産油国・産ガス国の人材を日本で育成する。現地の石油精製設備に日本の環境対応技術を導入する。そうした「産業協力」の実績づくりに、事業費の一部が国から出る仕組みがあります。
「産油国石油精製技術等対策事業費補助金」は、資源エネルギー庁が実施する国の補助金で、正式には「石油天然ガス権益・安定供給の確保に向けた資源国との関係強化支援事業のうち産油・産ガス国産業協力等事業に係るもの」といいます。事務局(野村総合研究所)の案内によれば、対象は「①産業人材育成事業を行う者や将来の当該産油・産ガス国の中核を担う国際的な人材の育成を図る事業を行う者、②我が国が有する環境対応技術の産油・産ガス国への導入」などに取り組む事業者です。目的は「我が国と産油・産ガス国との関係強化を図り、もって我が国の石油及び可燃性天然ガスの安定供給に資する」こととされています。令和7年度事業の五次公募が、9月25日正午締切で実施中です。この公募は令和8年度事業の三次公募と同時に告知されており、応募期間・様式は共通です。
産油国石油精製技術等対策事業費補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・コンソーシアムも可) |
| 制度名 | 産油国石油精製技術等対策事業費補助金(令和7年度五次公募) |
| 対象業種 | 業種指定なし(産油国・産ガス国向けの産業協力事業を実施する事業者) |
| 利用目的 | 海外展開、人材育成、研究開発・実証事業、イベント・事業運営支援 |
| 対象地域 | 全国(事業実施地は産油国・産ガス国) |
| 従業員数 | 規定なし(大企業・中堅企業・中小企業者・小規模企業者いずれも対象) |
| 補助上限額 | 予算の範囲内(令和7年度予算額は約3.4億円)。個別案件の上限は審査による |
| 補助率 | 経費区分により定額、2/3、または1/2(交付要綱・別表) |
| 申請受付 | 令和8年9月1日(火)〜9月25日(金)正午必着 |
| 公式サイト | https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDeNwMAL |
自分が対象かどうかを確かめる
この補助金がカバーする対象事業は幅広く、次のいずれかに当てはまれば検討の余地があります。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
対象事業の幅が広いぶん、「産油国・産ガス国との関係強化に資するか」が審査の軸になります。国内向けの事業や、資源国と無関係な人材育成は対象外です。
いくらもらえるか
補助上限額は公募要領上、個別に明記されておらず、予算の範囲内での採択という設計です。令和7年度の予算規模は約3.4億円で、資源国脱炭素化・エネルギー転換技術等支援事業費補助金(同時期公募・予算約12億円)より小さい枠です。
交付要綱(経済産業大臣制定)の別表によると、補助率は経費区分ごとに「定額」「2/3」「1/2」のいずれかと定められています。対象経費の区分は人件費・事業費・委託費/外注費の3つで、どの区分がどの補助率に該当するかは公募要領(様式・積算基礎資料)で確認する必要があります。
対象経費は人件費・事業費・委託費・外注費の3区分。たとえば、産油国の技術者向け研修プログラム(渡航費・講師謝金・教材作成費などの事業費で1,500万円)を計画する場合、対象経費のうち補助率に応じた金額が交付されます。予算総額が資源国脱炭素化事業より小さいため、採択の枠も相対的に限られる点は意識しておく必要があります。
対象になる経費・ならない経費
- 人件費(事業担当者の労務費)
- 事業費(現地セミナー・研修・展示会・共同研究にかかる直接経費)
- 委託費・外注費(現地機関・調査会社等への委託費用)
対象外になりやすいのは、事業の趣旨と直接結びつかない一般管理費、および産油国・産ガス国以外を対象にした活動費です。交付決定前に契約・支払いを済ませた費用も対象外になります。
申請の流れと期限
- 公募要領・交付要綱(産業協力等事業分)・積算基礎資料を確認する
- GビズIDプライムアカウントを取得する(未取得なら2〜3週間見込む)
- Jグランツで電子申請(〜令和8年9月25日正午必着)
- 実施団体(野村総合研究所)による審査、交付決定
- 事業実施後、実績報告を提出
締切時刻は正午です。17時締切の制度と混同しやすいので、提出予定日はできれば前日までに動くと安全です。
落ちる・返還になる要因
- 交付決定前の契約・発注・渡航手配:見積の取得までは問題ありませんが、契約や支払いを交付決定前に済ませると、その部分は補助対象外になります
- 事業内容が「産業協力」の枠から外れる:単なる自社製品の海外販路開拓(マーケティング目的が中心)は、この補助金の対象事業(人材育成・技術導入・共同研究など)とは性質が異なるため注意が必要です
- 実績報告の不備・遅延:事業完了後の報告が遅れると、交付決定の取り消し・返還の対象になり得ます
- 予算の消化状況による按分:予算約3.4億円という規模のため、申請が集中すると採択のハードルが上がります
よくある質問
令和7年度と令和8年度、どちらの回に応募すればよいですか?
応募期間は令和8年9月1日〜9月25日正午で共通です。令和7年度分(五次公募)と令和8年度分(三次公募)は同じ公募として運用されており、審査を経てどちらの予算年度から交付されるかが決まります。申請者が年度を選ぶものではありません。
資源国脱炭素化・エネルギー転換技術等支援事業費補助金との違いは何ですか?
対象とする事業内容が異なります。産油国石油精製技術等対策事業費補助金は人材育成・技術導入・共同研究といった「産業協力」が中心、資源国脱炭素化・エネルギー転換技術等支援事業費補助金は水素・アンモニア・CCS/CCUSなど「脱炭素技術」が中心です。両方に該当する事業計画がある場合は、事業の主目的に応じてどちらか一方(または両方)に申請することになります。
コンソーシアムでの申請は可能ですか?
可能です。日本法人単独のほか、現地法人との共同申請(コンソーシアム形式)も想定されています。代表申請者は日本国内に拠点を持つ事業者である必要があります。
対象経費に渡航費・宿泊費は含まれますか?
事業費の区分に含まれる可能性がありますが、具体的な費目の可否は公募要領の別紙・積算基礎資料で確認する必要があります。
採択結果はいつ、どこで公表されますか?
公表時期は公募要領・実施団体からの案内で確認する必要があります。過去の公募では、締切から1〜2か月程度で採択結果が公表される例が見られます。
