「うちは中小企業だから、原子力関連の国の技術開発事業なんて縁がない」と思っていませんか。実は本事業は、複数の企業・団体がコンソーシアムを組んで応募できる仕組みになっており、原子力プラントメーカーだけでなく、材料・センサー・検査技術などを持つ専門企業にも門戸が開かれていました。令和2年度「原子力の安全性向上に資する技術開発事業」は、2020年10月5日で受付を終了しており、現在は申し込めません。
原子力の安全性向上に資する技術開発事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人。単独応募・複数企業によるコンソーシアム形式の応募のいずれも可) |
| 制度名 | 令和2年度「原子力の安全性向上に資する技術開発事業」 |
| 対象業種 | 製造業・研究開発関連業(実用発電用原子炉の安全対策高度化に関する技術を持つ事業者) |
| 利用目的 | 実用発電用原子炉の安全対策高度化のための技術開発の支援(技術の成熟度・市場性・開発体制・規制対応等の調査研究) |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし |
| 補助上限額 | 公式ページに記載なし(資源エネルギー庁または委託先へお問い合わせください) |
| 補助率 | 公式ページに記載なし(資源エネルギー庁または委託先へお問い合わせください) |
| 申請受付 | 終了(2020年9月16日〜2020年10月5日) |
| 公式サイト | jGrants「令和2年度「原子力の安全性向上に資する技術開発事業」」 |

単独の中小企業でも応募できたのか
応募できました。「複数の企業・団体等が連携・協働して事業を実施することにより、効率的な事業運営やより高い事業成果が見込まれる場合、コンソーシアム形式による応募も可」とされており、単独企業での応募もコンソーシアム形式での応募もどちらも認められていました。原子力プラントの安全対策に関わる技術要素(センサー・材料・検査手法など)を持つ専門企業であれば、大手プラントメーカーでなくても対象になり得る制度でした。
制度の内容
この事業は、実用発電用原子炉の安全対策を高度化するための技術開発を支援するものです。募集要領では、「安全性向上に資する革新的な技術を特定した上で、当該技術要素が、技術の成熟度、実用化された際の市場性、実際の開発体制の構築、実用化する際の規制対応等の観点から将来的な事業成立性を有するか否かに関する調査・研究」を行うことが求められていました。単なる技術の実証だけでなく、実用化に至るまでの道筋(規制対応・市場性)まで含めた調査研究が対象になる点が特徴です。
対象になる/ならないの線引き
| 対象になる | 対象にならない |
|---|---|
| 原子炉の安全対策に資する革新的技術の実用化可能性調査 | 安全対策と無関係な一般的な技術研究 |
| 技術の成熟度・市場性・規制対応を含めた総合的な調査研究 | 技術実証のみで実用化への道筋を含まない研究 |
| 複数企業・団体によるコンソーシアムでの共同研究 | 事業成立性の検討を伴わない基礎研究のみ |
なぜ「実用化の道筋」までが対象になるのか。 この事業は単なる研究支援ではなく、原子力発電技術の水準向上という政策目的のために「実際に使える技術」を育てる制度だったためです。技術そのものだけでなく、規制対応や市場性まで含めた計画が求められました。
よく誤解されるポイント
「原子力の技術開発事業」という名前から、原子力発電事業者しか応募できないと誤解されがちですが、実際には安全性向上に資する技術要素を持つ事業者であれば、業種を問わず応募対象でした。センサー技術、材料科学、非破壊検査などの分野で強みを持つ企業が、原子力分野への技術転用を目的に応募するケースも想定されていました。
今後の公募に備えて知っておきたいこと
資源エネルギー庁は、原子力の安全性向上や革新的な原子力技術開発に関する事業を、年度ごとに名称やテーマを変えながら継続して実施しています。今後同様の公募に備えて押さえておきたいことは次のとおりです。
- 自社の技術が原子力の安全対策にどう応用できるかを整理しておく。プラントメーカーでなくても、要素技術を持つ企業であれば応募対象になり得ます
- コンソーシアムを組める連携先を探しておく。単独では手が届かない開発体制も、複数企業での連携で実現可能になることがあります
- 資源エネルギー庁の公募ページを定期的に確認する。この分野の公募は委託先(三菱総合研究所など)を通じて実施されることが多く、名称が毎年変わります
よくある質問
この事業は今後も実施されますか?
資源エネルギー庁は原子力技術開発に関する事業を継続的に実施しています。年度によって名称やテーマが変わるため、最新の公募情報は資源エネルギー庁の公式サイトでご確認ください。
補助上限額や補助率はどこで確認できますか?
本記事執筆時点で確認できた公式情報には、具体的な補助上限額・補助率の記載がありませんでした。今後同様の公募が実施される際は、その年度の公募要領で必ず確認してください。
中小企業でも単独で応募できましたか?
できました。コンソーシアム形式だけでなく、単独企業での応募も可能とされていました。ただし技術の成熟度や実用化の道筋まで求められるため、応募前に自社の技術がどの段階にあるかを整理しておくことが重要です。
