補助上限額 | 20万円(1件あたり) |
| 補助率 | 補助対象経費の2分の1以内 |
| 申請受付 | 2026年4月1日〜12月25日(先着順) |
| 公式サイト | 愛媛県庁「令和8年度愛媛県事業承継支援事業の募集について」 |

対象になるのは「専門家に依頼する費用」
補助対象になるのは、承継の実務を専門家に依頼したときの費用です。
- 登記書類作成費
- 専門家への謝金・委託料
- 許認可申請費用
- デューデリジェンス費用
- マッチング登録手数料
- 着手金
- 廃業費用
一方で、顧問料や成功報酬は対象外とされています。日常的にかかる費用や、成約後にまとめて発生する費用は、この補助金の想定範囲に入っていません。
支援機関を通す必要がある
この補助金を使うには、公益財団法人えひめ産業振興財団・商工会・銀行・信用金庫・日本政策金融公庫といった指定の支援機関から支援を受けていることが条件です。自分だけで手続きを進めた分の費用は対象になりません。 先に支援機関へ相談し、その支援のもとで進めた承継が補助の対象になります。
交付決定と補助対象期間の関係
補助対象期間は、交付決定日から2027年2月28日までとされています。交付決定とは、申請が受理されただけでなく、県が正式に補助を認めた通知のことで、それより前に発生した費用は原則として対象外になります。専門家への着手金を先に払ってしまうと、あとから遡って補助を受けられない可能性があるので注意してください。
受付は先着順です。予算に限りがある制度なので、承継の計画が固まった時点で早めに申請することをおすすめします。
似た制度との違い
「後継者新事業展開支援事業費補助金」は、承継から10年以内の後継者が新規事業や事業拡大に取り組む費用を対象にした、まったく別の制度です。上限は100万円、補助率は3分の2以内で、この記事の事業承継支援事業(上限20万円、補助率2分の1)より手厚い設計になっています。「承継の手続き費用」ならこの記事の制度、「承継後の新しい挑戦」なら後継者向けの制度、と使い分けてください。
よくある質問
支援機関に相談する前に専門家へ依頼してしまいました。対象になりますか?
公式ページでは、支援機関の関与を前提とした制度設計になっています。先に依頼してしまった分は対象外になる可能性が高いため、経営支援課へご確認ください。
M&Aの成約後に払う成功報酬は対象になりますか?
対象外です。対象になるのはデューデリジェンス費用やマッチング登録手数料などで、成功報酬は明確に除外されています。
廃業費用も対象になるのはなぜですか?
事業承継には、後継者が見つからず円滑に廃業することも含まれるためです。廃業も「事業を整理する」という意味で承継支援の一部と位置づけられています。
