「金融機関連携型」という名前から、融資を受けないと使えない補助金だと思われがちです。融資は要りません。手引きに「金融機関による融資は補助金交付の要件ではありません」と書かれています。
要るのは融資ではなく、金融機関の伴走支援です。事業計画書に金融機関の支援表明書を付け、補助事業の着手前・実施中・完了後に金融機関と面談します。市への事前相談を受けていない事業計画書は、受け付けてもらえません。令和8年度は一次募集(4月1日〜6月1日)も二次募集(7月17日〜9月14日)も終わっていて、次の公募は公式ページに載っていません。
倉敷市 金融機関連携型中小企業支援事業費補助金の要点まとめ
正式名:倉敷市金融機関連携型中小企業支援事業費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- AI・ロボット導入、海外販路開拓、事業承継、BCP設備
- 対象地域
- 岡山県倉敷市(市内に住所か主たる事業所)
- 従業員数
- 規定なし(中小企業基本法の中小企業者)
いくら
- 補助上限額
- 100万円
- 補助率
- 2/3
いつ・どこへ
- 申請受付
- 一次2026年4月1日〜6月1日、二次7月17日〜9月14日(終了)
- 事業の完了
- 実績報告は完了から30日以内か2027年3月23日の早い方まで
うちは対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
中小企業者の資本金・従業員数の基準は業種ごとに異なります(詳しくは倉敷市の公式ページでご確認ください)。主たる事業所とは、本社機能がある事業所か、登記上の本店所在地で事業実態がある事業所のことです。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 令和6・7年度に交付を受けた
- ✕ 同じ事業で他の補助金を受ける
- ✕ 風俗営業などを行っている
補助を受けられるのは3年度に1回だけで、応募は1事業者1回です。要綱には、交付決定を受けた日の属する年度の終了後2年間は対象にならないとあります。令和8年度に交付決定を受けた事業者は、令和9・10年度が対象外で、応募できるのは令和11年度からです。ただし、そのころ制度が続いているかは、公式ページに書かれていません。
融資は要らない。では金融機関と何をするのか
線が引かれているのは「融資を受けるか」ではなく「金融機関の支援を受けるか」です。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 要るもの | 取引金融機関への事前相談、市への事前相談、金融機関支援表明書、着手前・実施中・完了後の3回の面談、支援実施報告書 |
| 要らないもの | 金融機関からの融資 |
支援してくれる金融機関は、倉敷市の制度融資を扱う13機関です。中国銀行、広島銀行、百十四銀行、トマト銀行、山陰合同銀行、もみじ銀行、香川銀行、伊予銀行、水島信用金庫、玉島信用金庫、吉備信用金庫、おかやま信用金庫、笠岡信用組合が並びます。対応してもらえる場合は、市外の支店による支援も可能です。
事業計画書は、金融機関の助言を受けつつ申請者自身が主体的に作ります。金融機関に丸ごと任せる仕組みではありません。審査の観点にも「主体性が感じられるか」が入っています。
何に使える? 4つの事業と対象外の経費
対象にならないものを先に挙げます。
- 支援を受ける金融機関への支払い
- 自社が経営する法人・グループ会社、3親等以内の親族などへの支払い
- 中古品の購入(デジタル化推進・BCP推進)
- パソコン、事務用プリンタ、複合機、タブレット、WEBカメラ、一般事務用ソフト(デジタル化推進)
- 飲料水、食料、簡易トイレ、毛布などの消耗品(BCP推進)
- 設備のリース・レンタル(BCP推進)
- 消費税・地方消費税
対象になる事業は次の4つです。1事業者が応募できるのは1回です。
| 事業 | 対象になる取組 | 上限額 |
|---|---|---|
| デジタル化推進 | 生産性を上げるAI・IoT・ロボット(RPA含む)の機械装置やソフトの購入・借用 | 100万円 |
| 海外販路開拓 | 外国での市場調査、外国向けECサイト、外国の展示会出展、外国での企画展のうち2つ以上 | 100万円 |
| 事業承継 | 自社の価値算定や、売却の仲介の委託 | 50万円 |
| BCP推進 | 自家発電装置、無停電電源装置、蓄電池、止水板、排水ポンプなどの購入 | 50万円 |
デジタル化推進は、専ら補助事業のために使うものに限ります。借用にはリース・レンタルのほかクラウドサービスの利用も入り、サブスクリプションを含むクラウド利用料は最長1年間の経費が対象です。
BCP推進のBCPは、岡山県のBCP認定を受けた事業継続計画か、国の認定を受けた事業継続力強化計画のことを指します。計画書の提出時に、その認定書の写しが要ります。
海外販路開拓は、2つ以上の取組を組み合わせなければ対象になりません。企画展とは、自社が主催し、卸・小売事業者向けに商品の宣伝や展示販売、商談をするプロモーションのことです。
いくら戻ってくる?
補助率は2/3で、千円未満は切り捨てです。上限は事業ごとに決まっています。上限に届く費用は、100万円の事業で150万円以上、50万円の事業で75万円以上です。
- 製造業がRPAソフトを導入する:90万円 × 2/3 = 60万円
- 卸売業が外国の展示会に出て市場調査もする:120万円 × 2/3 = 80万円
- 事業承継で売却仲介を委託する:60万円 × 2/3 = 40万円
- 小売店がBCPのため蓄電池を買う:90万円 × 2/3 = 60万円 → 上限の50万円
上の費用は計算のために置いた仮の金額で、税抜きの額として計算しています。実際の額は見積書で確かめてください。
申請の流れ
令和8年度の二次募集の日程で書きます。一次募集は、受付期間が4月1日〜6月1日で、事前相談の期限が5月25日でした。
- 取引金融機関に相談する(事業者→金融機関。実施したい事業への支援が受けられるかを確かめる)
- 市に事前相談する(事業者→倉敷市商工課。電話予約のうえ来庁。二次は9月7日が期限。金融機関の同席も可)
- 事業計画書を出す(事業者→商工課。郵送か持参。二次は9月14日必着。金融機関支援表明書を付ける)
- 採択と交付決定を受ける(市→事業者。二次の手引きでは、採択の通知が10月上旬、交付決定が10月中旬の予定。採択者だけが交付申請に進む)
- 事業を始めて、金融機関と3回面談する(事業者。着手は交付決定の日以後。着手前・実施中・完了後)
- 実績報告を出す(事業者→商工課。事業の完了から30日以内か2027年3月23日の早い方まで。金融機関の支援実施報告書を付ける)
- 確定通知のあと、請求する(事業者→市。市は確定した額を請求により支払う)
必要な書類
準備できた 0 / 9
履歴事項全部証明書は法人だけ、住民票は個人事業主だけです。どちらも3か月以内に取った原本を出します。市税完納証明書は、個人事業主は個人分と事業主分の両方が要ります。
決算書類はデジタル化推進と海外販路開拓のときに要ります。事業承継とBCP推進では不要で、提出は各1部です。BCP推進では認定を受けた計画と認定証の写しも出します。提出部数は原本1部と写し5部が基本なので、案内ページの手引きで確かめてください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 事前相談を受けなかった:市への事前相談がない事業計画書は、受け付けてもらえません。
- 交付決定の前に発注・契約した:着手とは、発注・契約・購入のことです。交付決定の日より前に着手すると対象になりません。市長がやむを得ないと認めた場合の例外には、事前着手理由書が要ります。
- 支払い方法が認められなかった:ポイント、小切手、手形、ほかの取引との相殺による支払いは、経費の支払いとして認められません。原則は銀行振込です。
- 補助金の財産を勝手に処分した:完了した年度の終了後5年を過ぎる前に処分するときは、承認が要ります。取得価格が50万円未満のものは例外です。
- 不正があった:偽りその他不正な手段で交付を受けると、交付決定が取り消され、補助金の返還を求められることがあります。
よく誤解されるポイント
金融機関が事業計画書を作ってくれるわけではありません。助言を受けるのは金融機関ですが、書くのは申請者です。
一次募集で出せなかった場合も、令和8年度には二次募集がありました。公式ページによると、一次で予算の上限に達しなかったため二次を行ったそうです。ただし、一次で不採択になった事業者が二次で出せるかは、公式ページに書かれていませんでした。商工課に確かめてください。
「毎年もらえる」とも考えないでください。令和6・7年度に交付を受けた事業者は、令和8年度に応募できませんでした。3年度に1回の仕組みなので、受けた年度は次の応募計画に響きます。
同じ倉敷市の経営革新支援事業費補助金などとは、別の制度です。この補助金は金融機関の伴走支援が前提で、事前相談も必須です。
よくある質問
融資を受けないと申請できませんか?
できます。手引きには「金融機関による融資は補助金交付の要件ではありません」とあります。必要なのは、取引のある金融機関への事前相談と、事業計画書に添える金融機関支援表明書です。補助事業の着手前、実施中、完了後には金融機関との面談が3回要ります。実績報告では、金融機関の支援実施報告書も出します。
事前相談はいつまでにすればいいですか?
事業計画書の受付期限より前に、市の商工課へ電話で予約して来庁します。令和8年度の一次募集は5月25日、二次募集は9月7日が期限でした。事前相談を受けていない事業計画書は受け付けてもらえません。金融機関の担当者も同席できます。相談では、企業概要、経営課題、申請事業の内容を中心に聞かれます。
個人事業主でも申請できますか?
できます。市内に住所と事業所がある個人事業主は対象です。会社の場合は、市内に主たる事業所があることが条件です。個人事業主は、申請書類に住民票、市税完納証明書(個人分と事業主分)、直近2年分の青色申告決算書か収支内訳書などを付けます。事業ごとの追加書類は、手引きで確かめてください。
4つの事業を同時に申請できますか?
募集の案内には「応募は1事業者1回」と書かれています。事業計画書の様式は事業ごとに分かれているので、4つの事業から1つを選んで出す形と読めます。複数の事業を組み合わせて出せるかは、公式ページに書かれていませんでした。海外販路開拓だけは、2つ以上の取組を組み合わせる決まりです。迷う場合は商工課へ確認してください。
上限額はいくらですか?
デジタル化推進事業と海外販路開拓事業が100万円、事業承継事業とBCP推進事業が50万円です。補助率はどれも2/3で、千円未満は切り捨てになります。たとえばデジタル化推進で費用が150万円以上かかると、上限の100万円に届きます。事業承継とBCPは75万円以上で上限の50万円です。
中古品やリースの設備は対象になりますか?
事業によって違います。デジタル化推進とBCP推進では、中古品の購入は対象外です。BCP推進では、リース・レンタルによる導入も対象外です。デジタル化推進は、リース・レンタルとクラウドサービスの利用も借用として対象になりますが、補助事業の期間中に要する経費だけです。海外販路開拓と事業承継の中古品の扱いは、手引きに書かれていません。
パソコンやタブレットは補助されますか?
デジタル化推進では対象外です。パソコン、事務用プリンタ、複合機、タブレット端末、WEBカメラ、一般事務用ソフトのように、目的外にも使える汎用品は入りません。対象になるのは、専ら補助事業のために使う機械装置やソフトです。AI・IoT・ロボット(RPA含む)の導入が目的であることを、事業計画書で示す必要があります。
令和6・7年度に交付を受けた場合はどうなりますか?
令和8年度は応募できませんでした。補助金の交付を受けられるのは3年度に1回で、令和6年度か令和7年度に交付を受けた事業者は、令和8年度の応募が不可と手引きにあります。要綱では、交付決定を受けた日の属する年度の終了後2年間は対象外とされています。令和8年度に交付決定を受けた事業者なら、応募できるのは令和11年度からです。受け取った年度を控えておき、公募が出たら商工課に確かめてください。
交付決定の前に発注してもいいですか?
避けてください。補助事業の着手は、交付決定のあった日以後でなければなりません。着手とは、発注、契約、購入などを指します。例外は、市長がやむを得ない理由があると認めた場合で、事前着手理由書を交付申請書に添えます。契約書への署名は交付決定のあとにしてください。
補助金はいつ払われますか?
事業が終わり、実績報告を出して市が内容を確かめ、補助金の額が確定したあとです。要綱では、確定後に補助事業者が請求すると支払われます。費用はまず自社で払うので、資金繰りの用意が要ります。支払いは原則として銀行振込にします。請求の期限など、確定通知のあとの手順は、通知書に沿って進めてください。
次の公募はありますか?
令和8年度は一次募集と二次募集が終わっています。次の公募は、公式ページに載っていません。公式ページには令和3年度から令和8年度(一次募集分)までの採択事業の一覧があり、この制度が複数の年度で行われてきたことは分かります。ただし、今後も続くかどうかは書かれていません。商工課(電話 086-426-3405)で確かめてください。
次の公募に向けて、今のうちに何をしておけばいいですか?
取引金融機関に、やりたい事業を相談しておきます。4つの事業のどれに当たるかを絞り、見積書とカタログの準備を始めてください。事業計画書は申請者が主体的に書くものなので、経営課題と取組の理由を自社の言葉でまとめておくと進めやすくなります。BCP推進なら、岡山県のBCP認定か事業継続力強化計画の認定が先に要ります。
