フロントの人手が足りない。セルフチェックイン機を入れたいけれど、見積を見て手が止まる。そんな宿泊施設に、熊本県は導入費の3/4を上限300万円まで補助しています。
ただし対象は、常時使用する従業員が21人以上の宿泊事業者です。20人以下の小規模事業者は対象外で、小規模事業者向けの「くまもと型応援補助金」を申請した場合も、この補助金には申請できません。
宿泊事業者受入環境整備支援補助金の要点まとめ
正式名:宿泊事業者受入環境整備支援補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 宿泊業(旅館業の許可を持つ事業者)
- 利用目的
- 生産性向上のためのDX化・省力化・インバウンド受入の設備導入
- 対象地域
- 熊本県内
- 従業員数
- 常時使用する従業員が21人以上(20人以下は対象外)
いくら
- 補助上限額
- 300万円(申請は1事業者1回限り)
- 補助率
- 補助対象経費の3/4以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年6月5日〜2026年10月30日(予算上限に達し次第終了)
- 事業の完了
- 交付決定日〜2027年1月29日
うちの宿は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 従業員20人以下の小規模事業者
- ✕ ラブホテルなど風俗営業法の宿泊施設
- ✕ 暴力団・暴力団員などの関係者
従業員数は、交付申請の日の時点で判断されます。数え方で迷いやすいので、例で見ます。
- 正社員15人と、週20時間・週3日勤務のパート10人:数えるのは正社員の15人 → 小規模事業者 → 対象外
- 正社員21人と、パート8人:21人 → 対象
- 代表取締役と正社員18人:代表取締役は数えないので18人 → 対象外
数えない人は、会社役員(従業員を兼ねる使用人兼務役員は数える)、個人事業主本人と同居の親族、育児・介護・傷病などで休業中の人、日々雇う人、2か月以内の期間で雇う人です。通常の従業員より所定労働時間が短いパートも数えません。公募要領では、1日の労働時間と1か月の所定労働日数がどちらも通常の従業員の4分の3以下、または1週間の労働時間と1か月の所定労働日数がどちらも4分の3以下の人がこれに当たります。労働時間だけ短くても、勤務日数が通常の従業員とほぼ同じなら、数える側になる可能性があります。
小規模事業者を除くのは、別の制度との切り分けです。同じ事業者が両方に出すことはできません。20人以下の宿は、小規模事業者向けの「くまもと型応援補助金」を検討します。
いくら戻ってくる?
補助額は、対象経費(消費税を除く)の3/4です。千円未満は切り捨てになります。上限は300万円で、上限に届くのは対象経費が400万円以上のときです。
仮の金額で計算します。
- ビジネスホテルが、セルフチェックイン機とパスポートリーダーを入れて合計200万円:200万円 × 3/4 = 150万円
- 旅館が、客室用タブレットと会計・請求システムを入れて合計400万円:400万円 × 3/4 = 300万円(ちょうど上限)
- 大きなホテルが、ホテルシステムの入れ替えとリモートロックで合計600万円:600万円 × 3/4 = 450万円 → 上限の300万円
3つ目は、上限を超えた150万円分が自己負担です。
支払いは精算払いです。先に事業者が代金を払い、事業が終わって補助金の額が確定してから、請求して受け取ります。県のチラシでは、請求書を出してから1か月程度が目安です。導入費は一度立て替える前提で資金を考えます。
何に使える?
まず対象にならないものです。
- 省エネルギー製品・設備の購入(電球のLED化など)
- 常時雇用する人の人件費、食糧費、旅費
- 各種サービスの月額・年額の利用料、会費
- 土地や建物の取得
- 消費税などの租税公課、収入印紙代、振込手数料
- 交付決定の前に発注・契約したもの
月額や年額の利用料は対象外なので、クラウド型のシステムを入れる場合は、初期費用と利用料の線引きが気になるところです。迷うときは、申請の前に観光創生班へ聞くのが安全です。
次に対象になるものです。公募要領が例に挙げているものを、場面ごとに並べます。
- 受付:ホテルシステム、セルフチェックイン機、客室用スマートタブレット、チェックイン用スマートタブレット
- 厨房:デシャップシステム
- 会計:会計・請求システム、セルフレジ
- そのほかDX化:リモートロック、客室温度管理システム、従業員用のWi-Fi環境整備、人員配置を最適化するリアルタイム可視化システム
- インバウンド:パスポートリーダー、同時通訳機
- 生産性向上の取組み:ホームページの問い合わせフォームの構築など
タブレットやWi-Fi環境整備のように汎用性の高い機器は、導入の目的や使い方しだいで対象にならないことがあります。導入を決める前に観光創生班へ問い合わせます。
例にないものでも、生産性向上に役立つ取組みなら対象になる可能性があります。例にない取組みを考えているときは、申請の前に相談します。
国・県・市町村の別の制度と同じ内容の事業は対象になりません。ただし、この補助金と同じ財源(物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金)で市町村が出す補助金とは、充てる部分が重ならなければ対象になり得ます。
申請の流れ
- 見積書を取り、カタログや仕様書をそろえる(事業者→導入業者。見積の徴取は交付決定前でも可)
- 申請書類を郵送する(事業者→熊本県観光振興課 観光創生班。2026年10月30日までに)
- 交付決定の通知を待つ(県→事業者。決定は申請月の翌月中旬ごろの予定)
- 発注して導入し、支払いまで済ませる(事業者→導入業者。交付決定日から2027年1月29日の間に)
- 実績報告を郵送する(事業者→観光創生班。完了から1か月後か2027年1月29日の早いほうまでに必着)
- 額の確定通知を受け、請求書を出す(県→事業者。確定後に請求する)
交付決定の予定は、申請を受け付けた月ごとに決まっています。10月に受け付けた分は11月中旬ごろです。申請は予算の上限に達し次第終わるので、期限の前に締め切られることもあります。終了は県のホームページで知らされます。
10月30日が消印有効なのか必着なのかは、公募要領に書かれていません。余裕をもって送るか、先に電話で確かめる手があります。
必要な書類
準備できた 0 / 7
そのほか、申請の内容に応じて参考になる資料を求められることがあります。第一次募集のときの書類は一部修正されているため、第二次の書類を使います。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:交付決定を受ける前に発注や契約をしたものは、補助の対象にならません。見積書を取るだけなら問題ありません。
- 従業員が20人以下だった:小規模事業者に当たると対象外です。判断は交付申請の日の時点です。
- くまもと型応援補助金に出している:小規模事業者向けの制度に交付申請をした場合、この補助金には交付申請できません。
- 別の制度と内容が重なった:同じ内容を国・県・市町村の別の補助で出すと、重複で対象外になります。
- 期限までに支払いが終わらない:2027年1月29日までに、購入や実施だけでなく代金の支払いまで終える必要があります。
- 不正があった:交付決定が取り消され、補助金の返還と加算金(年10.95%)が求められます。事業者名が公表されることもあります。
受け取ったあとに守ること
単価が税抜50万円以上の機械、器具などを買うと、決められた期間は処分が制限されます。転用、譲渡、貸付、担保に出す、廃棄するときは、事前に県の承認が要ります。処分の内容によっては、補助金の返還を求められます。
収支の帳簿と証拠書類は、2032年3月31日まで保存します。公募要領にその日付が書かれています。交付要領は、保存期間を財産の処分制限期間と同じとしているので、機器の耐用年数がそれより長いなら、長いほうに合わせて保管します。
交付決定のあとに経費が50%を超えて変わるとき、事業の内容を変えるときは、事前に相談して変更申請を出します。変更のあった日から30日以内が期限です。申請は同じ事業者から1回限りで、代表者が同じ複数の法人で別々に出すこともできません。
よくある質問
従業員が20人ちょうどの旅館は対象ですか?
対象外です。常時使用する従業員が20人以下の事業者は小規模事業者に当たり、この補助金の対象から除かれます。対象になるのは21人以上です。数える人数は、交付申請の日の時点で判断されます。20人以下の宿は、小規模事業者向けの「くまもと型応援補助金」が選択肢になります。
パートやアルバイトも従業員数に入りますか?
通常の従業員と同じ働き方をしている人は入り、短時間で働く人は入りません。1日(または1週間)の労働時間と1か月の勤務日数がどちらも通常の従業員の4分の3以下のパートは数えません。日々雇う人や2か月以内の契約の人、休業中の人も含めません。会社役員も数えず、従業員を兼ねる使用人兼務役員だけが数えます。
くまもと型応援補助金と両方申請できますか?
できません。小規模事業者を対象にした「くまもと型応援補助金」に交付申請をした場合、この補助金には交付申請できないと公募要領に書かれています。この補助金は小規模事業者を除いた宿泊事業者が対象なので、従業員数で、どちらを使えるかが分かれます。従業員数が境目に近い宿は、申請の前に人数を数え直します。
第一次募集で申請しました。第二次にも出せますか?
公募要領は、同一の事業者からの申請を1回限りとし、代表者が同じ複数の法人でも別々に出せないとしています。第一次で申請した事業者が第二次に出せるかどうかは、書かれていません。観光創生班(096-333-2332)に、申請の前に確認します。申請の準備に入る前に電話しておくと、書類づくりの無駄を避けられます。
エアコンの入れ替えは対象になりますか?
省エネルギー製品・設備の購入は対象外です。エアコンなどの省エネ設備を入れ替える費用は、この補助金では対象になりません。対象の例に挙がっているのは、セルフチェックイン機、ホテルシステム、セルフレジ、パスポートリーダーといったDX化や省力化の設備です。
クラウド型のシステムを入れるときの月額料金は出ますか?
各種サービスの月額・年額の利用料は対象外です。クラウド型のシステムは、導入時の費用と毎月の利用料が分かれていることがあり、利用料の部分は補助されない可能性があります。見積書の内訳をつくる段階で、どこまでが対象か観光創生班に相談すると安心です。
客室の改装や建物の工事は対象ですか?
土地や建物などの取得にかかる費用は対象外です。改装工事が対象になるかどうかは、公募要領に書かれていません。対象の考え方は「生産性向上に役立つ、IT化・機械化・省力化の取組み」です。改装を含めて考えるときは、事業計画書を書く前に観光創生班へ聞きます。
発注はいつから始めてよいですか?
交付決定の通知を受けたあとです。決定の前に発注や契約をしたものは、補助の対象になりません。見積書を取ることは構いません。導入業者には、決定が出るまで契約を待ってもらう必要があります。納期が長い機器は、見積の段階で納期を確かめておくと、期限に間に合わない事態を避けられます。
補助金はいつ受け取れますか?
事業が終わってから受け取る精算払いです。導入と支払いを済ませて実績報告を出し、県の審査で適正と確認されると、額の確定通知が届きます。その後に請求書を出し、受け取りまでは1か月程度が目安です。実績報告は、完了から1か月後か2027年1月29日の早いほうまでに出します。いずれの段階でも、領収書や振込の記録を手元に残します。
予算がなくなったらどうなりますか?
受付が終わります。公募要領には、申請期間の中でも予算の上限に達し次第、受付を終了すると書かれています。終了は県のホームページで知らされます。10月30日より前に締め切られることもあるので、使う予定があるなら早めに申請します。迷うときは先に電話で確認します。
交付決定はいつごろ出ますか?
申請を受け付けた月ごとに、予定が決まっています。6月分は7月中旬ごろ、7月分は8月中旬ごろ、8月分は9月中旬ごろ、9月分は10月中旬ごろ、10月分は11月中旬ごろです。いずれも予定です。予算の上限に達した場合は、受付自体が終わります。決定の通知は郵送で届きます。
帳簿はいつまで保存しますか?
補助事業の帳簿と証拠書類は、2032年3月31日まで保存します。県から内容の確認を求められたときは、いつでも応じられるようにしておきます。導入した機器の領収書、振込の記録、契約書などをまとめて保管しておくと、実績報告のときにも使えます。公募要領には日付で、交付要領には処分制限期間と同じと書かれているため、迷うときは観光創生班に確認します。
問い合わせ先はどこですか?
熊本県観光文化部観光振興課 観光創生班です。電話は096-333-2332、受付時間は平日8時30分から17時15分です。メールはkankoshinko@pref.kumamoto.lg.jpで受け付けています。申請書類の送り先は、熊本市中央区水前寺6丁目18-1の観光創生班です。
