県内の製造業が生産工程を自動化する設備を入れるとき、費用の半分(上限200万円)を岩手県が補助します。自動車部品の供給網を県内で保つための制度で、まず事業計画の認定を受け、そのあとに補助金を申請する二段階です。交付決定の前に着手した経費は対象外なので、設備の購入や工事は決定の通知を待ってください。
同じ補助金には、研修費向けの「人材育成重点支援事業」もあります。この記事は設備向けの「生産体制強化事業支援事業」を扱います。
自動車産業生産体制強化補助金の要点まとめ
正式名:自動車関連産業重点強化支援事業費補助金(生産体制強化事業支援事業)
だれが
- 申請者
- 事業者(県内ものづくり中小企業)
- 対象業種
- ものづくり事業者(製造業・機械設計業など)で自動車関連
- 利用目的
- 生産工程の自動化・省力化のための設備整備と、それに付随する研究開発
- 対象地域
- 岩手県内(県内に製造事業所があること)
- 従業員数
- 中小企業者の範囲内(業種ごとに上限あり)
いくら
- 補助上限額
- 200万円(1企業1件あたり)
- 補助率
- 対象経費の1/2以内(千円未満切り捨て)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2026年10月30日
- 事業の完了
- 2027年2月26日まで
うちの会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどちらかに当たると対象外です。
- ✕ みなし大企業に当たる
- ✕ 交付決定の前に設備へ着手した
補足を3つ書きます。1つ目は、ものづくり事業者の範囲です。製造業のほか、ソフトウェア業、デザイン業、機械設計業などが入ります。
2つ目は、中小企業者の範囲です。製造業などは資本金3億円以下か従業員300人以下、卸売業は1億円以下か100人以下、サービス業は5,000万円以下か100人以下、小売業は5,000万円以下か50人以下です。どちらか一方を満たせば足ります。
3つ目は、みなし大企業です。中小企業でも、株式の2分の1以上を同一の大企業が持つ会社などは除かれます。株式の3分の2以上を大企業が持つ会社と、大企業の役員か職員を兼ねる人が役員の2分の1以上を占める会社も同じです。
自動車部品をまだ作っていなくても、これから参入して関連部品を扱う予定の企業なら対象に入ります。
いくら戻ってくる?
税抜きの対象経費の半分です。千円未満は切り捨てになります。上限の200万円に届くのは、対象経費が400万円以上のときです。
- 生産ラインの自動化装置:300万円 × 1/2 = 150万円
- 検査用の機械と治具:333万3,000円 × 1/2 = 166万6,500円 → 166万6,000円
- 大型の加工設備:600万円 × 1/2 = 300万円 → 上限の200万円
3つ目の例では、上限を超えた100万円分と残りの半分の300万円、合わせて400万円が自己負担です。補助金は事業が終わってから支払われるため、費用はいったん全額を立て替えます。
何に使える?
対象にならないもの
- 消費税と地方消費税
- 交付決定の前に着手した経費
- 自動車部品等と関係のない設備の整備
対象になるもの
- 機械装置費(購入、製作、改良、据付、借用、修繕)
- 工具器具費
- 原材料費(試作品の開発に使う原材料や副資材)
- 技術指導費(設備整備や研究開発に必要な外部の助言・指導)
- 教育研修費
- 委託費(再加工、設計、分析、検査の外部委託)
- 運搬費
- その他、知事が特に必要と認める経費
「自動車部品等」には、自動車部品のほか、自動車や部品を作るための設備と治工具が入ります。知事が認めたものも含まれます。
申請の流れ
認定と交付決定は別のものです。認定を受けても補助金はまだ決まっていません。認定の次に、交付申請が要ります。
- 担当へ一報を入れる(事業者→県のものづくり自動車産業振興室。書類を出す前に)
- 事業計画の書類を出す(事業者→同室。毎月末日が締切で、10月分は10月30日)
- 認定を待つ(県→事業者。締切後およそ1か月。結果は文書で届く)
- 補助金の交付申請を出す(事業者→県。認定のあと)
- 交付決定を待つ(県→事業者。着手できるのは決定の日から)
- 設備を整えて2027年2月26日までに終える(事業者。費用は立て替える)
- 実績報告を出し、検査のあとに請求する(事業者→県。請求のあとに支払い)
提出は郵送かメールです。郵送の場合は、書類をA4片面で印刷してクリップで留めます。ホチキスは使えません。封筒の表には、赤字で自動車補助金計画書在中と書きます。
必要な書類
準備できた 0 / 6
決算書は直近2期分です。様式は、県の案内ページにある令和8年度の公募要領に付いています。
審査は点数で行い、予算の範囲内で認定します。見られるのは、取引内容や県内の供給網での重要性(戦略面)、計画の整合性と収支(計画面)、県の自動車関連産業の施策との合い方(政策面)です。計画書には、自動化で何がどう変わるのかと、どの取引につながるのかを書いてください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に着手した:着手した経費は対象外です。見積書を集める段階と、発注や契約の段階は分けて考え、迷う作業は窓口に聞いてください。
- 予算が上限に達した:10月30日より前でも、予算が上限に達した時点で公募は終わります。
- 変更や中止を黙って進めた:経費の配分や内容を変えるときと、事業を中止・廃止するときは、事前の承認が要ります。
- 取得した財産を勝手に処分した:1件50万円以上の機械等を、知事が別に定める期間より前に譲渡や貸付などで手放すときは、事前の承認が要ります。
- 期間内に終わらない:2027年2月26日までに終わらないときは、事前に報告して指示を受けます。
同じ名前の「人材育成重点支援事業」とのちがい
同じ補助金の中に、人への投資に使うメニューがあります。設備を買うのか、研修に出すのかで選びます。
| 比べる点 | 生産体制強化(この記事) | 人材育成重点支援 |
|---|---|---|
| 使い道 | 設備の整備と研究開発 | 従業員の派遣研修、指導者の招へい |
| 上限額 | 200万円 | 100万円 |
| 補助率 | 1/2以内 | 1/2以内 |
| 受付の終わり | 2026年10月30日 | 2026年12月25日 |
両方を同時に出せるかは、公式ページに書かれていません。窓口に聞いてください。令和7年度以前の公募要領も同じページに残っていますが、様式と条件は令和8年度版を使います。
よくある質問
どんな会社が対象ですか?
岩手県内に製造事業所を持つ、ものづくり事業者の中小企業者です。ものづくり事業者とは、製造業のほか、ソフトウェア業、デザイン業、機械設計業など、国の政令で決まった業種の事業者を指します。さらに、自動車関連企業か、これから自動車産業に参入して関連部品を扱う予定の企業であることが条件です。みなし大企業は除かれます。
自動車部品を作っていない会社でも申請できますか?
今後自動車産業に参入し、関連部品を扱う予定の企業も対象に入ります。ただし補助の対象は、自動車部品等の製造や設計に関連する設備の整備です。参入の予定をどう書類で示すかは、公式ページに細かい説明がありません。書類を出す前に、ものづくり自動車産業振興室へ相談してください。
補助額はいくらまでですか?
補助率は対象経費の1/2以内で、上限は1企業1件あたり200万円です。対象経費は消費税を抜いた額で数えます。補助額は千円未満を切り捨てます。たとえば対象経費が400万円なら補助額は200万円で、上限に届きます。それ以上かかった分は、補助額が増えず自己負担になります。
申請はいつまでにすればよいですか?
公募期間は2026年4月1日から10月30日までです。審査は月ごとにまとめて行い、毎月末日が締切です。末日が休日のときは、その前日になります。認定までは締切後およそ1か月かかります。予算が上限に達すると、期間の途中でも公募は終わるので、早めに担当へ連絡してください。
認定を受ければ、補助金は確定しますか?
確定しません。認定は事業計画が適当だと認める手続きで、そのあとに補助金の交付申請を出し、県が交付決定をして初めて補助が決まります。着手できるのは交付決定の日からです。認定の通知が届いた時点で設備を発注すると、対象外になるおそれがあります。通知の文面と日付を確かめてください。
交付決定の前に設備を買ってしまったら、どうなりますか?
交付決定の前に着手した経費は、補助の対象外です。公募要領に、事業の開始日は交付決定日以降とするよう書かれています。見積書を取る作業が着手に当たるかは、公式ページに説明がありません。契約や発注の前に、窓口で確かめてください。すでに契約した設備がある場合も、書類を出す前に相談しましょう。
リースや借用の費用も対象になりますか?
機械装置費と工具器具費の説明に、借用に要する経費が入っています。購入だけでなく、借りて使う場合の費用も対象経費の中に出てきます。ただし期間や金額の扱いなど細かい条件は、公式ページにありません。リースを考えている場合は、契約の前に、対象になる範囲を窓口へ確かめておくと安心です。
補助金はいつ受け取れますか?
補助金は事業が終わったあとに支払われます。実績報告書と、請求書・領収書などの証拠書類を出し、県の検査で確認されてから交付される流れです。このため、設備の支払いは補助金が入るまで自社で立て替えます。必要に応じて一部を概算払いする場合があるので、資金繰りが厳しいときは相談してください。
人材育成重点支援事業と同時に申請できますか?
同時に出せるかどうかは、公式ページに書かれていません。ものづくり自動車産業振興室(019-629-5565)に確かめてください。2つは対象経費が違います。設備や研究開発の費用はこの記事の事業、従業員の派遣研修や指導者の招へいの費用は人材育成重点支援事業です。同じ経費を二重に出さないようにします。
書類の出し方を教えてください。
郵送かメールで、岩手県商工労働観光部ものづくり自動車産業振興室へ出します。郵送先は〒020-8570 盛岡市内丸10-1で、メールは jidousha@pref.iwate.jp です。書類を出す際は、担当に一報を入れるよう公式ページが求めています。出した書類は返却されません。追加資料の提出を求められることもあります。
公募要領の表題が「重点支援事業」になっていますが、同じ制度ですか?
公式ページのお知らせは「生産体制強化事業支援事業」、公募要領の表題と様式は「生産体制強化重点支援事業」と、呼び方が少し違います。どちらも令和8年度の同じ公募で、期間も補助率も上限額も同じです。様式の表題と食い違って見えても、令和8年度版を使えば問題ありません。
問い合わせ先はどこですか?
岩手県商工労働観光部ものづくり自動車産業振興室です。電話は019-629-5565(担当は今井さん・谷内さん)、メールは jidousha@pref.iwate.jp です。対象になるか、着手の線引き、必要書類の書き方などで迷ったら、書類を出す前に相談すると出し直しを防げます。予算の状況も窓口で聞けます。
