見積書を開くと、合計は税抜き480万円。もう少しで500万円なのに、あと20万円が足りない。この補助金では、その差が「対象か、対象外か」を分けます。
宮崎県の「ものづくり企業物価高騰対策設備等改修支援事業補助金」は、県内の製造業が省エネ設備や生産ラインの自動化に使う制度です。補助率は2分の1以内、上限は1,500万円。ただし対象経費の合計が500万円以上の事業に限られます。令和8年度の二次募集は、令和8年8月27日午後5時必着で受付を終えました。
宮崎県ものづくり企業物価高騰対策補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度ものづくり企業物価高騰対策設備等改修支援事業補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人)
- 対象業種
- 製造業(日本標準産業分類の大分類E)
- 利用目的
- 省エネ・省コスト化の設備改修、生産ラインの自動化、事業の新展開に向けた設備改善
- 対象地域
- 宮崎県内に事務所または事業所がある事業者
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 1,500万円(対象経費500万円以上の事業が条件)
- 補助率
- 2分の1以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年度二次募集は令和8年8月27日午後5時必着で終了
- 事業の完了
- 令和9年2月28日まで
受付が終わったあと、何を見ておくか
公式ページの題名には「募集終了」と付いています。同じ県のページの一覧には、令和6年度分の受付停止の案内や、過去の募集の案内が並んでいます。この事業が年度ごとに形を変えながら繰り返されてきたことが分かりますが、次の募集の有無と時期は、公式ページには出ていません。
次に募集が出たときに動けるよう、条件と書類を先に押さえておく読み方ができます。以下は令和8年度の二次募集の内容にもとづきます。
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みでした。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外でした。
- ✕ 令和8年度に交付決定を受けた
- ✕ 経費が合計500万円に届かない
- ✕ 同じ経費で他の公的補助を受ける
法人の種類は、会社法の会社(旧有限会社を含む)か、中小企業等経営強化法の第2条第1項第6号から第8号に当たる法人です。後者に当たる組合などは、交付要綱に定める組合員名簿の提出が要ります。資本金や従業員数による区切りは、公式ページに書かれていません。
「国・県・市町村の他の補助金を受けていない事業」という条件もあります。同じ設備に、別の補助金を重ねて使うことは想定されていません。申込者が「パートナーシップ構築宣言」(取引先との適正な関係づくりを宣言する仕組み)をしていれば、審査で加点されます。
いくら戻ってくる?
補助率は2分の1以内で、上限は1,500万円。補助金額の千円未満は切り捨てです。上限に届くのは、対象経費が3,000万円のときです。
- 食品工場が包装ラインを自動化:対象経費900万円 × 1/2 = 450万円
- 金属加工の工場が省エネ型の機械に入れ替え:対象経費500万円 × 1/2 = 250万円(下限ちょうど)
- 樹脂成形の工場が成形機とロボットを導入:対象経費4,000万円 × 1/2 = 2,000万円 → 上限の1,500万円
金額は計算のための例です。消費税と地方消費税は対象外なので、500万円に届くかは、税抜きの見積で数えます。また、交付決定額は補助の限度額で、支払額の確約ではありません。事業が終わったあとの実績報告にもとづいて、交付額が確定します。
何に使える?
先に、対象にならないものです。
- 生産に直接関係のない施設の改修(照明のLED化、太陽光パネルの設置など)
- 設備の設置と直接関係のない工事
- 土地の取得、造成、建屋の建設
- 消費税・地方消費税
- 振込手数料(取引先が負担して取引価格に含まれる場合を除く)
対象になる事業は、次の4つです。
- 省エネ・省コスト化につながる設備改修
- 生産ラインの自動化など、生産プロセスの改善
- 将来を見据えた、事業の新展開に向けた設備改善
- 上の3つを進めるためのコンサルティング
付帯工事と、設備を動かすために必要なシステム構築の経費は、対象経費に含まれます。事業期間内に改修や設置が終わることも条件です。
申請の流れは?
令和8年度二次募集の手順です。
- 見積書を2者以上から取る(事業者→設備の販売・施工業者。1件10万円未満なら1者でも可)
- 書類をそろえて、企業振興課へ送る(事業者→宮崎県庁8号館4階。郵送か持参で、期限は8月27日午後5時必着)
- 審査の結果と交付決定を待つ(県→事業者。9月中旬を目途に補助事業者を選定。この日より前の発注は対象外)
- 交付決定の日以降に着手し、令和9年2月28日までに事業を終える(事業者)
- 実績報告を出す(事業者→企業振興課。完了日から30日後か、交付決定年度の3月8日のいずれか早い日まで)
- 県の実地確認を受け、補助額が確定する(県→事業者)
そのあとも、事業完了の翌会計年度の終了後に、付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)や設備の使用状況を書いた事業実施成果報告書を出します。
必要な書類
準備できた 0 / 10
納税証明書と登記の証明書は、どちらも交付申請日から3か月以内のものです(写しも可)。納税証明書は、個人県民税と地方消費税を除く県税に未納がないことを示すもので、事業所の所在地の県税・総務事務所で取ります。会社概要の資料は、パンフレットや定款です。第2条の組合などに当たる場合は、このほかに組合員名簿が要ります。書類が過不足なくそろった時点が、受付日です。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:交付決定日の前に発注した経費は対象外です。見積を取る段階では契約や発注をしません。
- 証拠書類がそろわない:見積から発注、納品、支払いまでの書類を、1件ごとに残します。確定検査で確認できない経費は対象外になります。
- 見積を1者しか取らなかった:1件の発注ごとに、競争入札か複数者の見積が要ります。1件10万円未満なら1者でも構いません。
- 期間内に終わらなかった:令和9年2月28日までに完了しない事業には、補助金を交付できません。
- LED化や太陽光が中心だった:生産に直接関係のない施設の改修は対象外です。工場の照明のLED化や太陽光パネルの設置も、ここに入ります。
- 審査で減額・不採択になった:応募の数や計画の内容によっては、減額または不採択になります。
よくある質問
募集は終わっていますか?
令和8年度の二次募集は、令和8年8月27日午後5時必着で終了しました。県の公式ページの題名にも「募集終了」と付いています。次の募集があるかどうかは、公式ページには出ていません。県サイトには過去の年度の募集や受付停止の案内が並んでいるため、年度ごとに内容が変わりうる制度です。再開の見込みは、企業振興課(0985-26-7095)に確かめられます。
対象経費が500万円に届かない場合はどうなりますか?
対象になりません。対象経費の合計が500万円以上の事業に限られています。複数の改修を1つの事業計画にまとめて合計500万円を超えるなら、対象になる可能性があります。ただし、事業の内容が4つの対象事業のいずれかに当たることと、事業期間内にすべてが終わることが条件です。消費税は対象外のため、税抜きの見積で数えます。
工場の照明をLEDにするのは対象ですか?
対象外です。募集要領は、生産に直接関係のない施設の改修を対象外とし、例として照明のLED化と太陽光パネルの設置を挙げています。一方、省エネにつながる生産設備の入れ替えや、生産ラインの自動化は対象です。事業の中にLED化が混ざる場合は、その分の経費は対象経費から外して、残りで500万円に届くかを数えます。判断に迷う設備は、申込みの前に企業振興課へ。
建物の工事や土地の取得は対象になりますか?
対象になりません。土地の取得、造成、建屋の建設に係る経費は、対象外とされています。設備の設置と直接関係のない工事も同じです。一方で、設備の設置に伴う付帯工事や、設備を動かすために必要なシステム構築の経費は、対象経費に含まれます。工事の見積書は、設備の設置に直接かかる部分と、そうでない部分を分けて出してもらうと、対象経費を整理しやすくなります。
他の補助金と併用できますか?
同じ事業では併用できません。対象となる事業は、国・県・市町村の他の補助金を受けていないものに限られています。国のものづくり補助金などを同じ設備に使う場合は、どちらか一方になります。別の設備に別の補助金を使う場合の扱いは、公式ページには書かれていません。申込みの前に、企業振興課に確かめておくと安全です。
見積書は何者から取ればよいですか?
1件の発注ごとに、競争入札をするか、複数の業者から見積書を取ります。申請書に付ける見積書も同じです。1件が税込10万円未満なら1者の見積書でも構いません。発注の性質上、複数者から取るのが難しいときは、その理由を書いた書類(様式は任意)を、事業計画書や事業実績書に付けます。交付決定後に金額が変わらなければ、取り直しは要りません。
事業はいつまでに終えればよいですか?
令和8年度二次募集では、交付決定の日以降に着手して、令和9年2月28日までに完了する事業が対象でした。その期間に完了しなければ補助金は交付されません。完了後は、完了日から30日後か、交付決定のあった年度の3月8日のいずれか早い日までに実績報告を出します。設備の納期が長い場合は、見積の段階で納品の時期を確かめます。
交付決定額と同じ金額が振り込まれますか?
同じとは限りません。交付決定額は補助の限度額で、支払額を約束するものではありません。事業が終わったあとの実績報告にもとづいて、交付額が計算されます。実際の支出が見積より少なければ、補助額もそれに応じて下がります。また、書類が足りず確認できない経費は対象外になり、補助額も減ります。支出の証拠書類は、1件ごとに整理しておきます。
事業の後に報告することはありますか?
あります。事業が終わった翌会計年度の終了後に、事業実施成果報告書を出します。付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)の実績、導入した機器の使用状況、事業の効果などを書きます。そのあとも、必要に応じて県が状況を確認することがあり、その際は協力を求められます。帳簿と証拠書類の原本は、事業完了年度の終了後5年間、保存します。
取得した設備を売却したり、転用したりできますか?
自由にはできません。補助金で取得した財産のうち、1件の取得価格が50万円以上のものは、減価償却資産の耐用年数に相当する期間、処分が制限されます。売却や転用をするには、知事の承認が要ります。承認を受けて収入があったときは、その全部または一部を県に納めることがあります。補助事業が終わったあとも、善良な管理者として適切に管理し、有効に使うことが求められます。
問い合わせ先はどこですか?
宮崎県商工観光労働部企業振興課の食品・工業・情報産業担当です。電話は0985-26-7095、メールはkigyoshinko@pref.miyazaki.lg.jp。対象の事業に当たるか、経費の分け方、次の募集の見込みなどで迷ったときは、申込みの準備に入る前に聞いておくと、書類の出し直しが減らせます。
