設備を入れ替えたい。でも、何から手をつけるかで止まる。日立市のこの補助金は、先に「診断」があるという点で、他の設備投資系補助金と順番が違います。
日立市の「脱炭素設備導入促進事業補助金」は、省エネ診断を受けて提案された設備を導入・更新する費用を補助する制度です。補助率は1/3以内、上限100万円。申請締切は令和8年11月30日。ただし、診断を受けていない事業者は、そもそも申請の入り口に立てません。
この補助金の概要(早見表)
| 検索項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 令和8年度 日立市脱炭素設備導入促進事業補助金 |
| 対象業種 | 業種指定なし(中小企業基本法上の中小企業者・各種組合等) |
| 利用目的 | 省エネ診断で提案された設備の導入・更新・運用改善、CO2排出量削減 |
| 対象地域 | 茨城県日立市(市内に事業所を有する事業者。導入も市内本社・営業所で実施) |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者の基準に該当すること |
| 補助上限額 | 100万円(1件あたり) |
| 補助率 | 補助対象経費の1/3以内 |
| 申請受付 | 令和8年5月11日(月)〜11月30日(月) |
| 公式サイト | https://www.city.hitachi.lg.jp/sangyo_business/shien_hojo_josei/1003000/1019299.html |
※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。
何から始めるか。申請より先に、診断です
この補助金は「申請書を書く」ところから始まりません。申請の時点で、次の2つが完了している必要があります。
- 省エネ診断の受診:次のいずれかを受けていること
- 一般財団法人省エネルギーセンターの省エネ最適化診断
- 一般社団法人環境共創イニシアチブの省エネ診断
- 茨城県の中小規模事業所省エネルギー診断
- 市の「脱炭素経営支援システム」を活用したロードマップ策定
- 「日立市脱炭素経営支援システム」への登録
この2つが終わっていないと、対象経費の見積もりを取っても申請できません。設備を先に決めてから制度を探す、という順番では間に合わない可能性があります。
診断とシステム登録、ここが本当のボトルネックです。申請締切の11月30日から逆算して、診断の予約は早めに動くのが安全です。
対象になる事業者
対象は、日立市内に事業所を持つ中小企業基本法上の中小企業者、および各種組合等です。
- 市に事業所を有すること
- 市税を滞納していないこと
- みなし大企業に該当しないこと
導入場所は日立市内の本社・営業所に限られます。市外の拠点にしか設備を置かない場合は対象になりません。
同一年度内の申請は、1事業者1回まで。複数の設備更新をまとめて計画したい場合、1回の申請で申請することになります。
対象になる経費、そして条件は「診断で提案されたもの」
対象経費は次の4区分です。
- 設備購入費
- 設備賃借料
- 工事費
- 運搬費等
対象になるのは診断で提案された設備に限ります。診断を受けずに「なんとなく古いから」で選んだ設備は対象外です。診断結果と、導入したい設備がつながっていることが条件になります。
もう1つの条件が、年間1t-CO2以上の削減効果が見込まれること。設備を入れ替えるだけでなく、「入れ替えた結果、どれだけCO2が減るか」を数字で示す必要があります。
補助金額のシミュレーション。上限100万円に届く投資額
補助率は1/3以内、上限100万円です。対象経費が300万円に届くと、上限の100万円に到達します。
| 想定する設備更新 | 対象経費(税抜) | 補助率 | 補助額(概算) |
|---|---|---|---|
| 老朽化した業務用エアコンの入れ替え | 90万円 | 1/3 | 30万円 |
| 生産設備の高効率モーターへの更新+工事費 | 210万円 | 1/3 | 70万円 |
| 工場全体の照明・空調をまとめて更新 | 300万円 | 1/3 | 100万円(上限) |
300万円を超えて投資しても、補助額は100万円で頭打ちです。逆に言えば、対象経費が300万円未満のうちは、投資額を増やすほど補助額も比例して増えます。まとめて更新するか、段階的に更新するかは、この上限との距離で判断材料が変わります。
申請から交付までの流れ
- 省エネ診断を受診:4つの診断方法のいずれかを選ぶ
- 「日立市脱炭素経営支援システム」に登録
- 申請書類の準備:補助金交付申請書(様式第1号)、事業計画書(様式第2号)、省エネ診断等の助言・提案内容が確認できる書類、見積書等
- 申請:令和8年11月30日までに提出
- 交付決定:市の審査を経て通知
- 事業実施:設備の購入・工事
- 実績報告:完了後に証憑一式を提出
申請締切の11月30日は、あくまで「申請書を出す」締切です。その前段の診断・登録には時間がかかる可能性があります。設備を入れ替えたいと思った時点で、まず診断の予約から動くのが、この制度に合った順番です。
同じように「診断・認証が前提条件になっている」設備投資系の補助金は、日立市に限りません。他の自治体でも、認証取得に8か月〜10か月程度かかるとされる例があります。前提条件のタイムラグをどう見積もるかは、GRANTOS公式LINEの登録者限定ページで紹介しています。
設備投資以外にも、自分の事業が対象になる補助金・助成金がないか気になる方は、3分でできる補助金診断も活用してみてください。
省エネ診断の選び方や、対象経費の線引きなど、実務の進め方に迷う場合は専門家に相談するのも一つの手です。
よくある質問
省エネ診断を受けずに、先に設備を発注してしまった場合はどうなりますか?
公式ページには「省エネ診断等で助言・提案等を受けた設備」が対象と明記されており、診断を受けていない設備は対象外になる可能性が高いです。設備を決める前に、まず診断を受けることをおすすめします。
個人事業主でも対象になりますか?
「中小企業基本法で定める中小企業者及び各種組合等」が対象と案内されています。個人事業主が該当するかどうかは、事前に商工振興課へ確認することをおすすめします。
同一年度に複数の設備をまとめて申請できますか?
まとめて1回の申請で計画することはできますが、同一年度内の申請は1事業者1回までと明記されています。複数の設備更新を予定している場合は、まとめて1回の申請にするか、翌年度に分けるかを検討する必要があります。
免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助率・上限額・対象経費・診断要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず日立市の公式ページおよび最新の募集要領で内容をご確認ください。
出典:
