賃上げと省力化。この2つを別々の課題として捉えていると、この補助金の設計意図を見誤ります。石川県の賃上げに向けた省力化投資支援事業補助金は、省力化投資を「賃上げの原資をつくる手段」として位置づけた制度でした。2024年6月20日16時で募集を終了しています。
補助率1/2以内、上限300万円。石川県産業創出支援機構(ISICO)が実施主体です。
賃上げに向けた省力化投資支援事業補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 賃上げに向けた省力化投資支援事業補助金 |
| 対象業種 | 業種指定なし |
| 利用目的 | 設備投資(生産性向上・省力化) |
| 対象地域 | 石川県内(本社または主たる事業場) |
| 従業員数 | 中小企業者、小規模企業者・小規模事業者(詳細な人数区分は公式ページに記載なし。ISICOへお問い合わせください) |
| 補助上限額 | 300万円(千円未満切捨て) |
| 補助率 | 1/2以内 |
| 申請受付 | 2024年5月13日〜6月20日16時(終了) |
| 公式サイト | ISICO「賃上げに向けた省力化投資支援事業補助金」 |

なぜ「省力化」と「賃上げ」がセットなのか
多くの中小企業にとって、賃上げは「利益を削って人件費に回す」ものというイメージがあります。しかし利益を削るだけの賃上げは長続きしません。この補助金が支援するのは、省力化投資によって生まれた余力を賃上げに充てるという流れです。
想定されている使い方は、たとえばAI搭載の自動ロボットアームを導入して生産プロセスを省力化する、といったものです。人手で行っていた作業が自動化されれば、その分の人件費や残業代が浮きます。その浮いた分を賃金の底上げに回す、という理屈です。
単なる設備の入れ替えではなく、省力化の効果を賃上げにつなげる計画になっているかどうかが、審査で見られるポイントになります。事業計画書には、どの作業が省力化され、その効果をどう賃上げに結びつけるかを具体的に書く必要があります。
対象になる/ならないの境目
対象になりやすいのは、次のような投資です。
- 検品・搬送・梱包など、定型作業を自動化する機械の導入
- AIやIoTを使い、少人数でも生産量を維持できる体制への切り替え
- 省力化の効果が数値(作業時間・人員配置)で説明できる投資
一方、省力化効果が説明しにくい投資(単なる老朽設備の更新で作業内容が変わらないもの等)は、審査で不利になりやすいと考えられます。
次回募集に備えて準備すべきこと
石川県では賃上げ関連の補助金がいくつも並行して実施されており、名称や対象が似ているため混同しやすい状況があります。次回に備える際は、次の点を整理しておきましょう。
- 省力化によって削減できる作業時間・人員を数値で見積もる(審査書類の骨格になります)
- 賃上げ計画(引き上げ額・対象人数)を先に固める(省力化投資と賃上げの因果関係を説明する材料になります)
- 同時期に類似の補助金が出ていないか確認する(石川県は賃上げ関連の補助金を複数実施しており、対象経費が重複しないよう注意が必要です)
よくある質問
通常の設備投資補助金と何が違いますか?
省力化の効果を賃上げに結びつける計画があるかどうかが審査で問われる点が異なります。単に生産性を上げるだけでなく、その成果を従業員の賃金に還元する道筋を示す必要があります。
小規模事業者は対象になりますか?
対象になる可能性がありますが、公式ページには詳細な区分の記載がありません。小規模事業者(常時使用する従業員が20人以下、商業・サービス業は5人以下が目安)に該当するかどうかも含め、ISICOへ直接確認することをおすすめします。
交付決定前に発注してもよいですか?
よくありません。多くの補助金と同様、交付決定前の発注・契約は補助対象外になるのが一般的です。次回募集の際は、交付決定の通知を受けてから発注する順番を守ってください。
