石岡市の「住宅・店舗等リフォーム支援事業費補助金」は、自宅のリフォームにも、店舗の改装にも使える珍しいタイプの補助金です。補助対象工事費の10分の1が補助され、上限額は住宅で5万円、店舗で30万円(住宅と店舗を併設する建物なら35万円)。市内に本店・事業所がある施工業者に依頼することなど、いくつかの要件を満たせば申請できます。
令和8年度の制度概要
対象となるのは、建築確認を必要としない範囲のリフォーム工事(床面積の増減を伴わない改修)です。キッチン・浴室・トイレ・屋根・外壁・床・壁・天井などの改修が想定されており、増改築や解体、外構(ウッドデッキ・塀など)の工事、家電製品や家具の購入・設置は対象外です。
補助率・上限額を整理すると、次のとおりです。
| 対象 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 住宅 | 補助対象工事費(税抜)の10分の1 | 5万円 |
| 店舗 | 補助対象工事費(税抜)の10分の1 | 30万円 |
| 併用住宅(住宅部分+店舗部分を同時に改修) | 同上 | 35万円 |
| 中心市街地活性化区域外の小規模事業者が区域内へ新規出店する場合 | 同上 | 50万円 |
補助対象工事費(税抜)の合計が30万円以上であることが前提条件で、金額は1,000円未満切り捨てです。つまり工事費が30万円に満たない小さな修繕は対象外になります。
対象になる工事・ならない工事
対象になるのは、玄関・トイレ・キッチンなど住宅や店舗の設備の改修工事です。一方で、次のような工事は対象外です。
- 増改築・解体工事、建築確認が必要な工事
- ウッドデッキ・塀などの外構工事
- 家電製品や家具の購入・設置
- 他の補助金の交付を受ける工事(重複不可)
- すでに着手している、または完成しているリフォーム工事
着工前に申請し、交付決定を受けてから工事を始める必要がある点が最大の注意点です。「先に工事を頼んでしまってから補助金を知った」というケースは対象外になるため、リフォームを検討し始めた段階で早めに情報を確認しておくことが重要です。
もう一つの必須要件が、施工業者は市内に本店・事業所を持つ事業者に限られることです。具体的には「市内に本店が商業登記されている法人」または「市内に事業所かつ市内に住所を有する個人事業主」への発注が条件になります。長年付き合いのある近隣市の工務店に頼みたい場合は対象外になってしまうため、見積もり段階で施工業者の所在地を確認しておく必要があります。
自宅のリフォームで使う場合
対象になるのは、石岡市内に自己所有または賃貸借契約で居住し、住民票を有する方、またはリフォーム後に石岡市へ移住予定の方です。対象建物は、玄関・トイレ・キッチンなどの設備がある自己の居住用住宅(自己所有または賃貸借契約)で、賃貸・共有名義の場合は所有者・共有者全員の同意が必要です。
補助上限は5万円(工事費50万円で頭打ち)のため、大規模なリノベーションというより、古くなった水回り設備の一部更新のような使い方に向いています。具体的な工事費でシミュレーションすると、次のようになります。
- システムキッチンの入れ替え(工事費60万円): 補助対象は上限の50万円分まで→補助額は上限の5万円
- トイレ・洗面台の同時改修(工事費35万円): 補助額は35万円×10分の1=3万5,000円
- 屋根の塗装工事(工事費45万円): 補助額は45万円×10分の1=4万5,000円(1,000円未満切り捨て)
いずれの例も、補助対象工事費が30万円に届かないと申請自体ができない点に注意してください。
自宅のリフォームで使う場合は、士業への相談が必要になるような複雑な手続きは基本的にありません。まずは制度の詳細と申請期間を正確に把握しておくことが何より大切です。
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店舗の改装で使う場合
店舗が対象になるのは、すでに市内外で事業を営んでいる小規模事業者(法人・個人事業主)で、工事後も同一規模以上で事業を継続する意思があることが前提です。営業許可等が必要な業種は許可を保有していることも要件で、新たに創業する事業者は対象外です。
対象建物は市内の自己所有または賃貸借契約の店舗(空き店舗も対象になり得ます)で、大規模小売店舗立地法の対象店舗やフランチャイズ方式の店舗は対象外とされています。
補助上限は通常30万円ですが、石岡駅周辺の中心市街地活性化区域の外で事業を営む小規模事業者が、区域内の店舗を購入・賃借してリフォームし新たに出店する場合は、上限が50万円に引き上げられます(「新たに創業する事業者は対象外」という基本要件とは別枠で、既存事業者による区域内への新規出店を後押しする特例です)。
店舗の改装費用でシミュレーションすると、次のようになります。
- 既存店舗の内装リニューアル(工事費150万円・上限30万円枠): 補助対象工事費150万円×10分の1=15万円
- 老朽化した厨房・空調設備の入れ替え(工事費320万円・上限30万円枠): 上限の300万円分まで対象→補助額は上限の30万円
- 市外で営業してきた事業者が中心市街地活性化区域内の空き店舗に移転出店(工事費400万円・50万円特例): 上限の500万円分まで対象→補助額は上限の50万円
店舗の改装は国の補助金が使えることもあります。あわせてこちらの記事で解説しています。
石岡市の制度だけで工事費をまかないきれない場合や、他にも使える補助金がないか気になる場合は、あわせて確認しておくと選択肢が広がります。
複数の補助金の組み合わせや、対象経費の見極めに迷う場合は専門家に相談するのも一つの手です。
申請の流れと、タイミングごとに必要な書類
令和8年度のスケジュールは次のとおりです。
- 事前相談(令和8年4月15日〜令和9年1月29日、平日9:00〜17:00): 商工観光課の窓口で事前相談を行う(申請前に必須)
- 交付申請(令和8年5月1日〜令和9年1月29日、平日8:30〜17:00): 住民票、登記事項証明書(法人の場合)、市税納税証明書、契約書・見積書、施工前の写真、同意書(賃貸・共有名義の場合)などを提出。この時点ではまだ着工しない
- 交付決定後に着工: 市内の施工業者と契約・工事開始
- 実績報告(期限:令和9年3月19日): 施工後の写真、支払を証する書類などを提出
- 請求書提出(期限:令和9年3月31日): 補助金の振込先口座を確認のうえ請求書を提出
見落としやすいのが、実績報告の期限が年度末より早い令和9年3月19日である点です。工事の完了時期から逆算し、余裕を持って施工業者と工程を調整しておく必要があります。期限までに実績報告がない場合は交付決定が取り消されるとされています。
また、石岡市の担当課は「申請多数により予算額に達し次第、申請受付を終了する」としています。先着順・予算上限ありのため、リフォームを検討し始めたら早めに事前相談の予約を入れることをおすすめします。
よくある質問
自宅のリフォームと店舗の改装、両方申請できますか?
住宅部分と店舗部分がある建物(併用住宅)を同時にリフォームする場合は、上限35万円の「併用住宅」枠として申請できます。別々の建物で住宅・店舗それぞれの工事を行う場合の扱いは公式ページに明記がないため、事前相談時に確認するのが確実です。
市外の工務店に頼んでいますが対象になりますか?
対象になりません。施工業者は市内に本店が商業登記されている法人、または市内に事業所かつ市内に住所を有する個人事業主であることが要件です。見積もりを取る段階で施工業者の所在地を確認しておく必要があります。
すでに工事を始めてしまいましたが申請できますか?
できません。すでに着手している、または完成しているリフォーム工事は対象外です。交付決定を受けてから着工するのが原則のため、工事を発注する前に商工観光課で事前相談を行ってください。
免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助率・上限額・対象要件・申請期間・予算の状況は変更される場合があるため、申請前に必ず石岡市公式ページおよび最新の募集要領・Q&Aでご確認ください。
出典:
