古いオフィスビルを省エネ改修したいと思っても、改修効果がどれだけ出るか分からないまま工事に踏み切るのはリスクが大きい判断です。環境省の業務用建築物ストックの省CO2改修調査支援事業は、改修工事そのものではなく、その手前の「事前調査」費用を補助する制度です。一次公募(令和8年5月〜10月実施分)はすでに終了しています。
対象は既存の業務用建築物(オフィスビル・商業施設等)を保有・使用する事業者で、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化に向けた改修効果の事前調査にかかる費用が対象でした。補助率2分の1、上限100万円です。
業務用建築物省CO2改修調査支援事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(既存の業務用建築物の所有者・管理者) |
| 制度名 | 令和7年度補正予算・令和8年度予算 業務用建築物ストックの省CO2改修調査支援事業(一次公募) |
| 対象業種 | 不動産業、物品賃貸業その他業務用建築物を保有・使用する全業種 |
| 利用目的 | 既存建築物の改修によるZEB達成可能性・省CO2効果に関する事前調査(改修効果調査)費用の補助 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(公式ページに明記なし) |
| 補助上限額 | 100万円 |
| 補助率 | 2分の1以内 |
| 申請受付 | 終了(一次公募は2026年4月23日まで。実施期間は令和8年5月1日〜10月22日) |
| 公式サイト | 環境省「業務用建築物ストックの省CO2改修調査支援事業の公募開始について」 |

なぜ「改修」ではなく「調査」だけを補助するのか
一般的な省エネ改修の補助金は、断熱工事や設備更新そのものに補助を出します。この事業が対象にしているのは、それより手前の改修効果調査だけです。理由は、古い業務用ビルの多くが、改修すればどれだけCO2が減るかを事前に把握できていないからです。
調査をせずに改修すると、期待した省エネ効果が出ない、あるいは過剰な設備投資になる、といったミスマッチが起きます。この事業は「まず正確に測って、それから改修計画を立てる」という順番を促すために、調査費だけを切り出して補助する設計になっています。
対象になった調査の中身
補助対象になったのは、次のような事前調査です。
- ZEB達成可能性の診断(現状の建物性能の評価)
- 省CO2効果のシミュレーション(改修後のエネルギー消費量の試算)
- 改修計画の策定に必要な現地調査・設計検討
改修工事そのものの費用は対象外でした。あくまで「改修するかどうかを判断するための調査」に限定されている点に注意が必要です。
今から申請できるか。次回公募に備えるには
公式に明記されているのはここまでです。 一次公募は2026年4月23日で終了し、実施期間は令和8年10月22日までとされています。環境省の報道発表には「令和7年度補正予算・令和8年度予算」の両方が財源として明記されており、予算残があれば二次公募が組まれる可能性があります(同種の脱炭素化事業では複数回の公募が一般的です)。
次回公募の有無や時期は、環境省の脱炭素化事業一覧ページ(エネ特ポータル)で確認するのが確実です。改修を検討している事業者は、次回公募の告知を待つ間に、社内でZEB化の優先順位を整理しておくと動き出しが早くなります。
よくある質問
今から申請できますか?
できません。一次公募は2026年4月23日で終了しています。二次公募が実施されるかどうかは、環境省の公式ページで最新情報を確認してください。
改修工事の費用も補助されますか?
対象外です。この事業が補助するのは、改修工事の前段階にあたる「ZEB達成可能性・省CO2効果の事前調査」の費用だけです。改修工事そのものは、別の補助金(ZEB化・省CO2化普及加速事業等)を確認する必要があります。
個人所有の賃貸マンションでも対象になりますか?
対象は「業務用建築物」です。オフィスビルや商業施設が中心で、住宅系の建築物は原則対象外と考えられます。詳しくは公式の公募要領でご確認ください。
