太陽光を屋根に載せ、EVを入れ、充放電設備でつなぐ。この3つを一度にそろえる事業者に、岩手県が設備ごとに上限を決めて費用を補助します。EVだけ、太陽光だけの導入は対象外です。
対象は県内の中小事業者等で、受付は2026年10月30日(金)まで。予算は410万円で、先に達すれば締め切られます。申請の前に、県への事前相談が要ります。
岩手県の事業者向けEV等導入補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度事業者向けEV等導入事業費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(中小事業者等)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 太陽光発電設備・EV等・充放電設備の一体導入
- 対象地域
- 岩手県内
- 従業員数
- 中小企業者の範囲か、年間エネルギー使用量1,500kl未満
いくら
- 補助上限額
- 設備別に上限あり(太陽光50〜75万円ほか)
- 補助率
- 設備ごと(太陽光5万円/kW、EV・PHV2万円/kWh、充放電設備1/2ほか)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月8日〜2026年10月30日(予算に達し次第終了)
- 事業の完了
- 2027年2月26日まで
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ EVだけ、太陽光だけの導入
- ✕ 中古品の設備
- ✕ 同じ設備で国の補助金を受ける
- ✕ 県外の業者に発注・購入する
- ✕ FIT・FIPで売電する太陽光
- ✕ 給電機能のないEV・PHV
3つの設備とは、自家消費型の太陽光発電設備、EVまたはPHV、充放電設備(または充電設備)です。EV・PHVと充放電設備は、すでに持っている既存設備を使うこともできます。定置型の蓄電池は、入れれば補助対象ですが必須ではありません。太陽光は自家消費型に限ります。申請書の事業計画書は、FITやFIPで売電する場合を補助の対象外としています。EV・PHVも、車から電気を取り出す給電機能がなければ対象外です。
「中小企業者」は中小企業基本法の区分で、業種ごとに資本金か従業員数の上限が決まっています。どちらか一方を満たせば該当します。
| 業種 | 資本金 | 従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業・その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
大企業や医療法人、社会福祉法人でも、県内の事業所の年間エネルギー使用量が原油換算で1,500kl未満なら対象になります。使用量は、県のページにある「エネルギー使用量の簡易計算表」で計算できます。
いくら戻ってくる?
補助額は設備ごとに「単価×規模」で出て、上限に当たればそこで止まります。上限は、省エネルギー診断かCO2排出量の算定をしているか、「いわて脱炭素化経営企業等」(旧称・いわて地球環境にやさしい事業所)の認定があるかで変わります。
| 設備 | どちらもなし | 診断等か認定のどちらか | 診断等と認定の両方 |
|---|---|---|---|
| 太陽光発電 | 50万円 | 60万円 | 75万円 |
| 蓄電池 | 75万円 | 95万円 | 125万円 |
| EV | 85万円 | 85万円 | 85万円 |
| PHV | 55万円 | 55万円 | 55万円 |
| 充放電設備 | 75万円 | 95万円 | 125万円 |
蓄電池の補助額は、蓄電池の価格に応じて1kWhあたり最大6.3万円です。上限は太陽光・EV・PHV・充放電設備と同じ表で決まります。設備ごとの上限を全部足した最大額は、診断等と認定の両方があれば太陽光75万円・蓄電池125万円・EV85万円・充放電設備125万円の計410万円です。ただし要綱に合計の上限は書かれていません。
計算例を3つ置きます。
- 太陽光10kWを載せる(診断も認定もなし):5万円 × 10kW = 50万円 → 上限の50万円に届く
- 太陽光15kWを載せる(診断と認定の両方あり):5万円 × 15kW = 75万円 → 上限の75万円に届く
- 電池容量40kWhのEVを入れる:2万円 × 40kWh = 80万円 → 上限85万円の範囲内
15kWの太陽光は、診断も認定もなければ上限が50万円なので、75万円との差の25万円は出ません。診断か認定を取ると、同じ設備でも太陽光と充放電設備の上限が上がります。
EVの上限は、国(経済産業省)のクリーンエネルギー自動車導入事業費補助金に定められた銘柄ごとの額と、85万円(PHVは55万円)のうち、安いほうです。
何に使える?
対象にならないもの
- 消費税と地方消費税
- 中古品の設備
- 契約や発注、工事に着手済みの設備
- 国が交付する他の補助金を受けた設備
対象になるもの
- 設備の購入費(太陽光発電設備、EV・PHV、充放電設備、蓄電池)
- 設置の工事費(材料費、労務費など)
- 設計や試験にかかる費用
設備は県内の事業者から買うか、県内の事業者に工事を頼みます。EVも、県内の事業者から買う車が条件です。EVは、交付決定の日から年度末の2月末日までに初度登録される車に限ります。
申請の流れ
契約や発注の順番を間違えると、補助が受けられなくなります。
- 県に事前相談する(事業者→岩手県 環境生活企画室。電話019-629-5349)
- 診断や認定を使うなら、先に手続きを進める(事業者→診断機関・県。上限が上がる)
- 申請書を出す(事業者→環境生活企画室。郵送か持参。10月30日まで、かつ着手予定日の20日前まで)
- 審査を受け、交付決定を待つ(岩手県→事業者。この前に契約・発注をしない)
- 契約して設備を入れる(事業者→県内の事業者。2027年2月26日までに完了)
- 完了報告と請求書を出す(事業者→環境生活企画室。完了から30日後か2月末の早いほうまで)
- 補助金が交付される
申請の期限は2つあります。10月30日と、着手予定日の20日前のうち早いほうです。10月30日に出す場合、着手予定日は11月19日以降になります。
必要な書類
準備できた 0 / 10
診断等ありの区分で申請するときは、診断結果、診断の申込状況、CO2排出量の算定結果のどれかを添えます。認定ありの区分では認定書の写しなどを、中小企業者以外はエネルギー使用量が分かる書類を足します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約・発注した:事業の着手は、契約書や発注書の発行日です。交付決定の前に着手すると対象外になります。
- 3つの設備がそろわない:太陽光、EV等、充放電設備のどれかが欠けると事業全体が対象外です。
- 2月末までに終わらない:事業の完了は2027年2月26日までです。診断報告書の受け取りや、認定書の交付が2月末を過ぎると、対象外やかさ上げなしになります。
- 予算に達した:予算は410万円です。設備ごとの上限を全部足すと410万円で、予算と同額です。1社の申請で枠を使い切ることがあります。
補助後も続く約束と、併用・財産処分
補助を受けた事業者は、交付の翌年度から2年間、社外への情報発信と従業員への意識啓発をします。省エネ効果のデータも、毎年6月末までに県へ報告します。ポスターの掲示や社内勉強会、家庭のエコチェックなどが例です。
この補助金は国の交付金を財源にしているため、国や県の他の補助金とは併用できません。市町村が独自の予算で出す補助金との併用は可能です。
導入した設備は、法定耐用年数のあいだ、県の承認なしに処分できません。この補助でできた温室効果ガス削減分を、J-クレジット制度に登録することも禁じられています。
よくある質問
EVだけの導入でも対象になりますか?
対象になりません。太陽光発電設備、EV・PHV、充放電設備の3つを全て設置する事業が対象です。EVだけ、または太陽光だけの導入は、補助の対象外になります。EVを入れたい場合は、同じ県の「EV等普及促進事業費補助金(充電インフラ補助金)」など、別の制度を調べる手があります。
蓄電池も入れないと対象になりませんか?
必須ではありません。要綱が必ず設置するよう求めているのは、太陽光発電設備、車載型蓄電池(EVまたはPHV)、充放電設備等の3つです。定置型の蓄電池は、入れれば補助の対象になりますが、なくても申請できます。蓄電池を加えると、その分の補助額が上乗せされます。
すでにEVや充電設備があります。それでも申請できますか?
申請できます。車載型蓄電池(EV・PHV)と充放電設備等は、既存の設備を活用してもよいと定められています。この場合、太陽光発電設備を新しく設置する事業が中心になります。既存設備の扱いは細かい条件があるため、事前相談で自社の状況を伝えて確かめてください。
大企業や医療法人でも対象ですか?
県内の事業所の年間エネルギー使用量が、原油換算で1,500kl未満であれば対象になります。中小企業者でなくても、この基準を満たせば使えます。大企業、一般社団法人、医療法人、社会福祉法人などが当たります。使用量は、県のページの簡易計算表で確認できます。
個人事業主でも申請できますか?
県の資料に、個人事業主の扱いは明記されていません。対象は中小企業基本法に規定する中小企業者などと定められているため、自分の事業が中小企業者に当たるかで判断します。判断がつかないときは、申請前の事前相談で環境生活企画室に確かめるのが確実です。
補助の上限額は、何で変わりますか?
省エネルギー診断かCO2排出量の算定をしているか、「いわて脱炭素化経営企業等」の認定があるかで変わります。太陽光は50万円、60万円、75万円の3段階で、蓄電池と充放電設備は75万円、95万円、125万円です。EVとPHVは区分にかかわらず85万円と55万円です。
省エネ診断は、いつまでに受ければいいですか?
申請日の3年以内に受けた診断か、申請後から完了報告までに受ける診断が使えます。後者は、申請時に診断を申し込み済みであることを確認されます。診断は結果が出るまで1か月以上かかります。報告書の受け取りが2月末を過ぎると事業完了とみなされず、対象外です。
もう契約してしまいました。申請できますか?
できません。太陽光発電設備、蓄電池、充放電設備は、交付申請の時点で事業に着手していないことが条件です。事業の着手とは、契約書や発注書・発注請書の発行日のことです。複数の契約があるときは、いちばん早い日が着手日になります。見積もりを取るだけなら着手になりません。
リースやPPAでも申請できますか?
申請書類の一覧に、PPAやリースの場合の書類が定められています。サービス料金やリース料金から補助金相当額が差し引かれていることと、法定耐用年数が終わるまで使い続けるための措置を示す書類です。この形で入れたい場合は、書類の細かい要件を事前相談で確かめてください。
申請の締切はいつですか?
2026年10月30日(金)までです。ただし、事業に着手する予定日の20日前までに出す決まりもあり、早いほうが期限になります。予算410万円に達した時点で受付が終わるため、期限より前に締め切られることもあります。書類に不備があると受け付けられません。
補助を受けたあとにやることはありますか?
交付の翌年度から2年間、社外への情報発信、従業員への意識啓発、県への報告が必要です。ポスターの掲示や会社のホームページへの掲載、社内の省エネ勉強会などで行います。設備導入後は、毎月のエネルギー使用量と経費のデータを、所定の様式で県に出します。
問い合わせ先はどこですか?
岩手県 環境生活部 環境生活企画室 グリーン社会推進担当です。申請したい場合は、必ず事前に相談するよう案内されています。事前相談の電話は019-629-5349、お問い合わせ全般は019-629-5271です。所在地は盛岡市内丸10-1で、書類は郵送か持参で出します。
