中小企業省力化投資補助金(一般型)は全国共通の制度です。ただし第7回だけは、熊本県の被災事業者の受付が2週間ほど長くなりました。2026年7月31日に中小企業庁が発表した措置です。
延長の対象は、令和8年熊本地震の被害を受けた熊本県内の事業者に限られます。第7回の受付は終わっています。次に狙えるのは第9回で、事務局の予定では11月上旬に公募が始まり、12月下旬に締め切られます。
中小企業省力化投資補助金(一般型)の要点まとめ
正式名:中小企業省力化投資補助事業(一般型)第7回公募
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし(中小企業者・小規模事業者など)
- 利用目的
- IoT・ロボット等による人手不足解消の設備導入
- 対象地域
- 全国(第7回の延長は熊本県内の被災事業者)
- 従業員数
- 5人以下から101人以上まで5区分で上限額が変わる
いくら
- 補助上限額
- 最大1億円(101人以上・特例)。通常は750万円〜8,000万円
- 補助率
- 中小企業1/2(特例で2/3)、小規模事業者2/3
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年8月14日頃まで(全国の締切は7月31日)
- 事業の完了
- 交付決定から18か月以内(採択発表日から20か月後まで)
うちの会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
基本要件には、労働生産性を年平均4.0%以上伸ばす計画も入ります。従業員が0名の事業者は応募できません。
中小企業者とは、業種ごとに資本金と常勤従業員数の上限が決まった会社や個人のことです。どちらか一方が上限以下なら当たります。たとえば卸売業は資本金1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下です。
従業員が21人以上なら、次世代育成支援対策推進法にもとづく行動計画の公表も要ります。国の「両立支援のひろば」への掲載に2週間ほどかかります。早めに動いてください。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 応募中・交付申請中で支払い未了
- ✕ 被災していない県内事業者(延長)
- ✕ 汎用設備を単体で入れるだけの計画
熊本の第7回延長は、誰が使えたのか
中小企業庁の発表は、被害を受けた熊本県内の事業者の受付を「8月14日頃まで延長」するというものです。通常の締切は7月31日17時でした。
公式に明記があるのはここまでです。被害の程度の線引きや、被災を示す書類は、公表された資料に書かれていませんでした。迷う場合は中小企業省力化投資補助事業コールセンター(0570-099-660)で確かめてください。平日9時30分から17時30分に受け付けています。
被害から立て直す費用が目的なら、別の制度もあります。小規模事業者持続化補助金の「災害支援枠(令和8年熊本地震)」は、2次の受付が11月2日に始まります。商工会議所地区の事務局の案内では、締切は12月15日17時です。省力化投資は人手不足を設備で解消する制度で、持続化補助金は被害からの事業再建を支える制度です。目的が違うので、自社の計画に合う方を選びます。
いくらもらえる?
上限額は従業員数で決まります。大幅な賃上げを約束すると、カッコ内の額まで上がります。
| 従業員数 | 通常の上限 | 大幅賃上げ特例の上限 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 750万円 | 1,000万円 |
| 6〜20人 | 1,500万円 | 2,000万円 |
| 21〜50人 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| 51〜100人 | 5,000万円 | 6,500万円 |
| 101人以上 | 8,000万円 | 1億円 |
補助率は中小企業が1/2、小規模企業者・小規模事業者が2/3です。最低賃金に近い従業員が多い中小企業は、特例で2/3になります。この特例は、上限額を引き上げる大幅賃上げ特例とは併用できません。
- 従業員10人の会社が設備とシステムに2,000万円使う:2,000万円 × 1/2 = 1,000万円
- 同じ会社が4,000万円使う:4,000万円 × 1/2 = 2,000万円 → 通常の上限1,500万円(賃上げ特例なら2,000万円)
- 従業員5人の小規模事業者(製造業)が1,200万円使う:1,200万円 × 2/3 = 800万円 → 上限750万円
大幅賃上げ特例の上限は、賃上げの約束を守れないと差額を返すことになります。上限の引き上げ分は、後から返還を求められる可能性がある前提で考えてください。
何に使える?
経費の線引きは、第7回公募要領(2026年6月)によります。第7回の要領は事務局サイトの「過去公募回の資料」にあります。
対象にならないもの
- 交付決定の前に発注・契約した経費
- 建物・土地・簡易建物(ビニールハウス、コンテナなど)
- 車両・船舶・航空機(機械及び装置に当たるものは除く)
- 事務用パソコン・タブレットなどの汎用品、中古品
- 自社の人件費・旅費
- 太陽光パネルなど再生エネルギーの発電設備
対象になるもの
- 機械装置・システム構築費(必須。単価50万円以上の設備が1つ以上)
- 運搬費、クラウドサービス利用費
- 外注費、専門家経費(上限は対象経費総額の1/2)
- 技術導入費、知的財産権等関連経費(上限は対象経費総額の1/3)
機械装置・システム構築費以外の経費は、合計で500万円(税抜き)までです。
申請の流れ
- GビズIDプライムアカウントを取る(事業者→GビズID。発行に一定の期間がかかります)
- 事業計画書を作り、設備を選ぶ(事業者。計画は申請者自身で作ります)
- 電子申請で応募する(事業者→事務局。公募回ごとの締切は17時)
- 採択を待つ(事務局→事業者。採択まで3か月程度かかります)
- 見積書を取って交付申請する(事業者→事務局。採択発表日から2か月後が原則の期限です)
- 交付決定のあとに発注し、支払いを終える(事業者。実績報告を出すと補助額が確定します)
必要な書類
応募時の主な書類です。第7回公募要領によります。
準備できた 0 / 9
履歴事項全部証明書は発行から3か月以内のもので、納税証明書は直近3期分です。個人事業主は、確定申告書の控えと納税証明書(直近1年分)を出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:いかなる理由でも、事前に着手した経費は認められません。
- 賃上げの目標に届かなかった:給与支給総額の年平均成長率3.5%に届かないと、達成率に応じて補助金を返します。赤字など事業者の責任でない理由があれば免除されます。
- 最低賃金の水準を守れなかった:事業場内最低賃金が地域の最賃プラス30円に届かない年があると、補助金額を計画年数で割った額を返します。
- 応募中・支払い未了のまま重ねて申請した:応募中、交付申請中、補助金の支払い前の事業者は申請できません。
- 他社と酷似した計画を出した:1回目は次回の公募に申請できなくなります。
- 支援者の名前を書かなかった:事業計画づくりを手伝った人と報酬の記載は必須です。書かないと虚偽として不採択や返還になります。
次の公募に備える
第8回は2026年10月16日17時に締め切られました。第9回は事務局の予定で、11月上旬に公募開始、12月上旬に受付開始、12月下旬に締切です。詳細は後日の案内になります。
事業の実施期間は公募回で変わります。第7回の要領は交付決定から18か月以内(採択発表日から20か月後まで)、第8回は17か月以内(19か月後まで)です。申請する回の公募要領で確かめてください。
国の他の補助金と同じ経費は重複して受け取れません。過去に受けた補助金も、応募のときに入力が必要です。
よくある質問
熊本県の事業者は全員、第7回の期限が延びたのですか?
全員ではありません。中小企業庁の発表は、令和8年熊本地震の被害を受けた熊本県内の事業者を対象に、8月14日頃まで延長するというものです。被害を受けていない県内事業者の締切は、全国と同じ7月31日17時でした。公式に書かれているのはここまでで、被害の程度の線引きは公表資料にありませんでした。迷う場合はコールセンターに確認してください。
被災したことは、どう示せばよいですか?
公表されている発表文と公式サイトには、被災を示す書類の指定がありませんでした。中小企業庁の発表には、期限までの申請が難しいなどの相談があれば、個別にコールセンターへ相談するよう書かれています。ナビダイヤルは0570-099-660で、平日の9時30分から17時30分に受け付けています。自己判断で書類を揃える前に、まず問い合わせるのが確実です。
延長後の締切日は、いつですか?
中小企業庁の発表は「8月14日頃まで」としており、日付と時刻を厳密には示していません。そのため第7回の受付は、この頃までで終わっています。次に申請できる公募は、事務局の予定で第9回です。11月上旬に公募が始まり、12月上旬に受付が始まり、12月下旬に締め切られます。詳しい日付は、公式サイトの案内で確かめてください。
第7回に間に合わなかった場合は、どうなりますか?
第7回は終わっていて、続く第8回も2026年10月16日17時に締め切られました。次は第9回で、事務局の予定は12月上旬に受付開始、12月下旬に締切です。公募回は年3〜4回の予定とされています。熊本地震の被害を受けた事業者で、期限に間に合うか不安な場合は、個別にコールセンターへ相談するよう公式サイトが案内しています。
中小企業者に当たるかは、どう調べますか?
業種ごとに、資本金と常勤従業員数の上限が決まっています。どちらか一方が上限以下なら当たります。第7回の公募要領では、製造業・建設業・運輸業が3億円または300人、卸売業が1億円または100人、サービス業が5,000万円または100人、小売業が5,000万円または50人です。常勤従業員には、日々雇い入れる人や試用期間中の人は含みません。
補助率の1/2と2/3は、何で分かれますか?
中小企業は1/2、小規模企業者・小規模事業者と再生事業者は2/3です。小規模事業者は、製造業その他で常勤20人以下、商業・サービス業で5人以下が目安です。採択のあとに人数が増えて定義から外れると、補助率は1/2に変わります。中小企業でも、最低賃金に近い従業員が多いなどの要件を満たせば、特例で2/3になります。
賃上げの約束を守れなかったら、どうなりますか?
1人あたり給与支給総額の年平均成長率が3.5%に届かないと、達成率に応じて補助金を返します。大幅賃上げ特例を使った場合は、さらに年平均2.5%の上乗せ分も守る必要があります。守れないと、上限の引き上げ分が返還の対象です。付加価値額が増えず、事業計画期間の過半数が営業利益の赤字になるなど、事業者の責任でない理由があれば免除されます。
車やパソコンの購入費も、対象になりますか?
どちらも対象外です。第7回の公募要領は、自動車などの車両・船舶・航空機の購入費と、事務用パソコン・タブレット・スマートフォンのような汎用品を対象外としています。中古品も対象になりません。対象の中心は、現場に合わせて設計された機械装置やシステムです。単価50万円以上の設備を1つ以上入れることが、必須の条件になっています。
熊本地震の被災者向けに、ほかの補助金はありますか?
小規模事業者持続化補助金の「災害支援枠(令和8年熊本地震)」があります。令和8年熊本地震で被害を受けた小規模事業者などの事業再建を支える制度です。2次の受付は11月2日に始まると、中小企業庁が発表しています。商工会議所地区の事務局の案内では、締切は12月15日17時です。商工会の地区と商工会議所の地区で、申請先の事務局が分かれます。管轄が分からないときは、03-6634-9307に電話して案内を受けます。
申請を業者に任せてもよいですか?
事業計画は申請者自身で作る決まりです。応募の電子申請は、申請者自身が行います。交付申請に限り、代理申請の仕組みがあります。支援を受けた場合は、支援者の名称、報酬、契約期間を申請画面に必ず記載します。記載しないと、虚偽として不採択や採択の取消、補助金の返還になります。成功報酬が実際の作業費用から大きくかけ離れた業者には、公募要領が注意を呼びかけています。
採択されたら、すぐ全額もらえますか?
もらえません。採択は交付額を確定するものではなく、採択後の交付申請で、中小機構が内容を精査して額を決めます。対象外の経費が含まれていると、減額や全額対象外になることがあります。補助金が払われるのは、事業を終えて実績報告を出し、補助額が確定したあとです。それまでの費用は、いったん自社で立て替えます。
