親会社が大企業の子会社は、この補助金の対象になるのか——実は、なりません。長崎県「中小企業等海外展開支援事業費補助金(海外出願支援事業)」は、みなし大企業(大企業が株式の一定割合を持つ等で、中小企業でも対象外になる会社)を除外する条件が付いています。令和6年度の募集(2024年7月1日〜26日)はすでに終了しています。
この記事では制度の内容を記録として整理し、次回募集に備えて何を準備すべきかをまとめます。
長崎県海外出願支援事業補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主)・グループも可 |
| 制度名 | 中小企業等海外展開支援事業費補助金(海外出願支援事業) |
| 対象業種 | 業種指定なし(県内中小企業者) |
| 利用目的 | 販路開拓・展示会(知的財産の海外展開) |
| 対象地域 | 長崎県内 |
| 従業員数 | 300名以下が目安(みなし大企業は除外) |
| 補助上限額 | 1企業あたり300万円(特許150万円・実用新案/意匠/商標各60万円・冒認対策商標30万円) |
| 補助率 | 補助対象経費の2分の1 |
| 申請受付 | 令和6年度は終了(7月1日〜26日17時) |
| 公式サイト | 一般社団法人長崎県発明協会「中小企業等海外展開支援事業費補助金」 |

なぜ「みなし大企業」が除外されるのか
この補助金は中小企業の海外展開を後押しする趣旨のため、従業員数だけを見て中小企業だと判断すると、思わぬ落とし穴があります。 従業員数が300名以下でも、大企業が株式の過半数を持つなど資本関係が大企業に近い会社は「みなし大企業」として対象から外れます。
これは、制度が本当に支援を必要とする独立系の中小企業に予算を届けるための仕組みです。グループ会社・子会社の立場で申請を検討している場合は、資本構成を先に確認しておく必要があります。
対象になるもの・ならないものの線引き
| 対象になる | 対象にならない |
|---|---|
| 独立系の中小企業者、または中小企業者で構成されるグループ | みなし大企業(大企業の出資比率が高い子会社等) |
| 日本国内で出願済みの案件と同一内容の外国出願 | 国内出願なしでいきなり行う海外出願 |
| 特許・実用新案・意匠・商標の外国出願費用 | 交付決定前に発注した代理人費用・翻訳費用 |
従業員数の基準を満たしていても、資本関係次第では「みなし大企業」として対象外になる点は、他の海外出願支援事業(鹿児島県・高知県・宮崎県等)と共通する重要な線引きです。
よく誤解されるポイント
「従業員300名以下なら中小企業」という単純な理解は危険です。 中小企業基本法上の中小企業者の定義では、業種ごとに資本金と従業員数の基準(どちらか一方を満たせばよい)が決まっていますが、それとは別に「みなし大企業」の除外規定があり、資本関係も審査されます。
また、この制度は各都道府県で似た枠組み(上限300万円・補助率1/2)が実施されています。長崎県内に事業所がある場合は長崎県発明協会が窓口であり、他の都道府県の窓口に出しても対象になりません。
次回募集に備えて準備すること
- 自社の資本構成を確認し、みなし大企業に該当しないか確認する
- 国内での特許・商標出願を先に済ませておく
- 現地代理人・翻訳会社から見積もりを取得しておく
よくある質問
みなし大企業の判定基準はどこで確認できますか?
中小企業基本法にもとづく判定基準があり、資本金の出資比率や役員構成などが審査されます。詳細は長崎県発明協会に個別確認することをおすすめします。
グループで申請する場合の要件は何ですか?
中小企業者で構成されるグループも対象とされています。詳細な構成要件は募集要項での確認が必要です。
令和7年度以降の募集はありますか?
本制度は毎年度実施される見込みです。最新情報は長崎県発明協会または長崎県の公式ページで確認してください。
