融資を受けたら、その金利の一部を国が肩代わりしてくれる——そんな制度が本当にあるのか。結論から言うと、あります。 ただし誰でも使えるわけではなく、事業の"入り口"が自治体の認定計画に乗っているかどうかで、使えるかどうかが分かれます。
内閣府地方創生推進事務局が実施する「地方創生に資する利子補給金」は、指定された金融機関から融資を受ける事業者に対し、その利子の一部を国が補給する制度です。直接お金がもらえる補助金ではなく、あくまで「借りたお金の金利負担を軽くする」仕組みである点が、他の補助金と大きく違います。
地方創生利子補給制度の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(民間投資企業。自治体の認定計画に基づく事業を実施する法人) |
| 制度名 | 地方創生に資する利子補給金(地域再生支援利子補給金/総合特区利子補給金/国家戦略特区利子補給金) |
| 対象業種 | 指定なし(産業・観光施設、農林水産関連、地域交流拠点等、地域再生・特区計画に位置づけられた事業) |
| 利用目的 | 地域再生計画・総合特区計画・国家戦略特区計画に基づく事業の初期投資(設備投資等)に係る融資の利子負担軽減 |
| 対象地域 | 全国(地域再生計画・総合特区・国家戦略特区の認定を受けた区域) |
| 従業員数 | 規定なし |
| 補助上限額 | 利子補給率は最大0.7%以内・補給期間は最大5年間(融資額の上限は同一事業・同一年度で原則20億円) |
| 補助率 | 定率(利子補給率0.7%以内) |
| 申請受付 | 令和8年度は4月6〜15日/7月6〜15日/10月1〜13日/12月1〜10日の年4回(指定金融機関経由で応募) |
| 公式サイト | 内閣府地方創生推進事務局「地方創生に資する利子補給金」 |

そもそも誰が使える制度なのか
対象になるのは、地域再生法に基づく「地域再生計画」、または「総合特区」「国家戦略特区」の認定を受けた区域で、その計画に位置づけられた事業を実施する民間投資企業です。事業単体で応募できるわけではなく、まず自治体側が国の認定を受けた計画を持っていることが前提になります。
つまり、事業者からすると次の2段階を踏むことになります。
- 自社の投資計画が、所在する自治体の地域再生計画・総合特区計画・国家戦略特区計画のいずれかに位置づけられているか確認する
- 位置づけられていれば、融資を受ける金融機関(内閣府から指定を受けた金融機関)を通じて応募する
自治体の担当課(地方創生・企画政策系の部署が多い)に確認するのが最短ルートです。
対象になる事業・ならない事業
- 対象になる:地域再生計画などに位置づけられた、産業・観光施設の整備、農林水産関連施設、地域交流拠点づくりなど、地域に付加価値のある事業創出につながる初期投資
- 対象にならない:計画に位置づけられていない単なる設備更新、事業着手後(応募前)に契約・発注してしまった投資(応募事業の事前着手は原則認められません)
この線引きは、制度が「地域再生に資するかどうか」を自治体の計画認定というかたちであらかじめ審査させる設計になっているためです。計画にないものは、あとから追加してもらう調整が必要になります。
補給される金利と期間
利子補給率は最大0.7%以内・最長5年間です。実際の補給額は、指定金融機関からの融資条件(金額・期間・金利)や、予算の範囲内での調整によって変わります。同一事業・同一年度の利子補給対象融資額は原則20億円が上限です。
なお、すでにこの制度を活用した実績がある事業者は、2回目以降の利子補給対象融資額が減額されることがあります。初めて使う事業者を優先する運用になっているためです。
よくある誤解
「利子補給」という名前から、銀行の窓口に直接申し込める制度だと誤解されがちですが、そうではありません。応募は指定金融機関から内閣府地方創生推進事務局へ、確認申請書等の書類を提出するかたちで行います。事業者自身がまず行うのは、自治体の計画への位置づけ確認と、指定金融機関への相談です。
また、令和8年度は4月・7月・10月・12月の年4回、10日前後の短い募集期間しかありません。事前相談は募集期間によらず随時可能とされているため、募集月を待たずに早めに自治体・金融機関へ相談しておくことが実務上のポイントです。
よくある質問
個人事業主でも利用できますか?
制度上「民間投資企業」が対象とされており、地域再生計画等に位置づけられた事業を実施する法人が主な想定です。個人事業主が対象になるかは事業の性質によるため、自治体の担当課または内閣府地方創生推進事務局(03-5510-2473)にご確認ください。
融資を受けてから申請してもよいですか?
原則として事業の事前着手は認められません。融資の実行前に、指定金融機関を通じた応募と交付決定に相当する手続きを済ませる必要があります。
自分の自治体が対象区域かわかりません
地域再生計画・総合特区・国家戦略特区のいずれかの認定を受けているかは、自治体の地方創生・企画政策担当課で確認できます。内閣府のページにも認定区域の一覧が掲載されています。
