「うちの地域は光回線が来ていない」——条件不利地域の事業者や住民から、こういう声を聞くことがあります。この声を受けて自治体が整備に動くとき、費用の一部を国が肩代わりする仕組みがあります。それが総務省の「高度無線環境整備推進事業」です。令和3年度当初予算の公募は2021年2月5日正午で受付を終了しており、今から申請することはできません。
まず押さえておきたいのは、この補助金を直接申請できるのは事業者個人ではないという点です。対象は地方公共団体・第三セクター法人・電気通信事業者で、条件不利地域に光ファイバ等の伝送路設備を整備する場合や、既存設備を維持管理する場合の費用の一部が補助されます。補助率は整備主体と地域区分によって1/3〜2/3の幅があり、交付決定単位ごとに100万円が下限とされていました。
高度無線環境整備推進事業(令和3年度当初予算)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(地方公共団体・第三セクター法人・電気通信事業者) |
| 制度名 | 無線システム普及支援事業費等補助金(高度無線環境整備推進事業 令和3年度当初予算) |
| 対象業種 | 情報通信業(電気通信事業者・地方公共団体・第三セクター法人) |
| 利用目的 | 設備投資・DX・IT導入(条件不利地域の光ファイバ整備) |
| 対象地域 | 全国(条件不利地域) |
| 従業員数 | 規定なし(法人・地方公共団体が申請) |
| 補助上限額 | 金額上限の定めなし。交付決定単位ごとに100万円が下限 |
| 補助率 | 1/3〜2/3(伝送用専用線設備整備助成事業は1/3以内・離島1/2以内。伝送用専用線設備整備事業は都道府県・市町村2/3〜1/3、第三セクター法人1/3〜1/2) |
| 申請受付 | 2021年1月15日〜2021年2月5日正午(受付終了) |
| 公式サイト | 総務省「ブロードバンド基盤の整備」 |

個人事業主が直接使える補助金ではない
タイトルだけを見て「うちの店にも光回線を引くのに使えるのでは」と考える事業者もいますが、この補助金の直接の申請者は地方公共団体・第三セクター法人・電気通信事業者に限られます。個人事業主や一般の民間企業が単独で申請することはできません。
もし自分の事業所エリアに光ファイバが来ていない場合、取るべき行動は「自分で申請する」ことではなく、地元の自治体や商工会に整備の要望を伝えることです。自治体が事業者として申請し、通信事業者が実際の整備を担う、という流れになります。
補助率は「誰が整備するか」で変わる
補助率は一律ではなく、整備主体によって次のように分かれていました。
- 伝送用専用線設備整備助成事業(電気通信事業者が整備): 補助率1/3以内(離島は1/2以内)
- 伝送用専用線設備整備事業(都道府県・市町村が整備): 2/3〜1/3
- 第三セクター法人が整備する場合: 1/3〜1/2
同じ「光ファイバ整備」でも、実施主体が変われば補助率の水準が変わる設計です。詳細な区分は交付要綱の別表に定められており、この記事の数字は概要にとどまります。
次回公募はどうなるか
高度無線環境整備推進事業は、令和3年度以降も毎年度予算が組まれ、公募が継続している事業です。条件不利地域の光ファイバ整備というニーズ自体がなくなっていないため、翌年度以降も同種の公募が実施される可能性が高い制度といえます。
自治体側の担当者は、総務省の報道資料ページで最新の公募スケジュールを確認するという手があります。整備を希望する事業者・住民側は、直接申請するのではなく、自治体・電気通信事業者に働きかける形で関わることになります。
よくある質問
今から申請できますか?
できません。令和3年度当初予算の公募は2021年2月5日正午で受付を終了しています。総務省の高度無線環境整備推進事業自体は継続しているため、最新年度の公募状況を確認する必要があります。
個人事業主や一般企業でも申請できますか?
できません。申請者は地方公共団体・第三セクター法人・電気通信事業者に限られます。個人や一般の民間企業が光ファイバ整備の恩恵を受けたい場合は、自治体や通信事業者への要望という形で関わることになります。
補助上限額はいくらですか?
金額の上限は定められていません。ただし交付決定単位ごとに100万円が下限とされており、小規模な整備は対象になりにくい設計です。補助率は整備主体と地域区分によって1/3〜2/3の幅があります。
