事業所の屋根に太陽光パネルを載せる見積もりを取ると、初期費用の大きさに手が止まる事業者は少なくありません。東松島市は、市内の事業者と市民が脱炭素の設備を入れるときに、その費用の一部を補助しています。
事業者の太陽光発電なら、1kWあたり5万円で50kWまで、最大250万円です。受付は2026年12月15日までの先着順で、9月9日時点の予算残額は2,400万円でした。契約や着工より先に申請することが、この補助金でいちばん外せない順番です。高効率給湯器とEV関連の設備は、すでに受付が終わっています。
東松島市脱炭素重点対策加速化補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度東松島市脱炭素重点対策加速化事業補助金
だれが
- 申請者
- 市内の事業者・市民
- 対象業種
- 指定なし
- 利用目的
- 太陽光発電・蓄電池・EMSなど脱炭素設備の導入
- 対象地域
- 宮城県東松島市(市内全域)
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 事業者の太陽光は最大250万円(5万円/kW・50kWまで)
- 補助率
- 設備により1/3〜2/3等(下表参照)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2026年12月15日(先着順・予算上限で終了)
- 事業の完了
- 2027年2月26日までに設置と実績報告
自分は対象になる?
次の条件にすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
耐用年数は、減価償却資産の耐用年数に関する省令で設備ごとに決まっている年数のことで、太陽光は17年、蓄電池は6年、EMSは5年です。市民は、自ら市内に所有する住宅(店舗併用住宅を含む)に居住している人か居住する予定の人、事業者は、自社で市内に事業所などを所有して事業をしている法人等です。同じ世帯で同じ設備の補助を受けた人がいると対象外です。FITは再エネの固定価格買取制度、FIPはその上乗せ型の制度で、どちらの認定を取っても対象外です。
太陽光とソーラーカーポートには自家消費の条件があります。公式ページは、発電量の30%以上を敷地内で自家消費し、事業者はさらに自家消費分を含めて50%以上を県内の需要家が消費することと書いています。一方、申請書の同意事項と自家消費率報告書の様式は、市民は30%以上、事業者は50%以上の自家消費率を敷地内で満たすことを求め、事業者が50%未満だと補助金の返還対象になる場合があるとしています。事業者は50%を目安に計画し、条件の読み方は申請前に担当課へ確かめてください。設備が生む温室効果ガスの削減効果は、耐用年数の間、Jクレジット制度に登録できません。10kW以上の太陽光は、解体・撤去の費用を積み立てる計画を立てて実行することも求められます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 申請より先に契約・着工した
- ✕ 蓄電池やEMSだけで申請する
- ✕ 敷地内の自家消費が基準未満
- ✕ PPAやリースで設置する
蓄電池とEMSは、太陽光発電とセットで申請した場合だけが対象です。PPA(事業者が設置して電気を売る契約)やリースで入れる設備、中古の設備も対象外です。申請したあと交付決定の前に契約・着手するときは、事前着手届(様式第4号)を出します。着手できるのは、環境省から市に交付決定が出た日以降に限られます。
野蒜地区の脱炭素先行地域に事業所や住宅がある場合は、別の補助金(脱炭素先行地域づくり事業補助金)が用意されています。この記事は市内全域が対象の制度です。
いくら戻ってくる?
事業者向けの設備は次のとおりです。
| 設備 | 補助額・補助率 | 上限 | 条件 |
|---|---|---|---|
| 太陽光発電 | 1kWあたり5万円 | 50kWまで | FIT・FIPの認定を取らない |
| ソーラーカーポート | 1/3以内 | 対象事業費3億円まで | 建築確認の実施確認書が要る |
| 蓄電池 | 価格の1/3 | 50kWhまで | 太陽光とセットのみ |
| EMS | 2/3 | 133.3万円 | 太陽光とセットのみ |
EMSはエネルギーマネジメントシステムの略で、発電と使用の状況を見える化して電力を制御する仕組みです。蓄電池には価格の上限もあり、20kWh以下は工事費込み・税抜きで1kWhあたり15.5万円以下、20kWh超は19.0万円以下の製品だけが対象です。
- 事業所に30kWの太陽光を載せる:30kW × 5万円 = 150万円
- 60kWの大きな屋根に載せる:60kWでも50kWまでが対象なので 50kW × 5万円 = 250万円
- EMSの費用が120万円:120万円 × 2/3 = 80万円
- EMSの費用が240万円:240万円 × 2/3 = 160万円 → 上限の133.3万円
- ソーラーカーポートの費用が300万円:300万円 × 1/3 = 100万円
太陽光に蓄電池やEMSを足して申請すると、合計は250万円を超えることがあります。上の250万円は、太陽光だけの上限です。
市民向けは、太陽光が1kWあたり7万円(10kWまで)、蓄電池が1/3(10kWhまで)、EMSが2/3(上限20万円)です。高効率空調は1/2(上限5万円)で、新規設置は対象外です。
予算は総額3,256万3,000円で、9月9日時点の残りは2,400万円です。予算がなくなり次第、12月15日より前でも受付は終わります。250万円の申請が通ると、残りの約1割に当たります。
何に使える?
対象にならないもの
- FIT・FIPの認定を取る太陽光発電
- 太陽光と別に申請する蓄電池・EMS
- 他の法令や予算制度で国の補助を受けた設備
- 新規設置の高効率空調(市民向け)
- 受付が終わったEV・PHEV・充放電設備・高効率給湯器
対象になるもの
- 太陽光発電設備
- ソーラーカーポート
- 蓄電池(太陽光とセット)
- EMS(太陽光とセット)
太陽光で発電した電気の余りを売電する場合は、実績報告書に「電力受給契約確認書」が要ります。電力会社側の手続きに時間がかかることがあるため、施工業者と工期を先に確かめておく手があります。
申請の流れ
- 見積もりを3社以上から取る(事業者→施工業者。仕様がわかる資料もそろえる)
- 申請書類を市に出す(事業者→企画部SDGs・脱炭素社会推進課。持参・郵送・メール。12月15日まで)
- 交付決定を待つ(市→事業者。決定のあとに契約・着工する)
- 設置して、実績報告書を出す(事業者→市。2027年2月26日までに契約から設置まで終える。報告は完了から30日以内か2027年2月26日の早いほう)
- 1年後の自家消費率報告に答える(太陽光のみ。市から届く報告書を約1か月以内に返送)
受付時間は平日の午前8時30分から午後5時15分です。メールで出した場合は、市から受信確認メールが届きます。1週間たっても届かないときは電話で確かめます。予算上限に達した同日に出された申請は抽選になります。
必要な書類
準備できた 0 / 8
蓄電池基準確認書は蓄電池のとき、建築確認申請実施確認書はソーラーカーポートのときだけ要ります。事前着手届は、申請後に交付決定を待たず契約・着手するときに出します。委任状は代理人が申請するときの書類です。見積書は原則3社以上で、複数見積りによらずに業者を選ぶときは、選定理由書(任意様式)を出します。理由の例は、建物の施工業者で保証や保険に影響する、期限内に設置できない、宮城県の共同購入事業を使うか市の標準価格より安い、などです。申請書の添付書類欄には、太陽光・ソーラーカーポート・蓄電池は市の標準価格と比較できるため3社見積りの限りでない、とも書かれています。実績報告書には、領収書(宛名はフルネーム)、製品保証書の写し、設置前後の写真、通帳の写し(申請者と口座名義人が同じこと)を添えます。ソーラーカーポートは建築確認済証と検査済証の写しも要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 契約・着工が先になった:契約や着手の前に申請します。順番が逆になると補助を受けられなくなるおそれがあります。
- 予算がなくなった:先着順なので、12月15日より前でも受付が終わることがあります。
- 売電の書類がそろわない:電力受給契約確認書が出せないと、補助金は交付されません。
- 自家消費の条件を満たせない:公式ページは敷地内で30%以上(事業者は県内で50%以上も)、様式は事業者の敷地内50%以上と書いています。基準を割ると返還になる場合があります。
- 途中で処分した:耐用年数の間は使い続けます。設備を処分するときは、事前に市の承認が要ります。
併用と今年度の変更点
同じ設備について、国などから別の補助を受けている場合は、この補助金の対象になりません。EV・PHEVと充放電設備は、経済産業省のCEV補助金との併用ができない決まりでした。
今年度は、高効率給湯器が6月1日に、EV・PHEV・充放電設備・充電設備が9月9日に、それぞれ受付を終えています。残っている設備は、太陽光発電、ソーラーカーポート、蓄電池、EMS、高効率空調(市民向け)です。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
公式ページは事業者を「自社で市内に事業所等を所有し、事業活動をしている法人等」と書いていて、個人事業主が入るかどうかは明記がありません。自宅兼事務所のように、市民向けと事業者向けのどちらの単価で出すかが問題になる場合も、判断が変わるおそれがあります。申請の前に、担当のSDGs・脱炭素社会推進課へ電話で確かめてください。
すでに契約した設備は対象になりますか?
契約や着手の前に申請することが条件なので、先に契約・着工した設備は原則として対象になりません。申請したあと、交付決定が出る前に契約・着手する場合は、事前着手届(様式第4号)を出します。すでに契約を済ませている場合は、対象になるかどうかを窓口に確認する必要があります。
太陽光は何kWまで補助されますか?
事業者は50kWまで、市民は10kWまでです。事業者は1kWあたり5万円なので、50kWで最大250万円になります。たとえば60kWの設備を載せても、補助の計算に使うのは50kW分までで、250万円が上限です。上限を超えた分の設備費は、自己負担になります。
蓄電池だけを入れる場合も対象ですか?
対象になりません。蓄電池もEMSも、太陽光発電設備とセットで申請した場合だけが補助の対象です。すでに太陽光を設置している事業所が、蓄電池だけを後から足したいときは、この補助金では申請できません。セットで導入する計画を立てる際に、蓄電池の容量と価格の上限も確かめておきます。
売電してもかまいませんか?
売電はできますが、FITとFIPの認定を取らない設備に限られます。余剰電力を売る場合は、実績報告書に「電力受給契約確認書」を付けます。書類がそろわないと補助金が交付されません。電力会社との契約の手続きに時間がかかる場合があるので、工期を施工業者と十分に確認します。
脱炭素先行地域づくり事業補助金とは何が違いますか?
先行地域づくり事業補助金は、野蒜地区の対象行政区にある住宅や事業所だけが対象です。この記事の重点対策加速化事業補助金は、市内全域が対象になります。補助の内容も違い、先行地域づくりの事業者向け太陽光は設備価格の2/3、重点対策の事業者向けは1kWあたり5万円です。事業所の住所がどちらに当たるかを先に確認します。
見積もりは何社から取りますか?
原則として3社以上の見積書が必要です。申請額の根拠になる資料として出します。複数見積りによらない場合は、施工・納入業者等の選定理由書(任意様式)で理由を示します。あわせて、設備の仕様がわかるカタログやパンフレットも要ります。3社の見積もりを依頼してから集まるまでに日数がかかるため、申請の締切や予算の残りを見ながら、早めに施工業者へ声をかけておくと間に合います。
いつまでに工事を終えればいいですか?
対象期間は2025年4月1日から2027年2月26日までで、この間に契約から設置までを終え、実績報告書も出す必要があります。受付は2026年12月15日までですが、予算がなくなれば早く終わります。工事が期間内に収まるかどうかは、施工業者の予定を見て決めます。
予算の残りはどこで分かりますか?
東松島市の公式ページに、予算額と予算残額が載っています。9月9日時点の予算額は3,256万3,000円、残額は2,400万円でした。申請状況に応じて更新される数字なので、申請の前にもう一度見ておくとよいです。電話で担当課に聞く方法もあります。
申請はメールでもできますか?
メールでも受け付けています。持参、郵送、メールのどれかを選べます。メールで出した場合は、市から受信確認メールが届きます。1週間以内に届かないときは、電話で連絡します。事前に連絡を入れておくと、受付がスムーズに進みます。受付時間は平日の午前8時30分から午後5時15分です。
設置したあとにやることはありますか?
太陽光発電設備を導入した場合は、設置の1年後を目安に、市から自家消費率報告書が郵送されます。約1か月以内に自家消費率を記入し、同封の返信用封筒で出します。報告は原則1回です。ただし耐用年数が終わるまでの間、市が発電量などのデータを求めることもあります。
問い合わせ先はどこですか?
東松島市役所 SDGs・脱炭素社会推進課 SDGs・脱炭素社会推進係(電話 0225-82-1111、内線1472・1473・1475・1476)です。自宅兼事務所の扱いや、事前着手届が必要かどうかで迷ったときは、申請の前に確かめておくと安心です。最新の予算残額は公式ページで見られます。
