脱炭素設備をリースで入れたいとき、この補助金は自社で申請できるのか——これが最初につまずくポイントです。答えは「いいえ」です。申請するのはリース会社であって、設備を使う中小企業側ではありません。
「カーボンニュートラル社会構築に向けたESGリース促進事業」は、環境省の補助事業ですが、補助金を受け取るのは国が指定した指定リース事業者(リース会社)です。中小企業等はそのリース会社と契約するだけで、リース料が下がった形で恩恵を受けます。この仕組みを知らずに「補助金の申請書はどこですか」と探しても見つかりません。

カーボンニュートラル社会構築に向けたESGリース促進事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主)。ただし補助金の申請主体は指定リース事業者(リース会社) |
| 制度名 | カーボンニュートラル社会構築に向けたESGリース促進事業(令和8年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金) |
| 対象業種 | 指定なし(脱炭素機器をリースで導入する事業者全般) |
| 利用目的 | 脱炭素機器をリースで導入する際のリース料負担の軽減 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(主に中小企業等が対象。大企業向けの取扱いは公式ページに記載なし) |
| 補助上限額 | 補助対象となる低炭素機器部分のリース料総額が65万円以上2億円以下であることが条件(上限額そのものの定めは公式ページに記載なし) |
| 補助率 | リース料総額の1〜6%(機器の種類に応じた基準補助率1〜4%+先進的取組による上乗せ最大2%) |
| 申請受付 | 指定リース事業者・優良取組認定事業者の募集は例年春(令和8年度は4月21日〜。個別のリース契約はこの指定を受けた事業者と通年で結べます) |
| 公式サイト | 一般社団法人環境金融支援機構「ESGリース促進事業」 |
仕組みが分かりにくい理由——申請者は自社ではない
この制度は「補助金」という名前がついていますが、中小企業が申請書を書いて役所に出す通常の補助金とは仕組みが違います。 流れはこうです。
- 環境省が、リース会社を「指定リース事業者」として審査・採択する
- 中小企業等が、その指定リース事業者と脱炭素機器のリース契約を結ぶ
- リース料の一部(1〜6%)が国から指定リース事業者に補助され、その分リース料が安くなった状態で中小企業に提供される
つまり、中小企業側がやることは「指定リース事業者を選んでリース契約を結ぶ」だけです。別途の交付申請は不要な設計になっています。ここを知らずに一般的な補助金と同じ申請フローを探すと、公式ページのどこにも申請書が見当たらず混乱します。
対象になる/ならないの線引き
| 対象になる | 対象にならない |
|---|---|
| 国が指定した「指定リース事業者」とのリース契約 | 指定を受けていないリース会社との契約 |
| 補助対象の低炭素機器(脱炭素設備)で、リース料総額が65万円以上2億円以下 | 現金購入・自社ローンでの購入(リースではない導入方法) |
| 中小企業等が主な借主 | 対象機器・対象外機器の区分は公式ページの機器検索で個別確認が必要 |
なぜ現金購入は対象にならないか。 この制度は「頭金の負担が理由で脱炭素機器を導入できない中小企業を、リースという金融手法で後押しする」ことが目的です。現金購入は別の補助金・優遇制度(省エネ関連の設備投資補助金等)で対応する設計になっており、この事業とは役割が分かれています。
よく誤解されるポイント
すべてのリース会社が対象になるわけではありません。 「指定リース事業者」として採択されたリース会社を通す必要があります。既に取引のあるリース会社が指定を受けているかどうかは、公式サイトの検索機能で確認してください。指定を受けていないリース会社と契約した場合、あとから補助を受けることはできません。
もう一つ、機器ごとの補助率(1〜6%)は一律ではありません。基準となる補助率は機器の種類で1〜4%と幅があり、そこにリース会社・借主のESGへの取組状況に応じた上乗せ(最大2%)が乗る仕組みです。「6%が必ずもらえる」わけではない点に注意してください。
よくある質問
補助金の申請書はどこで手に入りますか?
中小企業等が直接提出する申請書はありません。指定リース事業者とのリース契約を結ぶことが、実質的な「申請」に相当します。
どの機器が対象になるか、事前に分かりますか?
公式サイトの検索機能で対象機器を確認できます。医療機関向けには別途「補助対象先医療機関一覧」も用意されています。詳しくは環境金融支援機構へお問い合わせください。
予算がなくなったら打ち切りになりますか?
年度ごとに予算枠が設定されており、執行団体向け予算に対する残額が公式サイトで公表されています。予算が尽きると新規のリース契約分は対象外になる可能性があるため、早めの相談をおすすめします。
