鹿児島県の令和8年度サービス業生産性向上支援事業は、2026年8月21日で2次募集を終えました。セルフレジ・セルフオーダー・予約システムなどの導入費用の3分の2を、県内のサービス業に補助する制度でした。
上限は、中小企業者が300万円で中堅企業者が600万円です。入口になったのは、確定申告の納税地が鹿児島県内にあることでした。県内に事業所があっても、本店の納税地が県外なら対象外でした。次の募集に備えて、条件と対象経費を残しておきます。
鹿児島県サービス業生産性向上支援事業の要点まとめ
正式名:令和8年度サービス業生産性向上支援事業費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- サービス業(日本標準産業分類の大分類F〜R)
- 利用目的
- デジタル化・省力化による生産性向上
- 対象地域
- 鹿児島県内に本店または主たる事務所がある事業者
- 従業員数
- 中小企業者、または従業員2,000人以下の中堅企業者
いくら
- 補助上限額
- 600万円(中小企業者は300万円)
- 補助率
- 3分の2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2次:2026年7月21日〜2026年8月21日(受付終了)
- 事業の完了
- 2027年2月12日まで(承認を得れば2月28日)
受付は終わりました。結果と次の回について
募集は2回ありました。1次は5月11日から6月12日まで、2次は7月21日から8月21日までです。県のページには「募集は終了しました」とあります。
5月に出た募集要項は、2次を7月6日から8月7日までと書いていました。ただし2次募集は、1次に見込みを大幅に超える申請が集まったため、いったん見合わせになりました。専用ホームページが7月16日に、7月21日から8月21日に変えて実施すると告知しています。県のページも、この新しい期間です。募集期間内でも、募集を終える場合があるとされていました。
1次の交付決定事業者の一覧は、専用ホームページに載っています。2次の結果は、9月中旬ごろに郵送で通知する予定とQ&Aにありました。補助金交付決定日は、2次募集の注意事項で10月上旬以降です。
次の募集は、県のページにも専用ホームページにも書かれていません。この事業は、令和5年度から名前を変えながら毎年続いてきました。令和8年度の次があるかは、公表資料から読み取れません。
編集部は、決算書と見積書を早めにそろえておくことを勧めます。応募の最初に求められるのが、この2つだからです。問い合わせ先は、事務局の099-201-3505(平日9時から17時)です。
対象は誰だったのか
次のすべてに当てはまると、対象の見込みでした。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 7
本店の所在地は、法人は法人税の確定申告書別表一の納税地、個人は確定申告書の住所で見ます。サービス業は日本標準産業分類の大分類F〜Rで、取組は物価高騰や人手不足に対するものが対象でした。
次のどれかに当たると、対象外でした。
- ✕ 確定申告の納税地が県外
- ✕ 医療法人・社会福祉法人・学校法人
- ✕ 一般社団法人・NPO法人
- ✕ 創業準備の機械や備品の購入
- ✕ 政治団体・宗教団体、性風俗関連の事業
納税地が県外なら、県内に事業所があっても対象外でした。上の法人は中小企業支援法の中小企業者に当たらず、創業の準備に必要な機械や備品は生産性向上の経費になりません。
サービス業には、卸売業・小売業・飲食サービス業・宿泊業・情報通信業・運輸業・不動産業・教育・学習支援業・医療・福祉・生活関連サービス業などが入ります。農林業・漁業・鉱業・建設業・製造業は、大分類F〜Rの外です。
主たる業種がサービス業でなくても、サービス業を営みその部分の経費があれば申請できました。たとえば製造業の会社が飲食店も営んでいて、その店にセルフオーダーを入れる場合が当たります。
中小企業者は、中小企業支援法第2条第1項の定めです。業種ごとに資本金と従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当します。
| 主たる業種 | 資本金 | 従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
| ゴム製品製造業(タイヤ・工業用ベルトを除く) | 3億円以下 | 900人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| 旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
| ソフトウェア業・情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
中堅企業者は、産業競争力強化法の定めで、常時使用する従業員が2,000人以下の会社と個人を指します。中小企業者は除きます。
みなし大企業は、中小企業でも対象外になる会社です。同じ大企業が株式の2分の1以上を持つ会社、複数の大企業が3分の2以上を持つ会社などが当たります。
いくら補助されるのか
補助率は対象経費の3分の2以内です。千円未満は切り捨てます。消費税と地方消費税は、対象経費から除きます。
金額は計算の例です。
- 飲食店がセルフオーダーのシステムを導入:150万円 × 2/3 = 100万円
- 卸売業がハンディターミナルを導入:60万円 × 2/3 = 40万円
- 宿泊業が自動チェックイン機と予約システムを導入:480万円 × 2/3 = 320万円 → 上限の300万円
- 中堅企業者が複数の機器とシステムを導入:1,200万円 × 2/3 = 800万円 → 上限の600万円
上限は、生産性向上型も混合型も同じです。混合型だから600万円になるわけではありません。上限が600万円になるのは中堅企業者だけです。
リースやクラウドの年間料金は、事業期間の分だけが対象です。3年のリースで540,000円なら、1か月は15,000円です。事業期間が5か月なら、75,000円 × 2/3 = 50,000円が補助されます。
何に使えたのか
対象にならないもの
- 工事費(機械の設置と一体の、軽微な据付は対象)
- 汎用性があり、他の用途にも使えるもの(事務用パソコン・プリンタ・タブレット・スマートフォン・複合機・サーバー・家具什器・家庭用電化製品)
- 単なる設備の更新(より高性能にして生産性が上がると認められる場合は対象)
- 新紙幣への対応だけを目的にしたレジや券売機の買い替え
- 家賃・敷金・フランチャイズ加盟料・電話代・インターネット代・原材料費・消耗品費
- 自社の人件費・振込手数料・保険料・土地や建物の取得費
- 接遇やマナーの研修
- 親会社やグループ会社に払う経費(議決権の50%超を持つ関係)
- 団体会費・収入印紙・飲食代、補助事業を一括で委託する費用
対象になるもの
- 機械装置等購入費:機械・工具・器具の購入や借用、据付、ソフトウェアやシステム(RPAを含む)の構築
- クラウドサービスの利用料
- 専門家の招へい経費:コンサルティングの費用と旅費
- 研修費:雇用関係のある従業員の参加費と旅費
- 運搬費・広告宣伝費・外注委託費・簡易な構築物・旅費
新しい販路を開く経費は、混合型で申請する形でした。生産性向上の取組は必須で、販路開拓だけを目的にした取組は対象外です。広告宣伝費や外注委託費(ECサイトの制作)は、生産性向上型と混合型に共通の経費表に載っています。どちらの型でどの経費が認められるかは、募集要項から読み切れません。
汎用品でも、専用に使う理由を書けば認められた例があります。POSレジの一部として、カウンターに固定したタブレットです。ほかの用途に使えない理由を、書類に書きます。
補助金の交付決定の前に払った経費も、条件つきで対象になりました。2026年3月25日以降に発注し、見積書・発注書・納品書・請求書・領収書で発注日と金額を確かめられるものです。応募のときは、50万円以上なら発注書と発注請書、100万円以上なら契約書も付けます。
申請の流れ
2026年5月11日から8月21日までの2回の募集で、求められた手順は次のとおりです。
- 募集要項と様式を手に入れる(事業者。専用ホームページからダウンロード)
- 応募書類をそろえる(事業者。事業計画書・収支予算書・収支計画書・決算書の写し・見積書)
- 専用ホームページか郵送で応募する(事業者→事務局。電子申請は締切日の23時59分まで、郵送は当日消印有効)
- 審査を受けて、結果の通知を待つ(事務局→事業者。補助金交付候補者かどうかが文書で届く)
- 交付申請を出す(交付候補者→事務局。通知から2週間ほどが目安)
- 交付決定を受けて、事業を進める(事業者。交付決定事業者向けの説明会に参加する。2027年2月12日までに納品と支払いを終える)
- 実績報告を出す(事業者→事務局。完了後30日以内か2月15日の早い方まで)
必要なら、交付決定額の5割までを先に受け取る概算払も使えました。請求は1回だけで、2026年12月11日までに概算払申請書を出します。
交付決定は、採択とは別の通知で補助金の額が決まる手続きです。交付候補者になっても、納税証明書で未納が見つかれば交付決定は出ません。
契約先1件の見積合計が50万円(税抜)以上のときは、相見積が原則でした。「一式」と書いた見積書は使えません。
必要な書類
準備できた 0 / 9
様式は別記第1-1号(記入例あり)と別記第1-2号です。見積書は明細つきで、50万円以上は相見積にします。履歴事項全部証明書(個人は身分証明書)と納税証明書は交付申請のときに出し、3か月以内のものを使います。
旅費を計上するときは、旅費見積書と旅費規程の写しも付けます。確定申告書は、法人なら別表一と貸借対照表・損益計算書です。個人の白色申告は、収支内訳書になります。創業して間もない場合は、試算表などで代えられる扱いでした。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 納税地が県外だった:本店や主たる事務所の納税地が県外なら、県内に事業所があっても対象外でした。
- 汎用品だけを買った:パソコンやタブレットは、専用に使う理由が認められない限り対象外です。
- 期間内に払い終えなかった:2027年2月12日までに納品と支払いを終えます。クレジットカードは申請者と同じ名義で、引き落としまで終えます。家族名義やポイント払いは対象外です。
- 交付決定のあとの取組が無かった:決定の時点で納品も支払いも終わり、その後の取組が無い事業は対象外でした。
- 県税や市町村税に未納があった:交付候補者になっても、交付決定は出ません。
- 決定後に本店が県外へ移った:交付決定が取り消されることがあります。
併用・報告・加点
同じテーマで国や県の他の補助事業にも採択されたときは、どちらか一方だけです。令和5〜7年度の前身の事業で補助を受けた事業者も、別の事業なら申請できました。
補助事業が終わったあとは、5年間にわたって事業化の状況を報告します。提出先は鹿児島県中小企業支援課で、毎年4月15日までです。取得した資産を廃棄・譲渡するときは、県の承認が要ります。補助金の一部か全部を返す場合もあります。
審査では、次のいずれかに登録している事業者に加点がありました。「パートナーシップ構築宣言」・鹿児島県SDGs登録制度・かごしま子育て応援企業・かごしま「働き方改革」推進企業・イクドリ!宣言です。
よくある質問
鹿児島県のサービス業生産性向上支援事業は、いまも申請できますか?
申請できません。令和8年度の1次募集は6月12日に終わり、2次募集は8月21日に終わりました。県のページにも「募集は終了しました」とあります。次の募集や令和9年度の実施は、県のページにも専用ホームページにも書かれていません。この事業は令和5年度から名前を変えて続いてきました。最新の状況は、県の中小企業支援課か事務局に確かめます。事務局の電話は099-201-3505で、平日の9時から17時に受け付けています。
製造業や建設業の会社は対象になりませんか?
主たる業種が製造業や建設業でも、サービス業を営んでいて、その部分の経費があれば申請できました。農林業・漁業・鉱業・建設業・製造業は、日本標準産業分類の大分類F〜Rの外にあります。ただし補助の対象になるのは、サービス業の取組にかかる経費だけです。製造部門の経費とは、切り分けて整理します。どの業種に当たるかは、中分類のコードで申請書に書きます。迷うときは、事務局に自社の業種を伝えて確かめると確実です。
本社が県外で事業所だけが県内にある場合は対象ですか?
対象外です。県内に本店か主たる事務所があることが条件でした。判断は、法人なら法人税の確定申告書別表一の納税地で行います。個人なら確定申告書の住所で見ます。この住所が県外なら、県内に事業所があっても対象になりません。県内に本店を移す予定がある場合は、納税地がいつ変わるかも確かめておきます。応募の締切までに変わるかどうかが分かれ目です。先に納税地を調べておくと、応募してから対象外と分かる事態を防げます。
医療法人やNPO法人や一般社団法人でも申請できますか?
申請できませんでした。中小企業支援法の中小企業者に当たらない法人は対象外です。医療法人・社会福祉法人・学校法人・一般社団法人・公益社団法人・NPO法人などが入ります。中堅企業者は、従業員が2,000人以下の会社と個人で、中小企業者を除きます。みなし大企業を除けば、株式会社や個人事業主は、中小企業者か中堅企業者のどちらかに当たります。対象外の法人は、同じ取組を別の制度で探すことになります。
生産性向上型と混合型は、何が違いますか?
対象になる経費の範囲が違います。生産性向上型は、機器の購入やリース、ソフトの使用や開発、クラウド、従業員の教育、専門家の招へいなどが対象です。混合型は、これに加えて新規の販路開拓の経費も対象になります。生産性向上の取組は必須で、販路開拓だけの取組は対象外です。上限は同じで、中小企業者が300万円で中堅企業者が600万円です。混合型でも上限は増えません。どちらの型で出すかは、経費の内訳を見てから決めます。
交付決定の前に買った機器も補助されますか?
条件つきで補助されました。2026年3月25日以降に発注した経費で、発注日と金額を見積書・発注書・納品書・請求書・領収書で確かめられるものです。ただし、交付決定の時点で納品も支払いも終わり、その後に生産性向上の取組が無い事業は対象外でした。決定のあとにどう使って生産性を上げるかを、事業計画書に具体的に書いておく必要がありました。支払いの証拠書類は、すべて保管しておきます。
パソコンやタブレットは対象になりますか?
汎用性があり他の用途にも使えるものは、対象外です。事務用パソコン・プリンタ・タブレット・スマートフォン・複合機・サーバー・カメラなどが当たります。ただし、補助事業のためだけに使うと説明できれば、認められた例があります。POSレジの一部としてカウンターに固定したタブレットです。専用のアプリを入れて他のアプリを使えなくする説明も、1つの例でした。説明は申請書に書きます。他の用途に容易に使えないかは、事務局が審査で確かめます。
古い設備を新しい設備に入れ替える費用は対象ですか?
単なる設備の更新は、対象外でした。より高性能な設備に更新して生産性の向上が図られると認められる場合は、対象になります。新紙幣に対応するだけのレジや券売機の買い替えも対象外です。申請書では、更新によって作業の時間や人手がどれだけ減るかを、数字で書く形です。Q&Aは、単なる更新を対象外と明記しています。入れ替えの目的を、先に整理しておきます。対象になるかどうかは、事務局に確かめてから申請します。
工事費は補助の対象ですか?
工事費は対象外です。ただし新しく買う機械や、本事業のために使う機械の設置と一体で行う軽微な据付の費用は、対象になります。見積書は、据付費と補助の対象にならない工事費を分けて書きます。「一式」と書いた見積書は使えません。倉庫などの構築物は、簡易なものだけが対象です。基礎工事が必要で土地に固着するものは、建物になるので対象外でした。軽微な据付かどうかの判断も、事務局に相談します。
リースやクラウドの年間料金は、全額が対象ですか?
事業期間に当たる分だけが対象です。3年間のリースで540,000円の場合、1か月は15,000円です。事業期間が5か月なら、15,000円 × 5か月 = 75,000円が対象経費になります。契約後の支払いの開始が遅れて4か月になれば、60,000円です。クラウドサービスの年間料金やソフトの保守パックも、同じ数え方でした。ポイントでの支払いは対象外です。月数は、1か月間を満了した月で数えます。
見積書は何社から取ればよいですか?
契約先1件あたりの見積合計が50万円(税抜)以上のときは、同じ条件で相見積を取るのが原則です。取れない場合は、選んだ理由と価格の妥当性を書いた理由書を出します。中古品は、金額に関係なく2者以上の中古品販売事業者から、同等品の見積が要りました。個人からの購入やオークションでの購入は対象外です。見積書の押印は、省いても構いません。見積書は原本ではなく、写しを出せば足ります。
事業はいつまでに終えればよいですか?
2027年2月12日までに、発注と納品と支払いを終えます。あらかじめ事務局の承認を得れば、2月28日まで延ばせました。2026年3月24日以前に発注した経費や、2027年3月1日以降に払う経費は、対象外です。実績報告は、事業の完了後30日以内か、2027年2月15日の早い方までに出します。承認を得て延ばした場合の報告の期限は、3月1日でした。期限を過ぎた経費は、補助の対象になりません。
