地元牛乳のソフトクリームを積んだ移動販売、看護師が寄り添う福祉タクシー、高齢者向けの生活支援。令和7年度にこの補助金で採択された22件には、地域の困りごとを事業で解決する起業が並んでいます。
地域課題解決型起業支援事業補助金は、福島県内で新たに創業する人に、対象経費の1/2以内(上限200万円)を出す制度です。運営は福島県産業振興センターで、令和8年度は第1回(4月13日〜5月20日)も第2回(6月29日〜7月29日)も終了しています。次の募集の予定は、公式ページに載っていません。
地域課題解決型起業支援補助金の要点まとめ
正式名:地域課題解決型起業支援事業補助金
だれが
- 申請者
- 県内で新たに創業する人、第二創業する人
- 対象業種
- 地域課題の解決に資する分野(買物弱者支援など)
- 利用目的
- 創業にかかる経費
- 対象地域
- 福島県内(県内居住、または移住予定)
- 従業員数
- 規定なし(個人・代表者が申請)
いくら
- 補助上限額
- 200万円
- 補助率
- 1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年度第2回 2026年6月29日〜2026年7月29日(終了)
- 事業の完了
- 交付決定の日〜令和9年2月5日
- 公式サイト
- 福島県産業振興センター「創業補助金」
自分は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
「移住予定」は、令和9年2月5日までに県内へ移る人を指します。創業は、個人なら税務署へ開業届を出すこと、法人なら設立登記をして代表になることです。令和8年4月1日から令和9年2月5日の間に行うものが対象になります。
地域の課題を解く事業は、震災復興、地域活性化、まちづくり、過疎地域等の活性化、買物弱者支援、地域交通支援、社会教育、子育て支援、環境保全、社会福祉の10分野です。IoTやAI、ロボット、自動走行車などを活用する高付加価値の産業分野(Society5.0関連)も入ります。公募要領は、事業の収益で自律的に続けられ、新たな雇用の創出が見込めることも求めています。
デジタル技術は、AIやロボットに限りません。公募要領が例に挙げているのは、キャッシュレス決済、Web予約システム、ECサイトでの販売、SNSやWebサイトでの情報発信です。小さなお店のキャッシュレス導入やWeb予約でも、生産性や顧客の利便性につながるなら条件を満たす書き方になります。
創業にも2つの形があります。新たに創業する人は、原則として事業を経営した経験がない人です。すでに事業を経営している人が、今の事業とは別にSociety5.0関連の事業を新しく始める場合は「第二創業」として対象になります。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 令和8年4月より前に始めた事業
- ✕ 国・県費の創業補助金を受ける
- ✕ 大企業またはみなし大企業
みなし大企業は、中小企業でも大企業が発行済株式の1/2以上(または2/3以上)を持っていたり、大企業の役員・職員を兼ねる人が役員の1/2以上を占めていたりする会社のことです。国と県のお金が財源の創業補助金とは重複できません。市町村のお金だけの補助金は、経費を区分すれば併用できる場合があるため、センターに確かめる手があります。
いくら戻ってくる?
かかった経費の1/2以内で、上限は200万円です。上限の200万円に届くのは、対象経費が400万円以上のときです。
- 移動販売車の内装工事と冷凍設備に100万円かかる:100万円 × 1/2 = 50万円
- 高齢者向け生活支援の事務所で、賃借料・内装・Webサイト制作に300万円かかる:300万円 × 1/2 = 150万円
- 店舗の内装、機械装置、従業員の給与で500万円かかる:500万円 × 1/2 = 250万円 → 上限の200万円
計算は消費税を除いた金額で行います。補助金の申請額は、千円未満を切り捨てます。
補助金は後払いです。事業が終わって実績報告を出し、センターが経費を確認して金額を確定したあとに、精算払いで交付されます。経費はいったん全額を自分で払う形になるので、その分の資金を別に用意しておく必要があります。消費税の仕入控除税額(課税事業者が仕入れの消費税として控除できる額)は、引いた額で交付申請をします。
何に使える?
経費の条件は3つです。事業に必要だと特定できること、交付決定日以降に契約・発注したこと、令和9年2月5日までに支払いを終えて証拠書類で確認できることです。
対象にならないもの
- 代表者・役員、その家族で生計が同じ人の給与
- 店舗・事務所の敷金・保証金
- パソコン・プリンタなど汎用品の購入費
- 不動産(ユニットハウスを含む)の購入費
- 販売する商品の原材料費
- 三親等以内の親族が持つ物件・物品の賃借料
- 住居兼店舗の住居部分の賃借料・修繕費
- 会社設立の登録免許税・定款認証料
- 証明書の取得費、申請書類の作成代行への謝礼
対象になるもの
- 従業員の給与と事業者負担の法定福利費
- 店舗・事務所・駐車場の賃借料と仲介手数料
- 内装・外装工事費、機械装置・器具・備品の購入費
- 試作品・サンプルの原材料費
- 事業専用の車両・パソコンなどのリース・レンタル料
- 専門家への謝金、出張の旅費
- ホームページ制作などの外注費、保守・管理の委託費
- マーケティング調査費、広報費(展示会の出展料を含む)
- 水道光熱費・通信費(事業分を区分できるものだけ)
車両の購入費は、介護用車両など事業の継続に欠かせない場合に限られます。交付決定より前に契約・発注した経費は、対象になりません。
申請の流れ
- 事業計画書をつくる(応募者→福島県よろず支援拠点などで相談。応募の前に)
- 書類をそろえて出す(応募者→福島県産業振興センター 経営支援課。郵送か持参、募集期間の消印有効日まで)
- 書類審査と面接審査を受ける(センター→応募者。面接には本人が出る)
- 採択の内示を受け、交付申請を出す(応募者→センター)
- 交付決定を受ける(センター→応募者。契約・発注はこの日以降)
- 事業を進める(応募者。令和9年2月5日までに開業か法人設立。起業サポーターが月1回程度の面談で支援)
- 実績報告を出す(応募者→センター。事業の完了後15日以内か令和9年2月12日の、いずれか早い日まで)
- 補助金を受け取る(センターが確認して精算払い。令和8年度の予定は令和9年3月)
必要な書類
準備できた 0 / 7
役員一覧は法人の場合に出します。開業届の写しや履歴事項全部証明書は、すでに創業している場合だけ添えます。別の法人の役員を兼ねているときは、その法人の履歴事項全部証明書(応募日から3か月以内の発行)も必要です。住民票は取得後3か月以内のものです。県税の納税証明書は1通400円の福島県収入証紙が要り、県外から移住する人も移住先の地方振興局で取ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約・発注した:対象は交付決定日以降の契約・発注です。先に契約した分は経費に入りません。
- 期限までに創業しなかった:開業届の写しか法人の登記簿を、補助事業の完了までに出します。出せないと補助金は交付されません。
- 国・県費の創業補助金と重なった:国と県のお金が財源の創業・起業の補助金を受けている場合は、対象になりません。
- 県税に未納がある:県税に未納がある人は、交付申請そのものができません。
- 50万円以上の財産を承認なしに手放した:単価50万円以上の物品や改修工事などを、承認を受けずに耐用年数内で処分すると、返還を求められる場合があります。個人から法人への切り替え、事務所の移転、一時休業、廃止も処分に当たります。
次の募集までに準備できること
募集は、令和7年度が4月14日〜5月21日と7月1日〜7月31日、令和8年度が4月13日〜5月20日と6月29日〜7月29日でした(いずれも消印有効)。過去2年は、4月中旬に第1回が始まっています。
ただし公募要領には、第1回の採択状況によっては第2回の募集を実施しない場合がある、と書かれています。回数も時期も毎年同じとは限りません。募集の有無は、センターの創業補助金のページで確かめます。
募集が出る前に手を付けられるのは、事業計画書です。福島県よろず支援拠点の郡山サテライト(024-954-4161)と福島サテライト(024-525-4064)、福島駅西口インキュベートルーム(024-525-4048)で、計画書の作成について相談できます。採択された事業は、センターのページに市町村・業種・テーマの一覧で載っているので、どんな事業が通ったかをつかむ材料になります。
採択されたあとは、補助事業の完了後5年間、事業化の状況を報告する義務があります。
よくある質問
令和8年度の募集は終わっていますか?
終わっています。令和8年度は第1回(4月13日〜5月20日)と第2回(6月29日〜7月29日)の2回で、どちらも消印有効日を過ぎました。センターのページには「公募は終了しました」と書かれ、次回の予定は載っていません。創業の準備を進めながら、募集が出たらすぐ応募できるよう、事業計画書の下書きを手元に持っておくと動きやすくなります。
次の募集はいつ始まりますか?
公式ページに次回の予定は載っていません。令和7年度は4月14日〜5月21日と7月1日〜7月31日、令和8年度は4月13日〜5月20日と6月29日〜7月29日に募集がありました。ただし公募要領に、第1回の採択状況によって第2回を行わない場合があると書かれています。回数も時期も毎年同じとは限らないため、福島県産業振興センターの創業補助金のページを確かめてください。
デジタル技術は何を使えば条件を満たせますか?
令和8年度の公募要領は、生産性の向上、機会損失の解消、顧客の利便性向上につながるデジタル技術を使うことを条件にしています。例に挙がっているのは、キャッシュレス決済、Web予約システム、ECサイトでの販売、既存のツールを含むSNSやWebサイトでの情報発信などです。審査項目にも入っているため、事業計画書には使う場面を具体的に書いておきます。
すでに事業をしている人は対象になりますか?
「第二創業」なら対象です。すでに事業を経営している人(個人、または法人の代表者か役員)が、今の事業とは別に、Society5.0関連の付加価値の高い産業分野の事業を新しく始める場合が当たります。新たに創業する人として応募できるのは、原則として事業を経営した経験がない人です。どちらに当たるか迷うときは、応募の前にセンターの経営支援課へ相談してください。
県外に住んでいても応募できますか?
令和9年2月5日までに福島県内へ移住する人なら応募できます。条件は「県内に居住している、または期日までに県内へ移住する」ことなので、県外に住んだままの創業は含まれません。県外から移住する人も、移住先の地方振興局が発行する福島県税の納税証明書が必要です。証明書には1通400円の福島県収入証紙が要るため、あらかじめ買っておきます。
補助金はいつ受け取れますか?
事業が終わって実績報告を出し、センターが経費を確認して金額を確定したあとの精算払いです。令和8年度の予定では、交付は令和9年3月です。実績報告は、事業の完了後15日以内か令和9年2月12日のいずれか早い日までに出します。経費はいったん全額を自分で払う形になるため、運転資金を別に用意しておく必要があります。
自宅兼店舗の家賃や家族の給与は経費になりますか?
なりません。住居兼店舗の住居部分の賃借料や修繕費、代表者・役員、その家族で生計が同じ人の給与は対象外です。三親等以内の親族が持つ不動産や物品の賃借料も対象になりません。他の事業と明確に区分できない経費も対象外とされているため、店舗部分と住居部分は、契約や支払いの書類でも分けておきます。
パソコンは経費にできますか?
購入費は対象外です。パソコンやプリンタ、家庭用電化製品のように、汎用性が高く使用目的を特定できない物品は、設備費に入りません。一方で、事業にだけ使うパソコンやプリンタのリース・レンタル費は借料として対象になります。個人が所有するパソコンや車両の借り上げ費は、対象外です。
他の補助金と同時に使えますか?
国と県のお金が財源の創業・起業の補助金とは重複できません。公募要領は、需要創造型等起業・創業補助金、被災地復興創業支援事業、地域おこし協力隊起業支援補助金などを例に挙げています。市町村のお金だけで出している補助金は、対象経費を明確に区分すれば重複できる場合があるため、申請の前にセンターへ問い合わせてください。
不採択の理由は教えてもらえますか?
教えてもらえません。公募要領に、審査の結果(不採択の理由等)に関する問い合わせは受け付けない、と書かれています。面接審査には応募者本人が出る必要があり、面接の交通費や事業計画書の作成・送付にかかる費用は応募者の負担です。事業計画書は、応募の前によろず支援拠点などで見てもらう手があります。
申請書類はどう出しますか?
郵送か持参で、正本1部を福島県産業振興センター 経営支援課(福島市三河南町1番20号 コラッセふくしま2階)に出します。郵送の封筒には「創業補助金応募書類在中」と朱書きします。募集期間は消印有効なので、期間内の消印になるよう早めに発送します。記入漏れや添付漏れがあると不採択になることがあります。応募は1人1件までです。電話は024-525-4035です。
採択されたあとに守ることはありますか?
補助事業の完了後5年間、事業化の状況を報告する義務があります。単価50万円以上の財産を処分するときは、事前の承認が要ります。承認なしに耐用年数内で処分すると、返還を求められる場合があります。個人事業から法人にするとき、事務所を移すとき、一時休業や廃止も処分に含まれます。
起業サポーターの支援とは何ですか?
創業支援の実績がある専門家が、採択者に伴走する仕組みです。月1回程度の面談に加えて、必要なときにメールや電話で相談できます。支援の期間は、交付決定の日から令和9年2月末までです。採択者を確実な創業に導くことを目的にしています。
