京都市と京都高度技術研究所(ASTEM)が令和8年度に始めた、海外展開の最初の一歩を支える補助事業です。受付は2026年5月20日に終わっています。
採択の予定は10件程度でした。次回の募集予定は、確認した公式ページに載っていません。応募する側にとって大事なのは、何が対象で、どこで差がつくのかです。この記事は、その二点を公募要領とQ&Aから整理します。
京都市KYOTO海外展開チャレンジ支援事業の要点まとめ
正式名:京都市KYOTO海外展開チャレンジ支援事業
だれが
- 申請者
- 事業者(京都市内に事業拠点を持つ中小企業等)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 海外市場調査・海外展示会出展・海外向けPR・規格対応の製品開発
- 対象地域
- 京都府京都市
- 従業員数
- 業種ごとの上限あり(製造業などは300人以下)
いくら
- 補助上限額
- 最大160万円(区分ごとに上限80万円)
- 補助率
- 対象経費の1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月15日〜2026年5月20日(受付終了)
- 事業の完了
- 2027年2月26日まで(交付決定日から)
うちの会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みでした。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 一般社団法人・社会福祉法人
- ✕ みなし大企業に当たる
- ✕ 必要な許認可を取っていない
- ✕ 国内の展示会に出る
中小企業者とは、中小企業等経営強化法の定義に合う会社です。資本金か従業員数のどちらか一方が基準以内なら該当します。製造業・建設業・運輸業などは資本金3億円以下または300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下です。
みなし大企業とは、形は中小企業でも大企業の傘下にある会社です。たとえば同じ大企業が発行済株式の2分の1以上を持っていると、対象から外れます。
個人事業主は申請できます。決算書の代わりに、直近3期分の確定申告書を出します。海外取引の実績がある会社も対象でした。ただし審査では、過去3年にJETROや中小機構のハンズオン支援(伴走型の支援)を受けていない会社、海外拠点を持たない(または設置から5年未満の)会社、京都市の認定企業などに加点があります。
いくら補助される?
補助率は対象経費の2分の1以内で、上限は区分ごとに決まっていました。
| 区分 | 対象の取組 | 上限額 |
|---|---|---|
| 区分1 | 海外市場の調査・海外展示会出展・海外向けプロモーション | 80万円 |
| 区分2 | 海外規格等に対応する製品開発 | 80万円 |
区分1と区分2は同時に申請でき、合わせて最大160万円です。区分1の中で複数の取組を組み合わせても、上限は合計80万円です。計算例を見ます。
- 市場調査を調査会社に委託する:60万円 × 1/2 = 30万円
- 展示会の出展費・通訳・渡航費をまとめる:120万円 × 1/2 = 60万円
- 展示会と広告を組み合わせる:200万円 × 1/2 = 100万円 → 区分1の上限80万円
3つ目は、上限に届く例です。補助額は消費税を除いた経費にかけ、千円未満は切り捨てます。区分1で80万円を受け取れるのは、対象経費が160万円以上のときです。
補助額は申請額の満額が出るとは限りません。予算の範囲で減額して採択する場合があるためです。事業が終わったあとの確定額も、交付決定額より減ることがあります。増えることはありません。
何に使える?
先に、対象にならないものを挙げます。
- 機械装置・備品(展示会の装飾備品を除く)
- 耐用年数1年以上、または10万円以上の消耗品
- 家賃・光熱水費・通信費
- 国内の旅費、現地の交通費、ビジネスクラスの差額
- 飲食・接待費
- ウェブサイトの運営・維持費、越境ECの出店料・出品料
- 消費税・振込手数料
- 3親等以内の親族や、社内の役員・従業員への発注
国内の展示会と、自社で独自に開く展示会も対象外です。海外見本市への単なる参加も対象になりません。市場調査のために参加する場合も、参加費は出ません。
対象になるのは、取組ごとに次の経費です。
- 市場調査:委託費、コンサルタント費、通訳・翻訳費、渡航・宿泊費、信用調査費
- 展示会出展:出展費、輸送費、通訳・翻訳費、渡航・宿泊費、広報媒体の制作費、広告宣伝費
- プロモーション:委託費、広告宣伝費、デザイン費、海外向けウェブサイトや越境ECサイトの制作費
- 製品開発:委託費、コンサルタント費、試作の原材料・消耗品費、機器のレンタル料、初回の審査・登録費
渡航・宿泊費は、1回につき2名分までです。航空券はエコノミークラスに限り、宿泊費には国・地域ごとの上限があります。
申請から入金までの流れ
令和8年度の流れです。次回があれば、日程は変わります。
- 募集要領と様式を入手する(事業者→ASTEMの公式ページ。2026年4月15日から)
- 書類をそろえる(事業者。納税証明書は発行後3か月以内のもの)
- ウェブで申請する(事業者→事務局。5月20日17時必着。郵送や持参は不可)
- 書面審査を受ける(審査会→事業者。結果は6月下旬の予定)
- 交付決定のあとで事業を始める(事業者。決定後は事務局のコーディネータとの面談と、JETROか中小機構との面談が必須)
- 実績報告を出す(事業者→事務局。事業の完了から20日以内か、2027年2月26日のどちらか早い日まで)
- 補助金を受け取る(事務局→事業者。金額の確定後に請求書を出す精算払い。3月下旬の予定)
交付決定とは、採択とは別に出る通知です。交付決定より前に発注・契約した経費は、対象外になります。例外は事前着手届で、申請と同時に出し、認められた場合だけです。
必要な書類
準備できた 0 / 8
事前着手届は、交付決定前に着手する場合だけ出します。創業後3期に満たなければ、決算書は期数分で足ります。決算書も納税証明書も出せない理由があれば、不要になる場合があります。企業理念や経営方針の資料は、ある場合だけ出します。
原則として、事務局から不備の連絡はありません。ASTEMが出しているチェックシートで、提出前に漏れを確かめてください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:事前着手届を出して認められた場合を除き、その経費は補助の対象外です。
- 対象外の経費が混ざった:見積書、契約書、納品書、請求書、振込の記録のどれかが欠けると、その経費は外れます。
- 期限までに払いと報告が終わらない:2027年2月26日までに支払いを終え、実績報告を出します。27日以降の日付の領収書は対象外です。
- 計画を無断で変えた:渡航先の変更や、経費を3分の1以上減らす変更は、事前に承認が要ります。実績報告のあとの変更は、一切認められません。
交付決定を取り消され、すでに受け取った補助金を返すことになる場合もあります。書類に虚偽の記載があった場合などです。
他の補助金との併用
国や京都府の補助金は、相手先に併給制限がなければ申請できます。ただし、同じ経費を二重に補助してもらうことはできません。
よくある質問
受付はもう終わっていますか?次回はありますか?
2026年5月20日17時で、令和8年度の受付は終わっています。ASTEMのページにも「受付終了」と書かれています。次回の募集について、確認できた公式ページに記載はありません。この事業は令和8年度から新しく始まったため、翌年度の扱いは公式の発表を待つ必要があります。募集が出たときに動けるよう、公式ページを定期的に見ておくと安心です。
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。個人事業主も、交付要綱でいう中小企業等に当たるためです。決算書の代わりに、直近3期分の確定申告書を添付します。創業間もなくて3期分に満たない場合は、期数分で足ります。一方で、一般社団法人、一般財団法人、社会福祉法人は、中小企業基本法上の中小企業者に当たらないため申請できません。
すでに海外に取引先がある会社は対象外ですか?
対象外ではありません。Q&Aに「既に海外展開の実績がある中小企業も対象となる」と書かれています。既存の商品を新しく海外へ出す場合や、拠点のある地域で新商品のために市場調査をする場合も、対象です。ただし審査では、海外拠点を持たない会社(設置から5年未満も含む)や、過去3年に国の伴走支援を受けていない会社に加点がありました。
京都市外の会社は申請できますか?
京都市内に主たる事務所、営業所、事業所、研究所などがあれば申請できます。本店や支店を市内に登記し、実態として事業をしていることが条件です。市外の本社だけで市内に拠点がない場合は、対象になりません。納税証明書は、京都市のものだけ出します。市外にも事業所がある会社でも、市外の証明書は不要です。
国内の展示会や、海外見本市の見学は対象ですか?
どちらも対象外です。対象になるのは、海外で開かれる展示会への出展です。国内の展示会、自社で独自に開く展示会、販売だけを目的とした展示会は外れます。見本市に出展せず参加するだけの場合も、補助の対象になりません。ただし市場調査の一環として参加し、調査報告書を出すなら、調査の経費として認められる場合があります。参加費は出ません。
前年度に申し込んだ海外展示会も対象になりますか?
対象になります。令和7年度に出展を申し込み、令和8年度に開かれる展示会が該当します。申請と同時に事前着手届を出し、着手日を2026年4月1日として、申込日や出展の理由を書きます。ただし、交付決定日までに出展も支払いもすべて終わっている事業は、対象外です。届を出しても、採択が約束されるわけではありません。
機械や設備の購入費は出ますか?
出ません。機械装置や備品は対象外で、製品開発に使えるのは試作の材料費や消耗品などに限られます。消耗品も、耐用年数1年未満か、取得価格10万円未満のものだけです。機械が必要な場合は、レンタルの費用を借料・損料として計上します。海外に倉庫を置くなど、資産が残る支出も対象になりません。
国内の商社を通して輸出する場合も使えますか?
使える場合があります。申請する会社自身が、具体的な海外展開の計画を作ることが前提です。その計画の中で、販路の一つとして商社を活用するなら、申請できるとQ&Aに書かれています。自社商品でなく仕入れて売る商品でも、市内の中小企業の新たな海外展開と認められれば対象になります。事業計画書に詳しく書く必要があります。
補助金はいつ受け取れますか?
補助金は、事業が終わって経費を払い終えたあとに入ります。事前にもらうことはできません。実績報告を出し、事務局が内容を確かめて金額を確定してから、支払われます。令和8年度は3月下旬が予定でした。支払先は、日本国内の金融機関にある、補助事業者名義の口座だけです。立て替える資金を用意してから、計画を立てる必要があります。
審査は先着順ですか?どこを見られますか?
先着順ではありません。受付が終わったあと、京都市、ASTEM、JETRO京都、中小機構近畿本部、京都市産業技術研究所、専門家1名の6者が書面で審査しました。見られるのは、実施体制と財務、計画の具体性と実現性、自社の課題の把握、技術やビジネスモデルの将来性、支援の有効性です。審査の経過について問い合わせても、答えてもらえません。
1社で複数の申請を出せますか?
出せません。1社につき1申請のみです。ただし1つの申請の中に、区分1の取組と区分2の取組を両方入れることはできます。区分1の中で、市場調査だけ、展示会出展とプロモーションだけ、というように組み合わせも自由です。採択後に、申請した区分の実施内容そのものを変えると、採択が取り消されます。
問い合わせ先はどこですか?
申請の窓口は、公益財団法人京都高度技術研究所(ASTEM)の企業成長支援部で、電話は075-315-6619です。受付は平日の9時から17時です。制度を所管する京都市の窓口は、産業観光局地域企業振興室(代表075-222-3329)です。申請書の書き方に迷う場合、個別の申請書の事前確認は受け付けておらず、質問への回答のみです。
