太陽光を屋根に載せたい、空調も替えたいと考えて見積を取ると、まず初期費用の大きさで手が止まります。
浜松市の補助金は、太陽光発電設備を出力1kWあたり4万円以内、定置用蓄電池を経費の1/3以内で支えます。申請は市役所の窓口への持参で、先着順です。受付は11月30日17時までですが予算がなくなると期間内でも締め切られます。高効率空調・高効率照明の募集は6月12日で終わっています。
浜松市脱炭素経営設備導入支援事業費補助金の要点まとめ
正式名:浜松市脱炭素経営設備導入支援事業費補助金
だれが
- 申請者
- 市内に事業所がある事業者(法人・個人事業主・NPO・自治会など)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 太陽光発電設備・定置用蓄電池の導入(脱炭素経営)
- 対象地域
- 静岡県浜松市
- 従業員数
- 太陽光・蓄電池は規模の指定なし
いくら
- 補助上限額
- 合計の上限額は公募文書に記載なし。単価は本文の表
- 補助率
- 太陽光は1kWあたり4万円以内。蓄電池は経費の1/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月1日〜2026年11月30日17時(先着・予算の範囲内)
- 事業の完了
- 2027年2月15日まで
自分の会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 国の補助金も同じ設備に使う
- ✕ 交付決定の前に契約や工事を始めた
- ✕ FITやFIPの認定を取る
- ✕ 中古品や予備品の設置
- ✕ J-クレジットに登録する
10kW以上は太陽電池モジュールの出力の合計とパワーコンディショナーの定格出力の合計の、低い方で数えます。すでに設備がある場合は、増える分が10kW以上必要です。
自家消費の条件には、もう一つの形もあります。敷地内で使う電力量を発電量の30%以上にして、その需要家の分も含めて発電量の50%以上を浜松市内の需要家が使う形です。
FITは固定価格買取制度、FIPは市場価格に上乗せして買い取る制度です。どちらの認定も取らないことが条件です。自己託送(離れた自社施設へ送電する方法)も対象になりません。
J-クレジットは、温室効果ガスの削減量を売買できる国の制度です。この補助で得た削減効果は、法定耐用年数が終わるまで登録できません。
太陽光の設備は、対象設備要件チェックリストで細かく確かめられます。一つの場所で設備を複数に分けた申請は認められません。出力が20kW以上なら発電設備を囲う柵や塀と標識の設置が、10kW以上なら撤去・廃棄の費用を積み立てる計画が求められます。柵や塀の工事は付帯工事として対象になります。
削減計画は、設備を付ける事業所の分を作ります。次のどちらかの目標を、2030年度時点で立てます。
- 温室効果ガス全体を、2013年度比で53%以上、または2025年度比で22.5%以上減らす
- 電気由来の分を、2013年度比で55%以上、または2025年度比で27.5%以上減らす
あわせて目標に向けた取組を年度ごとに示します。作成には静岡銀行や浜松いわた信用金庫などで扱う算定ツール「しずおかGXサポート」か、市が用意した参考様式(Excel)が使えます。
申請できる事業者は民間企業と個人事業主のほか、一般社団・財団法人、公益法人、NPO法人、医療法人、社会福祉法人、学校法人、協同組合等、自治会等です。第三者所有(PPA)やリースでの導入もできます。
いくら戻ってくる?
太陽光は出力に単価を掛け、蓄電池は経費の1/3で計算します。
| 設備 | 補助額 |
|---|---|
| 太陽光発電設備 | 出力(kW)× 4万円/kW 以内 |
| 定置用蓄電池 | 対象経費の1/3以内(価格基準の1/3が上限) |
蓄電池の価格基準は20kWh以下が1kWhあたり14.1万円、20kWh超が16.0万円です。どちらも工事費込み・税抜きの価格で、この額の1/3が上限になります。
計算例です。千円未満は切り捨てます。
- 出力12kWの太陽光:12kW × 4万円 = 48万円
- 出力40kWの太陽光:40kW × 4万円 = 160万円
- パネル15kW、パワーコンディショナー12kWの設備:低い方の12kWで数えて、12kW × 4万円 = 48万円
- 12.8kWの太陽光:小数点以下は切り捨てて12kW × 4万円 = 48万円
- 10kWhの蓄電池に120万円かかった:120万円 × 1/3 = 40万円
- 10kWhの蓄電池に150万円かかった:150万円 × 1/3 = 50万円 → 14.1万円 × 10kWh × 1/3 = 47万円が上限
出力が10kW以上という条件があるので、太陽光の補助額は最低でも40万円です。いちばん小さい設備でも10kWに届かなければ、補助は受けられません。
蓄電池は、このあと触れる付帯設備の条件を満たしたうえで、価格基準の1/3を超えない範囲で補助されます。
6万円の枠は終わっています
太陽光の補助は当初1kWあたり6万円でした。市の財源が申請多数でなくなったため、6万円の枠は受付を終え、環境省の交付金だけで払う4万円の枠で受け付けています。40kWの設備なら、6万円で240万円、4万円で160万円です。見積の前提は4万円で組むとあとからずれません。
何に使える?
補助額が出力で決まる太陽光でも、事業の中身は申請書に書きます。経費が補助額を決めるのは蓄電池です。
対象にならないもの
- 既存設備の撤去・移設費
- 申請手続きの費用(振込手数料など)
- 消費税と収入印紙などの税金
- 建物の躯体の一部になる基礎工事
- 工事中の事故や災害の処理費
対象になるもの
- 工事費:本工事費、付帯工事費、機械器具費、測量・試験費
- 設備費
- 業務費、事務費
付帯工事は、本工事に直接必要な最小限の範囲に限ります。迷う項目は、市のカーボンニュートラル推進課に聞きます。
蓄電池には、設備の条件が付きます。
- 同じ事業で導入する太陽光発電設備の付帯設備である
- 太陽光で発電した電気をためて、平時から充放電を繰り返す設備である
- 停電時だけに使う非常用の電源ではない
- 20kWh以下なら、環境共創イニシアチブ(SII)に登録された製品である
- 20kWh超なら、浜松市の火災予防条例の安全基準の対象になる蓄電システムである
価格は20kWh以下で1kWhあたり12.5万円、20kWh超で11.9万円(どちらも工事費込み・税抜き)以下になるよう努めます。これを超える場合は、3社以上から見積を取って最も安いものを選びます。
高効率空調・高効率照明は?
どちらも2026年6月12日で募集を終えています。補助率は経費の1/2以内でした。申請状況によっては追加公募をする可能性があると、手引きに書かれています。
追加の募集があった場合に備えて、条件を知っておく手があります。既存設備からの更新であることに加えて、年間の温室効果ガスの削減効果が2.0t-CO2以上であることが必要です(令和5年度以降に経済産業省事業の省エネ診断を受けていれば、この条件は不要です)。手引きは目安として、空調で約8台、照明で約70台の入れ替えを挙げています。
申請の流れ
- 削減計画をつくる(事業者。算定ツールか市の参考様式。電気やガスの使用量が分かる資料も用意)
- 書類をそろえて窓口へ持参する(事業者→浜松市 カーボンニュートラル推進課。市役所本庁舎6階。平日の8時30分〜17時)
- 受付を待つ(市が書類を確認して受付。確認が終わった順で、順番が前後することもあります)
- 交付決定の通知を受ける(市→事業者。郵送。契約や工事はこの通知のあと)
- 導入工事を進める(事業者→施工業者。2027年2月15日までに完了)
- 実績報告書と請求書を持参する(事業者→市。完了から30日以内、または2027年2月15日17時のどちらか早い方)
- 確定の通知と振込(市→事業者。確定額が交付決定額を超えることはありません)
窓口に持参するときは郵送で返信するための封筒を一緒に出します。長形3号の封筒に110円切手を貼り、自分の住所と氏名を宛先に書いたものです。メールと郵送での申請は受け付けていません。
交付を受けたあとも手続きが続きます。完了した翌年度から令和13年度まで、毎年4月末までに事業報告書を出します。設備の稼働状況と、削減計画に対する削減の状況を報告する内容です。
必要な書類
準備できた 0 / 13
太陽光では年間の想定売電量が分かる資料も出します。蓄電池では容量(kWh)が分かる仕様書を出し、20kWh以下ならSII登録製品であることの資料も要ります。個人は履歴事項全部証明書の代わりに所得税の確定申告書の写しを、市外に本社がある事業者は市区町村税の納税証明書(直近1期分)を出します。
履歴事項全部証明書は発行から3か月以内のものです。特別徴収の指定通知書は、指定を受けていない場合に理由書で代えます。市税の納付状況の確認への同意と、暴力団排除の誓約は、交付申請書の中にチェック欄があります。交付決定後に地元の商工会議所や金融機関などのコンソーシアム参画機関へ事業の情報を提供することへの同意欄と、2030年度まで削減に取り組む旨の確認欄も同じ申請書にあります。
第三者所有やリースでは、設置事業所の事業者の分として、第2号様式の同意書と設備設置承諾書(別紙4)、補助金相当額が料金から控除されることを示す書類なども増えます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約や工事を始めた:通知の前に発注・契約・工事をした分は、補助の対象になりません。
- 予算がなくなった:太陽光と蓄電池は先着順です。期間内でも、予算を超える申請があった時点で締め切られます。
- 国の補助金と併用した:この補助金は環境省の交付金を財源にしているため、国費を原資とする補助金とは併用できません。
- 設備を途中で手放した:取得価格が50万円を超える設備には処分の制限があります。期間内に処分すると、補助金の返還を求められることがあります。
- 実績報告が間に合わなかった:2027年2月15日17時が厳守の期限です。期限内に報告書を出せないと、交付決定が取り消されることがあります。
処分制限の期間は一般的な設備で太陽光が17年、定置用蓄電池が6年です。処分には、目的に反した使用、譲渡、交換、貸付、担保に出すことが含まれます。
よくある質問
屋根が小さくて10kWに届かない場合は対象になりますか?
対象になりません。太陽光は太陽電池モジュールの出力の合計とパワーコンディショナーの定格出力の合計の低い方が、10kW以上でなければなりません。すでに設備がある場合は、増える分が10kW以上必要です。敷地の別の場所に付けられないか、パネルの容量とパワーコンディショナーの組み合わせで届かないかを、施工業者に相談してみる手があります。
蓄電池だけを入れる場合も補助されますか?
蓄電池だけでは対象になりません。対象の蓄電池は、この事業で導入する太陽光発電設備の付帯設備に限られます。さらに太陽光で発電した電気をためて、平時から充放電を繰り返す設備であることと、停電時だけの非常用電源ではないことが条件です。太陽光と同時に申請するのが基本の形になります。
余剰電力を売ってもかまいませんか?
売電の計画自体は申請書に書けます。年間の想定売電量を示す資料を出す決まりで、余剰売電をする場合は系統連系の申込書の写しも要ります。ただしFITまたはFIPの認定を取ることは認められません。さらに発電した電気の半分以上を敷地内で使う必要があります。売電を前提にした計画は、この条件に合うか確かめます。
PPAやリースで導入しても申請できますか?
申請できます。第三者所有(PPA)では、PPA事業者に補助金が交付されて、補助金相当額がサービス料金から控除されることが条件です。リースも同じで、リース料から控除されます。リース期間が法定耐用年数より短い場合は、所有権移転ファイナンス・リース取引か再リースで、耐用年数の終わりまで使い続けられるようにします。
太陽光の6万円の枠にはまだ間に合いますか?
間に合いません。市の財源が申請多数でなくなったため、1kWあたり6万円の枠は受付を終えています。受付しているのは、環境省の交付金だけで払う4万円の枠です。補助額は、出力に4万円を掛けて計算します。たとえば40kWなら160万円です。見積や資金計画は、4万円を前提に組み直しておくと安心です。
高効率空調や高効率照明は、もう申請できませんか?
2026年6月12日で募集を終えています。ただし手引きには申請の状況によって追加公募を実施する可能性があると書かれています。追加の募集があるかどうかは、市のページや担当課に確かめます。申請するなら、既存設備の更新であることと、年間の温室効果ガス削減効果が2.0t-CO2以上であることが条件です。
すでに契約や工事を始めてしまいました。対象になりますか?
交付決定の通知より前に契約や工事を始めたものは、対象になりません。申請の書類にも通知前に契約と工事に着手していないという確認の欄があります。見積を取る、図面を相談するといった準備は構いません。契約書を交わすのは、通知を受け取ってからにします。
国の補助金と一緒に使えますか?
使えません。この補助金は環境省の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」を財源にしているため、国費を原資とする補助金とは併用できません。同じ設備に国の補助を受ける予定があると、対象から外れます。事業計画書には他の補助金の併用予定を書く欄があるので、別の補助に申し込む前に、窓口に相談しておきます。
申請は郵送やメールでできますか?
できません。窓口への持参だけです。受付は平日の8時30分から17時までで、土日、祝日、12月29日から1月3日は休みです。市役所本庁舎6階のカーボンニュートラル推進課に、手引きの順番どおりに並べた書類を持っていきます。返信用の封筒(110円切手を貼った長形3号)も一緒に出します。
温室効果ガスの削減計画とは、何を作ればよいですか?
設備を付ける事業所の削減目標と、年度ごとの取組を示す書類です。基準年度の排出量、2030年度の目標排出量、削減の取組が分かる形にします。静岡銀行などで扱う「しずおかGXサポート」の出力か、市の参考様式(Excel)が使えます。基準年度の電力やガスの使用量が分かる資料も、一緒に出します。
工事はいつまでに終えればよいですか?
2027年2月15日までです。実績報告書と請求書も、同じ日の17時までに出します。やむを得ず間に合わない見込みになったら、早めに担当課へ申し出て、遅延報告書を2026年12月18日までに出します。12月18日より後に完了できないと分かった場合は、補助を受けられない可能性があります。
交付決定のあとに辞退してもよいですか?
避けた方がよいと、手引きに書かれています。維持管理や設備を法定耐用年数まで動かすことの難しさを理由にした辞退が過去にあり、次年度以降の予算の確保や、ほかの事業者の補助額に影響が出たそうです。導入できて、耐用年数まで使い続けられる計画だけを申請します。
問い合わせ先はどこですか?
浜松市産業部カーボンニュートラル推進課(電話053-457-2502、メールene@city.hamamatsu.shizuoka.jp)です。手引きは募集の時期には電話が集中するため、できるだけメールで問い合わせるよう求めています。審査の状況についての問い合わせには、回答してもらえません。
