事業承継で専門家に頼んだ費用の最大50万円を、石川県産業創出支援機構(ISICO)が補助します。小規模事業者は2/3、それ以外の中小企業は1/2です。申請の前に、商工会や商工会議所などから確認書(第3号様式)をもらっておく必要があります。
事業承継円滑化補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度事業承継円滑化補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)。譲渡側が申請
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 事業承継の専門家活用費用
- 対象地域
- 石川県内に本社か主たる事業所がある事業者
- 従業員数
- 中小企業者の範囲内(製造業等300人以下など)
いくら
- 補助上限額
- 50万円(千円未満切り捨て)
- 補助率
- 小規模事業者2/3、中小企業1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月13日〜2027年2月1日(予算の上限に達し次第終了)
- 事業の完了
- 2027年3月1日まで(事業承継の完了と実績報告)
うちの会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
譲渡側が、事業を手放す側です。中小企業者とは、業種ごとに資本金か従業員数の上限がある会社や個人のことです。製造業その他は資本金3億円以下か従業員300人以下、卸売業は1億円以下か100人以下、小売業は5,000万円以下か50人以下、サービス業は5,000万円以下か100人以下です。どちらか一方を満たせば該当します。
小規模事業者は、その中でも従業員が少ない事業者です。商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下、それ以外は20人以下です。小規模事業者に当たると補助率が2/3になります。
後継者の側は、創業予定者、法人、個人事業主、親族、従業員のいずれでも構いません。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 大企業の持株が多い会社
- ✕ 風俗営業などを営む事業者
- ✕ 医療法人や社会福祉法人などの法人
大企業の持株が多い会社は、みなし大企業と呼ばれます。中小企業でも大企業の持株比率が高く、対象から外れます。公募要領には、大企業の持株が2分の1以上や3分の2以上のほか、大企業の役員か職員が役員の半数以上を占める場合も挙がっています。
いくら戻ってくる?
専門家に払った費用(消費税を除く)に、補助率をかけた額です。上限は50万円です。
- 小規模事業者が、登記と契約書の作成を依頼して30万円かかった場合:30万円 × 2/3 = 20万円
- 中小企業が、M&A仲介とデューデリジェンスで60万円かかった場合:60万円 × 1/2 = 30万円
- 小規模事業者が、仲介手数料などで80万円かかった場合:80万円 × 2/3 = 約53万円 → 上限の50万円
- 中小企業が、仲介手数料などで100万円かかった場合:100万円 × 1/2 = 50万円(上限)
上限の50万円に届くのは、小規模事業者なら75万円、中小企業なら100万円の費用がかかったときです。
何に使える?
対象にならないもの
- 経営資源の引き継ぎがない、不動産の売買だけの費用
- 顧問料
- 債務整理の手続費用
- 訴訟やトラブル対応の費用
- 交通費、宿泊費
- 消費税、登録免許税
- この補助金の申請書づくりを頼んだ費用
対象になるもの
- 親族内・従業員承継:登記の委託費、譲渡契約書の作成費、事業承継計画の策定費、課題分析の委託料、不動産鑑定費
- 第三者承継:初期診断、企業価値の算出、デューデリジェンス(譲渡前に財務や法務を調べる専門家調査)、M&A仲介の手数料
- 共通:株式の相続税・贈与税の申告書類の作成費、定款変更の登記費用、許認可の申請に係る費用
M&A仲介の成功報酬には時期の条件があります。補助対象期間(令和8年4月1日〜令和9年3月1日)の終わりまでに、成功報酬を払い終える必要があります。最終契約を結んでも、支払いが期間のあとになる場合は対象外です。
店舗兼住宅のように事業用と住居用が混ざる場合は、事業用の面積の割合で按分します。
申請の流れ
- 専門家と相談し、見積書を取る(事業者→司法書士・税理士・M&A仲介会社など)
- 確認書(第3号様式)をもらう(事業者→県の事業承継・引継ぎ支援センター、商工会、商工会議所。申請の前に)
- 申請書類を出す(事業者→ISICO経営支援課。2027年2月1日まで。原則メール)
- 交付決定を受ける(ISICO→事業者。採択後も希望額の全額とは限らない)
- 専門家の業務を終え、承継を完了する(2027年3月1日まで)
- 実績報告を出す(事業の完了日か交付決定通知日の遅いほうから1か月以内。最終期限は2027年3月1日17時必着)
- 額の確定通知を受け、請求書を出す(ISICO→事業者。振込はこのあと)
必要な書類
準備できた 0 / 7
法人の場合の書類です。個人事業主は履歴事項全部証明書の代わりに住民票抄本、決算書の代わりに確定申告書の写しを出します。個人で事業をしていない場合、確定申告書は不要です。交付申請用チェックリストも様式と同じページにあります。
事業計画書(第2号様式)のExcelには、申請企業の概要、収支予算、役員等名簿の欄が入っています。第三者承継なら、相手方の企業概要も書きます。議決権の過半数を持つ支配株主がいない場合は、株主代表に係る確認書も出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 承継が期限に間に合わない:2027年3月1日までに事業承継を終え、実績報告も出す必要があります。実績報告が期限を過ぎると、辞退したものとみなされます。
- 予算の上限に達した:2027年2月1日の前でも、申請額が予算の上限に達すると受付が終わります。
- 支払いが証拠に残っていない:銀行振込が原則です。現金、電子マネー、手形での支払いは対象外です。
- 確認書をもらう前に申請した:申請には確認書が要ります。早めに支援機関へ連絡するのが安全です。
国の補助金との併用
同じ経費について、国の補助金をすでに受けているか、受ける予定の場合は、対象外です。国の事業承継・引継ぎ補助金などを申請したか採択された場合は、その申請書と経費が分かる資料を、この補助金の申請にも添えます。経費を分けて申請できるかは、ISICOに確認してください。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。譲渡側が中小企業者の範囲に入っていれば、法人でも個人事業主でも構いません。個人事業主から法人へ、個人事業主から別の個人事業主へ事業を譲る承継も対象です。個人の場合は、申請に住民票抄本と確定申告書の写しが要ります。後継者が県内で事業を続けることも条件です。
親族への承継でも対象になりますか?
対象になります。親族内承継と従業員承継は、専門家活用費の区分に入ります。登記の委託費、譲渡契約書の作成費、事業承継計画の策定費、株式の贈与税の申告書類の作成費などが対象です。ただし、事業と関係しない個人資産の分の申告費用は対象外です。見積書の段階で、事業承継に係る分だけを分けて書いてもらうと、後の確認がスムーズです。
第三者承継(M&A)の場合は何が対象ですか?
初期診断、企業価値の算出、デューデリジェンス、契約書の作成、仲介のマッチング登録手数料、仲介の着手金・中間報酬・成功報酬などが対象です。中間報酬は基本合意の締結、成功報酬は最終契約の締結が、補助対象期間の中にあることが条件です。報酬を払う時期が期間の外だと対象外になるため、仲介会社との契約書で支払時期を確かめてください。
確認書はどこでもらえますか?
石川県事業承継・引継ぎ支援センター(電話076-256-1031)か、県内の商工会・商工会議所が発行します。様式は第3号様式で、ISICOの案内ページからダウンロードできます。申請の前に必要な書類なので、早い段階で支援機関に相談してください。令和6年能登半島地震の影響で取りにくい場合は、ISICOの事務局へ相談できます。
申請の前に専門家へ依頼してもいいですか?
補助対象期間は令和8年4月1日からです。経費は、この期間の中に発注を始め、納品と支払いまで終えたものが対象です。4月1日より前に発注した分は、この条件を満たさないため対象外と読めます。ただし、M&A仲介の委託契約だけは、補助対象期間より前に結んでいても構いません。公募要領に、交付決定の前の発注を禁じる記載はありません。契約の前に、ISICO(電話076-267-1244)へ確かめるのが確実です。
申請はメールでできますか?
原則として電子メールです。送り先はkeiei@isico.or.jpです。メールで出すのが難しい場合は、郵送もできます。郵送先は金沢市鞍月2丁目20番地、石川県地場産業振興センター新館1階のISICO経営支援課です。受付は予算の上限に達し次第終了するため、書類がそろったら早めに送ります。電話は9時から12時、13時から17時(土日祝を除く)です。
審査の結果に理由は聞けますか?
審査の経過や内容に関する問い合わせには、応じてもらえません。採択されても、予算の範囲内で交付されるため、希望額の全額が出ないことがあります。結果は文書で届きます。不採択や減額の理由を電話で聞くことはできないので、申請書の事業計画書には、承継の内容と専門家に頼む業務、費用の根拠を、見積書とあわせて具体的に書いておきます。
実績報告には何が要りますか?
実績報告書(第7号様式)と別紙、実績報告用チェックリスト、契約書や請求書、振込受領書の写しが要ります。事業承継をしたことの証明も必要です。法人は代表者変更後の履歴事項全部証明書、譲渡契約書の写し、株主名簿の写しです。個人は廃業届と開業届、契約書の写しです。提出が期限を超えると、辞退とみなされます。
補助金はいつ振り込まれますか?
交付決定の通知が届いても、お金はまだ出ません。実績報告を出し、ISICOが検査して額を確定し、確定通知が届いたあとに請求します。精算払請求書(第8号様式)と通帳のコピーを出し、その後に振り込まれる流れです。振込の日は公募要領に書かれていないため、ISICOに確かめてください。つなぎの資金は先に自社で用意します。
申請後に計画を変えたいときは?
交付決定のあとに事業の内容や経費の配分を変えるときは、事前に承認が要ります。補助事業計画変更承認申請書(第5号様式)を出します。中止や廃止の場合は、第6号様式です。期限までに承継か実績報告が終わらない場合も、第6号様式が必要です。様式はISICOにメールで依頼すれば、担当者から届きます。
問い合わせ先はどこですか?
公益財団法人石川県産業創出支援機構(ISICO)の経営支援課です。電話は076-267-1244、メールはkeiei@isico.or.jpです。対象になるか、経費に当たるかで迷う場合は、専門家と契約する前に聞いておくと、後の出し直しを避けられます。確認書は、事業承継・引継ぎ支援センターか商工会などが窓口です。
