電動の運搬車や草刈機、高所作業機を入れるとき、標準的な農機との価格差の2/3が補助されます。交付額に上限はありません。補助の対象は、協会に登録された機種だけです。
環境省の令和8年度事業で、窓口は公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会(JATAFF)です。公募は2026年11月30日までですが、申請状況によっては前倒しで終わります。
農業機械の電動化促進事業の要点まとめ
正式名:農業機械の電動化促進事業
だれが
- 申請者
- 民間企業、農業者、農業者の団体、地方公共団体など
- 対象業種
- 指定なし(電動農機を導入して使う農業者・団体など)
- 利用目的
- 登録された電動農機の導入
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 上限の定めなし(基準額は価格差の2/3)
- 補助率
- 電動農機と標準農機の価格差の2/3
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月7日〜2026年11月30日(前倒し終了あり)
- 事業の完了
- 原則2027年2月末までに納品、3月9日以前に支払い
うちの農業経営は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
申請できるのは、農業者(個人を含む)、農業者の団体、民間企業、地方公共団体などです。国の他の補助金は、その機械について受けていないことが条件です。交付決定は、協会が補助を認める通知です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 中古の農業機械である
- ✕ 展示用や試乗用の機械である
- ✕ 登録されていない機種である
- ✕ 交付決定の前に契約や発注をした
- ✕ 支払いが手形である
交付決定の前にかかった経費は、補助の対象になりません。農業者の団体は、代表者と規約が決まっていることが条件です。農機の販売店による代行申請もできます。
申請書の実施計画書には、どの地域で、どんな作業に使うかを書きます。今後の脱炭素化の計画として、電動農機の特性を生かせる使い方も盛り込む決まりです。申請者が農機を売る事業者の場合は、引き渡しの前後1年以内に同種の農機を販売していないことも条件に入っています。
いくら戻ってくる?
基準額は、電動農機の販売価格と標準農機の販売価格の差額の2/3です。電動農機の側には、稼働に必須のオプションを含めます。1件あたりの交付額に、上限は定められていません。
補助額は1,000円未満を切り捨てます。次の金額は計算の仕組みを見るための仮の数字で、実際の機種の価格ではありません。
- 差額90万円(電動230万円、標準140万円):90万円 × 2/3 = 60万円
- 差額100万円:100万円 × 2/3 = 66万6,666円 → 切り捨てて66万6,000円
- 電動の本体200万円に必須オプション30万円を足した場合:230万円と標準140万円の差額を使う
補助されるのは価格差の部分だけです。標準農機と同じ値段の機械なら、補助額は出ません。機種ごとの補助額は、購入を検討している人に限り、事務局が個別に教えるとされています。
何に使える?
対象にならないもの
- 中古の農業機械
- 展示用・試乗用の機械
- 登録されていない機種
- 手形で払う購入
対象になるもの
- 電動農機の本体
- 稼働に必須のオプション
- 電動農機に充電する装置(製造会社が認めたもの)
標準価格には、登録事業者が示した「標準仕様に必須のオプション」が入ります。補助対象にするには、このオプションも一緒に買う必要があります。
ロボット農機は、決めた範囲を自動で走る機能の分が補助対象の経費から除かれます(交付規程の別表第1)。登録一覧にも、自動走行に関わる測位機能(EPOSやRTK)を除いて補助額を計算する機種がいくつかあります。
登録されている機種
2026年9月18日改訂の一覧では、番号が82番まで並んでいます。種類は次の9つです。
- 運搬車
- 乗用型草刈機
- リモコン草刈機
- ロボット草刈機・芝刈機
- 水田除草機
- 管理作業車
- 高所作業機
- 管理機
- 肥料散布機
一覧は追加されることがあります。2026年10月時点で、機械メーカー側の今年度の登録は終わっており、以降の申請分は来年度の登録になります。
申請の流れ
- GビズIDプライムを用意する(申請者→デジタル庁。国の電子申請に共通のID。書類で申請すると審査に最大1か月かかるため先に動く)
- 販売店から見積書をもらう(申請者→販売店。支払い条件と納期の入ったもの)
- Jグランツで交付申請する(申請者または販売店→協会。11月30日まで。メールや郵送は不可)
- 交付決定を待つ(協会→申請者。運営委員会の審査のあと通知が届く。申請から決定までの標準は30日)
- 購入契約をして、納品と支払いを済ませる(申請者→販売店。原則2027年2月末までに納品、3月9日以前に支払い)
- 完了実績報告書を出す(申請者→協会。完了から30日後か、3月10日のいずれか早い日まで)
- 確定通知を受けて、精算払請求書を出す(協会→申請者。その後、指定口座に振り込み)
GビズIDプライムは、国の電子申請に共通で使うIDです。申請できるのは、プライムか、プライムから許可を受けたメンバーのアカウントだけです。審査を行わずに作れる「エントリー」では申請できません。
プライムの審査期間は、GビズID公式サイトのお知らせ(2026年7月9日)によると、書類申請で最大1か月です。マイナンバーカードなどを使うオンライン申請は速やかに行われるとされています。どちらの方法が使えるかは事業の区分で変わるので、公式サイトで確かめてください。
必要な書類
準備できた 0 / 10
様式はJATAFFの募集案内ページにあり、CO2削減効果は計算ファイルDで算出します。見積書には支払い条件と納期を入れ、本体以外を含む場合は本体価額の明細書も出します。
経理状況説明書は直近2決算期の貸借対照表・損益計算書で、設立から1年未満なら事業計画と収支予算です。定款または登記事項証明書は発行から3か月以内のもので、個人は確定申告書・納税証明書などを出します。
下取りの機械を代金の一部に充てるときは、その額(消費税抜き)が分かる書類も要ります。暴力団排除の誓約は、交付申請書を出した時点で同意したものとされます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約した:協会の交付決定の前にかかった経費は、補助の対象外です。契約・発注は交付決定日以降にします。
- 手形や割賦で払った:手形払いは対象外です。割賦販売も原則は対象外で、ファイナンス会社の機能だけを使う契約は、証明書類をつければ対象になります。
- 虚偽の記載をした:不採択、交付決定の解除、補助金の返還になることがあります。交付決定を取り消されて返還を命じられると、受領日から返還日までの日数に応じて、年10.95%の加算金もかかることがあります。
- 協会に無断で処分した:法定耐用年数の間は、目的に反した使用、譲渡、貸付、担保にすることに協会の承認が要ります。
- 効果が出ていないと判断された:事業完了後でも、補助事業の効果が出ていないと判断されれば、返還を求められることがあります。
他の補助金との併用
同じ機械について、国の他の補助金を受けていないことが条件です。国の他の補助事業に申請している、または申請する予定なら、実施計画書にその事業名と補助対象を必ず書きます。補助対象の経費は、他の国の補助金と重ならないようにします。
採択のされ方と、完了後の義務
基本は、基準を満たした申請者への先着順です。ただし地域や機械の種類に偏りが出ないよう、決定を留保することもあります。
完了後にも義務があります。電動農機を導入した月から2027年3月31日までと、2027年度から2029年度までの3年間は、CO2削減の実績を毎年報告します。報告は翌年度の4月30日までです。購入した機械には、補助事業で買った旨のステッカーを型式名の隣に貼ります。1台50万円以上の機械は、取得財産等管理台帳をつけて、完了実績報告書と一緒に出します。
取得した機械の温室効果ガスの削減分を、処分制限の期間が終わるまでカーボン・クレジットとして登録することはできません。補助事業で相当の収益が出ると認められる場合は、翌年度以降に補助金の一部または全部を納めるよう求められることがあります。
よくある質問
個人農家でも申請できますか?
できます。申請できる人には、農業者が入っています。個人で農業をしている人も対象です。ほかに、民間企業、独立行政法人、一般社団・財団法人、農業者の団体、地方公共団体も申請できます。農業者の団体は、代表者と規約が決まっていることが条件です。販売店が代行して申請することもできます。最終的な内容は、申請者本人が確かめてください。
補助額はいくらですか?
電動農機と標準農機の価格差の2/3が基準額です。電動農機の価格には、稼働に必須のオプションを含めます。1件あたりの交付額に上限はなく、算出した額の1,000円未満は切り捨てます。たとえば差額が90万円なら60万円です。機種ごとの補助額は、購入を検討している人に限り、事務局にメールで問い合わせると教えてもらえます。
上限がないなら、高い機械ほど有利ですか?
そうとは限りません。補助されるのは、標準農機との価格差の2/3だけです。機械の本体が高くても、標準機との差額が小さければ補助額も小さくなります。逆に標準機との差が大きい機種は、補助額が大きくなります。まず登録済みの一覧で、検討中の機種が対象かを確かめ、事務局に補助額を聞くのが確実です。
どの機械でも対象になりますか?
なりません。協会に登録された電動農機だけが対象です。2026年9月18日改訂の一覧は、運搬車、乗用型草刈機、リモコン草刈機、ロボット草刈機・芝刈機、水田除草機、管理作業車、高所作業機、管理機、肥料散布機の9種類で、番号は82番までです。検討中の機種が載っているかを、購入の前に必ず確認してください。
検討している機種が一覧に載っていないときは?
その機種は補助の対象外です。公式ページには、今年度の登録は終了し、以降の申請分は来年度の登録になると書かれています。載っていない機種を使うなら、補助なしで買うか、一覧にある代わりの機種を探すことになります。メーカーや販売店に、来年度の登録を予定しているかを聞くのも手です。一覧は追加されることがあるので、時期をおいて見直してください。
中古の電動農機でも対象になりますか?
なりません。申請要件に、中古の農業機械でないことが入っています。展示用や試乗用など、販売活動のために使う機械も対象外です。補助の対象は、交付決定のあとに購入契約をする未使用の電動農機です。中古の購入を考えている場合は、補助金がない前提で資金を考えてください。
交付決定の前に契約してしまったらどうなりますか?
補助の対象外になります。協会の交付決定の前にかかった経費は、交付規程に定める場合を除いて補助されません。契約や発注は、交付決定日以降にします。導入を急ぎたくても、通知が届く前に契約書へ署名しないでください。納期が間に合うかは、見積もりの時点で販売店に確かめておきます。
見積もりを取るだけなら、交付決定の前でも大丈夫ですか?
見積書は申請に必要な書類なので、申請の前に取ります。支払い条件と納期が書かれたものを用意します。問題になるのは契約と発注で、これは交付決定の日以降です。見積もりを依頼する段階でどこまでが許されるかは、公募要領に細かい線引きがありません。迷うときは、事務局にメールで確かめてください。
支払い方法に決まりはありますか?
あります。手形で払う購入は、補助の対象外です。割賦販売の契約も原則は対象外ですが、ファイナンス会社の機能だけを使う販売契約なら、そのことを示す書類をつけて対象にできます。支払いは、原則2027年3月9日以前に済ませます。契約の前に、販売店と支払い条件を確かめてください。
販売店に申請を代行してもらえますか?
できます。農機の販売店などが代行して申請することが、公募要領で認められています。申請はJグランツから行います。使うのはGビズIDのプライムか、プライムから許可を受けたメンバーのアカウントです。審査を行わずに作れるエントリーでは申請できません。IDを持っていない場合は、書類申請だと審査に最大1か月かかるので、早めに手続きを始めてください。
申請はいつまでで、早く終わることはありますか?
公募期間は2026年7月7日から11月30日までです。ただし、申請状況によって前倒しで終了する可能性があります。審査は基本的に先着順で、機械の種類や地域に偏りが出ないよう、決定を留保することもあります。納品は原則2027年2月末まで、支払いは3月9日以前なので、納期の長い機種は早めに申請してください。
問い合わせは電話でできますか?
できません。問い合わせはメールが基本で、Jグランツにログインしてのメールでの対応とされています。事務局のアドレスは dendo-nouki@jataff.or.jp です。公式ページには、電話の応対が難しくなっているため、メールのみ受け付けると書かれています。購入を検討している機種の補助額も、メールで聞きます。
完了後にしなければならないことはありますか?
あります。完了実績報告書を出し、確定通知のあとに精算払請求書を出します。そのあとも、2026年度に導入した月から2027年3月31日までと、2027年度から2029年度までの3年間、CO2削減の実績を毎年報告します。購入した機械にステッカーを貼り、帳簿や証拠書類を5年間保存します。現地調査に協力する義務もあります。
他の補助金と併用できますか?
同じ機械については、国の他の補助金を受けていないことが条件です。国の他の補助事業に申請している、または申請する予定があるなら、実施計画書に事業名と補助対象を書きます。国以外の補助金との併用は、公募要領に書かれていませんでした。自治体の補助金などを考えているなら、どちらの窓口にも事前に確認してください。
