後継者は決まっている。でも、株式譲渡契約書の作成やデューデリジェンス(買収先企業の財務・法務リスクを調べる専門家調査)には専門家費用がかかる——事業承継の実務でつまずくのは、経営そのものより手続きの費用というケースが目立ちます。
石川県の令和8年度事業承継円滑化補助金は、この専門家活用費用を最大50万円まで補助する制度です。補助率は小規模事業者が2/3、それ以外の中小企業が1/2。2027年2月1日まで随時受付しています。
事業承継円滑化補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 令和8年度事業承継円滑化補助金 |
| 対象業種 | 業種不問 |
| 利用目的 | 事業承継(専門家活用費用の補助) |
| 対象地域 | 石川県内に本社・主たる事業所を有する事業者 |
| 従業員数 | 小規模事業者は常時使用する従業員20人以下(商業・サービス業は5人以下)。それ以外の中小企業も対象 |
| 補助上限額 | 50万円 |
| 補助率 | 小規模事業者2/3、中小企業1/2 |
| 申請受付 | 2026年5月13日〜2027年2月1日(随時受付、予算上限に達し次第終了) |
| 公式サイト | 公益財団法人石川県産業創出支援機構「令和8年度事業承継円滑化補助金」 |

「親族内・従業員承継」と「第三者承継」で対象経費が違う
事業承継には大きく2つの型があり、それぞれ補助対象になる経費が異なります。
- 親族内・従業員承継: 事業(株式)譲渡契約書等の作成費用、代表者変更に伴う登記委託費用
- 第三者承継(M&A): デューデリジェンス費用、M&A仲介委託費用
たとえば、父から息子への事業承継で税理士・司法書士に契約書作成と登記変更を依頼し、費用が30万円かかった小規模事業者なら、2/3補助で20万円が戻ります。第三者への譲渡でM&A仲介会社にデューデリジェンスと仲介を依頼し、費用が60万円かかった中堅企業なら、1/2補助で30万円ですが、上限50万円の枠内に収まります。
譲受側にも条件がある
補助を受けるのは譲渡側の企業ですが、譲受側にも「引き続き県内で事業を営むこと」という条件が付いています。譲受側が創業予定者・法人・個人事業主・親族・従業員のいずれであっても、この条件は変わりません。県外への事業移転を伴う承継は対象外になる可能性があるため、承継計画の段階で確認しておくという手があります。
予算上限に達すると終了する
この補助金は随時受付ですが、期限内であっても予算の上限に達した時点で受付を終了します。締切間際にまとめて申請が集中すると、予算超過で受け付けてもらえない可能性があります。専門家への依頼が固まった段階で、早めに申請するほうが確実です。
よくある質問
事業承継の計画がまだ固まっていなくても相談できますか?
補助金の申請自体には、専門家との契約内容が固まっている必要があります。ただし、申請窓口である石川県産業創出支援機構では事業承継全般の相談も受け付けているため、計画段階から相談するという手があります。
補助を受けられるのは1回だけですか?
対象経費が異なれば複数回の申請が可能な場合もありますが、詳細は交付要綱によります。石川県産業創出支援機構に確認することをおすすめします。
個人事業主でも申請できますか?
できます。譲渡側が中小企業者・小規模事業者に該当すれば、法人・個人事業主を問いません。
