店舗を借りて、内装を直して、レジとホームページを整える。起業の費用は、開店のまえにほぼ全部かかります。岩手県地方創生起業支援金は、その経費の1/2以内(最大200万円)を、事業のあとに精算で支給する制度です。令和8年度の2次公募は、2026年8月24日17時で受付を終えました。
条件の中心は、デジタル技術を使って地域の課題を解く事業であることです。岩手県内で店を開くだけでは足りません。次の公募があるかどうかは、取得した公式ページに書かれていないので、岩手県中小企業団体中央会(019-624-1363)に聞くことになります。以下は、2次公募の公募要領にもとづく内容です。
地方創生起業支援金の要点まとめ
正式名:岩手県地方創生起業支援金(令和8年度2次公募)
だれが
- 申請者
- 起業する人、事業承継・第二創業をする人(個人・法人代表者)
- 対象業種
- 地域課題を解く社会的事業(デジタル技術の活用が前提)
- 利用目的
- 起業・新事業の経費(人件費・賃借料・設備費・広報費など)
- 対象地域
- 岩手県
- 従業員数
- 規定なし(大企業の出資・役員の制限あり)
いくら
- 補助上限額
- 200万円
- 補助率
- 1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年6月24日〜2026年8月24日17時必着(終了)
- 事業の完了
- 最長2027年2月15日
自分は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みでした。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
地域の課題を解く事業とは、公募要領でいう「社会的事業」です。地域活性化、まちづくり、過疎地域の活性化、買物弱者支援、地域交通、社会教育、子育て支援、環境、社会福祉、Society5.0関連業種など、岩手県内で行う分野を指します。さらに、次の4つにすべて当てはまる必要があります。
- 地域社会の課題の解決に役立つ
- サービスの対価の収益で、自力で続けられる
- その課題に対して、サービスの供給が足りていない
- 生産性の向上や顧客の利便性につながるデジタル技術を使う
事業承継は、代表者の交代を伴って既存事業とは違う新しい事業に取り組むことです。第二創業は、同じ法人・個人が既存事業とは違う新しい事業に取り組むことです。どちらもSociety5.0関連業種などの分野が前提で、具体的な業種の一覧は公募要領に載っていません。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 4月前から営利で事業をする個人
- ✕ すでにある法人の代表者
- ✕ 地域おこし協力隊など国交付金の対象者
- ✕ 国費の起業補助金を別に受けている
すでにある法人の代表者でも、既存事業とは違う新事業のために法人を新しく設立する人は対象です。大企業の関与にも制限があります。同じ大企業が発行済株式の1/2以上を持つ、大企業が2/3以上を持つ、大企業の役員か職員を兼ねる人が役員の1/2以上を占める、のいずれかに当たると対象外です。風俗営業などの事業も対象になりません。
いくら支給される?
かかった対象経費の1/2以内です。上限は200万円なので、経費が400万円以上かかる計画で上限に届きます。
- 空き家を洋菓子店に改装し、調理設備をそろえる:300万円 × 1/2 = 150万円
- 店舗の内装と設備、ホームページ制作をまとめる:500万円 × 1/2 = 250万円 → 上限の200万円
- 小売店のホームページ制作と広告宣伝:80万円 × 1/2 = 40万円
計算例の金額は、上限との関係を見るための仮の数字です。支給は精算払いなので、支給されるまでは全額をいったん自分で立て替えます。支給は、事業の完了を確認したあと、2027年3月15日までの予定です。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- 支給決定の前に支払った経費(事前着手の承認がある場合を除く)
- 店舗の敷金・保証金などの一時金
- 消耗品、中古品、不動産と車両の購入費
- 他の用途にも使える物品やソフトウェアの購入費
- 代表者・役員・個人事業主本人と親族の人件費
- 求人広告料、インターネット利用料、光熱水費、保険料
- 税理士・会計士への費用、研修の参加費、振込手数料
- 親族や関連会社との取引
他の用途にも使える物品は、事業に不可欠で、その事業に限って使うことが明確なら、対象になることがあります。
対象になるものは、次のとおりです。
- 直接人件費(従業員1人あたり月35万円、パート・アルバイトは日額8千円が限度)
- 店舗・事務所の賃借料、共益費、仲介手数料
- 内装・外装工事、機械装置、器具、備品の購入費
- 試作品の材料費、リース・レンタル料
- 特許取得の弁理士費用(経費総額の1/3まで)
- 専門家への謝金、国内出張の旅費
- ホームページ制作などの外注費
- 試作品の作成やマーケティング調査の委託費(経費総額の1/2まで)
- 広告宣伝費、パンフレット印刷費、展示会の出展費
単価50万円(税抜)以上の設備は、原則としてリース・レンタルで調達します。事業終了後も一定期間、処分が制限されます。経費の支払いは原則、銀行振込です。
申請から支給までの流れ
2次公募の流れです。次の公募があるかは、中央会に確かめてください。
- 応募書類を出す(応募者→中央会 連携支援部。2026年8月24日17時必着。メール・郵送・持参)
- 書類審査と面接審査を受ける(中央会→応募者。面接は9月中旬の予定で、本人が出席)
- 採択の内示を受け、支給申請書を出す(応募者→中央会。支給決定まで2〜4週間)
- 支給決定日から2027年2月15日までに事業を行う(応募者。決定の前に発注しない)
- 実績報告を出す(応募者→中央会。完了後30日以内か、期間完了日から10日以内の早い日)
- 検査を受けて、精算払いで受け取る(中央会→応募者。3月15日まで)
必要な書類
準備できた 0 / 8
開業届の写しと履歴事項全部証明書は、すでに開業・法人設立をしている場合に付けます。ほかの法人の役員に就いているときは、その法人の履歴事項全部証明書も付けます。事前着手承認申請書は、支給決定の前に発注する場合だけです。提出は正本1部と副本5部で、副本は誓約書などを除いた分を出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 決定の前に発注した:支給決定日前の契約・購入は原則、対象外です(人件費、店舗・事務所の賃借料、設備のリース・レンタル料は、事業実施期間内の分なら対象にできます)。やむを得ない場合は事前着手の承認を受けますが、承認があっても不採択なら支給されません。
- 居住や登記が間に合わない:事業の完了日までに県内に居住し、開業届か法人登記を県内で済ませる必要があります。完了後に取った住民票や開業届の写し、履歴事項全部証明書を出せないと、支給されません。
- デジタル技術が確認できない:完了日までにデジタル技術の活用を確認できないと、支給の要件を満たしません。
- 報告や書類が足りない:実績報告の期限を過ぎる、支払いの証拠書類がない、現金払いの理由書がないと、その経費は認められません。
- 完了後の約束を守らない:完了後5年間は県内に住んで事業を続け、状況を報告します。違反や不正があれば、決定の取消しや返還になることがあります。
よくある質問
2次公募はもう申し込めませんか?
2次公募の募集期間は、2026年6月24日から8月24日17時(必着)でした。期間は過ぎているので、申し込めません。次の公募があるかどうかは、取得した公式ページには書かれていません。気になる場合は、岩手県中小企業団体中央会 連携支援部(019-624-1363)に問い合わせるのが確実です。岩手での起業全般の情報は、ポータルサイト「スタートアップいわて」にまとまっています。
起業と、事業承継・第二創業はどう違いますか?
起業は、基準日(2026年4月1日)以降に個人事業の開業届を出すか、法人を設立して、その代表者になることです。事業承継は、代表者の交代を伴って既存事業とは違う新しい事業に取り組むこと、第二創業は、同じ法人・個人が既存事業とは違う新しい事業に取り組むことです。応募申請書の様式も、起業と、事業承継・第二創業で別になっています。
県外に住んでいても応募できましたか?
応募は、岩手県に居住しているか、2027年2月15日までに居住する予定の人が対象でした。支給の要件として、支給対象事業が完了する日までに岩手県内に居住していることが求められます。完了日以降に取得した住民票の提出が必要で、出せないと支給されません。居住地に関する誓約書も、応募書類に含まれていました。
すでに開業している個人事業主は対象ですか?
開業届を出している個人事業主や、4月1日より前から営利で継続的に事業をしている個人は対象外です。すでに設立された法人の代表者も対象外になります。ただし、既存事業とは違う新しい事業を行う法人を設立する人や、新たに個人として開業届を出す人は対象です。新事業の内容が既存事業と違うかどうかは、日本標準産業分類の細分類で判断されます。
人件費は経費にできますか?
従業員の給与は、事業に直接従事した分が対象になります。限度は1人あたり月35万円で、パート・アルバイトは日額8千円です。一方、法人の代表者と役員の人件費は対象外です。個人事業主本人と、生計を一にする三親等以内の親族の人件費も対象になりません。事業者が負担する社会保険料などの法定福利費や、食事手当なども対象外です。
高額な設備は買えますか?
単価50万円(税抜)以上の設備は、原則としてリースかレンタルで調達します。購入すると、事業終了後も一定期間は処分が制限されます。内装・外装工事で単価50万円以上のものも、同じ制限の対象です。中古品、不動産、車両の購入費は経費になりません。設備の調達方法は、計画の段階で決めておくと、経費の見積もりがずれにくくなります。
事前着手承認とは何ですか?
支給決定の前に発注や購入が必要なとき、事前に承認を受けると、基準日以降の経費が対象になる仕組みです。応募のときに事前着手承認申請書を添付し、計画の概要と理由を書きます。通知は申請から1〜2週間が目安です。承認を得ても、採択を約束するものではなく、不採択なら支給されません。申請の前に中央会へ相談するよう求められています。
支給はいつ、どう受け取りますか?
精算払いです。事業の完了後30日以内か、期間完了日から10日以内の早い日までに実績報告書を出します。中央会が事業内容と経費を検査して金額を確定し、支給します。2次公募のスケジュールでは、支給は2027年3月15日までの予定でした。それまでの経費は、いったん自分で立て替えます。経費の支払いは原則、銀行振込です。
採択されたあとの義務はありますか?
あります。事業の完了後も5年間は岩手県に居住して事業を続け、事業化の状況を報告します。帳簿と証拠書類は、完了した年度の終了後5年間保管します。進み具合の確認で、実地検査が入ることもあります。検査で返還命令が出たときは従います。虚偽の報告や他の用途への流用があれば、決定の取消しや全額返還になることがあります。
地域おこし協力隊は対象ですか?
地域おこし協力隊の最終年次の人と任期終了の翌年の人は、対象外です。就農など、国の交付金の対象になる人も同じです。応募する事業について、国費を財源とする起業・創業の補助金を受けていないことも条件でした。協力隊の任期との関係で迷うときは、応募の前に中央会へ問い合わせて、自分が国の交付金の対象に当たるかを確かめてください。
どんな事業が対象外になりますか?
岩手県外で行う事業、公序良俗に反する事業、風俗営業などの事業は対象外です。基準日より前から営利で継続して行っている事業も対象になりません。求める事業は、地域課題の解決に役立ち、サービスの対価で自力で続けられ、デジタル技術を使うことです。売上、利益、資金の計画も審査され、妥当かどうかが見られます。
問い合わせ先はどこですか?
岩手県中小企業団体中央会 連携支援部(電話 019-624-1363、平日8:30〜17:15)です。所在地は盛岡市神明町5-5 岩手県火災共済会館4階です。事業計画を相談できる支援機関は、ポータルサイト「スタートアップいわて」に一覧があります。本事業は国の交付金による地方創生起業支援事業を、中央会が県の補助を受けて行うものです。
