居眠り運転は、事故が起きてからでは対策のしようがありません。事前に運転者の疲労の兆候をつかみ、注意喚起することが唯一の予防策です。国土交通省の被害者保護増進等事業費補助金(過労運転防止のための先進的な取り組みに対する支援)は、運転者のリアルタイムの疲労状態を検知するIT機器の導入費を補助する制度です。令和7年度分の受付は終了しています。
対象は運行管理者がIT機器を活用し、運転者の運行状況や疲労状態をリアルタイムで確認・注意喚起する体制を導入する自動車運送事業者でした。補助率は機器取得費用の2分の1、上限80万円(通信機能付一体型を含む場合は120万円)です。
過労運転防止補助金の要点まとめ
正式名:令和7年度被害者保護増進等事業費補助金(自動車運送事業の安全総合対策事業の部:過労運転防止のための先進的な取り組みに対する支援)
だれが
- 申請者
- 事業者(一般貨物・特定貨物自動車運送事業者等)
- 対象業種
- 運輸業(トラック運送事業)
- 利用目的
- 運転者の疲労状態をリアルタイムで検知・注意喚起するIT機器の導入費用の補助
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 規定なし(公式ページに明記なし。中小事業者が中心)
いくら
- 補助上限額
- 80万円(通信機能付一体型を含む場合は120万円)
- 補助率
- 2分の1
いつ・どこへ
- 申請受付
- 終了(2026年1月30日まで)

「通信機能付一体型」だと上限が上がる理由
この補助金には、上限80万円のケースと120万円のケースがあります。差が出るのは、機器が通信機能を持ち、単体で動くのではなく、他の安全システムと連携できるかどうかによります。
通信機能があれば、運行管理者は事務所からリアルタイムで運転者の状態を把握できます。単体型(データを後から取り出して確認するタイプ)に比べて、事故の芽をその場で摘める即応性が高い分、導入コストも上がりやすいため、補助上限が引き上げられていると読み取れます。
| 機器のタイプ | 補助上限額 |
|---|---|
| 単体型 | 80万円 |
| 通信機能付一体型を含む場合 | 120万円 |
「健康起因事故防止」との違い
同じ被害者保護増進等事業費補助金の中に、健康起因事故防止を推進するための取り組みに対する支援(別記事で解説)というメニューもあります。名前が似ていますが、過労運転防止は運転中の疲労の兆候を検知する仕組み、健康起因事故防止は日常の体調管理そのものを支える仕組み、と対象にしている場面が違います。両方を導入する事業者も少なくありません。
今から申請できるか
令和7年度分の受付は2026年1月30日で終了しています。公式に明記されているのはここまでです。 前年度(令和6年度補正予算分)にも同種の枠組みがあり、事業自体は継続していますが、次年度の実施内容は現時点で予告されていません。IT機器の導入を検討している事業者は、国土交通省の自動車総合安全情報ページを定期的に確認しておくことをおすすめします。
よくある質問
今から申請できますか?
できません。令和7年度分は2026年1月30日で受付を終了しています。次年度の実施予定は、国土交通省または執行事務局の公式ページで確認してください。
すでに導入済みのIT機器の費用も遡って補助されますか?
対象外です。多くの国の補助金と同様、交付決定より前に発注・導入した機器は補助対象になりません。次年度の募集を待ってから申し込む必要があります。
単体型と一体型、どちらを選ぶべきですか?
補助上限額だけで見れば一体型のほうが有利ですが、機器の価格や運用体制も含めて判断する必要があります。自社の車両台数・運行管理体制に合わせて、公募要領の要件を確認しながら選ぶことをおすすめします。
