京都市に初めて拠点を構えるとき、いちばん重い出費は家賃です。オフィスを借りるにしても、工場を新設するにしても、契約からしばらくは売上が追いつかず、賃料の負担だけが先に立ちます。
京都市の「市内初進出支援制度」は、市外の企業が京都市内に初めて拠点を置くときの賃料と雇用を支援する制度です。オフィス等を新設する場合と、本社・工場等を新設する場合の2つの経費区分があり、賃料は最大2年分の1/2、雇用は市内居住の常時雇用者・役員数に応じて最大2年分が補助されます。上限を合算すると最大7,000万円です。
この記事は「市内初進出支援制度」の内容です。 京都市には他に「本社・工場等新増設等支援制度」(市内の企業が本社・工場等を新増設する場合)、「お試し立地支援制度」(進出を検討する段階でシェアオフィスを試す場合)もあります。すでに京都市内に拠点がある会社は、本社・工場等新増設等支援制度の記事をご覧ください。
市内初進出支援制度の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人) |
| 制度名 | 京都市企業立地促進制度補助金(市内初進出支援制度) |
| 対象業種 | 指定なし(市外から京都市内に初めて進出する企業) |
| 利用目的 | オフィス・本社・工場等の新設に伴う賃料・雇用の支援 |
| 対象地域 | 京都府京都市 |
| 従業員数 | 公式ページに記載なし(企業誘致推進室へお問い合わせください) |
| 補助上限額 | 最大7,000万円(賃料補助2,000万円+雇用補助5,000万円の合算上限) |
| 補助率 | 賃料は1/2×最大2年分、雇用は常時雇用者・役員数に応じた定額×最大2年分 |
| 申請受付 | 通年受付。営業開始または工事着手の30日前までに申請 |
| 公式サイト | 京都市「市内初進出支援制度」 |

自分の会社は対象になる?
対象になるのは、市外から京都市内に初めて拠点を置く企業です。具体的には、すでに京都市外にオフィス等を持っていて、かつ過去2年間は京都市内に事業所を持っていなかった企業が該当します。京都市内で創業する個人や、すでに市内に拠点がある企業の増設は、この制度の対象ではありません。
- 対象になる例: 大阪に本社があるIT企業が、京都市内に初めて開発拠点を構える
- 対象になる例: 海外企業が日本国内の拠点として京都市内にオフィスを構える
- 対象にならない例: すでに京都市内に営業所がある企業が、2拠点目を市内に増やす
いくら戻る?経費区分ごとの上限
補助は「オフィス等」と「本社・工場等新設」の2区分に分かれ、それぞれ賃料と雇用の2種類の補助があります。
| 区分 | 経費 | 補助内容 | 上限額 |
|---|---|---|---|
| オフィス等 | 賃料 | 賃料×1/2×最大2年分 | 年1,000万円(2年で最大2,000万円) |
| オフィス等 | 雇用 | 市内居住の常時雇用者・役員×年10万円×最大2年分 | 年2,500万円(2年で最大5,000万円) |
| 本社・工場等新設 | 賃料 | 賃料×1/2×最大2年分 | 上記オフィス等と同水準 |
| 本社・工場等新設 | 雇用 | 市内居住の常時雇用者・役員×年20万円×最大2年分 | 上記オフィス等と同水準 |
賃料の補助と雇用の補助は併用でき、上限を合わせると最大7,000万円(2,000万円+5,000万円)に達します。上限額まで受け取るには、賃料・雇用者数のどちらもかなりの規模が必要という点は押さえておいてください。数名規模のオフィス進出であれば、実際に戻ってくる額は上限よりずっと小さくなります。
動くタイミングがいちばん重要
この制度で見落としやすいのが申請期限です。営業を開始する30日前、または工事に着手する30日前までに申請する必要があります。オフィスを借りる契約や工事の発注を先に済ませてしまうと、申請の前提が崩れて対象外になる可能性があります。
拠点探しの段階で「京都市に進出するかもしれない」と思ったら、契約前に一度、京都市の窓口に相談しておくというのが安全な進め方です。
申請の流れ
- 京都市外にオフィス等があり、過去2年間京都市内に事業所がないことを確認する
- オフィス等の物件、または本社・工場等の建設予定地を決める
- 契約・着工の30日以上前に、京都市産業観光局 企業誘致推進室へ相談・申請する
- 交付決定後に契約・着工し、賃料や雇用の実績を報告する
よくある質問
Q. 京都市内で新しく創業する場合も対象になりますか?
いいえ。この制度は市外に既存の拠点がある企業が京都市に初めて進出する場合が対象です。京都市内での新規創業そのものを支援する制度ではありません。
Q. 賃料補助と雇用補助はどちらか一方しか選べませんか?
いいえ、併用できます。両方を合算すると上限は最大7,000万円になります。ただし、実際に受け取れる額は賃料や雇用者数の実績に応じて決まるため、上限額はあくまで理論上の最大値です。
Q. オフィスの契約後に申請しても間に合いますか?
原則として認められません。営業開始または工事着手の30日前までに申請する必要があるため、契約前の早い段階で京都市の窓口に相談することをおすすめします。
