福岡市の「中小企業奨学金返還支援事業補助金」は、従業員の奨学金返還を会社が支援した場合に使える制度です。企業負担額の1/2、上限50万円を1年度あたり1企業に補助します。人材の採用と定着を、金銭面から後押しする仕組みです。
中小企業奨学金返還支援事業補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 中小企業奨学金返還支援事業補助金 |
| 対象業種 | 業種指定なし(福岡市内に本店・本社を置く中小企業等) |
| 利用目的 | 人材確保・定着(従業員の奨学金返還支援) |
| 対象地域 | 福岡県福岡市 |
| 従業員数 | 中小企業等(規模の詳細は交付要綱をご確認ください) |
| 補助上限額 | 50万円(1年度あたり1企業) |
| 補助率 | 企業負担額の1/2 |
| 申請受付 | 令和8年7月1日〜11月30日 |
| 公式サイト | https://www.city.fukuoka.lg.jp/keizai/keieishien/life/fukuoka_shogakukinhenkan_support.html |

対象になる企業と従業員
対象になるのは、福岡市内に本店・本社を置く中小企業等です。従業員に対して「手当等の支給」または「代理返還」という形で、実際に奨学金返還の支援を行っていることが条件になります。
対象になる従業員の要件は次の4点です。
- 福岡市内の事業所で正社員として勤務していること
- 奨学金を返還中、または申請年度中に返還を開始する予定であること
- 役員等ではないこと
- 会社が定める奨学金返還支援制度の対象者であること
補助率と金額のシミュレーション
いくらもらえるか計算する
補助率 企業負担額の1/2 / 上限 50万円
補助率は企業負担額の1/2、上限は1年度あたり1企業50万円です。会社が従業員に代わって年間いくら返還を負担するかで、補助額は変わります。
3パターンで試算すると、次のようになります。
| 企業の負担イメージ | 対象従業員数 | 年間の企業負担額 | 補助額 |
|---|---|---|---|
| 小規模な卸売業(従業員10名) | 2名(月1万円ずつ手当支給) | 24万円 | 12万円(1/2) |
| IT企業(従業員30名) | 5名(代理返還・月1.5万円ずつ) | 90万円 | 45万円(1/2) |
| 製造業(従業員50名) | 8名(代理返還・月1.8万円ずつ) | 172.8万円 | 50万円(上限) |
対象従業員が増えるほど、上限50万円に近づきます。上限を超えた分は自己負担です。
月1万円の手当を2名に出すと、年24万円。うち12万円が戻るので、会社の実質負担は1人あたり月5,000円です。手当を月1.5万円に上げても、実質負担は月7,500円。上限50万円に届くのは、年間負担が100万円を超えてからです。
就業規則の整備が申請より先に必要
この補助金は、申請の前に社内規定を整えておく必要があります。就業規則など「奨学金返還支援制度が確認できる社内規定」の整備が、申請の前提条件です。
次の順番で進めます。
- 就業規則・給与規程等に奨学金返還支援制度を規定する
- 制度にもとづき、実際に手当支給または代理返還を実施する
- 実施実績をもって、電子申請で補助金を申請する
じつは、この「規定の整え方」自体が、はっきり白黒つくものばかりではありません。同じ手当でも、就業規則にどう書き込むかで対象と認められるかどうかが変わることがあります。

申請期間は令和8年度7月1日から11月30日まで
令和8年度の申請受付期間は、令和8年7月1日(水)から11月30日(月)までです。申請は電子申請(オンライン)で行います。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 検討を始めたら、まず | 就業規則等に奨学金返還支援制度を規定する |
| 制度整備後 | 実際に手当支給・代理返還を実施する |
| 令和8年7月1日〜11月30日 | 電子申請で補助金を申請する |
期間内であっても、制度の整備が間に合わなければ申請できません。検討を始めた段階で、社内規定の整備に着手してください。
同じように従業員の定着・人材確保を支援する国の助成金もあわせて検討したい場合は、こちらの記事も参考になります。

よくある質問
パートやアルバイトの奨学金返還も対象になりますか?
対象は正社員です。福岡市内の事業所に勤務する正社員であることが要件になっており、非正規雇用の従業員は対象外と考えられます。
奨学金の種類は日本学生支援機構のものに限られますか?
制度を作ったばかりで、まだ支給実績がない場合は申請できますか?
申請には実際に手当等の支給または代理返還を行った実績が必要です。制度を整備しただけの段階では申請できず、実施後に申請する流れになります。
人材確保系の補助金・助成金は、「制度をどう社内規定に落とし込むか」で対象になるかどうかが変わるケースが少なくありません。見ないまま申請して規定の書き方でつまずくのはもったいないので、検討を始めた段階で登録しておくことをおすすめします。
