工場や事業所を新設すると、固定資産税・都市計画税の負担が一気に増えます。川越市の「企業立地奨励金等交付制度」は、この負担を最大5年間、相当額の1/2まで軽くする制度です。対象は製造業・情報通信業などに絞られています。

対象になる業種と立地の規模要件

対象業種は、製造業、情報通信業、および埼玉県の基本計画に係る分野(ものづくり、食料品製造、物流、DX、環境・エネルギー、観光等)です。小売業・飲食業などの一般的な商業・サービス業は対象に含まれません。

立地の規模要件は次のとおりです。

  • 敷地面積1,000㎡以上
  • 延べ床面積500㎡以上
  • 常時雇用する従業員10人以上

さらに、既築物件の取得・賃借は対象外で、新築建物の賃借に限られる点も重要です。「空いている既存の工場を借りる」形では、この制度の対象になりません。新設または拡張というかたちで、新たに建物を用意する事業者向けの制度だと理解しておく必要があります。

3種類の奨励金と金額のシミュレーション

この制度には、3種類の奨励金があります。

奨励金の種類内容上限額
企業立地奨励金固定資産税・都市計画税相当額の1/2(環境認証取得・SDGs登録・知事承認事業等で+1/10)を5年間交付年1,000万円
雇用促進奨励金市内新規雇用者1人あたり30万円(初年度1回のみ)300万円
従業員転入奨励金転入従業員1人あたり30万円+子ども1人あたり10万円加算(初年度1回のみ)500万円
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3種類を組み合わせた場合の試算です。

  • 製造業(敷地1,500㎡・延床800㎡・新規雇用12名): 固定資産税等相当額500万円×1/2=250万円(初年度)+新規雇用12名×30万円=360万円(上限300万円)。初年度合計550万円
  • 情報通信業(環境認証取得・従業員10名で新設): 固定資産税等相当額300万円×(1/2+1/10)=180万円(初年度)+新規雇用10名×30万円=300万円(上限)。初年度合計480万円
  • 物流施設(市外から転入する従業員5名・子ども3名): 固定資産税等相当額400万円×1/2=200万円(初年度)+転入奨励金(5名×30万円+子3名×10万円=180万円)。初年度合計380万円

雇用促進奨励金・従業員転入奨励金は初年度1回のみの交付です。一方、企業立地奨励金は5年間続くため、長期的に見ると総額の大部分を占める設計になっています。

申請の流れ:着工前の事前協議が実務上のポイント

自治体の企業立地系の奨励金では、契約・着工より前に事前相談・届出を済ませておくのが一般的な原則です。川越市の制度でも、計画段階から窓口へ相談することが実務上重要になります。

一般的な流れは次のとおりです。

  1. 立地計画(敷地・延床面積・雇用計画)を固める
  2. 着工前に、産業振興課等の担当窓口へ事前相談・届出を行う
  3. 工場・事業所の建設・雇用を実施する
  4. 固定資産税等の課税が始まった年度以降、交付申請を行う
  5. 審査を経て、奨励金が交付される

じつは、「新設」と「拡張」のどちらに該当するかは、はっきり白黒つくものばかりではありません。既存の敷地内での増築でも、事業計画上どう位置づけるかで扱いが変わることがあります。この考え方は、GRANTOS公式LINEの登録者限定ページで、他の自治体の立地奨励金の実例とあわせて紹介しています。

企業立地系の奨励金は自治体によって対象業種・規模要件が大きく異なります。あわせてこちらの記事も参考になります。

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よくある質問

小売業や飲食業でも対象になりますか?

対象外です。対象業種は製造業、情報通信業、埼玉県の基本計画に係る分野に限られており、一般的な小売業・飲食業は含まれていません。

既存の工場を借りて事業を始める場合も対象になりますか?

対象外です。既築物件の取得・賃借は対象外で、新築建物の賃借に限られています。

従業員10人未満の中小企業でも対象になりますか?

対象要件には常時雇用する従業員10人以上という条件があります。10人未満の場合は、この制度の対象になりにくいと考えられます。


まずは公式LINEで、新設・拡張の判定の勘所を掴んでおく

企業立地系の奨励金は、「新設か拡張か」「着工前の届出を済ませているか」で対象になるかどうかが変わることが少なくありません。GRANTOS公式LINEでは、こうした判定の考え方を登録者限定ページで紹介しています。着工計画を立てる前に確認しておくと安心です。

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補助金の概要早見表

検索項目内容
制度名川越市企業立地奨励金等交付制度
対象業種製造業・情報通信業・埼玉県基本計画関連分野
利用目的企業立地・設備投資・雇用促進
対象地域埼玉県川越市
従業員数常時雇用従業員10人以上
補助上限額企業立地奨励金:年1,000万円(5年間)/雇用促進奨励金:300万円/従業員転入奨励金:500万円
補助率固定資産税・都市計画税相当額の1/2(環境認証等で+1/10)
申請受付通年(着工前の事前協議が必要・詳細は要確認)
公式サイトhttps://www.city.kawagoe.saitama.jp/jigyoshamuke/sangyojoho/shoreikin.html
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※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。

この制度以外にも自社が対象になる補助金・助成金がないか気になる場合は、3分でできる補助金診断も活用してみてください。

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新設・拡張の判定や事前協議のタイミングに迷う場合は、専門家に相談するのも一つの手です。

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免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助額・補助率・対象要件・申請期間は変更される場合があるため、申請前に必ず川越市の公式ページおよび担当課への確認で最新情報をご確認ください。

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