従業員用のトイレやロッカー室の改修費用、スポットクーラーの購入費。こうした「働きやすさ」への投資は補助金の対象になるのか、と疑問に思う事業者は少なくありません。答えはイエスです。葛飾区の「人材確保・人材定着支援事業費助成」がこれを対象にしています。
対象経費の2分の1、上限250万円(一定の認定企業は300万円)が補助されます。ただし対象になるには、いくつかの前提条件をクリアしている必要があります。
人材確保・人材定着支援事業費助成の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 人材確保・人材定着支援事業費助成 |
| 対象業種 | 業種指定なし(区内に事業所を有する中小企業等) |
| 利用目的 | 従業員用施設の新設・改修、暑熱・寒冷対策の備品・消耗品購入費の補助 |
| 対象地域 | 東京都葛飾区(区内に事業所を有すること) |
| 従業員数 | 中小企業基本法第2条の中小企業等(業種ごとに資本金・従業員数の基準があり、どちらか一方を満たせば該当)。常時使用従業員1人以上 |
| 補助上限額 | 250万円(ワーク・ライフ・バランス推進企業認定企業は300万円) |
| 補助率 | 対象経費の2分の1 |
| 申請受付 | 令和8年4月1日〜令和9年2月26日(必着) |
| 公式サイト | 葛飾区「人材確保・人材定着支援事業費助成」 |

対象になる経費:働く環境そのものへの投資
対象経費は3つに分かれます。
- 従業員用施設(トイレ・ロッカー室・休憩スペース等)の新設・改修工事費、設計費
- 暑熱・寒冷対策の備品購入費(スポットクーラー、ストーブなど)
- 暑熱・寒冷対策の消耗品購入費(ファン付き作業服など)
製造ラインの機械や什器ではなく、従業員が働く環境そのものが対象になるのがこの制度の特徴です。求人条件では見えにくい「働きやすさ」の部分に投資できます。
対象になる事業者:申請前にクリアすべき条件が多い
対象になるには、次の条件をすべて満たす必要があります。
- 中小企業基本法第2条に該当する中小企業等(業種別に資本金・従業員数の基準あり)
- 葛飾区内に事業所があること
- 常時使用する従業員が1人以上いること
- 育児・介護休業法に対応した就業規則を労働基準監督署に届け出済み、または令和9年3月までに届け出る予定があること
- 「葛飾区SDGs宣言」を実施していること
- 同一趣旨の他の補助金を受けていないこと
- 税金を滞納していないこと
就業規則の労基署届出と「葛飾区SDGs宣言」は、申請までに済ませておく必要がある前提条件です。工事や設備購入の見積もりを取る前に、この2つが済んでいるかを確認しておくと、申請直前になって慌てずに済みます。
補助上限額が上がる条件:ワーク・ライフ・バランス推進企業認定
補助上限額は原則250万円ですが、葛飾区のワーク・ライフ・バランス推進企業に認定されている企業は300万円まで引き上げられます。認定を取得済み、または取得を検討している事業者は、認定の有無で上限額が50万円変わる点を押さえておいてください。
申請の流れと必要書類
申請受付は令和8年4月1日から令和9年2月26日まで(必着)です。
必要書類は次のとおりです。
- 交付申請書(第1号様式)
- 事業計画書(別紙様式1)
- 企業概要(別紙様式2)
- 従業員名簿(別紙様式3)
- その他関連書類
窓口は産業観光部産業経済課経営支援係(テクノプラザかつしか内、電話03-3838-5556)です。
よくある質問
従業員が1人だけの個人事業主でも対象になりますか?
「常時使用する従業員が1人以上」という要件があるため、雇用している従業員が1人でもいれば対象になり得ます。事業主本人のみの場合は要件を満たさない可能性があります。
エアコンの入れ替えも「暑熱対策」に含まれますか?
公式ページの記載は「スポットクーラー、ストーブなど」が例として挙げられています。
就業規則の届出がまだの場合、申請できませんか?
「令和9年3月までに届出予定」であれば対象になり得ます。届出済みでなくても、期限内に届け出る見込みがあれば申請の検討対象になります。
免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助率・上限額・対象要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず葛飾区の公式ページまたは産業経済課経営支援係で最新の内容をご確認ください。
出典(一次情報)

