令和8年度は、一次公募も二次公募も、採択された事業がありませんでした。協会の結果ページに、理由は書かれていません。
この事業は、環境省の補助金で、建物の窓や壁と一体になった太陽光発電を導入する法人や団体を支えます。窓一体型は補助率3/5で上限5,000万円、壁等一体型は1/2で上限3,000万円です。両方を1事業で入れると、最大8,000万円になります。
二次公募から、IP通信機器はJC-STAR★1以上のラベル取得品でなければ使えなくなりました。一次公募の計画をそのまま使うと、機器の選定でつまずきます。
窓・壁等一体型太陽光の導入促進事業の要点まとめ
正式名:窓、壁等と一体となった太陽光発電設備の導入促進事業
だれが
- 申請者
- 民間企業、学校法人、医療法人、一般社団法人など
- 対象業種
- 指定なし(建築物に導入する法人・団体)
- 利用目的
- 建物の窓・壁と一体の太陽光発電設備の導入
- 対象地域
- 全国(実施:環境省/執行団体:環境技術普及促進協会)
- 従業員数
- 公募要領に規定なし
いくら
- 補助上限額
- 窓一体型5,000万円・壁等一体型3,000万円(合計で最大8,000万円)
- 補助率
- 窓一体型3/5・壁等一体型1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月28日〜2026年7月24日(一次・二次とも終了)
- 事業の完了
- 交付年度の翌年1月31日まで(検収と支払いを含む)
自社は対象になるか
次の項目をすべて満たす計画が対象です。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 7
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 屋根一体型のパネル
- ✕ ペロブスカイト太陽電池
- ✕ 取り外せるブラインド型
- ✕ 直近の決算が債務超過(原則)
窓一体型と壁等一体型は、設備の性能で分かれます。窓一体型は、断熱性能を表す熱貫流率がUg値1.9W/m²K以下かUw値3.5W/m²K以下で、透過率が50%以上のものです。建築物の窓に付けるものに限ります。これに当たらない建材型は壁等一体型です。庇(ひさし)は、窓一体型の条件を満たさなければ壁等に入ります。
発電容量の3kWは、太陽電池モジュールの定格出力の合計とパワーコンディショナ(太陽光の直流を交流に変える機器)の定格出力の合計が、どちらも3kW以上という意味です。複数の施設に付けるときは、所有者が同じなら総容量で見ます。ただし施設ごとに建築確認か検討書が要ります。
JC-STARは、IPA(情報処理推進機構)が運用するIoT機器のセキュリティ評価ラベルです。対象はIP通信機能を持つパワーコンディショナ、EMS(エネルギー管理システム)、制御装置などです。既設設備につなぐ場合、既設側の認証品への更新は必須ではありません。
申請者の範囲は、公募要領の2.6にあります。民間企業は、株式会社、合同会社、有限会社、信用金庫などを指します。個人事業主は、公募要領の申請者の一覧にも、交付規程の一覧にも入っていません。環境省の実施要領も、別の事業には個人事業主を挙げていますが、この事業には挙げていません。個人で検討する場合は、協会に問い合わせるのが確実です。債務超過の場合も、関連企業の事業継続確約書などを出せば応募できることがあり、事前の相談が必要です。
いくら補助されるか
補助額は、対象経費に補助率を掛けた額です。窓一体型は3/5で上限5,000万円、壁等一体型は1/2で上限3,000万円です。
- 窓一体型:対象経費5,000万円 × 3/5 = 3,000万円
- 窓一体型:対象経費1億円 × 3/5 = 6,000万円 → 上限の5,000万円
- 壁等一体型:対象経費4,000万円 × 1/2 = 2,000万円
- 壁等一体型:対象経費8,000万円 × 1/2 = 4,000万円 → 上限の3,000万円
上の金額は計算のための仮の数字です。窓と壁等の両方を入れるときは、区分ごとに計算して足します。上限は合計で8,000万円です。窓と壁等で共用するパワーコンディショナは、壁等として計上するので補助率は1/2になります。
補助金額に下限はありません。計算の起点は、総事業費から寄付金その他の収入を引いた額です。補助額の千円未満の端数は切り捨てます。消費税と地方消費税は、補助対象経費から外して計算します。免税事業者や簡易課税事業者などは、消費税を含めて計算できます。
応募時の見積金額をもとに、採択時に内示額が示されます。交付申請では、この内示額を超えられません。 採択後に経費が増えても、補助金は増えません。
何に使えるか
先に、対象にならない経費です。
- 既存設備の撤去費、残土や廃棄物の処理費
- 建物の費用、建物の躯体や基礎に関する工事費
- 蓄電池(本事業では補助対象設備ではありません)
- 気象計、日射計、モニターなどの普及啓発用機器
- 官公庁や電力会社への申請・届出の費用
- 本補助金への応募・申請手続きの費用
- 保守管理費、ランニングコスト、データ通信費、保証料
- 工事会社への振込手数料
- 浸水対策の嵩上げ費用や保険料
対象になるのは次の経費です。
- 窓ガラスや壁材と一体になった太陽電池モジュール
- 取付けの基礎(窓サッシ・窓枠を含む)、接続箱、パワーコンディショナ、配線
- EMS(エネルギー管理システム)
- 設置工事費、実施設計、工事監理
- 系統連系で電力会社から求められる逆潮流防止装置
- 発電設備専用のデータを測る計測器
自社の製品を使う場合は、利益を乗せず原価で計上します。
申請の流れ
- 応募する(事業者→協会。公募期間内に、正午必着で電子提出。応募は代表事業者自身が行い、代行は認められません)
- 採択の通知を受ける(協会→事業者。審査は締切の1〜1.5か月後、通知は約2か月後が目安)
- 交付申請を出す(事業者→協会。採択通知のあと。応募時の計画と同じ内容で出す)
- 交付決定を受ける(協会→事業者。申請から約1か月後。契約と発注は決定日以降)
- 工事をして、検収と支払いを終える(事業者・工事業者。交付年度の翌年1月31日まで)
- 完了実績報告書を出す(事業者→協会。完了後30日以内か、その年度の2月10日のいずれか早い日まで)
- 額の確定通知を受け、精算払請求書を出す(協会→事業者。支払いは3月31日までが目安)
完了後も、事業報告書の提出が3年間続きます。毎年度、過去1年のCO2削減効果などを翌年度の4月30日までに出します。
必要な書類
準備できた 0 / 17
応募申請書、実施計画書、経費内訳などは、協会が配る1つのExcelファイルにまとまっています。シートの追加や削除は禁止です。見積書は応募時に有効期限が切れていないもので、窓一体型と壁等一体型を区分ごとに取ります。法人登記の証明書は、発行後3か月以内のものです。共同事業者がいる場合は覚書、リースやPPA(事業者が設備を所有して電気を売る契約)の場合は契約関係の資料が加わります。再エネ特措法の説明会等の根拠資料は、必要でも不要でも出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約・発注した:決定日より前の契約や発注の経費は、補助対象になりません。見積り合わせなどの準備は決定前でも構いません。
- 1月31日までに終わらなかった:検収と支払いまでが事業の完了です。遅れが見込まれたら、すぐ協会に連絡します。
- CO2削減が目標から大きく外れた:目標に届かなければ原因の説明が要ります。大きく乖離すると返還を求められることがあります。
- 財産を承認なく処分した:処分制限期間の中で、補助目的に反して使う、譲る、貸す、壊すことは、協会の承認なしにはできません。承認時に返還が条件になることもあります。
- 環境価値を売った:処分制限期間が終わるまで、削減効果をカーボン・クレジットなどに登録できません。
今年度の変更点・併用・税金
前年度からの変更点は2つです。補助事業期間は単年度のみになり、複数年度の計画は応募できません。もう1つが、先に述べたJC-STARの必須化です。
国の他の補助金は、1事業につき1件しか受けられません。重複して申請はできますが、本事業が採択されたら、他の補助金は辞退します。自治体の補助金は、自治体側の制度が併用を認めていれば併用できます。その場合、自治体の補助金は収入として差し引かれます。
補助金には圧縮記帳の特例があります。使うときは、税理士に相談してください。
よくある質問
屋根に載せる太陽光パネルは対象になりますか?
対象外です。屋根一体型のパネルはQ&Aで本事業の対象ではないと明記されています。屋根に付ける場合は、ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業を検討するよう案内されています。窓や壁、庇、手すり、フェンスのように、窓や壁として単独で成り立つ建材と一体になっている設備が対象です。
蓄電池も補助されますか?
蓄電池は補助対象設備ではありません。ただし停電時に電気を送れる構成が要件のため、自立運転機能付きのパワーコンディショナを入れるか、補助対象外で蓄電池や非常用発電設備を併設する方法が示されています。蓄電池を併設する場合は、見積書や経費区分集計表で、補助対象の経費と切り分けて示します。
個人事業主でも応募できますか?
申請者の範囲は、民間企業、独立行政法人、学校法人、社会福祉法人、医療法人、協同組合、一般社団法人などです。民間企業は株式会社、合同会社などを指します。個人事業主は、公募要領と交付規程の一覧に入っていません。環境省の実施要領も、この事業の申請者には個人事業主を挙げていません。一覧には「環境大臣の承認を得て協会が認める者」もあるため、個人で応募を考えるときは、協会のお問合せフォームで確かめてください。電話での質問は受け付けていません。
契約や発注はいつ行えばよいですか?
交付決定日以降です。決定前に契約、発注、発注請書を交わした経費は補助対象になりません。業者の選定や見積り合わせは、決定前に進めて構いません。発注先は競争入札か3者以上の見積り合わせで決めます。随意契約は、社内規程で決まっているだけでは理由として認められません。
ペロブスカイト太陽電池は使えますか?
対象外です。Q&Aは、安全性に関する認証規格が国内でまだ決まっていないため、本事業では対象外としています。ペロブスカイト太陽電池の導入を考える場合は、別のペロブスカイト太陽電池の社会実装モデルの創出に向けた導入支援事業を確認するよう案内されています。既製品のモジュールを施工時に壁材と一体化する屋外設置の方法も、対象外です。
JC-STARのラベルがない機器は使えますか?
二次公募から、IP通信機能を持つ機器は、JC-STAR★1以上のラベル取得品でなければ認められません。対象は、パワーコンディショナ、EMS、制御装置など、IP通信機能を持つ補助対象設備です。ラベル取得品かどうかは、IPAの適合ラベル取得製品リストで調べます。IP通信機能のない機器は対象外です。
他の補助金と併用できますか?
国の補助金は、1つの事業につき1件だけ受けられます。重複申請はできますが、本事業が採択されたら他は辞退します。地方公共団体の補助金は、その制度が国の補助金との併用を認める仕組みなら併用できます。申請のときに、自治体の補助金の交付要綱を提出します。自治体の補助額は収入として差し引かれるのが原則です。
補助金に消費税は含まれますか?
消費税と地方消費税は、補助対象経費から外して補助額を計算します。免税事業者、簡易課税事業者、消費税の納税義務者にならない事業者などは、消費税を含めて計算できます。該当するかは、応募書類の消費税仕入税額控除のチェックリストで確かめます。事業の完了後に仕入控除税額が確定したら、報告も必要です。
窓と壁の両方に設置すると、上限はいくらですか?
区分ごとに補助率と上限を当てはめ、合計を交付額とします。窓一体型の上限は5,000万円、壁等一体型は3,000万円なので、両方を1事業で入れる場合の最大は8,000万円です。窓と壁等で共用する設備は、壁等として扱います。窓一体型は、断熱性能と透過率の基準を満たす必要があります。
今後も公募はありますか?
協会のページには、令和8年度の一次公募と二次公募の記録だけが載っています。次回の公募についての告知は、確認できませんでした。環境省の概要資料では、この事業の実施期間が令和6年度から令和11年度とされています。公募の有無や条件は年度ごとに変わるため、協会のページで確かめてください。
採択されなかった場合、再応募はできますか?
結果ページは、一次公募も二次公募も、採択する事業がなかったと知らせています。再応募についての決まりは、公募要領にもQ&Aにも見当たりません。次の公募があれば、公募要領に従って改めて応募する形になります。審査結果への意見や問い合わせには対応しないと、公募要領に書かれています。
事業が終わったあとにやることはありますか?
あります。補助金で取得した設備には、環境省の補助事業で取得した財産であることを表示します。処分制限期間が終わるまでは、承認なしに処分できず、適切に稼働させる必要があります。完了後は3年間、事業報告書を毎年度提出します。帳簿と証拠書類は、完了年度の終了後5年間などの保存が必要です。
