新規就農の支援金は、神奈川県に申し込めばもらえるのか。答えは段階で変わります。研修中の就農準備資金は県立のかながわ農業アカデミーが窓口で、就農後の経営開始資金と経営発展支援事業は営農する市町村が窓口です。県のページだけ読んで県に出すと、提出先を間違えます。
お金の大きさは、就農準備資金が年165万円(最長2年)、経営開始資金が年165万円(最長3年)、経営発展支援事業が機械・施設の導入などで最大1,000万円です。どの段階も、就農時に原則50歳未満であることが前提です。
神奈川県新規就農者育成総合対策事業の要点まとめ
正式名:神奈川県新規就農者育成総合対策事業
だれが
- 申請者
- 個人(新規就農者本人。経営発展は法人も)
- 対象業種
- 農業(新規就農者)
- 利用目的
- 就農前の研修、就農直後の経営、機械・施設の導入
- 対象地域
- 神奈川県内
- 従業員数
- 規定なし(個人が申請)
いくら
- 補助上限額
- 最大1,000万円(準備・開始資金は年165万円)
- 補助率
- 通常枠は県3/4以内。別枠は1/2か3/4
いつ・どこへ
- 申請受付
- 公式ページに期限の記載なし(準備資金は例年10月頃)
- 公式サイト
- 神奈川県「新規就農者育成総合対策事業」
自分はどの段階で、対象になる?
3つの資金は別々の制度です。自分がいまどこにいるかで、見るべき窓口が決まります。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどれかに当たると、その資金は対象外です。
- ✕ 認定外の研修先で研修している
- ✕ 就農時に50歳以上(原則)
- ✕ 常勤の雇用契約を結んでいる
- ✕ 過去に準備資金を受けた
- ✕ 開始資金の人は地域計画枠不可
「認定新規就農者」は、市町村から青年等就農計画の認定を受けた人のことです。常勤の雇用契約と過去の受給が対象外になるのは、準備資金です。
世帯所得の条件は、準備資金と開始資金にあります。世帯は本人のほか、同居か生計を一にする別居の配偶者、子、父母です。前年の世帯全体の所得が600万円を超えても、生活費の確保の観点から支援が必要な切実な事情があると認められれば、採択される場合があります。
経営開始資金の対象は、県の案内では「経営開始後5年以内」の認定新規就農者です。交付要件のPDFには、事業実施年度の3年前の年度の4月以降に経営を始めた人、とあります。期間の数え方は、営農先の市町村で確かめてください。
研修機関は、県立かながわ農業アカデミーと、県が認定した先進農家・先進農業法人等です。認定された研修先の一覧は、県の案内ページにPDFで載っています。先進農家で研修する場合は、その経営主が親族(三親等以内)でなく、過去に雇用契約(短期のパート・アルバイトを除く)を結んでいないことが要件です。50歳以上の例外があるかどうかは、公式ページに書かれていません。農業振興課普及グループ(045-210-4446)で確かめてください。
いくらもらえる?
資金ごとに額が違います。
- 就農準備資金:165万円 × 2年 = 330万円(最長の場合)
- 経営開始資金:165万円 × 3年 = 495万円(最長の場合)
- 地域計画早期実現支援枠の修繕・撤去:400万円 × 1/2 = 200万円(国1/3+県1/6)
- 同じ枠の機械・施設の導入:400万円 × 3/4 = 300万円
- 同じ枠で3項目を合わせた場合:補助額の上限900万円
準備資金と開始資金は、月額13.75万円(年165万円)です。夫婦で農業経営を始め、家族経営協定を結ぶなど要件を満たす開始資金は、夫婦合わせて1.5倍になります。上の400万円の例は、補助率からの計算例です。
経営発展支援事業の通常枠は、要綱では補助対象経費の3/4以内を県が支援し、国庫は1/2を超えない範囲です。補助対象事業費の上限は1,000万円で、経営開始資金をもらっている人は500万円です。県の案内ページには「国が県支援分の2倍」と書かれています。夫婦で経営を始める場合の上限の引き上げなど、細かい扱いは市町村で確かめてください。
令和7年度以前に研修や経営を始めた人は、令和7年度以前の分が月12.5万円で計算されます。年に直すと150万円で、165万円より少なくなります。
何に使える?
準備資金と開始資金は、使い道の指定が公式ページに書かれていません。要綱は、生活費の確保を目的にした資金として扱っています。以下は、経営発展支援事業の区分です。
対象にならないもの
- 知事が認める研修機関以外での研修(準備資金)
- 事業費が50万円未満の項目(通常枠)
- 運搬用トラック、パソコン、倉庫、フォークリフトなど汎用性の高いもの(原則)
- 他の国の助成を受ける機械・施設、すでに着工したもの
- 地域計画早期実現支援枠で、経営開始資金をもらっている人の事業
対象になるもの
- 通常枠:機械・施設の取得、改良、リース
- 通常枠:家畜の導入、果樹・茶の新植・改植、農地の造成・改良・復旧
- 地域計画早期実現支援枠:機械・施設の修繕・撤去・移設(事業費25万円以上)
- 同じ枠:法人化や専門家の活用など円滑な経営移譲の費用
- 同じ枠:農業用機械・施設の導入
通常枠は、機械・施設の費用を金融機関から融資で調達することが要件です。地域計画早期実現支援枠も同じです。同じ機械・施設に、修繕等と導入の両方は使えません。
申請の流れ(就農準備資金の場合)
- 交付要件を読む(研修を考えている人→県の案内ページの交付要件PDF。事前に確認)
- 県に問い合わせる(本人→農業振興課普及グループ 045-210-4446)
- 説明会を受ける(交付対象者→研修機関経由で案内。8月頃が目安)
- 研修計画を出す(本人→かながわ農業アカデミー。10月頃が目安)
- 承認の通知を受ける(県→本人。11月末頃が目安)
要綱では、研修計画と交付申請の窓口は、かながわ農業アカデミーの校長です。研修計画には、保証人を1人以上書く欄があります。
経営開始資金と経営発展支援事業は、営農先の市町村に相談するところから始めます。窓口は、地域計画の目標地図を作った市町村が基本です。県の事業を受け付けるのは、サポート体制を整えた市町村です。受付時期は市町村ごとに違うので、公式ページでは分かりません。
必要な書類
準備できた 0 / 11
上の9行までが、研修計画に添える書類です。履歴書、確認書の例、確約書は、様式第1号と同じWordファイルに別添として入っています。農業研修に関する確認書は、先進農家等で研修する人だけが出します。離職票の原本は、提示できる人が付けます。傷害保険は、交付期間が始まるまでに加入すれば足り、その場合は保険の内容が分かるパンフレット等を付けます。最後の2行は、交付を受けたあとに出す報告書で、研修先の種類に応じてどちらか一方を使います。市町村が窓口の資金の書類は、各市町村にお問い合わせください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 研修先が認定外:知事が認める研修機関以外で研修すると、準備資金の対象外です。
- 年齢が合わない:就農時に原則50歳未満が条件です。
- 窓口を間違える:開始資金と発展支援は市町村が交付主体です。県に出しても受け付けられない可能性があります。
- 併給できない枠:地域計画早期実現支援枠と経営開始資金は、どちらの要件も、もう一方の受給者を対象外にしています。
- 就農しない・報告しない:準備資金は、研修終了後1年以内に就農しないと全額返還です。研修の中止や報告の遅れは、交付停止になります。
- 予算を超えた:要件を満たしても、交付見込額が予算を超えると、採択順位で決まります。
よくある質問
3つの資金を同時に申請できますか?
段階が違うので、通常は準備資金、開始資金、発展支援の順に、その時点の状況で申請します。準備資金は、過去に準備型の資金を受けていないことが要件です。開始資金と地域計画早期実現支援枠は、どちらかを受けていると、もう一方の対象外です。通常枠は開始資金の受給者も対象で、上限が500万円になります。組み合わせで迷うときは、農業振興課普及グループ(045-210-4446)か営農予定地の市町村に、申請の前に確かめてください。
51歳で就農すると対象外ですか?
条件は「就農時に原則50歳未満」です。51歳は原則から外れます。例外の有無は公式ページに書かれておらず、断定できません。県の案内には、かながわ農業アカデミー就農企業参入課(046-238-5274)の連絡先もあります。就農の時期を決める前に、年齢の扱いを県か営農予定地の市町村に聞いておくと、後戻りがありません。
経営開始資金の窓口はどこですか?
営農する予定の市町村です。基本は、交付対象者が位置づけられる地域計画の目標地図を作った市町村で、居住する市町村と異なるときは両市町村で調整します。県のページにも、市町村が交付主体なので営農先に問い合わせるよう書かれています。県に提出する書類ではないため、神奈川県庁に送らないでください。受付の時期は市町村ごとに違う可能性があります。
就農準備資金はいつ申請しますか?
県の案内では、目安として説明会が8月頃、研修計画の受付が10月頃、承認の可否の通知が11月末頃です。正確な日程は年によって変わる可能性があります。研修機関を通じて説明会の案内が届きます。研修を考えている人は、申請の前に交付要件を確かめて、県に問い合わせてください。研修先が知事の認める機関かどうかも、先に確認します。
認定されていない農家の下で研修してもよいですか?
その研修は準備資金の対象外です。対象は、かながわ農業アカデミーか、県の認定を受けた先進農家・先進農業法人等での研修に限られます。研修は、おおむね1年かつおおむね年1,200時間以上が要件です。認定研修機関の一覧は、県の案内ページのPDFで見られます。研修先が一覧にない場合は、その農家が認定を希望するかを聞いてみてください。認定の募集は令和8年度分が終わっています。
令和7年度以前に始めた人の金額は?
令和7年度以前に研修や経営を始めた人は、令和7年度以前の期間分が月12.5万円です。令和8年度以降に始めると、月13.75万円(年165万円)になります。年額に直すと12.5万円 × 12か月で150万円です。どちらの金額が自分に当てはまるかは、研修や経営を開始した時期で決まります。迷う場合は、県か市町村に確かめてください。
経営発展支援事業はいくらまで出ますか?
通常枠は、要綱で県が3/4以内を支援し、国庫は1/2を超えない範囲です。補助対象事業費の上限は1,000万円で、経営開始資金をもらっている人は500万円です。地域計画早期実現支援枠は別で、修繕・撤去・移設などは国1/3と県1/6、機械・施設の導入は3/4以内で、補助額の上限は合計900万円です。どの枠を使えるかは、市町村に相談して決めます。
親元就農でも対象になりますか?
県の案内に、親元就農を含む認定新規就農者が対象と書かれている枠があります。通常枠と地域計画早期実現支援枠がそれにあたります。準備資金で研修後に親元就農する予定なら、家族経営協定などで役割を決め、就農後5年以内に経営を継承するか法人の経営者になることを確約します。確約書の様式は、研修計画のファイルに入っています。年齢の条件も、原則50歳未満です。
世帯の所得が600万円を超えると対象外ですか?
準備資金と開始資金は、前年の世帯全体の所得が600万円以下であることが要件です。ただし600万円を超えても、生活費の確保の観点から支援すべき切実な事情があると、知事や交付主体が認めた場合は採択できます。世帯は、本人のほか、同居か生計を一にする別居の配偶者、子、父母です。申請では、所得を示す源泉徴収票や所得証明書などを付けます。判断は個別なので、先に窓口へ相談してください。
経営開始資金の主な要件は何ですか?
交付要件のPDFでは、青年等就農計画の認定を受けていること、農地の権利と主要な農業機械・施設を自分で持つか借りていること、農産物の出荷や経営収支を自分の名義で管理することなどです。地域計画の目標地図に位置づけられるか、農地中間管理機構から農地を借りていることも求められます。前年の世帯所得は600万円以下です。交付期間の中で、農業経営人材育成研修プログラムの中級コースなどを修了する必要もあります。
交付を受けたあとに出す書類はありますか?
あります。就農準備資金では、研修状況報告書を出します。研修先が教育機関か先進農家等かで、様式が違います。提出先はかながわ農業アカデミー就農企業参入課(電話046-238-5274)で、郵送・電子メール・持参のどれでも出せます。令和4年度以降に交付された人と、令和3年度以前の人で、案内のページが分かれています。報告が期限に遅れると、交付停止や返還の原因になります。
研修機関として認定を受けられますか?
先進農家や農業法人は、県に認定を申請できます。令和8年度分の募集は5月15日から6月12日までで、すでに終わっています。認定期間は、認定した年度を含めて3年度で、令和11年3月31日までです。次の募集の時期は公式ページに書かれていません。認定を考えている農家は、農業振興課普及グループ(045-210-4446)に、事前に問い合わせてください。
