新品種を試したい、直売所向けの販路を広げたい——そう考えている農業者なら誰でも使えるのか。結論から言うと、この制度は就農4年以上で、年間農産物販売額が250万円以上1,500万円未満(畜産は3,000万円未満)の農業者に限られます。始めたばかりの新規就農者は対象になりません。
対象になれば、新品種・新販売方法の導入は上限100万円、機械や施設を伴う栽培方法の転換は上限500万円まで、事業費の3分の1以内が補助されます。令和8年度2次募集の受付期間は7月24日(金)から9月16日(水)までです。
神奈川県農業経営新規アイデア実現支援事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(農業者・農業経営体) |
| 制度名 | 神奈川県農業経営新規アイデア実現支援事業 |
| 対象業種 | 農業 |
| 利用目的 | 新品種・新販売方法の導入、栽培方法転換のための機械・施設整備 |
| 対象地域 | 神奈川県内 |
| 従業員数 | 規定なし(経営規模は年間農産物販売額で判定) |
| 補助上限額 | 新規アイデア導入事業:100万円(補助率3分の1以内)/施設整備事業:500万円(補助率3分の1以内) |
| 補助率 | 3分の1以内 |
| 申請受付 | 令和8年7月24日(金)~9月16日(水)※2次募集 |
| 公式サイト | 神奈川県「農業経営新規アイデア実現支援事業について」 |

対象になる農業者、ならない農業者
線引きは「就農4年以上」と「年間農産物販売額」の2つです。
- 対象になる:就農5年目、年間農産物販売額450万円の野菜農家が新品種を試作する
- 対象になる:就農8年目、年間販売額1,200万円の農業経営体がハウスを増設して栽培方法を変える
- 対象にならない:就農2年目の新規就農者(経営がまだ固まっていない段階)
- 対象にならない:年間農産物販売額が200万円の小規模農家(下限未満)
- 対象にならない:畜産以外で年間販売額が1,500万円を超える経営体(上限超過)
なぜこの線が引かれているのか。就農したばかりの農業者には、経営を軌道に乗せるための別の支援策(新規就農者育成総合対策事業など)が用意されています。この事業は、すでに経営基盤がある農業者が次の投資で規模やメニューを広げる段階を対象にしているためです。
何にいくら使えるのか
対象事業は2つに分かれます。
- 新規アイデア導入事業:新品種・新品目の導入、新しい販売方法の導入にかかる経費。上限100万円
- 施設整備事業:新しい栽培方法を導入するための機械・施設の整備にかかる経費。上限500万円
たとえば、施設整備費として150万円のハウス増設を行う場合、補助率3分の1で50万円が補助され、自己負担は100万円です。補助額は事業費の3分の1が上限のため、自己資金の準備が前提になります。
よく誤解されるポイント
「新規アイデア」という名前から、開業したばかりの人向けの制度だと誤解されがちです。しかし対象になるのは、すでに一定の経営規模がある農業者が、新しい取り組みに踏み出すときです。「新規」がかかっているのは農業者ではなく、その農業者にとって新しい品目・販売方法・栽培方法という点です。
新規就農者向けの資金を探している場合は、別記事の「新規就農者育成総合対策事業」を確認してください。
申請の流れ
計画書・設計書・収支予算書・役員一覧・販売金額を確認できる書類など9種類の書類をそろえ、募集期間内に環境農政局農水産部農業振興課へ提出します。書類の準備には時間がかかるため、募集開始と同時に着手するのが安全です。
よくある質問
就農3年目でも申請できますか?
できません。要件は就農4年以上です。3年目までの方は、市町村やJAが窓口になっている新規就農者向けの支援策を確認してください。
新規アイデア導入事業と施設整備事業を同時に申請できますか?
(神奈川県環境農政局農水産部農業振興課へお問い合わせください)
畜産だけ販売額の上限が3,000万円と高いのはなぜですか?
畜産は施設・飼料などのコストが耕種農業より高く、同じ経営規模でも年間販売額の水準が大きく異なるためです。業種内での経営規模の位置づけは耕種と分けて判定されます。
