静岡市の「機械設備設置に対する助成」は、市内に製造拠点を持つ中小製造業者が1点500万円以上の機械設備を導入する費用の一部を、最大750万円まで補助する制度です。正式名称は「中小企業事業高度化機械設備設置事業補助金」で、令和8年度分の申請受付は5月12日9時から始まっています。
省エネ性能の高い設備を入れるほど、賃上げに取り組むほど、補助率は上がります。基本の5%から、最大15%まで。老朽化した設備の更新や、新しい製品ラインの立ち上げに使えます。
静岡市中小企業事業高度化機械設備設置事業補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(中小製造業者) |
| 制度名 | 静岡市中小企業事業高度化機械設備設置事業補助金(機械設備設置に対する助成) |
| 対象業種 | 製造業 |
| 利用目的 | 設備整備(1点500万円以上の機械設備の導入) |
| 対象地域 | 静岡県静岡市 |
| 従業員数 | 中小企業基本法第2条に規定する中小企業者 |
| 補助上限額 | 750万円 |
| 補助率 | 5%(基本要件)/10%(省エネ要件)/15%(省エネ+賃上げ要件) |
| 申請受付 | 令和8年5月12日9時〜(詳細は公式ページでご確認ください) |
| 公式サイト | https://www.city.shizuoka.lg.jp/s2746/s003785.html |

対象になる事業者・設備を具体例で見る
補助対象になるのは、次の要件を満たす事業者です。
- 中小企業基本法第2条に規定する中小企業者であること(業種ごとに資本金・従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当)
- 日本標準産業分類 大分類E「製造業」に該当する事業者であること
- 静岡市内に製造拠点を有していること
導入する機械設備の側にも要件があります。
- 地方税法に規定する償却資産のうち「機械及び装置」に該当し、耐用年数1年以上のものであること
- 1点あたりの取得価格が500万円以上であること
- 導入によって「生産性の向上」または「新製品の開発・製造」のいずれかが見込まれること
具体的にどんなケースが当てはまるか、業種別に3パターンで見てみます。
- 食品加工業者が老朽化した充填機を更新: 老朽化した充填機を、生産性向上が見込める最新の高速充填機(取得価格600万円)に入れ替えるケース。基本要件(生産性向上)のみを満たせば、補助率5%=30万円の補助が受けられる
- 金属加工業者が省エネ型のレーザー加工機を導入: 新製品の開発に対応するレーザー加工機(取得価格1,200万円)を導入し、消費電力の削減も見込めるケース。省エネ要件も満たすため補助率10%=120万円になる
- 印刷業者が高精度印刷機を導入し賃上げも実施: 新製品開発のための高精度印刷機(取得価格4,000万円)を導入し、省エネ性能に加えて従業員の給与支給総額を3.0%以上増加させる賃上げも行うケース。省エネ・賃上げの両要件を満たすため補助率15%=600万円(上限750万円の範囲内)になる

中古設備は対象になるのか。複数の設備をまとめて500万円に到達させられるのか。どちらも公式ページには明記がありません。
補助率のシミュレーション:要件の組み合わせで750万円まで変わる
補助対象経費は機械設備(機械及び装置)の取得に要する経費です。補助率は、満たす要件の組み合わせによって次のように段階的に変わります。
| 満たす要件 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 基本要件のみ(生産性向上 または 新製品の開発・製造) | 5% | 500万円 |
| 基本要件+省エネ要件 | 10% | 500万円 |
| 基本要件+賃上げ要件(給与支給総額3.0%以上増加) | 10% | 500万円 |
| 基本要件+省エネ要件+賃上げ要件 | 15% | 750万円 |
賃上げ要件の条件は、「給与支給総額」を3.0%以上増加させることです。対象期間は、補助事業申請日を含む事業年度またはその翌事業年度になります。
3.0%増とは、年間の給与総額が3,000万円の会社なら90万円分の上乗せ。従業員10人で割れば1人あたり年9万円、月に直すと7,500円の底上げです。ベースアップでも、手当の新設でも、総額で届けばかまいません。
投資額別に補助額を試算すると、次のようになります。
| 機械設備の取得価格 | 基本要件のみ(5%) | 省エネ・賃上げ両方(15%) |
|---|---|---|
| 600万円 | 30万円 | 90万円 |
| 2,000万円 | 100万円 | 300万円 |
| 5,000万円 | 250万円 | 750万円(上限) |
省エネ・賃上げの両要件で、上限は500万円から750万円へ。増える250万円は、主力設備の入れ替えに加えて、検査工程を自動化する小型装置をもう1台入れられる規模です。
申請実務のタイミング:交付決定前の発注に注意
流れは「申請」→「交付決定」→(設備の設置・支払い)→「実績報告」→「現地確認」→「交付確定」→「補助金請求」→「交付」です。令和8年度分の条件は、機械設備の支払いを令和8(2026)年4月1日から令和9(2027)年3月末までに完了させ、実績報告書類の提出まで終えること。
タイミング別に必要書類を整理すると、次のとおりです。
- 申請時: 申請書(様式第1号〜第8号)、チェックリスト
- 実績報告(業務開始日から30日を経過した日、または交付決定のあった年度の3月31日のいずれか早い日まで): 実績報告様式(様式第12号・第4号)
- 補助金請求時: 請求書(様式第14号)
同一の申請者は年度において1回の申請に限られ、他の補助金との併用もできません。複数の設備投資を計画しているなら、1回の申請でまとめられるかを事前に窓口へ確認します。

国の設備投資補助金との使い分け(ものづくり補助金・省力化投資補助金)
静岡市の助成は、上限750万円・対象設備1点500万円以上。中規模の設備更新・入れ替えに向いた制度です。国の補助金は、より投資規模が大きい場合や目的が絞られた場合に向きます。
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(旧ものづくり補助金): 新製品開発や生産プロセスの革新など、より大規模な設備投資・新事業向け。上限額は静岡市の助成より大きい
- 中小企業省力化投資補助金: 人手不足解消のための自動化・省力化機器の導入に特化
投資が上限の750万円を超えそうな場合や、省力化・自動化が主目的の場合は、国の制度もあわせて検討します。
より大きな設備投資には国の補助金もあります。あわせてこちらの記事で解説しています。
よくある質問
中古の機械設備でも対象になりますか?
公式ページ・交付要綱には新品・中古の区別についての明記がありませんでした。申請前に産業振興課へ確認するのが確実です。
個人事業主でも申請できますか?
中小企業基本法第2条の中小企業者には、法人だけでなく個人事業主も含まれるのが一般的な整理です(業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下(業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下。どちらか一方を満たせば該当します)。どちらか一方を満たせば該当します)。ただし静岡市の運用上の扱いは公式ページに明記がないため、申請前の確認をおすすめします。
1点500万円未満の機械設備は、複数台まとめて申請できますか?
要件は「1点あたりの取得価格が500万円以上」です。複数の設備の合計で500万円以上とする申請が認められるかは、明記がありません。 個別の投資計画にあわせて、事前に窓口へ相談することをおすすめします。
